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えだブログ

2012
Mar
10

フェイスブックより

2012年03月10日

むかしむかし、村へ下りてきては、夢を喰う山男がおった。
百万長者になった夢を喰われた男もおったし、
自分のやりたいと願ってきた夢を喰われて、ポカンとしている女もおった。

しかし、その山男ときたら、図体はでっけえくせに、すばしっこくて、
人の大事にしておる夢ばかり、気づかれないよう盗み取って、喰うのが好きだった。
村の衆はどうしようもなく、手を焼いておった。

ある日、山男は、村の娘の夢を喰ってやろうと思った。
娘は、川っぷちの岩に腰掛けて、足をぶらぶらさせながら、
一生懸命、自分の夢を考えておる。

山男は、気づかれないように、そっと娘の後ろへ回ると、
さっそく娘の夢を喰い始めた。
むしゃ、むしゃ、むしゃ、むしゃ

が、しかしだ、娘の夢は一向に減らんのじゃ。
山男は少しとまどって、喰うのをやめた。

これはどうしたことか、と考えている間にも、娘の夢はふくらんでゆく。
山男は、あわてて、また喰い始めた。
むしゃ、むしゃ、むしゃ、むしゃ

すると、どうだろう。
少しずつ、山男のからだがふくらんできた。
しかし、山男は、必死になって喰いつづける。
むしゃ、むしゃ、むしゃ、むしゃ

とうとう、山男のからだは、ぱんぱんになってしもうた。
その時、ふっと、娘が振り向いたのじゃ。

山男は、ぱんぱんにふくらんだからだを隠すことができなかった。
あわてた山男は、これまで喰った夢を全部、ふーっとはき出すと、
山にかけのぼってしもうた。

それ以来、山男はこりて、村に下りることはなくなったそうじゃ。

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中学生時代に詩を書いていたノートから。この娘、どっかのだれかみたいだなー。(^^;

 

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