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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2017年10月24日

エネルギーの4割を占める「熱」への取り組みも必要 (2017.10.24)

エネルギー危機
新しいあり方へ
 

この夏をかけて翻訳を進めたアル・ゴア氏の新著、「不都合な真実2」の予約受付が始まりました!11月はじめには書店に並ぶ予定です。

ぜひご覧いただければと思います。私がいちばんショックを受けたタコの写真も載っています......。「不都合な真実」から10年。いろいろな思いが去来します。再エネの隆盛やパリ協定など、大きく進んだものもあります。一方、温暖化の被害が各地で顕在化しています。先進的な企業の取り組みは進み始めていますが、一方、大方の企業や生活者の意識や取り組みはまだまだ、といった面もあります。

ドキュメンタリー映画「不都合な真実2」の上映は11月中旬に始まります。アル・ゴア氏が来日し、東京国際映画祭に登壇することが決まっています。予告映像はこちらにあります。

さて、日本の2050年までのエネルギーについて議論するエネルギー情勢懇談会、第2回は、9月29日に開催されました。「地政学的リスクのトレンド等」をテーマに、英国と米国からの専門家のお話を聞き、質疑応答・議論しました。資料等はこちらにあります。

上記の資料一覧にもあるように、私も資料を提出しました。(が、その議論の時間はなかったため、次回に改めて提出しようと思っています)

自分の提出資料では、このエネルギー情勢懇談会で議論すべき、事務局の準備した論点以外の論点として、4つ挙げました。

そのうちの1つ、「4割を占める「熱」への取り組みも必要」について、グラフをアップして簡単に解説しています。ぜひグラフをご覧ください。
https://www.es-inc.jp/energysituation/data/2017/009228.html

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

4割を占める「熱」への取り組みも必要

日本でエネルギーの議論になると、必ずといってよいほど、ほぼ「電力」の話になります。電力を何からつくるのか、原発は、再エネは、火力は、といった具合です。

しかし、このグラフから明らかなように、日本全体のエネルギーのうち、電力の占める割合は25%です。

4分の1を占める電力を再エネ化していくことで、CO2排出量を減らしていくことは非常に大事です。

同時に、残りの4分の3にも取り組む必要があります。

全体の約半分を占めるのが輸送用燃料です。こちらは、現在進行中の、EV化+再エネ電源という取り組みが有効でしょう。

そして、日本のエネルギーの4割を「熱」が占めています。暖房・給湯といった家庭での熱利用のほか、工業プロセスでの熱利用も大きな存在です。

グラフでは、「熱、都市ガス、コークス等」で3割弱ですが、「電力」の中にも、エアコンのように熱利用が含まれているため、全体では4割と言われています。

4割を占めるこの「熱エネルギー」への取り組みも同時に進めていく必要があります。

再エネ電源にシフトしていけば、電力による熱供給を増やしていくことが1つの鍵でしょう。しかし、工業プロセスでは、高温の熱が必要なため、再エネでは対処できないものもあります。

「電力情勢懇談会」ではなく、「エネルギー情勢懇談会」なのですから、電力だけに偏らない議論を行う必要があると考えています。

~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~

このような重要なグラフ、どんどんアップしていきたいと思っています。

 

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