| 2005年04月27日 [ ] |
| 新会社「チェンジ・エージェント」設立しました |
3年ほどまえから、バラトングループの合宿に参加し、メーリングリストでの意見交換に参加するようになってから、とても気になる言葉がありました。 change agent(チェンジ・エージェント)という言葉です。 アラン・アトキソン氏が来日して講演した際にも出てきた言葉で、日本語では「変化の担い手」と訳しました。「変化を起こしていく人」のことです。 その対象が、自分でも組織でも、地域でも社会でも世界でも、「こんなにふうにありたい」 「変えていきたい」 「このままじゃいけない」「変えなくちゃ」と思う人はすべて「変化の担い手」です。 この「チェンジ・エージェント」という言葉にとても惹かれるものを感じ、「変化の担い手の資質って、どういうものなんだろう?」「どういうスキルがあれば、変化の担い手になれるんだろう?」などと、ずっと考えてきました。バラトングループの合宿に行くたびに、メンバーともそのような議論をしました。 あるとき、合宿でアランが「ジュンコは、チェンジ・エージェントの好例だよね」というのを聞いて、飛び上がるほどびっくりしました。自分ではまったくそのように考えたことがなかったからです。 How do you know?(なんでそんなことわかるのさ~?)と聞いてみたら、このメールニュースのしくみを作って情報などを届けつづけていること、たくさんのプロジェクトの立ち上げを通じて、具体的な変化を起こそうとつねに考えていること、JFSを仲間と立ち上げて、世界にまでその範囲を広げようとしていること、人の話をよく聞き、相手の持っている強みや良さを見つけて本人に伝えようとすること、問題や課題を広い文脈と長い時間軸で考えようとすること、などを挙げてくれたのでした。 おお、そうかー。私がいろいろ試行錯誤してきたことは、チェンジ・エージェントの試行錯誤だったのかー、とすとんと腑に落ちたのでした。その日から、自分の考えていることや活動を「変化をつくりだし、加速する」というチェンジ・エージェントの役割という視点からも見るようになりました。どういうスキルが必要なのか、何があれば進んでいけるのか、ワガコトとして考えるようになりました。 昨年4月から、「自分マネジメントシステムを身につける半年コース」を開催しはじめたのも、そうしてある程度自分で試して、実効を確認でき、人にも伝えられると思えるスキルや考え方を、実際に伝えたい、と思うようになったからです。(この4月から第3期が始まります。毎回、集まる15人がそれぞれチェンジ・エージェント(の卵?)なのです。自分にとっても毎回大いなる学びの場です) ここ数年ほど、年間50~70回ほど講演の機会をいただいていますが、そのような折にも、また取材でうかがう先々でも、メールニュースの読者の方からのメールにも、「朝2時」の読者の方からのお手紙にも、「変えたい」「変えよう」という熱い思いがふつふつと湧いていることを感じます。 自分や狭い範囲の私利私欲のためではなく、現在および未来のすべての生きとし生けるものが持続可能で幸せになるための変化を、自分や組織、地域や社会など、自ら直接関わる場(フィールド)で起こしていきたい!というチェンジ・エージェントがいっぱいいるんだ、と思うのです。 その一方で、「熱い思いで活動を立ち上げたけど、うまく続かない」「言っていることは正しいのだけど、まわりの人にじょうずに伝わっていない」「せっかくエネルギーを燃やしているのに、本質的な問題が見えにくいため、とりあえずの解決だけを一生懸命やっていてもったいない」「よかれと思ってやっていたはずなのに、実はその活動そのものが別の問題を生み出していることに気づいて愕然としてしまう」という人々もたくさんいる……ということに気づきました。 私のよくいう「3原則」でいえば、 チェンジ・エージェントの3原則: (1)はあるのだから、(2)や(3)がもっとあれば、もっと効果的で、本人もラクで、活動自体も広がるだろうに、と思うことがよくあります。 もっとも(1)も、熱い思いが本人の中にあるだけでは、ほかの人々に伝わりませんから、それを「ビジョン」というカタチで示していくことが大事でしょう。そして、(2)も(3)も、「スキル」として教えたり、伸ばしたり、はぐくむことができるものだと思うのです。 (2)の中核的なスキルが「システム思考」だと思っています。システム思考では、状況や課題を「つながりの連鎖」として考えます。そして、欠けているつながりをつないだり、よくない方向へ動かしているつながりの力を弱めたり、別のものに置き換えたりすることによって、システム(問題の存在している構造そのもの)を変えていき、問題や課題を解決しよう、という考え方です。 (3)のスキルには、たとえば、「マネジメント」「コミュニケーション」「エンパワーメント」などが入りますね。熱い気持ちや思いつきだけではなく、「変化を起こしつづけていく」ためには、「つづける」ためのしくみやスキルが必要になると思うのです。 1日2日徹夜でがんばれば終わる、というものなら、いいのですけどね、通常は数ヶ月も数年も、場合によっては、数十年もかかって変えていくものでしょう。 ひとつの例ですが、バラトンのあるメンバーが、「地域で駐車場を公園に変えよう、という活動をずっとやってきて、ようやく今年できたんだ!」とうれしそうに教えてくれたことがあります。 「どのくらいかかったの?」と聞いたら、「29年」という答えが返ってきて、うなってしまいました。29年間、あるビジョンに向かって人々を動かしつづける、自分も動きつづける、というのは、根性や人徳だけではできない相談で、動かしつづけるための「スキル」があるのだろうなあ!と思いました。 私がずっと取り組んできている地球環境問題に関しては、「現状」も「原因」も「どうすればよいか」も、ほぼわかっていますし、多くの人も知っています。「環境問題がありますよ~!」と警告を発する役目もいまなお大事ですが、「それはわかった。じゃ、どうすればいいの?」という行動につなげる段階に来ていると思っています。 そのときに、自分もまわりも、組織も社会も、動かしていこう、変えていこうというチェンジ・エージェントの役割が非常に重要になってくる!と思うのです。 日本中に「変えよう!」「変えたい!」と思う人が増えたらいいなあ。そして、「変えたい!」と思った人が、「変えるための考え方」「変えるためのツール」「変えつづけるためのサポート」を身につけて、「どうしてわかってもらえないんだろう」「どうして変わらないんだろう」と挫折することなく、本人も楽しくやりがいを感じながら、実際に変えていけるようになったらいいなあ。 これまでの経験や得てきたノウハウやスキルをベースに、そのためのお手伝いをしたい--。そういう思いで、2005年4月19日、パートナーと新しい会社を設立しました。 有限会社チェンジ・エージェント です。(そのものずばりの命名。^^;) ●(有)チェンジ・エージェントのミッション(使命) 危機に瀕する地球環境を保全し、真の幸せを実現できる社会へ向かう変化を育み、広げ、加速するために、人や組織の持てる力と善を為すことへの希求を最大限に発揮するお手伝いをします。 ●(有)チェンジ・エージェントのめざすもの だれもが生き生きと自分らしく、自分がこの世に生まれた理由を果たすべく生きられるはずです。企業や組織も、その存在理由である社会の幸せのために持てる力を最大限に活かすことができるはずです。 (有)チェンジ・エージェントは、自分自身や、自分の属している組織や地域、社会や経済、国や世界が「幸せを作り出す本来の力」をもっと発揮できるよう、変えていきたいと考えている人々に、さまざまな気づきやきっかけ、変えていくための考え方やツール、変化のマネジメントにかかわるサポートを提供することで、変化をはぐくみます。 また、変化を起こそうとする思いと勇気をはぐくみ、支えることで、地球環境を保全し、真の幸せを実現できる社会へ向かううねりを広げ、加速していくとともに、変化の担い手を渾々と生み出すしくみを社会の中に埋め込んでいくことをめざしています。 ●(有)チェンジ・エージェント設立の背景 企業にしてもNGOにしても行政にしても、現在の社会がこれまでにないほど複雑に入り組んでいることによる「難しさ」に直面していると思います。産業革命以後、それぞれの事業や仕事は、社会のシステムの一部を担う分業の形で発達・発展しました。そのシステムの全体像は、当事者にすら把握できないほどに複雑化していることも稀ではありません。 こうした複雑なシステムの中で、何とかしたいともがくように、論理的な分析を試み、差し迫った課題に各組織や部署が個別最適化をはかろうとすることがよくあります。でも本当は、自分たちもその中にいるシステムの構造を理解して、そのうえで、どうしたらいいのか?を考えた方が、遠回りに見えても、結局は効果的な近道なのだろうと思います(そうでないと、あとでやり直したり、別の問題に対処しなくてはならなくなったりしますので) 効果的な変化を起こしていくための鍵となる「変化のプロセス」と、それぞれのプロセスを効果的に進めるためのスキルを身につけるお手伝いをしたいと思っています。 <変化のプロセス> 【1】ビジョニング:本質的な変化の礎を築きます 最大限の可能性を発揮するために、現状や現在の問題にとらわれず、「あるべき姿」「ありたい姿」のビジョンを描きます。「とりあえずできそうなこと」「目の前の問題への解決」ではない、根本的・本質的な変化を起こす礎となります。 【2】システム思考による課題分析:根本原因と要素のつながりを理解します 現実の世界は「原因」が「結果」を引き起こすという一方通行の関係から成り立っているのではなく、結果が原因にも影響を与えるなど、さまざまな要素が相互に影響を与えあうシステムです。 システム思考のアプローチによって、見えている部分を近視眼的に表層的にとらえるのではなく、問題の全体像をさまざまな要素のつながりとして理解し、本質的な原因を見通す分析ができます。 【3】システム思考による解決策:問題の急所と効果的な解決策を見つけます 過去に役立った解決策が現在の問題を引き起こしていることがよくあるように、一見まったく関係のない取り組みが真の解決策となりうることもあります。 システムをつながりの連鎖として見ることから、つながりの欠如、歪み、遅れとして課題を認識し、他の分野や将来に悪影響を及ぼさない最も効果的な解決のための働きかけを考えることができます。 【4】変化の戦略策定:効果的に広がる変化をデザインします 解決策を実行し、実際の効果を上げるためには、目標設定、行動計画、進捗指標の設定、関係者分析、リスクマネジメント等の戦略策定力が鍵を握っています。 ビジョンと システム思考に基づく「最大限の可能性を持った本質的な解決策」を絵に描いた餅に終わらせるのではなく、実際に組織や社会を変えていくための力を身につけます。 【5】変化の実行:実行に役立つスキルを身につけ活用します 変化は一朝一夕で起こせるものではありませんし、一直線にゴールに向かっていくものでもありません。求める変化を達成するための「変化のプロセス」をマネジメントしていくことが重要です。それとともに、効果的に実行していくために欠くことのできない「コミュニケーション」「エンパワーメント」「参画とコラボレーションのデザイン」の重要なスキルを身につけます。 また、どなたにも参加いただける「システム思考のトレーニング・プログラム」や「ゲーム」のワークショップの開催のほか、講演や執筆などを通じ、広くシステム思考やチェンジ・エージェントのスキルを伝えていきたいと思っています。 今、具体的に、『成長の限界 人類の選択』の著者であるデニス・メドウス氏らのチームとともに、日本向けの【プレゼンテーション:システム思考入門】【ワークショップ:システム思考入門】【ワークショップ:ゲームでシステム思考を学ぶ】を開発中です。 この夏ぐらいから開催していきますので、ぜひごいっしょに~。自分を、組織を、地域を、社会を変えていきたい!と思う変化の担い手(予定者?)のスキルアップと勇気・元気づけに効きます。 それから、システム思考に関心をお持ちの方がたくさんいらっしゃいますので、メールマガジンによる継続的な情報提供を考えています。最初はスローなスタートになると思いますが、ゆくゆくは、システム思考の基本的な考え方はもちろん、さまざまな事例や他国の活用例なども紹介していきたいと思っています。 システム思考に関する継続的な情報を受信したいという方は、こちらに空メールを送っていただくと自動登録されるしくみになっています。 ●(有)チェンジ・エージェント 役員紹介 小田理一郎(取締役社長) ●連絡先 これからも、チェンジ・エージェントについて、そして会社の展開や今後についてもお伝えしていきたいと思っています。「面白そうなので聞いてみたい」「聞かせたい人がいる」という方がいらしたら、講演やワークショップ等でご一緒させていただき、意見交換などさせていただけたらうれしいです。 やりたいことと夢はでっかいですが、規模は小さな会社が歩み始めたところです。
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