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えだブログ

2004
Nov
22

やっと一息

2004年11月22日

 金曜日は高知だった。中学2年生に60分話をする。難しいなあ、と思った。

 私の想定や準備のミスもあったのだが、そもそも「言われたから来たけど、話を聞くことには別に興味がない」人たちに何をどう伝えたらよいのか? 伝えることはできるのか? これまで「少なくともある程度は関心がある人々」を主に対象に話をしてきた私にとっては、新しい経験であった。

 そのなかでも一生懸命聞いてくれていた生徒たちに、ひとつでもふたつでも残るものがあったら、と切に願う。

 飛行機まで時間があったので、県の方が、たぶん気遣ってくださって、海を見に桂浜に連れて行って下さった。初めて行ったのだけど、坂本龍馬記念館というのが海を見晴らす高台に建っていて、そこの屋上からの眺めがよいから、と。

 本当に素敵だった。朝は雨だったのに、晴れ渡った空と海の色。水平線が丸い。山かげが重なり、墨絵みたいな背景。岩にぶつかる波。船。


VFMI0026.JPG

 時間ぎりぎりまで、屋上の鉄柵にもたれて海を見ていた。やっぱり海はいいなあ。

 「今度はお弁当を持って、5時間ぐらいここにいたい~」と言ったら、笑っていらした。ずっと一人にしておいてくれた方に感謝しつつ、入場料払ってもらったのに、館内はほとんど見ずに申し訳なく思いつつ、空港へ。

 空港のロビーで、それはそれは見事な夕日が落ちるのを見守る。最後の瞬間、本当にストンって落ちるんだよねえ。そして、夕日にはやっぱり生ビールだよねえ、と。別に自分に言い訳することもないのだが。機中では熟睡。

 かくして、羽田空港から自宅まで、混んだ電車4つの乗り継ぎはつらかった。「あいのりタクシーがあれば」とぶつぶつ言う私に、ハムスターのプチが(久しぶりに登場!)、「東京都区内はやってるんでしょ? 家の近くの東京都区内まで運んでもらえば?」と同情のアドバイス。そっか~、その手があったか! 駅で4つぐらいのところまでは来てくれるのだ。ここまで来れば混んでいないし、乗り換えもないし、ラクである。

 土曜日は夕方富山入り。地元の人に教えてもらった「安くておいしい居酒屋」で宴会。日曜日のシンポジウムは午後からだったので、ホテルでの7時間ほど、とても翻訳がはかどった。やっぱり旅先がいちばん仕事になるなあ。。。自分でも予想外の17ページも進み、うれしくなる。

 シンポジウムは水に関する環境活動をしている子どもたちの発表。自分も含め、大人にモノ申したくなる。「大人の人にも考えてもらいたいです」と言われ、つい「大人も、元は子供だったんだけどねえ……」と私。

 「でも忙しいとかで、自分が子供だったことも忘れてしまう大人も多いの。だから、あきらめないで、こうやってどんどん大人に伝えてね。言われて、ああ、そうだった、と思う大人もいるから」。ほとんど次世代へのエール状態であった。じーっとその私の目を見つめて話を聞いてくれた子供たちのまなざしを忘れない。

 富山からの帰りは、プチの入れ知恵に従って、途中まであいのりタクシーで送ってもらい、そこから各駅停車で帰ってきた。非常にラクだった。これからこれでいこうっと!

 ようやく、山頂からふもと近くまで滑り降りてきた気分。もうひと滑りあるけど、今日・明日はちょっとラクかな。といっても、今日も打ち合わせが6件ぐらい並んでいるのではあるけれど。

 いいお天気! 洗濯を干して、仕事を始めようっと。

 

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