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テレワーク、睡眠時間や幸福感に影響 『過労死等防止対策白書』より

2022年10月21日、厚生労働省は『令和4年版 過労死等防止対策白書(令和3年度  我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況)』を公開しました。7回目となる今回の白書には、テレワークが睡眠時間や幸福感に与える影響の分析が含まれています。

白書によると、テレワーク実施頻度と1日の平均的な睡眠時間との関係をみると、テレワークを毎日行っている就業者のうち6時間以上睡眠を取っている回答者は66%でした。それに対して、週4日程度の頻度でテレワークを行っている就業者で6時間以上睡眠を取っていたのは59%、週1回程度の場合は54.7%と、テレワークの実施頻度が高いほど睡眠時間が長い傾向がみられました。

幸福感についても興味深い傾向が明らかになっています。本白書では、10段階評価で幸福感を尋ねた結果を分析しています。その結果、テレワークを行っている就業者のほうが幸福感は高いことがわかりました。

具体的には、男性ではテレワークを「一度もしていない」就業者の幸福感のスコアは平均6.1だったのに対して、最も幸福感が高かった「週2〜3日程度テレワークを行っている」就業者のスコアは平均6.7でした(「毎日テレワークを行っている」では平均6.4、「週1日程度」「週4日程度」では平均6.6)。

女性の場合は、定期的にテレワークを実施している就業者の方が幸福感は高く、テレワークを「一度もしていない」、及び「一時的に行った」就業者の幸福感の平均スコアが6.4だったのに対して、「週1日程度」は平均6.8、「週2〜3日程度」「週4日程度」は平均6.7、「毎日」は平均6.6という結果でした。

別の研究でも、子育てをしている女性でテレワークを行っている就業者の労働時間が、一週間あたり8時間以上増加していることから、テレワークによって子育て期も時短勤務をせずに働ける可能性が拡大していることが指摘されています(2022年10月23日付日本経済新聞より。比較は2020年3月と2022年5月を比べた結果)。コロナを契機に一定の割合で定着するようになったテレワーク、多様な働き方の実現や人々の生活の質を高める一助になることを願います。

参照元
厚生労働省『令和4年版 過労死等防止対策白書(令和3年度  我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況)』
日本経済新聞「子育て女性、テレワークで就業+週8時間 働く機会拡大 チャートは語る」(2022年10月23日記事)

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