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えだブログ

2020
Jul
09

中学生の自分からのエール:夢を喰う山男のおはなし

2020年07月09日
むかしむかし、村へ下りてきては、夢を喰う山男がおった。
 百万長者になった夢を喰われた男もおったし、
 自分のやりたいと願ってきた夢を喰われて、ポカンとしている女もおった。
 しかし、その山男ときたら、図体はでっけえくせに、すばしっこくて、人の大事にしておる夢ばかり、気づかれないよう盗み取って、喰うのが好きだった。
 村の衆はどうしようもなく、手を焼いておった。
 ある日、山男は、村の娘の夢を喰ってやろうと思った。
 娘は、川っぷちの岩に腰掛けて、足をぶらぶらさせながら、
 一生懸命、自分の夢を考えておる。
 山男は、気づかれないように、そっと娘の後ろへ回ると、
 さっそく娘の夢を喰い始めた。
  むしゃ、むしゃ、むしゃ、むしゃ
 が、しかしだ、娘の夢は一向に減らんのじゃ。
 山男は少しとまどって、喰うのをやめた。
 これはどうしたことか、と考えている間にも、娘の夢はふくらんでゆく。
 山男は、あわてて、また喰い始めた。
  むしゃ、むしゃ、むしゃ、むしゃ
 すると、どうだろう。
 少しずつ、山男のからだがふくらんできた。
 しかし、山男は、必死になって喰いつづける。
  むしゃ、むしゃ、むしゃ、むしゃ
 とうとう、山男のからだは、ぱんぱんになってしもうた。
 その時、ふっと、娘が振り向いたのじゃ。
 山男は、ぱんぱんにふくらんだからだを隠すことができなかった。
 あわてた山男は、これまで喰った夢を全部、ふーっとはき出すと、山にかけのぼってしもうた。
 それ以来、山男はこりて、村に下りることはなくなったそうじゃ。
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これは私が中学生の頃に書きためていた詩や作文のノートから20年前に引っ張り出してきたものです。
こういうときだからこそ、いっぱいいっぱい夢を描きたい!と思っています~!
 

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