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エダヒロ・ライブラリー一日一題

「再エネは高い」のは日本だけ?

2018年01月06日

今朝(1/6)の日経新聞に、「欧州、再生エネの新設急増 電力大手が原発50基分」という記事がありました。「欧州電力大手が再生エネ設備の増強を打ち出し、大手9社で増える発電能力は5700万キロワットに達する。背景にあるのは技術革新による低コスト化だ。たとえば風力ではタービンの大型化が進み、タービンの本数削減が可能になった。建設技術の向上で、風車設置に必要な期間は従来の1週間から1日にまで短くなった。太陽光では中国の巨大パネル工場が供給を増やし、価格が大幅に下落した。17年にはサウジアラビアの大型太陽光発電所の入札が1キロワット時あたり2セントを下回る価格で決まった」とのこと。

ちなみに、「100万kW=1GW=原発1基分」と覚えておくとよいでしょう。すでに、世界の風力発電の累積導入量は約500GW(原発500基分)、太陽光発電の累積導入量は約300GW(原発300基分)です。スゴイ量がすでに導入されているのですよね。記事にあるように、欧州はもちろんのこと、中国や米国、その他の地域でも(途上国でも)再エネの導入量はどんどん増えています。

記事にもあるように、その背景にあるのはコスト下落です。「温暖化対策!」「未来のため!」と叫ばなくても、「安い方を選べば再エネ」という時代になりつつあるのです。コスト下落を象徴する例として、「サウジアラビアの大型太陽光発電所で2セント/kWh」が紹介されています。もちろん条件がとてもよい場所なのでしょうけど、それでもkWhあたり2円ちょっとというのは、コスト競争力の高い価格です。

ちなみに、私の参加しているエネルギー情勢懇談会に事務局(資源エネ庁)が出した資料によると、2010年時点で、日本でも欧州でも、太陽光発電コストは40円/kWh でした。それが、2016年には、欧州では10円/kWhに下がっているのに、日本では20円/kWhです。

日本でももちろん下がってきてはいるのですが、それでも、下がり方が世界に比べるとゆるすぎる! だから、日本ではいまだに「再エネは高い」と言われます。コストの内訳をみると、設備費も工事費も、日本は欧州の倍ぐらいします。運転維持費も高い。このコストを下げていかなくては、日本で再エネが広がらない、またはとても高いものになってしまいます。

このエネ庁の資料には、なぜ日本が高コストなのかもちゃんと書いてあります。

設備費:FIT高価格と競争の不在、多段階の流通構造

工事費:多段階の下請け構造、平地の少ない地理条件

運転維持費:専門企業の未成熟、ビッグデータ未活用

高コスト要因の分析ができているなら、あとは打ち手を考えて進めていくだけですよね? 

これから、どのくらいのペースで日本での再エネコストが下がっていくか、しっかり見ていきましょう! サウジアラビア並みの2円とまではいかなくても、せめて欧州並みには下がっていかなくてはね!

 

ちなみに、上記で紹介したものを含め、第1回エネルギー情勢懇談会の事務局資料からデータをピックアップして解説しています。よかったらご覧下さい。

https://www.es-inc.jp/energysituation/report/2017/009191.html

 

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