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えだブログ

2009
Nov
29

ゴアさん、終わりました

2009年11月29日

昨日の18時に、最後の再校での修正箇所を連絡して、ゴアさんとの熱い熱い2ヵ月と7日が終わった。いま、一緒に走ってくれた仲間にお礼メールを出したところ。

なにせ短期決戦だったので、本当ならもっと時間をかけてやりたいところも目をつぶらざるを得ないという制約の中、できるだけがんばったつもりである。刊行は12月中旬すぎ、かな。お楽しみにー。

私はだいたい月に300〜320時間ぐらい仕事しているのだけど、10月は海オフィにこもっていた日が多かったせいもあり、350時間を超えたもんなー。外での仕事や他のプロジェクトも並行しながら、2ヵ月ちょっとで何とか終えられたのは、一緒にやってくれた仲間や、温かく支えてくれたみんなのおかげ。ありがたいことである。

この1週間も、ゴアさんを仕上げつつも、なかなか盛りだくさんであった。

22日、水俣市での講演後、控え室にこもらせてもらって校正を進める。夜は、地元学の吉本哲郎さんの集中コースの夜なべ談義の部に参加させてもらう。吉本さんには今年の3月、水俣にお邪魔した際にお会いして、また会いたいな、と思っていたので、うれしかった。

3月には大人しくしていたのだけど、今回は吉本さんのお薦めの「焼酎の紅茶割り」をいただきながら、すっかり地を出したので、吉本さんが「この人、変わっているから、つきあった方がいいよ」と他のメンバーに薦めてくれていた。吉本さんに変わっているって言われた日にゃ、、、って気がするけど。(^^;

みんながわいがやしゃべっている間に、吉本さんが突然小さな声で「小さいとき、いじめられたこと、あるんか?」と聞いてきたので、ちょっとびっくり。そんな話は全然していなかったので。「うん、小学校5〜6年の時、いじめられっ子だった」と言ったら、「やっぱりそうか」。二人で話したのはそれだけだったけど、なぜ吉本さんが徹底的に地元の人のまなざしで地元学を編み出し、実践しているのか、感じるものがあった。

そのあと、みんなも一緒に、「地元学とカウンセリングは同じか、違うか?」みたいな話もして、面白かった。また、焼酎の紅茶割りを飲みに行こう。(私はふだんは焼酎はほとんど飲まないのだけど、水俣では別である。紅茶割りはとてもおいしい。^^;)

23日:マイ誕生日。朝から水俣の旅館の露天風呂で空と山を見ながらくつろぎ、空港へ。機内では校正のつづき。羽田空港では、ランダムハウス講談社の編集者オオモリサンが迎えてくれた。誕生日に、空港で迎えてくれる人がいるって、何となくうれしいものである。渡してもらったものが、大きな花束じゃなくて、大きな校正ゲラの包みだったとしても。

オオモリサンも大変なスケジュールと調整の中、本当に偉いなーと思うのは、パニックになったり怒鳴ったりしないで、飄々と進めていくこと(話を聞いていると、怒鳴りたくなることもあるだろうなーと思うぐらい大変そう)。空港のエレベータそばで立ち話で打ち合わせをし、私は校正をしながら海オフィへ。

24日:1日校正。

25日:午前中、経団連の研究所である、21世紀政策研究所のシンポジウムのパネルに登壇。会場は経団連の傘下の企業の方々で満席だ。いつもは、産業界の方々が登壇するとのことだが、今回は澤さんのお声掛け。みなさんは「市民活動家」の話をどう聞いてくれるかな、と思ったが、事務局から「幅と厚みが増してよかった」と言ってもらえてほっとする。「市民活動家はコワクない」「経済界とそれほど距離があるわけでもない」と思ってもらえたようで、よかった。(^^;

コーディネータの澤さんが「環境問題って、倫理観だけで話す人と、経済的な視点だけで話す人とに分かれがち。その間のところで話をしたい。エダヒロサンはそういう人なので」今回声を掛けた、と位置づけてくれて、うれしいなと思った。そして、これまで(こちらから見ると)抵抗勢力一辺倒だった澤さんが、新しい提案を出されたこともとてもよかったと思う。応援してますからぜひ進めて下さい〜。

午後は取材が2つと、打ち合わせが2件。そのあと、「企業のためのやさしくわかる「生物多様性」」の内部の打ち上げ。

この本は、今年の初めに企画を始め、出版社に持ち込んで検討・採用してもらい、春から夏にかけて、私はドネラさんの翻訳とリサージェンスの翻訳が重なっていたこともあって、チームのオダサンとコジマサンにかなりの負担をかけてしまったけど、二人のがんばりで、よい本になってよかった。読んでくれた企業の担当者からも、「すごくいい」「特にシステム思考での解説がわかりやすい」「あちこちで薦めてます」と言ってもらって、うれしいなーと思っている。そんな話をしながらの打ち上げはよいなあ。

26日:ゴアさんの校正がずれ込んで、この日が最終日のはずだったので、予定をいろいろ変更してもらって、オフィスにこもって校正。でも、印刷所から校正の残りが出てこない。。。

夕方は、インターFMの収録へ(オンエアは12月12日)。そのあと、だいぶまえに予定が決まっていた、大学1年の時のクラスの同窓会へ。40人のクラスだったのだけど、10人が集まり、海外赴任中の人から電話が入ったりして、懐かしいひとときだった。みんなで「変わってないねー!」と口々に言い合ったけど、きっとみんな同じぐらいずつ変わっているからそう思うんだろうね。

個人的にはゴアさんの打ち上げも兼ねるはずだったのだけど、終わっていないのでそうもいかず、同窓会の途中に、バイク便が校正を取りに来て、残りの校正を渡してくれた。あ、オオモリサンからのチョコレートのプレゼントも入っている。オオモリサンは、ゴアさんと並行して、チョコレートの本も作っているのだ。

私たちのクラスは、大学1年の駒場祭で、「シラノ・ド・ベルジュラック」の劇をした。きらびやかな衣装を身につけた写真も残っている。私はロクサーヌというヒロイン役だったのだけど、ヒーローのシラノ役の男子(って、今は霞ヶ関の官僚で、「仕分けられてるー」と叫んでいたが)は、今でも私のことを「姫」とか「お姫さん」って呼んでくれる。「ロクサーヌ姫へ」という誕生日カードとプレゼントを最後にこっそり渡してくれた。彼は私が90才になっても「姫」って呼んでくれると思う。うれしいことである。(^^;

27日:1日企業研修。休憩時間に、〆切間近の原稿を進める。今回は難しいテーマにチャレンジしたので、頭を抱える。手伝ってくれるはずの人もつかまらない……。そこに、颯爽とKスーパーマンが現れたのだった。これまで何度も、私が頭を抱えると(特に数字とかデータとか、高度に専門的な議論とか)24時間体制のように、いつでも辛抱強くわかりやすく手を差し伸べてくれる方である。ただ、異動されちゃったので、しばらくは無理かと思っていた。。。でも、窮状を見かねて?登場してくれて、いつものように辛抱強くわかりやすく教えてくれたのだった。とっても素人な質問をたくさんしたのだけど、どれもわかりやすく解説してくれて、すごく勉強になった&原稿が完成した〜! Kスーパーマン、ありがとう〜!

つくづく、自分は幸せだなーと思う。こういうときはKスーパーマンがいてくれるし、別の課題には別のスーパーマンがいてくれる。私の周りにはスーパーマンやスーパーウーマンがいっぱいいてくれるのだ。これ以上の幸せってないよね?

研修後、建物を出ると、ふたたびバイク便クンが待っていて、最後の校正紙を渡してくれた。これで本当の最後である。でも、今日は頭がもう動かない〜。

急に猛烈にタンシチューが食べたくなったので、オフィスに戻ったあと、オダサンを誘って夕食へ。「ゴアさんの翻訳が全部終わったらね、」とやりたいと思っているプロジェクトの話をする。大きなプロジェクトが終わりに近づくと、それまで抑えていた「やりたいこと」が噴出しそうになるのである。ひとしきり話して満足する。ただ、タンシチューは別のお店を探さなくちゃ。(^^;

そして、昨日。午前中に颯爽と終えて、午後から別の仕事をするつもりだったけど、〆切が夕方であることを知っていると、終わりは夕方になる、という法則(ループ図も描けるよ)に従ってしまい、結局、夕方ぎりぎりまでかかって、終了〜! 夜、親戚との夕食会で、心おきなくカンパイ。

というわけで、「この翻訳が終わったらやりたい・やらなくちゃいけないコト」の長〜いリストができちゃっている今朝の私である。まずは机の上を片づけなくちゃ〜。(^^;

 

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