エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2015年03月30日

福島の高校生と情報誌創刊(2015年3月30日掲載)

 

 去年の春から、福島県内の高校生・高専生を対象に、福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会が開講している「半谷・エダヒロ塾」のお手伝いをしています。

 同会は、南相馬市出身で東京電力に長らく勤め、2010年に東電執行役員を退任した半谷栄寿さんを代表に、南相馬など福島の子供たちの成長を継続的に支援するとともに、全国の人々との交流により風評被害の払拭と福島への信頼回復に努め、福島の人々の生活と産業の復興に貢献すべく、太陽光発電と農業の仕事体験の事業を展開しています。

 小中学生向けのエネルギー教育などの実績の上に、被災地の人材育成をさらに進めるための高校生・高専生向けのオープンスクールを開講しました。

「志を明らかにする」(自分は何をやりたいか、ビジョンを明らかにする)→「志を形にする」(やりたいことを事業の形にする)→「継続できる仕組みにする」(強みを生かし、事業を継続するための仕組みを作る)というステップで進めています。

 半谷さんと私が、これまでの経験の蓄積から、ビジョンづくりやマーケティング、コミュニケーション、事業計画の作り方などの手法を伝え、それぞれマイプロジェクトの事業計画を作成、8月に発表会を行いました。

 これまで10回のスクールで延べ100人もの高校生たちが事業計画を練りつつ、「構想力」「プレゼン力」「人を巻き込む力」などを身につけています。

 参加している高校生たちからは、「目的と手段を分けて考えることができるようになってきた」「人前で話すことが苦手だったが、自分の考えを発表して意見交換ができるようになった」「人の話を聞きながら、相手の考えを深めるお手伝いができるようになった」「漠然と思っていた"何かしたい"という想いがより具体的になってきた」「こんなことをしたいというアイデアはたくさん浮かぶが、それを実現するためには何をやったらいいかなど、自分に足りないものがひとつずつ明確になる場」「このスクールは自分にとっては考えていることを安心して話せる場で、冷静に自分の考えを振り返る場にもなっている」などの感想が寄せられ、私たちも2年目に向けてさらに気合いを入れているところです。

 8月の発表会から、スクール発プロジェクト第1号の新規事業が誕生しました。この4月に創刊する食材付きの情報誌「高校生が伝えるふくしま食べる通信」です。
「自分が生まれ育った大好きな福島への風評被害をどうにかしたい」という問題意識を持つスクール生たちが、福島県内の生産者の想いやストーリーを情報誌にまとめ、生産者が真心こめて育てた農作物を付録として季刊でお届けします。創刊号の付録は「ジャンボなめこ」です。よかったらぜひご支援・ご参加下さい!

 企画書コンテストではなく、企画を実際に事業化し、赤字を黒字化していくプロセスを一緒に進めながら、本物の人材育成を進めていきたいと思っています。

 

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