ホーム > 一日一題 > 住宅の省エネ・低炭素化、いよいよ本丸へ!?

エダヒロ・ライブラリー一日一題

住宅の省エネ・低炭素化、いよいよ本丸へ!?

2016年09月02日

つい先日の日経新聞に、「中小工務店がゼロエネ住宅の普及を進めている」という記事がありました。私は数年にわたって環境省の温暖化対策の委員会の委員をしていたことがありますが、つねに問題になっていたのが「家庭からのCO2排出をいかに減らすか」でした。

もちろん、こまめな節電など、住んでいる人が気をつけることで減らせる部分もありますが、大きく根本的に減らすためには、家屋そのものを省エネ型・低炭素型にする必要があります。

戸建て住宅の大手メーカーは、「ゼロエネルギー住宅」「太陽光発電標準装備」など、省エネ・低炭素型の住宅の開発を販売にしのぎを削っています。こういった大手メーカーの建てる新しい住宅はほぼ高いレベルの省エネ型になっています。しかし、こういった大手メーカーが建てている住宅は、日本全体の中でも3割ぐらいとのこと。残りは、地場の中小工務店が建てているのですね。

規住宅建築の7割を担っている中小工務店の多くては、大手メーカーのような最新技術を採り入れるのは難しいところもあるなど、新築住宅全体で見たときの、省エネ・低炭素対応は十分に進んでいません。

しかし、いよいよ中小工務店も取り組む必要が出てきました。今後、新しい省エネ基準も義務化されます。そういった状況をにらんで、中小工務店も動き始めている、という記事に心強く思いました。

そして、同時に、"本丸"に切り込んでいく必要があります。それは、既築住宅の省エネ・低炭素化です。新築住宅の省エネ・低炭素化を進めることは大事ですが、新築住宅に住む人は日本人全体のごく一部なのです。今年5月にパリ協定の採択を踏まえて策定された「地球温暖化対策計画」によると、2013年度で省エネ基準を満たす既存住宅の割合はわずか6% とのこと。

過去に(省エネ・低炭素化を意識せずに)建てた住宅をどうやって省エネ・低炭素化していくのか?――とても大きな、重要な課題です。

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ