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<title>Library：レスター・ブラウン｜エコ・エコノミー指標｜e&apos;s Inc.</title>
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<title>【1】年間8,000万人増加する世界人口</title>
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<summary type="text/plain">ジャネット・ラーセン 世界の人口は2002年には62億人に達した。2001年から...</summary>
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<![CDATA[<p >ジャネット・ラーセン</p>
<p >世界の人口は2002年には62億人に達した。2001年から1.3％、約8,000万人の増加である。第二次世界大戦後、医療の進歩と死亡率の低下に伴って、人口は飛躍的に増加した。世界人口の年間増加率は1970年前後に2.1％のピークに達したが、1999年までには1.3％に低下している。世界全体でみれば人口増加スピードは鈍化しているが、国ごとの増加率には大きなばらつきがあり、世界の人口総数は増えつづけている。</p>
<p ><img alt="グラフ：1590年〜2000年までの世界人口の推移と、3通りの増加率予想に基づいた2050年までの世界人口予測" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_01.gif" width="365" height="275" border="0" /></p>
<br />
<p >欧州20カ国と日本の出生率は少なくとも25年間、人口補充出生率(女性一人あたり、子どもが2.1人)を下回っている。現在では出生率が人口補充水準を下回る国は44カ国にのぼる。開発途上国からの移民による人口増加は年間200万人と予想されるが、それを除けば、多くの先進国の人口は早期に減少に転じるだろう。</p>
<p >一方、約50億人の人口を抱える開発途上国の多くでは、人口は急増し続けている。出生率の低下が予想されてはいるものの、2050年までには開発途上国の人口は82億人に達する見込みである。世界の年間人口増加数の半分は、次の6カ国によるものである。インド(1,600万人)、中国(900万人)、パキスタン(400万人)、ナイジェリア(400万人)、バングラデッシュ(300万人)、インドネシア(200万人)。</p>
<p >後発開発途上国に分類される48カ国の人口増加のスピードはさらに勢いがある。現在の増加傾向が続くならば、これらの国の人口を合計すると、21世紀半ばまでに約3倍に(6億5,800万人から18億人に)増加するだろう。きわめて出生率が高い(女性一人あたり子ども7人以上)16カ国には、アフガニスタン、アンゴラ、ブルキナ・ファソ、ブルンジ、リベリア、マリ、ニジェール、ソマリア、ウガンダ、イエメンといった国々が含まれる。</p>
<p >出生率が中程度の国(平均して女性1人あたり、子どもが2.1〜5人)では、2050年までに人口補充出生率を下回ることが予測されている。インドやパキスタン、韓国、エジプトがこのグループに入る。急激な人口増加によって社会経済的目標を達成することが困難になるということを、いち早く認識した国々である。人口が急増すると国内で最も肥沃な地域に人が集中するために、社会の供給力と自然の供給力の両方が限界に近づいてしまうことに、これらの国は気づいたのである。</p>
<p >効果的な避妊方法の普及が人口の増加スピードを抑える鍵であるにもかかわらず、世界中で350万人ほどの女性は、家族計画について知る手立てがいまだにない。まだ満たされていない家族計画の需要に応えることができれば、人口増加は3分の1ほども抑えられるだろう。この数は、開発途上国における意図しない妊娠の数(推測)から出てきたものである。</p>
<p >出生率と、女性の教育・雇用水準とは反比例する。女性の受ける教育年数が増えるほど、子どもの数は減るのである。家族計画教育の存在を男女に知らしめ、このような教育サービスを手軽に、しかも慎重に使えるようにすることができたら、将来の世界の人口と貧困は大いに減らせるだろう。政府が支援する家族計画のプログラムは、性と生殖に関わるヘルスケアだけでなく、全般的な健康管理との関わりを深めつつある。一人あたりの所得の高さや乳幼児死亡率の低さ、そして都市化や産業化もまた、出生率を下げる役割を果たしうる。</p>
<p >1994年にカイロで「国際人口・開発会議」が開催され、参加各国は、人口および出産医療の20年計画を実行するための基金の創設に同意した。途上国がその基金の3分の2を拠出し、援助国が残りを拠出するという計画である。年間支出総額は2000年までは170億ドル、2015年までで220億ドルに上るだろうと見込まれていた。</p>
<p >ところが、途上国の大半が負担分を払ったにもかかわらず、援助国からは割当額の3分の1しか集まっていない。この不足が原因となって、家族計画指導と教育サービスは期待されていたほどは広まっていない。調査によると、1994年から2000年の間に約1億2,200万人の女性が意図しない妊娠をしているという。うち3分の1が中絶をしている。加えて、意図せざる妊娠をした女性のうち、6万5,000人が出産時に死亡し、84万4,000人が、妊娠が原因で慢性障害あるいは不治の損傷を負ったと推定されている。</p>
<p >エイズ(HIV/AIDS)のような伝染病は、罹患率、死亡率の上昇や出生率の低下をもたらし、予測人口を減少させる。エイズはアフリカを中心とした多くの国の人口データを変えつつある。ボツワナでは成人の36％がHIVウィルスに感染しており、平均寿命が70歳から36歳へと急激に低下した。 2015年のボツワナの全人口は、エイズが存在しなかった場合と比べ28％も少なくなると予想される。平均寿命は、ジンバブエでも43歳、南アフリカで 47歳まで低下した。</p>
<p >現在、世界人口の半分近くの人々が都市部に住んでいる。こういった地域は人口密度が高く、病気が広がりやすい。しかし同時に、行政や地域が意志をもって取り組めば、密集した人口を生かして医療ケアや教育などを効率的に提供することも可能になる。</p>
<p >今後30年で増加する人口のほとんどは、都市部に吸収されると考えられる。何世紀にもわたって農村部から都市部への人の移住が続き、先進国では人口の4分の3が都市部に住むようになった。途上国も同様の道をたどりつつある。途上国で都市部に住む人口の割合は、1950年には18％であった。これが 2000年には倍以上の40％となり、2030年までには56％に達すると見られている。2030年には世界中の人口の60％が都市部に暮らすことになる。</p>
<p >世界人口の3分の1近くは、14歳未満の若年層である。この史上最大の若年層グループが現在、あるいはもう間もなく生殖可能な年齢に達しつつあり、人口増加にさらに拍車をかけようとしている。医療の発達により、かつてないほど寿命が延び、世界全体で高齢化がすすんでいる。現在、60歳以上の人口は世界全体で6億600万人を超えるが、2050年には20億人に達する見込みだ。</p>
<p >国連による2050年時点の人口予測では、最も急増した場合の予想109億人と、最も低い予想79億人とでは、現在の人口の半分ほどの差がある。(<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1_data2.htm">別表データ</a>参照)</p>
<p >世界の水と土地の供給量が限られたなかで、予測の高い数字か低い数字か、世界人口がどちらに向かっていくのかということは、環境と社会の持続可能性に対して他のどの要因よりも大きく影響を与えるだろう。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br>図表 1 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1_data1.htm">世界人口と年間増加数の推移　1950年〜2000年</a><br>図表 2 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1_data2.htm">1950年〜2000年までの世界人口の推移と2050年までの世界人口予測</a><br>図表 3 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1_data3.htm">世界で最も人口の多い国上位20カ国　2000年</a><br>図表 4 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1_data4.htm">人口２千万人以上の国の出生率　2001年</a></p>
<p ><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator1.htm</a></p>
<p >和訳：小林紀子、江口絵理、山本夕佳、田中美穂、丹下陽子、浜崎輝、森由美子、伴昌彦、横内若香</p>]]>
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<title>【2】失速する経済成長</title>
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<modified>2005-06-28T06:17:05Z</modified>
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<summary type="text/plain">レスター・R・ブラウン 2001年の世界経済成長率はわずか2％にとどまり、久々の...</summary>
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<name>seki</name>


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<![CDATA[<p >レスター・R・ブラウン</p>
<p >2001年の世界経済成長率はわずか2％にとどまり、久々の低水準となった。この経済成長率は人口増加率をわずかに上回ったにすぎず、このため一人当たり国内総生産は7,392ドルから7,454ドルと、1％未満の増加にとどまった。</p>
<p ><img alt="グラフ：世界総生産の推移　1950年～2001年" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_02.gif" width="420" height="370" border="0" /></p>
<p >世界経済後退の主な原因は米国にあった。米国は他の追随を許さない世界一の経済大国であると同時に、多くの国にとって主要な輸出市場でもあるためだ。米国経済は2000年に4.1％の強い伸びを記録したものの、2001年には成長率わずか1.2％と低迷した。この間、カナダ経済が歩調を合わせるように減速し、成長率は4.4％から1.5％に落ち込んだ。</p>
<p >西欧では、四大先進工業国すべてが2001年に経済成長の減速を経験した。フランス、イタリアおよび英国の経済成長はそれぞれ、3％またはそれ以上の水準から2％前後に落ち込み、また四大国の中でも最大の経済規模を有するドイツでは3％から1％未満に減少した。</p>
<p >中南米の大国における経済成長も大幅に減速した。この地域の最大国であるブラジルの成長率は4.4％から1.5％に減少。経済政策の失敗が重なった影響で近年深刻な状況にあったアルゼンチンの経済は、2001年に5％近くも縮小した。(もっとも、2002年には状況がさらに悪化することとなるのだが。)残る大国であるメキシコの成長率は、2000年の6.6％から2001年にはゼロまで低下した。これは世界の大国の中でも最大規模の落ち込み幅であった。</p>
<p >中東においても経済成長は失速していた。世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアの成長率は、2000年の4.5％から2001年には2.2％に減少。イランに関しては、2000年、2001年ともに成長率5％で安定していた。その一方で、エジプトの成長率は5％から3％をわずかに上回る水準にまで落ち込んだ。</p>
<p >アジアでは日本経済が引き続き低迷しており、2000年の2.2％という緩やかな成長から2001年には実質のマイナス成長(マイナス0.4％)となった。危機的状況にまで膨れ上がった銀行不良債権の処理など、抜本的な経済改革を検討しない限り、日本は経済成長の維持が難しくなるだろう。2000年に9％成長を遂げた韓国の成長率は、2001年に3％まで下がった。</p>
<p >一方、東南アジアの発展途上国でも成長は芳しくなく、全体的に見て成長率は鈍化した。インドネシアでは約5％から3％、タイでは4.6％から1.8％へそれぞれ低下。しかし、マレーシアではさらに落ち込みが激しく、8％からほぼゼロにまで下がってしまった。</p>
<p >2001年、インドでは成長率が5.4％から4.3％に下がり、バングラデシュでも5.5％から4.5％に低下した。パキスタンの成長率は2000年、2001年ともに4％を若干下回る水準で安定していた。</p>
<p >中国はアジアにおける花形経済国家の地位を維持し、2000年に8％成長、2001年の成長率は少し下がったものの7.3％だった。しかし、複数の間接的指標から、中国の成長が一貫して誇張されていることが示唆されており、中国の経済計算に対する疑問は残っている。</p>
<p >旧ソ連諸国では、ロシアの経済成長が2000年の9％から2001年には5％に落ち込んだ。対照的に、長らく低迷状態だったウクライナ経済は世界の流れに逆行し、2000年の6％成長から2001年には9％成長を遂げた。</p>
<p >アフリカでもいくつかの国で世界的な成長減速の流れに逆らう動きが見られた。アルジェリア経済の成長率は2000年の2.4％から2001年には3.5％に伸び、モロッコ経済も同時期、2.4％から6.3％に成長した。そしてナイジェリアも石油価格の高騰を受け、4％成長を維持した。</p>
<p >しかし、アフリカ地域の経済および社会発展の実現は容易ではない。過去10年間で、同地域の経済は回復してはいるものの、人口増加の速度に見合う程ではない。この結果1980年から1999年の間に、サハラ砂漠以南のアフリカ地域では、一人当たり国民所得が約12％減少している。社会発展を示すのにおそらく最も適した指標は平均寿命であるが、この地域ではわずか50歳である。今後10年間で、エイズウイルス(HIV)の感染により数百万人の命が奪われ、平均寿命はさらに短くなると考えられる。</p>
<p >国際通貨基金発表の経済成長に関するこれらのデータからは、読みとれないものがある。環境上持続不可能な経済生産の占める割合である。入手可能なデータから推測すると、世界の穀物収穫高のおよそ8％が持続不可能な水利用により生産されている。過剰な水の汲み上げは、いずれ停止せざるを得なくなるだろう。下がり続ける地下水位から水を汲み上げるのはコストがかかりすぎるし、それ以上に可能性が高いのは、帯水層(水の充満した地下の堆積層)の水が枯渇してしまうことだ。自然に水が補給される帯水層が枯渇すれば、それは、水を汲み上げるペースを補給されるペースにまで落とす必要があることを意味する。しかし、水の補給が不可能な化石帯水層が枯渇すれば、それ以上水の汲み上げはできなくなってしまう。</p>
<p >同様の状況は林産物にも起こっている。現存する森林地帯の皆伐(対象地域の樹木をすべて伐採し収穫すること)や縮小により、地球上の森林の長期的な生産力は低下し続けている。森林伐採は、始めのうちはプラスの効果をもたらすかもしれないが、結局は土壌浸食や洪水という一連の代償を伴うことになる。</p>
<p >漁場でも、短期的な利益を最大化するために過剰漁獲が行われている。海洋漁場のおよそ4分の3で、持続可能な漁獲量かあるいはそれを上回る量の魚が捕られている。漁場を保護するために、政府が漁獲量の削減に取り組んでいる国もあれば、漁場がそのまま崩壊の道を辿っている国もある。いずれにしても、結果としては全体的な漁獲量が減少することになる。</p>
<p >こうした流れや、他の様々な傾向が正に明らかにしているのは、持続可能な生産と持続不可能な生産を明確に分けていない経済データのみに依存するのは危険だということだ。この2つを区別しないと、発展を誇張して解釈したり、間違った安心感を持つことになりかねない。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator2.htm">世界総生産の推移　1950年～2001年</a><br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator2.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator2.htm</a> </p>
<p >
  
</p>
<p >和訳：小林紀子、江口絵理、山本夕佳、田中美穂、丹下陽子、浜崎輝、森由美子、伴昌彦、横内若香</p>]]>
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<title>【3】漁獲量は横ばい</title>
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<modified>2005-06-28T06:16:29Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:39:33Z</issued>
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<summary type="text/plain">ジャネット・ラーセン 全世界を対象とするものとしては最新である2000年のデータ...</summary>
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<name>seki</name>


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<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/">
<![CDATA[<p >ジャネット・ラーセン</p>
<p >全世界を対象とするものとしては最新である2000年のデータによると、この年の世界の漁獲量は9,480万トンと報告されている。海洋からの漁獲量は数十年間堅調な成長を続けた後に横ばいとなり、1980年代後半以降は8,500万トンから9,500万トンの間で変動してきた。海洋漁場の約4分の3では、持続可能な漁獲量ぎりぎり、あるいはそれを超える量が漁獲されている。こうした漁場の3分の1で、水産資源が減少しつつある。</p>
<p ><img alt="グラフ：世界の漁獲量と養殖生産量の推移　1950年～2001年" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_03.gif" width="390" height="309" border="0" /></p>
<p >世界最大級の漁業国である中国には、漁獲量を過剰報告しているのではないかという疑惑が持たれている。一部の科学者はこの過剰分を修正し、世界の漁獲量は実際には1988年以降毎年36万トンずつ減少しているとの判断をしている。さらに、エルニーニョ・南方振動(ENSO)により水産資源量が大きく変動するペルーのカタクチイワシも除外して考えると、世界の漁獲量はこの期間に年66万トンのペースで減少していることになる。</p>
<p >北大西洋の漁獲高の急速な減少を指摘する証拠が、最近明らかになっている。この海域では漁獲努力量が3倍になったにもかかわらず、タラ、マグロ、ハドック、カレイ、メルルーサなど、多くの一般的な魚種の漁獲量が過去50年のうちに半減した。ニューファンドランドのタラ漁など、先般も漁業崩壊がいくつか大きく報じられたが、規模を考えると局地的なものにすぎない。しかし、北大西洋の減少はこの海域全体に及ぶものである。</p>
<p >北大西洋の漁業には、収入面を支え、漁船の燃料費や設備費の一部を補助するために、少なくとも25億ドルの政府補助金が毎年支払われている。世界全体では、漁業補助金の合計は少なくとも150億ドルにのぼるとされるが、実際はこれよりかなり多い可能性もある。1993年の国連食糧農業機関の報告によると、世界の漁業の操業費は営業収入を毎年500億ドル以上超えている。補助金がなければ、世界の水産業は破綻するであろう。</p>
<p >世界中で魚を主要なタンパク源としている人々は、およそ9億5,000万人である。これに加えて、海洋での漁業や漁業に関連する産業が支えている人口は、約2憶人。破綻した産業が支えるには、多すぎる人数だ。</p>
<p >現在行われている漁業は経済、環境いずれの面からも持続可能とは言えない。この事実は助成金によって隠蔽されている。助成金によって1台あたりの重量が100トンを超える、最新技術の漁船団が、全世界で23,000台以上建造された。トロール漁船のような巨大な船舶は、一度に大量の魚を獲ることの出来る大型の網を引き、混穫してしまう。処理設備を搭載している船舶もある。大型の船舶は大量のエネルギーを消費する。今日1トンの魚を捕獲するのに要する燃料は、20年前の2倍である。世界の漁船全体では、漁場を維持出来る漁獲高の2倍以上を獲る能力を持っている。</p>
<p >海洋からの漁獲高は横ばい、もしくは減少しているため、養殖場での魚の生産量は急増している。1990年から養殖量は毎年ほぼ10％の勢いで増加している。これは動物性タンパク質生産業界で2番目に成長率の高い家禽の2倍以上の成長率だ。2000年の総養殖量は3,600万トンであった。1950年には養殖は魚の供給量の1％未満に過ぎなかったが、現在は世界の魚市場の27％をも占めている。</p>
<p >生け簀や養殖場での魚の生産量が増えれば、海洋の漁場への漁獲圧は軽減され得る。しかし、これは適正な養殖が行われたときに限っての話である。サケやエビのような人気の高い養殖魚の多くは肉食で、餌として海洋から捕獲した魚の肉や脂を必要としている。種類によっては1kgを生産するのに5kgの野生の魚を必要としている。海から餌用の小型の魚類を獲り尽くしてしまうことは、大型の魚類の食糧を奪うことにもなるのだ。</p>
<p >世界に2,300万トンの養殖魚を供給する中国は、数千年前から養殖を行っている。現在は、約500万ヘクタールの土地でおもに草食性の魚を生産している。また、その他に170万ヘクタールの水田を養殖魚の池としても活用している。中国は鯉の混合養殖という画期的な養殖法を開発した。これは、自然の生態系と同じように、補完的な食習慣を持つ数種類の鯉を一緒に育てる方法である。</p>
<p >陸上で養殖漁業と農業を合体して行う中国の手法は、養殖漁業者の手本となるだろう。陸上で生産すれば、沿岸生息地の破壊や藻の大繁殖を引き起こす富栄養化汚染など、海洋養殖によって生じる厄介な問題を最小限に抑えることができる。また、魚の脱走や養殖密度の高い生け簀で起こりがちな病気の蔓延を通じて、外来種がその地域に入る危険性を減らすことができる。</p>
<p >一部の海洋漁場では、漁業を全面的に禁止する海洋保護区を設定し意識的に漁獲量を制限することが、唯一の資源の回復法である。海洋保護区では魚の個体数や種類が増え、また保護区域内、商業漁業可能区域内の双方でより大きな魚がとれるようになったことが示されている。数年もたてば、立ち入り禁止水域の周辺は魚の豊富な水域へとよみがえるだろう。</p>
<p >消費者は魚の消費量を減らすか、または、責任をもって飼育された草食性の魚や十分に管理された漁場の魚を少なくとも購入することで、自然界の魚を保護することができる。独立した国際認証機関である海洋管理協議会(MSC)は、これまでに6つの漁場を持続可能な漁場として認定してきた。漁場に気を配りながら管理することは、基金を慎重に扱うことにたとえられる。つまり、元本(水産資源)を大切に使えば、人々は永遠に利息で生きていくことができるのである。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator3.htm">世界の漁獲量と養殖生産量の推移　1950年～2001年</a><br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator3.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator3.htm</a> </p>
<p >和訳：小林紀子、江口絵理、山本夕佳、田中美穂、丹下陽子、浜崎輝、森由美子、伴昌彦、横内若香</p>]]>
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<entry>
<title>【4】縮小する森林被覆面積</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/050608_063827.html" />
<modified>2005-06-17T14:25:19Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:38:27Z</issued>
<id>tag:www.es-inc.jp,2005:/lib/lester/ecoindex//22.124</id>
<created>2005-06-07T21:38:27Z</created>
<summary type="text/plain">ジャネット・ラーセン 世界の森林被覆面積は、地球の健康状態を示す主な指標である。...</summary>
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<name>seki</name>


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<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/">
<![CDATA[<p >ジャネット・ラーセン</p>
<p >世界の森林被覆面積は、地球の健康状態を示す主な指標である。手付かずの森林は栄養分を循環させ、気候を調整し、土壌を安定させ、廃棄物を処理し、生き物のすみかを提供し、レクリエーションの機会を提供する。このような働きには、控えめに見積もっても4兆7,000億ドル以上の価値がある。これは世界総生産の10分の1に相当する額である。森林はまた、食糧、薬、さまざまな木製品等などの供給源でもある。</p>
<p ><div align="center"></p>
<p ><table width="500" border="1" class="text"></p>
<p ><caption>森林被覆率の推移　1990-2000年</caption></p>
<p ><tr bgcolor="#E4E9D8"></p>
<p ><td rowspan="2">大陸</td></p>
<p ><td>1990年の森林総面積</td></p>
<p ><td>2000年の森林総面積</td></p>
<p ><td>1990-2000年の推移</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr bgcolor="#E4E9D8"></p>
<p ><td colspan="2" align="center">100万ヘクタール</td></p>
<p ><td align="center">％</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>アフリカ</td></p>
<p ><td align="center">702</td></p>
<p ><td align="center">650</td></p>
<p ><td align="center">-7.8</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>アジア</td></p>
<p ><td align="center">551</td></p>
<p ><td align="center">548</td></p>
<p ><td align="center">-0.7</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>オセアニア</td></p>
<p ><td align="center">201</td></p>
<p ><td align="center">198</td></p>
<p ><td align="center">-1.8</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>欧州</td></p>
<p ><td align="center">1,030</td></p>
<p ><td align="center">1,039</td></p>
<p ><td align="center">+0.8</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>北米・中米</td></p>
<p ><td align="center">555</td></p>
<p ><td align="center">549</td></p>
<p ><td align="center">-1.0</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>南米</td></p>
<p ><td align="center">923</td></p>
<p ><td align="center">886</td></p>
<p ><td align="center">-4.1</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td>合計</td></p>
<p ><td align="center">3,963</td></p>
<p ><td align="center">3,869</td></p>
<p ><td align="center">-2.2</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr></p>
<p ><td colspan="4">&nbsp;</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr bgcolor="#E4E9D8"></p>
<p ><td colspan="4">注：パーセンテージは四捨五入していない測定面積に基づく</td></p>
<p ></tr></p>
<p ><tr bgcolor="#E4E9D8"></p>
<p ><td colspan="4">出典：国連食糧農業機関、「世界森林白書」2001年版 (2001年　ローマ)</td></p>
<p ></tr></p>
<p ></table></p>
<p ></div></p>
<p >世界の森林被覆面積は約39億ヘクタールであり、南極とグリーンランドを除く全陸地面積の約3分の1に当たる。広大な面積だが、この森林面積は農業が始まったおよそ1万1,000年前の半分にすぎない。森林のほとんどは原状をとどめておらず、構成や質が変わってしまっている。</p>
<p >森林の定義が統一されていないことや、衛星・レーダーによるデータの欠如、土地利用の変化が観測されていないことなどから、世界の森林被覆面積の変化を推定するのは困難である。国連食糧農業機関（ＦＡＯ）の控えめな推定でも、20世紀の最後の10年間で、世界全体で9,400万ヘクタールもの森林面積が失われたことになる（別表データ参照）。この数値は、開発途上国で1億3,000万ヘクタールが失われた一方、先進国では放棄農地が森林に再生されたため、3,600万ヘクタール増加したと仮定している。この期間に、伐採と人工造林への転換などにより、年間1,600万ヘクタールの天然林が失われた。その94％が熱帯での損失である。</p>
<p >1990年代にブラジルは最大の森林喪失―2,300万ヘクタールを計上した。南米全体の純損失面積は3,700万ヘクタールに達した。アフリカでも5,200万ヘクタールの森林が破壊されたが、スーダン、ザンビア、コンゴ共和国での損失が、この森林損失面積の半分を占める。一方、米国では森林面積が400万ヘクタール増加したが、メキシコでは600万ヘクタール以上減少した。メキシコ政府の報告書によると、損失面積はさらに大きいとの見方もある。北米と中米全体での純損失面積は600万ヘクタールだった。</p>
<p >中国では大規模な森林再生プロジェクトの結果、同じ期間に、森林が年平均180万ヘクタールずつ増加した。'90年代末にとられた伐採禁止等の措置が、国の人工造林や輸入林産品への依存を高めたことが奏功したのである。インドネシアでは、その期間、伐木により1,300万ヘクタールの森林が破壊されたが、その後も森林の喪失には拍車がかかり、現在では毎年平均200万ヘクタールもが失われている。'90年代に、アジア全体の森林被覆面積は400万ヘクタールも減少したのである。</p>
<p >ＦＡＯのデータによると、世界の森林喪失には歯止めがかかりつつあるものの、熱帯地域の伐採は加速しており、おそらく年間1,300万ヘクタールを超える森林が失われている。世界の多くの地域で伐木のペースが上がっているため、残された森林の半分近くが危機に瀕しているのだ。世界資源研究所の予測によると、今のペースで森林破壊が進めば、世界の手付かずの森林の約4割が、遅くとも今後10～20年のうちに失われてしまうだろう。</p>
<p >木材の消費が森林の減少を促している。1960年以降、世界の木材生産量は1.5倍に伸び、15億立方メートルに達している。これは原生林と二次林の樹木の5分の4に当たる量だ。また、発展途上国では毎年、それとほぼ同量の18億立方メートルが、薪として燃やされている。</p>
<p >伐採から保護されている森林地は、世界全体で約2億9,000万ヘクタールにすぎない上、保護区でさえ違法開発に脅かされている。生物学的多様性に富んだ世界中の200地域のうち、65パーセントが違法伐採の危険にさらされている。結局のところ、違法伐採が世界の公有林を荒廃させ、持続可能な森林管理に投資しようという地元住民の意欲をそぎ、行政には年間約150億ドルもの減益をもたらし続けているのだ。</p>
<p >現在、人工林は1億8,700万ヘクタール以上に及んでいる。これは全森林地の5パーセントにも満たないが、世界における現在の木材生産量の2割にあたる広さだ。荒廃したり、保護の対象となる天然林が増すにつれ、今後ますます多くの木材需要が人工林でまかなわれることになるだろう。</p>
<p >十分に計画・管理された人工造林は、効率的に木材の需要を満たすことができる。残念ながら、世界の多くの地域では、原生林や多様性に富んだ天然林を犠牲にした人工造林が行われている。場合によっては、政府が伐採業者に、代替木の植林を条件に森林の利権を与えることもある。しかし、伐採業者は、皆伐後その土地を裸地のまま放置して、別の場所に移動してしまうのだ。例えば、インドネシアでは、900万ヘクタールが産業木材用人工造林地として開発されるはずが、再植林されたのはわずか200万ヘクタールであった。</p>
<p >もともと森林に備わる生態系と、それに付随する生き物の居住環境を奪われたエリアは、土壌を安定させたり、栄養分を循環させたり、さらには浸食を防いだりする植物を失っている。これらの土地は、あっという間にその効用を失い、逆に厄介な存在となってしまう。たとえ人工造林が行われていたとしても、単一種の人工造林の機能は、原生林のそれとは比較にもならない。さまざまな樹齢の多様な植物がそれぞれ固有の生物学的役割を果たしているからだ。したがって、そのような単一種の人工造林により、生態系のプロセスが変化するのも当然である。</p>
<p >国連環境計画がＮＡＳＡおよび米国地質調査所と共同で行った、衛星を利用した調査によると、（林冠閉鎖度が40パーセントを超える）ほとんどが手付かずの森林の8割が、15カ国に集中しているということが分かった。主な閉鎖林地域の88パーセントは、人があまり住んでいないため、森林保護の対象として期待が寄せられている。伐採の一時的な全面停止を要求するのは難しいにしても、これら15カ国において閉鎖林を保護することは、森林保全の妥当な第一歩となろう。</p>
<p >世界の天然林の喪失を抑えるために重要なのは、貴重な木材を燃やさないよう、低所得国のための代替エネルギー源を見つけることである。再利用やリサイクルのやり方を刷新することで、再生材や古紙が木製品の需要を満たすことができる。新規木材の消費を減らすことが、世界の森林資源を守るための鍵である。</p>
<p >木製品の使用において、各国政府は、国内産および輸入木製品のすべてが森林管理協議会（ＦＳＣ）のような厳しい環境および社会基準を満たす、責任を持って管理されている森林に由来するものであることを確認できる。世界中のＦＳＣ公認機関・団体が、これまでに45カ国にある約2,400万ヘクタールの森林の認定を行った。認定木材への需要が高まる一方で、認定を受けていない販売業者が苦戦している状況を見ると、その数は今後増えていくに違いない。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator4.htm">森林被覆率の推移　1990年～2000年</a><br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator4.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator4.htm</a> </p>
<p >
 和訳：小林紀子、長澤あかね、伊藤智子、山田はるみ、小野寺春香、藤津ふみえ、酒井靖一、古谷明世、五頭美知
</p>]]>
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<title>【5】史上最高の値となった炭素排出量</title>
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<modified>2005-06-09T21:42:58Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:37:12Z</issued>
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<summary type="text/plain">リラ・バックリ? 化石燃料の燃焼に由来する炭素の排出量は、2003年に68億トン...</summary>
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<![CDATA[<p >リラ・バックリ－</p>
<p >化石燃料の燃焼に由来する炭素の排出量は、2003年に68億トンという記録的な数字に達した。前年に比べて4％近い増加である。世界の炭素排出量は18世紀の後半から増加の一途をたどっており、1950年代からは急増している。実際、年間排出量は、1950年からこれまでに4倍になっている。</p>
<p >世界の炭素排出量の4分の3は、化石燃料、つまり石炭、石油、天然ガスの燃焼によって生じている。残りは、主に森林破壊によるものである。炭素を排出している主要4部門のうち、発電が最大の35％を占めており、運輸と産業がそれぞれ20％に相当し、残る25％は住宅および商業用の建物からのものである。(<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/CO2/CO2_data.htm#fig3">図3</a>参照)</p>
<p >化石燃料の燃焼による炭素排出量の3分の2は、わずか10カ国から生じている。米国の人口は世界の5％だが、排出量は最大で世界全体の4分の1近くを占めている。2番目は中国で、14％弱である。そのほかの主な排出国は、ロシア、日本、インド、ドイツである。(<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/CO2/CO2_data.htm#fig4">図4および図5</a>参照)</p>
<p >しかし、この先何十年かの間、炭素排出量の増加のほとんどは途上国から生じると予想されている。例えば、1990年以降、世界全体の炭素排出量は13％増加したが、中国では47％増えている。実は、2003年に世界全体で増加した排出量のうち半分近くが、中国1カ国で占められているのだ。</p>
<p >炭素排出量が一貫して増加してきた結果、大気中の二酸化炭素(CO2)の量は、1750年からこれまでに31％増加している。これは、過去2万年の間、全く例のない増加率である。</p>
<p >自然界は、通常、炭素排出のかなりの部分を「炭素吸収源」として知られる海洋や森林で吸収し、大気中への蓄積速度を和らげている。しかし、最近の傾向は、排出が吸収を上回っていることを示している。過去20年にわたり、大気中のCO2濃度は毎年平均1.5ppm(百万分率；1ppmは100万分の1)ずつ増加した。しかし、この2年間には、2.04ppmおよび2.54ppmという、原因不明かつ驚くほどの増加が見られた。これは、自然界に備わっている炭素排出の増加を緩和する能力が弱まっていることを示している。(<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/CO2/CO2_data.htm#fig6">図6</a>参照)</p>
<p >CO2やそのほかの温室効果ガスは、濃度が高くなるにつれて地球の熱を閉じ込め、気温を上昇させる。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球の平均表面温度が、2100年までに1990年よりも摂氏1.4～5.8度(華氏2～10度)上昇すると予測している。もしも世界の炭素吸収源が本当に飽和しつつあるのなら、実際には気温がもっと上昇する可能性がある。</p>
<p >しかし幸いなことに、私たちには炭素排出量を削減する技術がある。石炭や石油など炭素集約度の高い化石燃料への依存から脱し、再生可能エネルギーや炭素集約度の低い天然ガスへと切り替えていくことで、排出量はかなり削減できるはずだ。</p>
<p >例えば風力エネルギーは現在、炭素を全く排出することなく世界中で2,400万人に供給できるだけの電力を生産している。そして潜在的にはもっと発電できる可能性がある。風力エネルギーのメリットは理解され始めており、風力発電の利用は1年で31％も伸びている。</p>
<p >よりエネルギー効率の良い工業設備や家電製品を使ったり、生産過程や建物改修に関して新たにエネルギー効率基準を設けたりすることでも、炭素排出量と光熱費の削減効果は出るだろう。</p>
<p >公共交通機関を利用できない場合は、ガソリン・電気ハイブリッド自動車に乗れば炭素排出量は低く抑えられる。例えば非常にエネルギー効率の良いトヨタのプリウスは、普通のガソリン車に比べガソリン消費量が半分以下なので、炭素排出量も半分以下になるのだ。</p>
<p >政策レベルでは、規制や市場を基盤とした政策を通じて炭素排出を削減しようとする政府の取り組みが不可欠である。これには炭素排出を削減する技術の研究開発費を増やすほか、炭素税の引き上げや炭素集約度の高いエネルギー源への助成金廃止といったエネルギー効率化奨励策がある。</p>
<p >デンマークでは、炭素排出量の多い自動車への課税を重くし、エネルギー効率の良い自動車の購入登録料は引き下げている。オランダでは、国内6カ所の石炭火力発電所に対して2008年から2012年までの間に炭素排出量を600万トン削減するよう義務付けた。そして日本では、政府機関に対し既存の公用車を2010年までに低公害自動車1,000万台および燃料電池自動車5万台に切り替えるよう呼びかけている。(訳注)</p>
<p >一方、米国でブッシュ政権が「世界気候変動イニシアチブ」政策で削減しようとしているのは、炭素排出量ではなく原単位排出量、つまり国内総生産1ドルあたりの炭素排出量だ。この計画によると、原単位排出量は向こう10年間で18％減少するという。しかし経済成長が見込まれる中、温室効果ガスは2020年までに19億トン、つまり1990年水準から40％も増加すると言われている。</p>
<p >ブッシュ政権の政策は、炭素排出削減策が経済成長の足かせになると誤って想定している。そのように想定することで、炭素排出量の増加がもたらす社会的代償を無視していると同時に、エコ・エコノミーへの投資には経済的利点があることも見落としてしまっているのだ。</p>
<p >例えば「進歩を再定義する(Redefining Progress)」(政策に関わるアメリカのNGO)が行った最近の研究は、クリーンでエネルギー効率の高い技術への投資計画を綿密に描いている。そしてそのような技術によって、2025年までに140万もの良質な雇用が創出され、1世帯あたり年間平均1,275ドルも光熱費が節約できるとしているのだ。</p>
<p >世界最大の炭素排出国が率先して取り組んでいないものの、国際社会は炭素離れの方向に進んでいる。最近、ロシアが京都議定書を批准したので、議定書を批准した工業国は、炭素排出量を2012年までに1990年の水準より少なくとも5％削減することになる。</p>
<p >現在、工業国のCO2排出量の61％を占める国々が議定書を批准しており、発効に必要な55％を大きく上回っているので、2005年初めには議定書が発効するだろう。米国とオーストラリアは批准を拒否しているが、発効によって影響を受けることは間違いない。なぜなら、国際的に統一された排出量取引のプログラムが実施され、効率の良いエネルギーと技術の競争市場が新たに生まれるからである。</p>
<p >現在の予測では、京都議定書が発効しても、各国が経済成長を続け、さらに化石燃料を燃やす限り、炭素排出量は急増し続けるとされている。科学者によると、今後の気候変動を緩和するためには、現在の炭素排出量を直ちに70～80％削減する必要がある。</p>
<p >この必要性を認識して、すでに議定書で定められた5％の削減目標を上回る成果を上げている国もある。ドイツは1991年以降、排出量を9％削減し、2020年までにさらに40％削減できないか検討している。1990年から排出量を8％削減した英国は、2050年までに60％の削減を目指し、ほかのＥＵ諸国も後に続くように求めている。</p>
<p >「デビッド・スズキ基金」(カナダの環境団体)と「カナダ気候行動ネットワーク」(カナダ国内にある環境団体のネットワーク)の報告書には、2030年までにカナダの温室効果ガスの排出量を半分にする計画が打ち出されている。中央政府が行動を起こさない国では、地方自治体が動き出しており、何と世界中で600以上の都市が独自に炭素排出量削減計画を策定しているのだ。</p>
<p >京都議定書は炭素排出量削減に向けた大事な第一歩ではあるが、長い目で見ると、米国、そして中国とインドのような途上国の関与がなければ、長期にわたる努力も無駄に終わるだろう。炭素排出量を抑制し、気候の異変を避けるためには、京都議定書以上の削減努力をし、世界中で排出量を大幅に抑えなければならないのである。</p>]]>
<![CDATA[<p >【訳注】下記の財団法人運輸低公害車普及機構によると、1,000万台と5万台は日本全体の目標値であり、政府公用車として低公害車に切り替えるのは7,000台のようです。<a href="http://www.levo.or.jp/research/rsc02_03.html" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.levo.or.jp/research/rsc02_03.html</a>  </p>
<p >参照データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/CO2/2004.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/CO2/2004.htm</a> </p>
<p >和訳：丹下、木村、AI</p>]]>
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<title>【6】伸び悩む穀物の生産</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/050608_063646.html" />
<modified>2005-06-28T06:15:55Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:36:46Z</issued>
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<summary type="text/plain">レスター・R・ブラウン 2001年の世界の穀物生産高は、前年より1％多い18億5...</summary>
<author>
<name>seki</name>


</author>

<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/">
<![CDATA[<p >レスター・R・ブラウン</p>
<p >2001年の世界の穀物生産高は、前年より1％多い18億5300万トンであったが、過去最高であった1997年の18億8,000万トンには及ばなかった。これだと2001年の収穫高は予想消費量を4,000万トン下回ることになると、アメリカ農務省は報告している。こうした事態は、収穫が少なく、穀物が3,600万トン不足した、2000年に引き続いてのことである。</p>
<p ><img alt="グラフ：世界の穀物生産量および消費量の推移　1961年～2002年" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_06.gif" width="390" height="315" border="0" /></p>
<p >このように2年続けて収穫が期待外れに終わったことで、今年の世界の穀物繰り越し在庫、つまり来年穀物の収穫が始まる時点での備蓄高は、年間消費高の24％にまで落ち込むと予想されている。これは20年間で最低の数値である。備蓄高がこのように低水準だと、今後すべての人々の目は2002年の収穫に集まることだろう。もし来年も収穫が消費を下回るようだと、穀物価格が高騰し、穀物と直接的あるいは間接的につながりのあるパンや牛肉、牛乳、卵などの商品価格にも、値上げが波及しかねないからである。</p>
<p >ここ2年の不作は、主に、穀物価格の値下がりや、干ばつ、拡大する水不足によるものである。穀物価格はこの20年間の最低ラインと同じところにあり、この結果、農家の人たちはお金をかけてまで収穫高を上げようとはしなくなっている。</p>
<p >価格の安すぎることが原因で、穀物を充分に生産する意欲が湧かないということなら、すぐにも回復の手だてはある。供給を引き締めれば、市場が反応して解決する話だからである。しかし、干ばつや地下水の枯渇、さらに、少ない水を都会に転用したことが原因で水不足が生じたとなると、ことははるかに難しい。</p>
<p >地下水面は今や、中国の華北平原、インドのパンジャブ地方、米国南部の大平原のような主要な穀倉地帯で低下を続けている。華北平原は中国の穀物生産高の四分の一を占めるし、パンジャブ地方といえば、生産性の高い農地に恵まれたインドの穀倉地帯である。それに、南部の大平原は米国を世界最大の小麦輸出国にしている立役者なのである。</p>
<p >世界経済の一体化が進む中で、水不足は、国際的な穀物取引を通してもはや国内だけの問題ではなくなりつつある。1トンの穀物を生産するのに1,000トンもの水が必要なので、水不足の国が水を輸入するには穀物を輸入するのが最も効率的なのだ。</p>
<p >今、世界で一番急成長している穀物輸入市場は北アフリカと中近東であるが、ここは水不足が最も深刻な地域である。モロッコから北アフリカ、中近東を通りイランに至る地域の、事実上すべての国が水不足に直面している。水の供給が限られている一方で、増加を続ける都市用水と工業用水の需要を賄うために、各国は農業用水を転用している。そして、その結果低下する穀物生産力を輸入で補っているのだ。</p>
<p >水不足、穀物不足に悩むイランの穀物輸入量は、ここ数年、長らく世界最大の小麦輸入国であった日本を上回るようになった。昨年はエジプトまでもが日本を追い越した。今やイランもエジプトも、国内で消費する穀物の40％以上を輸入に頼っている。どちらの国も人口は増加を続けているが、水の供給は増加していない。</p>
<p >穀物の輸出は結果的には水を輸出することと同じである。カナダは水の輸出に関しては政治的に神経をとがらせている国であるが、穀物の輸出というかたちをとって、世界でも有数の水の輸出国となっている。毎年、1,800万トンもの穀物、主として小麦を輸出しているが、それは180億トンもの水の輸出に相当する。同じことが米国についても言える。米国は毎年9,000万トンの穀物を輸出しているが、それは900億トンの水を輸出していることと同じであり、その量はミズーリ川の年間流量を上回っている。</p>
<p >食糧の十分な調達と水の適切な供給は密接に関係している。地下水と河川からの取水を合わせた水全体の、およそ70％が食糧生産に使われている。工業用水は20％、生活用水は10％である。そして世界で収穫される穀物の60％が灌漑地で生産されていることを考えると、灌漑用水の減少をもたらす要因は何であれ食糧の供給を減少させる要因となるのである。</p>
<p >中国で穀物収穫量が減少している要因としては、ここ2年間にわたる中国北部の深刻な干ばつ、帯水層の枯渇や都市用水への転用による灌漑用水不足の広がり、支持価格の下落などが挙げられる。干ばつにはそのうち終わりがくるだろうが、水不足はそうはいかない。穀物収穫量の70％を灌漑農地に頼っている国では、水不足が安全保障問題に急展開しつつある。</p>
<p >中国では1994年、食料自給率の維持を目指した大胆で効果的な取り組みの一環として、支持価格を40％引き上げた。しかし残念ながら、国庫への負担があまりに大きすぎたため、支持価格は結局下がってしまった。今では、国際市場価格近くにまで低下している。</p>
<p >中国は、過去2年間、備蓄を取り崩して収穫量の不足分を埋め合わせてきたが、今やこの備蓄にも余裕がなくなりつつあることを示す兆候がある。この巨大国家で、収穫量の大幅な不足がもう1年続けば、食料価格を安定させるために、相当な量の穀物を輸入せざるを得ないと思われる。</p>
<p >備蓄量がほぼ過去最低に近い現状で、2002年の世界全体の穀物収穫量が消費量を下回れば、価格は上昇するだろう。価格が上がれば、特に家畜飼料用の穀物などの需要量が減る。一方、生産者の耕作意欲は増す。こうして需要と供給は再びバランスを取り戻す。ただしそのときには、高い価格で落ち着くことになるだろう。</p>
<p >もし今年の世界の穀物需要も、これまでの10年間と同じく年1,600万トンのペースで伸び続けるなら、備蓄量をこれ以上減らさないためには、2002年の収穫量を7,000万トンも急増させる必要がある。水不足が拡大を続ける中、これが実現可能かどうかはわからない。新たに見えてきたのは、もし世界が水不足に直面するなら、同時に食糧不足にも直面する、という現実だ。</p>
<p >人口地図を見ると、もうひとつ厄介な現実が浮き彫りになる。それは、毎年新たに世界人口に加わる8,000万人のほとんどが、すでに水不足に悩んでいる国で生まれているということだ。世界的な水の需給バランスを取り戻せるかどうかは、今や、水不足を抱える国で人口を安定させることができるかどうかにかかっているのかもしれない。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator6.htm">世界の穀物生産量および消費量の推移　1961年～2002年</a></p>
<p >和訳：小林紀子、長澤あかね、伊藤智子、山田はるみ、小野寺春香、藤津ふみえ、酒井靖一、古谷明世、五頭美知</p>
<p >
 
</p>]]>
</content>
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<title>【7】拡がる水不足</title>
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<modified>2005-06-28T06:13:48Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:35:47Z</issued>
<id>tag:www.es-inc.jp,2005:/lib/lester/ecoindex//22.127</id>
<created>2005-06-07T21:35:47Z</created>
<summary type="text/plain">レスター・R・ブラウン 水不足は今日世界が直面している資源問題の中で、最も軽視さ...</summary>
<author>
<name>seki</name>


</author>

<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/">
<![CDATA[<p >レスター・R・ブラウン</p>
<p >水不足は今日世界が直面している資源問題の中で、最も軽視されている問題といえるだろう。この半世紀の間に世界の水需要は3倍以上に増え、今では水不足の兆候が各地に現れている。中でも、広範囲に見られるのは、川の渇水、井戸水の枯渇、湖の消失などの現象である。</p>
<p ><img alt="グラフ：世界の灌漑農地面積と人口千人当たりの灌漑農地面積の推移　1961年～1999年" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_07.gif" width="370" height="259" border="0" /></p>
<p >1年の間に水枯れを起す川の中に、アメリカのコロラド川や中央アジアのアムダリア川、中国の黄河がある。中国の海河や淮河にも時々同じような問題が起こるし、パキスタンの生命線であるインダス川でも、アラビア海に注ぐ頃には、川が途切れそうなほど水量の減っていることがある。</p>
<p >アメリカ南西部最大のコロラド川では、川の水が海にまで到達することが今では滅多になくなってしまった。長年にわたって水に対する需要が増加し、コロラド川の水が方々で取水されたため、今や渇水が常態化している。</p>
<p >同じようなことはアジアでも起きている。アラル海に注ぐ二本の川の中で、アムダリア川には毎年水のない時期が訪れる。アムダリア川からアラル海に注ぐ水量が激減し、その影響でアラル海は縮小し始めている。このままだと、アラル海はある日完全に消滅し、古い地図にだけ跡を留めるような事態も起きかねないだろう。</p>
<p >中国の二大河川の内最北部にある黄河では、1972年に初めて川底が2～3週間干上がるという事態が生じた。1985年以降はほぼ毎年、黄河の水が黄海に到達しない日がやって来る。ときには、黄河流域で海に最も近い山東省にさえ流れが届かないこともある。地下水面が低下した影響で、多くの水源が枯れ、さらにいくつかの川は完全に姿を消した。汾河は、山西省の主要水路として、かつては省都、太原を貫流し黄河に合流していたが、もはや存在していないのだ。</p>
<p >水不足のもうひとつの兆候は湖の消失である。中央アフリカのチャド湖は過去40年間に95％も縮小した。降雨量の減少と気温上昇、チャド湖に注ぐ川の水を灌漑に使用したことが、チャド湖消失の原因である。中国では、河北省だけでも約1,000個もの湖が消滅している。</p>
<p >世界有数のいくつかの農業地帯でも、地下水位が低下している。この中には、中国の穀物収穫量の3分の1近くを生産する中国華北平原や、インドの穀倉地帯であるパンジャブ州、米国の主要穀物生産地域である南部グレートプレインズが含まれる。</p>
<p >水不足は今や北アフリカと中東のほとんどすべての国にとって悩みの種である。アルジェリア、エジプト、イラン、およびモロッコは穀物供給量の40％以上を海外市場に頼らざるを得なくなっている。これらの水不足に悩む国々では、人口が増加しつづけているため、輸入穀物への依存度が高まっているのだ。</p>
<p >中東で最も人口の多い国のひとつの、7,000万の人口を抱えるイランは、広範囲にわたる水不足に直面している。マシュハドはイランで急速に成長している大都市のひとつであるが、この東側にある、肥沃な農業地帯である北東部のチェナラン平原では、水の供給量が急速に減少している。平原の地下水を汲み上げる井戸の水は、灌漑とマシュハドへ水を供給するために使用されている。最近の公式予想では、水の需要が地下帯水層への水補給量を上回ったため、地下水位は2001年に8メートル低下した。</p>
<p >イラン東部の一部にみられる地下水位の低下により、多くの井戸が枯れている。水を入手できなくなったために放棄された村もある。イランは水難民―水供給の枯渇によって海外への転地を余儀なくされる人々―が発生する最初の国となるかもしれない国のひとつである。</p>
<p >約1,900万人の人口を抱えるイエメンでは、国内全域で地下水位が年2メートル以上低下している。首都サヌア全体が位置する盆地では、汲み上げられる水が自然が補給する水量の5倍を超え、地下水位が年6メートル下がっている。最近では、井戸を2キロメートルの深さまで掘ったが、全く水が出なかった。新たな水の供給が見込めなければ、今後10年のうちにイエメンの首都では水が枯渇するだろう。</p>
<p >安全な水が十分確保されているかどうかを判断するためのもう一つの基準は、国民一人当たりの使用可能水量である。1995年には、使用できる清浄な水の量が、年平均1,000立方メートルに満たない人々は、18カ国の1億6,600万人であった。1,000立方メートルは、最も基本的な食糧や飲料水をまかない、最低限の衛生状態を維持するために必要とされる水の量である。2050年までに、一人当たりの使用可能水量が1,000立方メートルの最低ラインを下回る国は39カ国あまりに上ると予測され、実際には17億人が水不足に悩まされるだろう。</p>
<p >帯水層の枯渇と、灌漑用水の都市部への転用という二つの要因が重なり、将来のある時点で世界の灌漑面積が減少し始める可能性がある。各国政府が提出した公式資料をもとに国連食糧農業機関がまとめたデータによれば、世界の灌漑面積は依然拡大し続けている。例えば、各国のデータがそろった一番近いところでは、1998年から1999年の1年間に、灌漑面積は2億7,100万ヘクタールから2億7,400万ヘクタールに増加している。(<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator7_data2.htm">別表データ参照)</a></p>
<p >増加が1％と報告されたことで、安心する向きもあろうが、それは楽観的すぎるようだ。政府は、新規の灌漑事業に関するデータ収集なら進んで行うが、灌漑用水が都市部へ転用されたり、帯水層が枯渇したりしたために起こる、灌漑面積の減少に関するデータを集めることにはそれほど熱心ではないからだ。これまで増加し続けていた世界の灌漑面積は、その拡大が止まり、減少にさえ転じる可能性が極めて高い。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br>図表1 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator7.htm"> 世界の灌漑農地面積と人口千人当たりの灌漑農地面積の推移　1961年～1999年</a><br>図表2 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator7_data2.htm">帯水層の枯渇（７カ国の事例)</a></p>
<p >和訳：酒井靖一、小林紀子、浜崎輝、山田はるみ、五頭美知、小宗睦美、渡辺千鶴、小野寺春香、長谷川浩代</p>
<p >
 
</p>]]>
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<title>【8】上昇する地球の気温</title>
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<modified>2005-06-28T06:12:48Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:34:16Z</issued>
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<summary type="text/plain">レスター・R・ブラウン 昨年の2001年は、1867年に記録が開始されて以来2番...</summary>
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<![CDATA[<p >レスター・R・ブラウン</p>
<p >昨年の2001年は、1867年に記録が開始されて以来2番目に気温の高い年となった。1998年が過去最高であるが、昨年はこれに迫る記録となり、1980年頃から始まった気温の顕著な上昇傾向は依然続いている。1867年以降の記録を高い順に並べると、15位まではすべて1980年以降のものとなる。</p>
<p ><img alt="グラフ：地球の平均気温の推移　1867年～2001年" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_08.gif" width="456" height="344" border="0" /></p>
<p >昨年の気温データを見れば、気温は上昇傾向にあり、そのために約11,000年前に人類が農耕を始めて以来続いてきた、比較的気候の安定した時代に終止符が打たれたことがさらに明らかになる。</p>
<p >NASAのゴダード宇宙研究所は、1867年にまで遡る各気象観測所の概算を基に、地球の気温を月単位で集計している。それによると9月としては、2001年が記録史上、最も気温が高く、11月についても同様な結果となっている。(<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator8_data2.htm">別表データ参照</a>) そして、過去12カ月のうち6カ月－2001年の8月と12月、2002年の1月、3月、4月、5月－は、それぞれ記録史上2番目に気温の高い月となった。</p>
<p >2001年の地球の平均気温は摂氏14.52度と算定される。最高記録となった1998年は14.69度であった。1899～1901年までの地球の平均気温は13.88度であったが、1999年～2001年には14.44度となり、20世紀の間に0.56度上昇した。しかし、その8割は最後の20年間で上昇したものである。</p>
<p >この0.6度弱という20世紀の気温上昇は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した将来予測に比べればまだまだ小さい。IPCCの予測では、今世紀の間に気温が1.4～5.8度上昇するとされているのだ。これは、最低の場合でも20世紀の2倍以上、最高では10倍近くもの勢いで気温が上がることを意味する。</p>
<p >海面上昇についても20世紀のデータと21世紀の予測とでは格段の差があり、これもまた気がかりなことだ。20世紀の間に、海面は推定10～20センチ上昇した。一方で、IPCCが予測した今世紀の海面の上昇幅は9～88センチなのだ。</p>
<p >気温の上昇は、決して自分たちの生活とは無関係な抽象的な問題ではない。気温が上昇すれば、熱波が激しくなり、干ばつが深刻化し、氷河が融解し、暴風雨の威力が増し、洪水が破壊的になり、海面が上昇する、といった具合に無数の物理的変化が生じる。このような変化が生じると、今度は、食糧の安全保障や低地に住む人々の暮らし、さらには各地の生態系における種の構成にまで、影響が及ぶ。</p>
<p >気候変動は多くの点で食糧安全保障に影響を与えている。2000年に世界銀行は、海面が1メートル上昇すれば、バングラデシュの稲作地の半数が水浸しになってしまうことを示した地図を発表した。バングラデシュでは、米の供給量が半分に減ってしまうだけではなく、国民の大多数が生活の糧を失ってしまうことになるのだ。この国の人口は1億3,400万だが、年間270万人の割合で増加の一途をたどっており、その一方で、耕作地面積は減少し続けている。この両者を考え合わせると、バングラデシュの未来は明るいものではない。</p>
<p >生態系にも広範囲にわたって変化が起きている。近年、各国政府や環境保護に携わる組織は、多額の投資を行い、特定の地域を公園や保護区に指定して生態系を保護してきた。しかし、気温の上昇を食い止めることができないなら、地球上で保護が可能な生態系など存在しない。何もかもが変化してしまうのだ。</p>
<p >毎年新たに発表される気温データは、IPCCの最新報告書「IPCC第3次評価報告書」を作成した著名な科学者グループの懸念をますます強めるものだ。これらのデータを見れば、素人目にも何が起こっているかは一目瞭然だ。化石燃料の燃焼が地球の気候に変化をもたらしているのだ。</p>
<p >大切なことは、地球の気候を変化させてしまうことは深刻な問題であり、軽々しく扱われる問題ではないということだ。エネルギー経済を炭素型から水素型へと変えることによって、私たちは気候変動を食い止めることができる。私たちにはそれを実現するだけの技術力があり、経済的にも見合うようになってきている。気候変動が手に追えないほど悪化していく前に、私たちは知恵と意志を動員して、エネルギー経済の再編成を進めることができるのだろうか？</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br>図表1 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator8.htm">地球の平均気温の推移　1867年～2001年</a><br>図表2 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator8_data2.htm">地表の平均気温と大気中の二酸化炭素濃度の推移　1950年～2001年</a></p>
<p >和訳：酒井靖一、小林紀子、浜崎輝、山田はるみ、五頭美知、小宗睦美、渡辺千鶴、小野寺春香、長谷川浩代 </p>
<p >
 
</p>]]>
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<title>【9】至る所で見られる氷の融解</title>
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<modified>2005-06-09T21:42:58Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:33:00Z</issued>
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<summary type="text/plain">レスター・R・ブラウン 最近発表された幾つかの研究によると、地球表面を覆う氷は、...</summary>
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<![CDATA[<p >レスター・R・ブラウン</p>
<p >最近発表された幾つかの研究によると、地球表面を覆う氷は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2001年前半に発表した画期的な報告書の予測よりも速いスピードで融解している。現在IPCCは今世紀中の海面上昇の予測値を9～88センチメートルとしているが、同報告書で用いられた氷の融解のデータは1990年代すべてを網羅していないため、特に海面上昇予測値に関しては上方修正は免れないであろう。</p>
<p >コロラド大学の北極高山研究所の2人の科学者の調査により、アラスカ西海岸およびカナダ北部で、巨大氷河の融解が加速していることが分かった。従来のデータでは、この地域の氷河融解による海面上昇は年間0.14ミリメートルとされていたが、1990年代の新たなデータによれば、より急速な氷河融解によって海面が年間0.32ミリメートルと2倍以上の速さで上昇していることになる。</p>
<p >アラスカに11ある氷河で覆われた山脈すべてにおいて氷河の縮小が進行していると指摘する米国地質調査所(USGS)の研究が、このコロラド大学の研究をさらに裏付けている。USGSはこれより以前の調査で、米国のグレーシャー国立公園の氷河の数が1850年の150個から現在は50個以下にまで減少しており、残っている氷河も今後30年のうちに消えてしまうだろうと予測している。（<a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator9.htm">別表データ</a>参照)</p>
<p >また、衛星からのデータを使って氷河に覆われた地域の変化を測定しているUSGSの別の調査チームは、南米アンデス、スイスアルプス、フランスとスペインにまたがるピレネーなどの複数の山岳地帯の氷河融解が加速していると報告している。</p>
<p >氷河縮小はアンデス山脈全域で急速に進行している。オハイオ州立大学のロニー・トンプソン教授がペルー・アンデス山脈のクエルカヤ氷冠西側にあるコリカリス氷河の年間縮小速度について報告しているが、それによると1998年から2000年にかけての年間縮小速度は、1995年から1998年の3倍であった。ちなみに、1995年から1998年の縮小速度は1993年から1995年のほぼ2倍である。トンプソン教授は、この大きなクエルカヤ氷冠は2010年から2020年の間に完全に消滅するだろうと予測している。</p>
<p >淡水貯蔵量が南極大陸とグリーンランドに次いで世界第3位のヒマラヤ山脈でも、広大な氷雪帯が後退しつつある。ヒマラヤの氷河についてはデータの入手が容易ではないが、これまでの調査データを見ると、後退が加速していることは明らかである。例えば1990年代のデータでは、インド・ヒマラヤ山脈のドクリアニ・バマク氷河(Dokriani Bamak Glacier)が、1998年の1年間だけで20メートル後退したことが分かる。これはそれ以前の5年間における後退を上回るものだ。</p>
<p >また、トンプソン教授が1989年から2000年にかけてキリマンジャロの観測調査を実施したところ、タンザニアにあるこの名高い山の氷原が33％失われていることが分かった。教授は、今後15年の間に、この氷原が完全に消滅する恐れがあると予測している。</p>
<p >気候変動の影響は、北極と南極でも見られる。南極大陸の面積は米国と同じである。南極の氷床は、場所によっては厚さ2.5キロメートルにもなり、世界の淡水の70％以上および地球上の氷の90％を占めている。</p>
<p >この広大な氷床は比較的安定しているが、棚氷(氷床の一部で周辺の海に張り出している部分)は急速に消滅しつつある。南極半島にあるラルセンＢという棚氷では、この5年間で5,700平方キロメートル以上に及ぶ氷が崩壊しており、その半分が2002年初めの数カ月間で消失している。また、米国デラウェア州と同じ大きさの氷山が分離し、この海域を通過する船舶にとって脅威となっている。</p>
<p >南極は巨大な大陸であるが、北極は北極海で覆われている。北極海の海氷は急速に融けつつある。氷厚はこの35年間で、平均3.1メートルから1.8メートルと42％薄くなっている。1978年以降、その面積も6％減少した。氷厚が薄くなり、同時に面積も減少したことによって、海氷の量は半減した。ノルウェーの科学者チームは、遅くとも21世紀半ばまでには、夏の間、北極海が全く凍らないということが起こり得ると予測している。</p>
<p >こうした氷の融解が予測どおりに進んでいくと、昔の探検家たちが夢見た、欧州からアジアへの近道となる北西航路が現実のものとなる可能性がある。しかし、彼らにとっては夢であったことでも、私たちにとっては悪夢になり得るのだ。</p>
<p >仮に、夏の間北極海に氷がなくなったとしても、氷は既に海水中にあるので海面上昇には影響しないが、その地域の熱収支を変えてしまうことになるだろう。日光が氷や雪に当たると、その大部分は宇宙に跳ね返される。しかしそれが陸地や開水面に当たった場合は、大部分のエネルギーが吸収され、気温の上昇を招く。これこそコンピュータモデルの製作者たちが、正のフィードバックループと呼ぶもので、ある傾向が自己増幅する状況をいう。</p>
<p >リチャード・カーは『サイエンス』誌で、「夏には、白く輝く反射板として、太陽エネルギーの80％を宇宙に跳ね返している北極海が、逆に地球に射し込む太陽光の80％を吸収する集熱板へと変化する可能性がある」と述べている。2000年8月には、砕氷船により北極に開放水域が発見されたが、これは氷の融解そのものが、より一層の融解につながっていることをさらに裏付けるものである。</p>
<p >北極にこれまでよりずっと暑い夏が来るという見通しは気がかりである。それというのも、世界第2の氷床面積をもつグリーンランドの大部分は北極圏に位置するからだ。米国航空宇宙局(NASA)の科学者チームは2000年の『サイエンス』で、広大なグリーンランドの氷床が融け始めていると報告している。</p>
<p >このチームはさらに、1993年以来、この氷床の南端と東端が年間1メートル以上も薄くなってきていることから、融解の勢いが増しているようだと報告している。もしもグリーンランドの氷がすべて融けてしまったら、海面は7メートル上昇する。しかし、気温上昇を高く見積もった場合でも、グリーンランドの氷が完全に融けてしまうまでには数百年を要するだろう。</p>
<p >氷の融解がどんどん加速しているのは特にここ10年あまりのことだが、これは1980年以降、気温の上昇が加速しているのに符合する。IPCCは、今世紀中に地球の平均気温は摂氏1.4～5.8度上昇すると予測しており、氷の融解は今後も勢いを増すと考えられる。</p>
<p >私たちの世代は、人類史上初めて地球の気候を変えてしまう能力を手にした。だからといって、実際にこの惑星の気候を変える権利があるのだろうか。私たちはこの倫理的な問いに取り組む最初の世代でもあるのだ。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator9.htm">世界各地で起こっている氷の融解（11の事例）</a><br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator9.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator9.htm</a> </p>
<p >和訳：酒井靖一、小林紀子、浜崎輝、山田はるみ、五頭美知、小宗睦美、渡辺千鶴、小野寺春香、長谷川浩代</p>
<p >
 
</p>]]>
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<title>【10】急成長する風力発電</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/050608_063223.html" />
<modified>2005-06-28T06:12:18Z</modified>
<issued>2005-06-07T21:32:23Z</issued>
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<summary type="text/plain">レスター・R・ブラウン 世界の風力発電容量は、2000年の1万7,500メガワッ...</summary>
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<![CDATA[<p >レスター・R・ブラウン</p>
<p >世界の風力発電容量は、2000年の1万7,500メガワットから2001年の2万4,000メガワットへと急増し、1年間で6,500メガワットすなわち37％という驚異的な伸びを示した。風力発電のコストが下がり続け、また気候変動に対する社会的懸念が広がるにつれ、世界は急速に風力発電へと向かいつつある。</p>
<p ><img alt="グラフ：米国における風力発電１キロワット時当たりの発電コストの推移　1982年～2001年" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_10.gif"width="413" height="345" border="0" /></p>
<p >1995年以降、世界の風力発電容量は5倍という驚くべき増加を示している。それとは全く対照的に、主要な発電エネルギー源のひとつである石炭の使用量は、1996年にピークに達した後、6％減少している。</p>
<p >通常、1メガワットの風力発電容量は、工業化社会の350世帯分、約1,000人分の電力需要を満たすことができる。つまり、現在利用可能な2万4,000メガワットの発電容量は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの人口の合計に匹敵するおよそ2,400万人の住宅用電力需要を賄うことができる。</p>
<p >風力発電容量においては、ドイツが世界をリードしており、8,750メガワットと全体の3分の1以上を占めている。2位は1980年代初めにカリフォルニア州で最新の風力発電産業を起こした米国で、4,250メガワットである。3位はスペインで3,300メガワット、4位はデンマークで2,400メガワットである。デンマークは、現在電力の15％以上を風力から得ている。2001年に増加した世界の発電容量のほぼ3分の2は、上位3カ国に集中しており、ドイツが2,600メガワット、米国が1,700メガワット、そしてスペインが930メガワットである。米国については、2001年に、発電容量がおよそ67％増加したことになる。</p>
<p >このように目覚しい成長がみられるものの、地球の風力資源の開発はようやく始まったばかりである。人口密度の高い欧州の沖合いには、利用しやすく、かつ地域全体の電力需要を賄えるだけの風力エネルギーが存在する。米国では、大草原地帯に位置する諸州の豊富な風力エネルギーを活用すれば、国全体の電力需要を賄うことができる。そして中国は、風力だけで優に現在の発電容量を倍増させることができる。</p>
<p >米国では、過去15年間で優良立地における風力発電のコストが急激に下がってきている。1980年代半ばには1キロワット時当たり35セントであったのが、2001年には4セントにまで低下した。(上記グラフ参照)</p>
<p >さらに、最近の長期供給契約の中には、1キロワット時あたり3セントの契約がいくつか見られる。石油、石炭、原子力発電への既存の補助金との格差をなくすため1993年に風力エネルギー生産税控除(PTC)が導入されて以来、米国の風力発電の成長は著しい。コロラド、アイオワ、カンザス、ミネソタ、ニューヨーク、オレゴン、ペンシルバニア、テキサス、ワシントン、ワイオミングの各州で新たなウィンドファームが稼動を始めた。2002年の3月にPTCが2003年末まで延長されたことで、風力発電の急成長を支える土壌ができた。</p>
<p >風力による低コストの電気を使えば、水の電解によって水素を生成することも可能となる。その水素を貯蔵し、風力が弱いときに、ガスタービン発電用の予備燃料にすることは簡単にできる。長い目で見れば、風力発電を利用して得られる水素は、天然ガス資源が枯渇した際、ガス火力発電所における代替燃料の最有力候補となる。</p>
<p >水素はまた、現在、大手自動車メーカーがこぞって開発に取り組んでいる燃料電池エンジンにうってつけの燃料である。ホンダとダイムラー・クライスラーの2社は2003年に燃料電池自動車の販売を開始する計画である。</p>
<p >風力発電は長期的な電力価格の安定と、エネルギー自立をもたらす。風力発電による電気のコストは安く、現在も下がり続けており、そのうえ、天然ガスのような急激な価格高騰の恐れがない。どこにでも存在する風力にはOPECのようなカルテルは存在しない。風力は無尽蔵であり、社会が必要とする以上のエネルギーを供給し、その上、気候変動を引き起こすこともない。</p>
<p >風力タービンの製造と風力開発への投資はこれまでも大きな利益を上げてきた。2001年、ハイテク企業が軒並み、売上、収益の壊滅的な減少、そして株価の下落に苦しむ中、風力産業の売上は大幅に伸びた。例を挙げると、世界有数の風力タービンメーカーであるデンマークのノルデックス社の2001年から2002年会計年度上半期の売上高は47％増であった。</p>
<p >ここ最近の発電容量の伸びにもまして、将来の成長予測には目を見張るものがある。欧州風力エネルギー協会は最近、欧州の2010年の風力発電量の予測値を4万メガワットから6万メガワットに修正した。</p>
<p >フランスは長年、風力発電を軽視してきたのだが、2000年12月に今後10年間で風力発電量を5千メガワットにまで引き上げると発表した。アルゼンチンはその数週間後に、パタゴニア地方における3千メガワットの風力発電開発計画を発表。英国は2001年4月に、シェル石油など数社の入札相手に1,500メガワットの風力量が見込まれる洋上発電のリース権を売却した。さらに2002年初頭、中国は2005年までに風力容量を1,200メガワットに拡大する計画を発表した。</p>
<p >米国の風力発電容量は飛躍的な伸びを示している。オレゴン州とワシントン州の州境で実施されている261メガワットの風力プロジェクト(Stateline Wind Project)では、今年(2002年)後半に発電容量が300メガワットに拡大され、世界最大のウィンドファームになる。テキサス州では2001年、複数のプロジェクトにおいて約900メガワットの発電容量が新たに追加された。この中には、州西部のキングス・マウンテンにある、当時世界最大だった278メガワットを有するウィンドファームも含まれている。</p>
<p >サウスダコタ州では、カリフォルニア州の風力エネルギー開発の先駆者であるジム・デルセンが、州中東部の9万ヘクタールの農場や牧場に吹く風の使用権を獲得した。彼は、3,000メガワットの発電容量を有する巨大ウィンドファームを建設し、その電力をアイオワ州を経由して、イリノイ州など中西部の工業地帯に供給することを計画している。</p>
<p >欧州では現在、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、スコットランド、スウェーデン、英国の沖合で、洋上風力プロジェクトが続々と立ち上がっている。</p>
<p >ドイツ風力エネルギー研究所は、2002年に2,900メガワット、さらに2003年には2,400メガワットの発電設備の建設を計画している。これらが計画通りに実施されれば、ドイツの風力発電設備の総容量は、政府の2010年の目標値である1万2,500メガワットを、2003年末までに優に上回ることになる。</p>
<p >こうした勢いのある産業が、将来どのくらい成長するかを予測することは難しい。しかし、風力資源の開発は、国内の風力発電容量が100メガワットを超えると急速に進む傾向がある。米国は1983年にこの分岐点を超えた。1987年のデンマーク、1991年のドイツに続いて、1994年にはインド、1995年にはスペインがこの分岐点を超えている。</p>
<p >さらに1999年末までに、カナダ、中国、イタリア、オランダ、スウェーデン、英国がすべてこの分岐点を越えた。2000年には、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルがこのリストに加わり、2001年には、フランスと日本も分岐点を超えている。すなわち2002年初めには、世界人口の半分を占める16もの国が、風力発電開発急成長の段階に突入したことになる。</p>
<p >風力エネルギーは電力や水素という形で、現代経済の多様なエネルギー需要をすべて満たすことができるため、新たなエネルギー経済の基盤になることが期待されている。現在、風力タービンが炭鉱に取って代わり、水素生成装置が精油所に取って代わり、燃料電池エンジンが内燃機関に取って代わる中、私たちはこの新たなエネルギー経済が姿を現しつつあるのを見ることができる。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br></p>
<p ><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator10_data1.htm">図表1: 米国における風力発電１キロワット時当たりの発電コストの推移　1982年～2001年</a><br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator10_data2.htm">図表2: 世界および国別の風力発電容量の推移　1980年～2001年 </a></p>
<p ><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator10.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator10.htm</a> </p>
<p >和訳：渡辺千鶴、小野寺春香、A.I.、山本夕佳、長谷川雅美、飯田夏代、木村ゆかり、小林紀子、梶川祐美子</p>
<p >
 
</p>]]>
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<title>【11】自転車生産台数が1億台突破</title>
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<modified>2005-06-28T06:11:29Z</modified>
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<summary type="text/plain">ジャネット・ラーセン 2000年、世界中で1億台を超える自転車が生産され、過去最...</summary>
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<![CDATA[<p >ジャネット・ラーセン</p>
<p >2000年、世界中で1億台を超える自転車が生産され、過去最高だった1995年の1億600万台以来となる数を記録した。この生産数は25年前の2倍である。</p>
<p ><a href="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_11.gif"><img alt="" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_11-thumb.gif" width="365" height="285" border="0" /></a></p>
<p >中国は同年、過去最高となる5,200万台の自転車を生産した。これは世界の総生産数の半分以上を占める数である。これら中国製自転車の3分の2近くは輸出用で、1,700万台は米国向けだ。米国内の自転車生産台数は100万台をわずかに超える程度で、1995年にはほぼ900万台であった生産数から急激な落ち込みを見せている。自転車利用者が4,300万人を超える米国では、国内需要の97％が輸入によってまかなわれており、自転車輸出国にとって世界最大の市場となっている。</p>
<p >欧州連合では、ドイツを筆頭として2000年に約1,200万台の自転車が生産された。同年の販売台数は、イタリア160万台に対しドイツは530万台に達したが、生産台数ではイタリアがドイツの320万台に迫る勢いだ。</p>
<p >インドでは1,100万台以上の自転車が生産された。ほとんどは国内販売用またはアフリカ輸出用だ。アフリカは巨大な自転車市場となる可能性を持っている。しかし、低コストで動力に頼らない交通手段は引き続き需要があるにもかかわらず、自転車の販売は、近年、多くの国で落ち込んできている。この傾向の原因の一つは、手ごろな価格設定の新しい自転車や部品が不足していることだ。</p>
<p >セネガルでも同様の不足が見られる。販売実績が年に2,000台程度しかない国内の小規模自転車製造業者を保護するため、セネガルでは輸入自転車に禁止関税を課している。ガーナでは、1989年まで輸入品に同様の関税や税金をかけていたが、それらの撤廃後、自転車の販売台数が急激に伸びた。</p>
<p >最新式で頑丈な自転車を求めるアフリカの高いニーズに応えるため、環境に対して持続可能かつ公平な交通政策を推進している交通と開発政策研究所(the Institute for Transportation and Development Policy)と、南アフリカの非営利団体アフリバイク(Afribike)が、アフリカ・バイクという自転車を設計した。これは、従来からあるブラック・ロードスターという自転車に取って代わる新しい1台だ。ブラック・ロードスターは性能基準を満たしておらず、また田舎の人や老人、貧しい人たちが乗るものというイメージを持つ人が多いため、現在、販売が芳しくない。どちらの自転車も価格は約60ドルである。非営利団体アフリバイクは単独でも、1998年以来1万人以上の南アフリカの人々に低価格の交通手段を提供してきており、セネガル、ギニア、ガーナにもそのプログラムを拡大する予定だ。</p>
<p >自転車の所有によって、個人の可動性が大幅に高まり、実質的な収入の増加につながる。農村地域の女性に自転車購入用の貸付を行うと、教育を受ける機会を増やすことができ、農産物を市場へ容易に運ぶことができる。このようにして、自転車販売の増加は、より高い農業生産高に相関している。ガーナでは、自転車のおかげで、HIV/AIDSに関する啓発の担当者が、以前の1.5倍もの人々に接し、話をすることができるようになっている。</p>
<p >都市部では、自転車は自動車の代わりになることができ、交通渋滞を緩和し、大気汚染や騒音を軽減する。自転車が道路空間に占める割合は、中程度の速度で走る自動車の30分の1である。自転車はまた、途上国においてさえ、過体重または肥満の人がかつてないほど多くなった時代に、運動を提供する。長距離または丘陵地帯を走るのに助けが必要な人にとっては、人気が高まっている電池作動の電気自転車が希望にかなうことが多い。2003年までに、燃料電池で動く自転車が市場に出回る。</p>
<p >多くの都市は、特に工業国では、自転車用道路を整備し且つ通勤での自転車使用に優遇措置を与えることによって、持続可能な輸送の形態として自転車を奨励している。コペンハーゲンでは、人口の3分の1が自転車通勤をしている。2005年までに、コペンハーゲンの革新的なシティバイク・プログラムは、市内で3,000台の自転車を無料で使用できるように提供する。都市計画者は、既に高額の駐車場代を15年間に毎年3％ずつ上げる予定をしており、高額の燃料税および自動車登録費を課し、今後は鉄道を中心とした開発に専念するため、市の全自転車数は、増大すると予想される。</p>
<p >世界でもっとも裕福な都市の一つであるストックホルムでは、最近数十年で自動車使用の減少が見られる。ストックホルムでは、都市開発が市の中心部に集中しており、さらに効率の良い公共輸送が可能である。鉄道とバスが、歩行者優先道路や自転車優先道路に連結している。スウェーデンのすべての市街地では、10回の移動のうちの1回は自転車によるものであり、ほぼ同数が公共交通機関、およそ40％が徒歩である。自動車による移動はほんの36％であり、ヨーロッパでは最も低い。オランダでは、全移動の27％に自転車が使用されている。</p>
<p >しかしながら、世界の自動車台数は5億3,000万台を超えており、増え続ける原動機付き車両に自転車が水をあけられている地域もある。北京では、10年前には全移動の60％は自転車によるものだった。市民の所得が増えたことで、進歩の象徴として見られている自動車が好まれるようになり、自転車による移動は40％に落ちてきている。上海では最近、ラッシュ時には大通りから自転車が閉め出されるようになり、自転車による移動の割合は20％にまで落ち込んだ。上海市は2010年までに市の中心部から完全に自転車を禁止する計画を立てていると伝えられている。</p>
<p >米国とカナダでは開発がそれほど集中しておらず、車による移動はそれぞれ84％、74％となっている。両国とも、徒歩による移動はわずか約10％であり、自転車は1％にすぎない。多くの市民は、交通手段としてではなく、レクリエーションとして自転車を使用している。</p>
<p >汚染の原因であり、多くの土地を欲する自動車の氾濫という危機に瀕している都市では、交通計画や都市開発計画に自転車を組み込むことで事態を改善することができるだろう。税の優遇措置によって大量交通を閉め出す地域の開発を促進させることが可能であり、電車やバスには自転車を持ち込めるようにすることが可能だ。道路の安全性を高め、自転車が利用しやすくするようにすることで、通勤や娯楽のために自転車に乗ろうという人が増えるだろう。</p>
<p >20世紀半ばには、世界の自転車と自動車の生産台数はほぼ同数だったが、それ以降は年間の自転車生産台数は自動車の2倍以上に増えている。自転車は個人所有の交通手段としては価格が手ごろで、空間を効率的に使うことができ、メンテナンスがしやすい。そして、このような有用性によって今後の自転車産業の成長が約束されているのだ。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br>図表1 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11_data1.htm">世界の自転車および自動車の生産台数の推移　1950年～2000年</a><br>図表2 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11_data2.htm">国別自転車生産台数の推移　1990年～2000年</a><br>図表3 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11_data3.htm">米国自転車市場の推移　1991年～2000年</a><br>図表4 <a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11_data4.htm">世界各地における自転車普及に関する取り組み</a> </p>
<p ><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11.htm</a> </p>
<p >和訳：渡辺千鶴、小野寺春香、A.I.、山本夕佳、長谷川雅美、飯田夏代、木村ゆかり、小林紀子、梶川祐美子</p>
<p >
 
</p>]]>
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<title>【12】太陽電池販売が急成長</title>
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<summary type="text/plain">バーニー・フィシュロウィッツ・ロバーツ 2001年の世界の太陽電池生産量は大幅に...</summary>
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<![CDATA[<p >バーニー・フィシュロウィッツ・ロバーツ</p>
<p >2001年の世界の太陽電池生産量は大幅に増加し、前年比37％増の395メガワットとなった。この生産量の年間成長は今や、発電所1基の新設に匹敵する規模であり、生産コストが低下するにつれて、今後、数年以内にさらに飛躍的に伸びると予想される。蓄電機能を持つ太陽電池や太陽光発電装置(PV)の発電容量を累計するとすでに1,840メガワットを上回っている。</p>
<p ><a href="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_12.gif"><img alt="" src="http://www.es-inc.jp/lib/lester/ecoindex/img/indicators_12-thumb.gif" width="450" height="400" border="0" /></a></p>
<p >2001年の太陽電池生産量の上位5社は、シャープ、BPソーラー、京セラ、シーメンスソーラー、アストロパワーで、合計すると世界の生産量の64％を占める。世界の総生産量の43％を占める日本のメーカーは、太陽電池の利用を促進する政策の恩恵にあずかった。</p>
<p >ニューサンシャイン計画では、当初、送電網につながれている住宅用システムの購入にかかる費用の半額を現金で補助していたのだが、これこそが日本の太陽光発電市場を拡大させる大きな原動力となった。2000年になると、太陽電池の増産により価格が低下したため、補助金は35％まで引き下げられた。住宅用を対象とした補助金のほかに、政府は2001年度に2億7100万ドルを研究開発と実証プログラムと市場刺激策に投入したが、これが成長を促す鍵だった。</p>
<p >日本政府とは対照的に、米国政府は2000年に6,000万ドルしか太陽光発電事業に投入しなかった。24％だった米国の世界市場シェアは、2001年になると、EUに追い越され、今ではそのEUが25％のシェアを占めている。政府レベルでは、米国よりもEUのほうが再生可能エネルギーに力を入れている。</p>
<p >ドイツでは、2000年の再生可能エネルギー法によって、ソーラーシステムの購入を対象に、有利な貸付条件が設定され、余剰電力を送電網に戻す場合は、一定の価格が保証されると定められている(ネットメータリングとして知られている)。このような支援を背景に、ヨーロッパで最も進んでいるドイツの太陽光発電業界は、2001年には113メガワットだった設備容量が、2004年までには438メガワットにまで上昇すると予測されている。</p>
<p >2001年の系統連系形住宅用システムの設置は、政府の政策が後押しとなった日本で最も販売が多く、100メガワットに達した。ドイツの系統連系形システムは75メガワット程度だった。米国では32メガワットが設置されたが、系統連系形システムに加えて、遠隔地では送電網につながっていないものがあった。インドでは18メガワットのすべてが送電網につながっていない設置だった。50～60カ国の発展途上国で設置された120～130メガワットも送電網につながっていない事業だった。</p>
<p >日米両国は太陽電池の純輸出国だった。米国の生産量の約3分の2、日本の生産量の42％が輸出された。</p>
<p >送電網と接続された消費者にとって、太陽電池から得られる電気のコストは、風力発電や石炭発電設備の場合とくらべれば依然として割高だが、需要の高まりによる産業規模の拡大に伴うスケールメリットにより急速に低下している。現在の太陽電池のコストは、結晶型太陽電池が1ワットあたり3ドル50セント、効率性は劣るが建材との一体化が可能な薄膜型太陽電池が1ワットあたり2ドルである。業界アナリストは、1976年から2000年までに両者の累積生産高が倍になり、20％の価格低下につながったと指摘している。今後も価格がさらに大幅に低下するとみるアナリストもいる。</p>
<p >欧州太陽光発電工業会(European Photovoltaic Industry Association)は、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国においては2010年までに、送電網につながれているルーフトップ型太陽光発電システムが電力消費量の16％に達すると予測している。</p>
<p >ルーフトップ型太陽光発電システムのコストが予測通り2005年までにワットあたり3ドルを切れば、住宅屋根用太陽光発電システムの市場が拡大するだろう。太陽光発電システムに対して住宅ローンの融資が受けられ、ネットメータリング法が存在する地域では、需要は40ギガワットに達する可能性がある。これは、2001年の世界全体の生産量の100倍である。</p>
<p >途上国の村を中心に、世界で100万を超える世帯が太陽電池による電気を利用している。一般的に、送電網に接続されていない家に住む15～20億の人々にとって、太陽電池は最も安価な電力源である。遠隔地においては、大規模な送電網を通じて少量の電気を送電することはコストの制約が大きいため、送電網から離れた地域の住民は太陽電池から電気を得ることになる。</p>
<p >マイクロクレジット(少額無担保融資)が行われれば、太陽光発電システムの月々の支払いは、各家庭がろうそくやランプの灯油に支払う額と同程度である場合が多い。ローンの支払いが終了すれば(通常2～4年以内)、システムの寿命がつきるまで無料で電気を得ることができるのだ。</p>
<p >太陽光発電システムは良質の電気照明を可能とするため、教育機会を拡充し、情報へのアクセスを提供し、日没後の家庭の時間をより有益なものとする。ソーラーエネルギーへの移行は保健上の利点もある。ソーラー電気によりワクチンや他の必要不可欠な物質の冷蔵が可能となり、公衆衛生の向上に役立つ。遠隔地の住民の多くにとっては、ソーラー電気への移行により室内の空気の質が改善する。太陽光発電は屋外の大気環境にも資する。灯油ランプを40ワットのソーラーモジュールに置き換えると、年間で最高106キロの二酸化炭素排出量が削減されることになる。</p>
<p >途上国だけでなく、先進国でも太陽光発電の活用は期待できる。曇りの日が多い英国でさえ、最新の太陽光発電システムを設置に適したすべての屋根に取り付ければ、全英の年間消費量を上回る電力が得られる。これで国内の発電によって発生する温室効果ガスはすべてなくなり、大気から年間2億トン近くの二酸化炭素を取り除くことになる。</p>
<p >太陽電池パネルが建築デザインと融合した新しいタイプの住宅、ゼロ・エネルギー住宅は、エネルギー効率が極めて高い。このゼロ・エネルギー住宅に関する最近の調査によれば、太陽電池の利用はこうした住宅によってさらに拡大する見込みだ。</p>
<p >米国南東部の進歩的な建築業者、ユリウス・ポストン氏がつくる住宅のエネルギー消費量は、一般的な住宅の半分である。同氏のサーティファイド・リビング社が、建材一体型太陽電池パネルを備えたゼロ・エネルギー住宅の試作品を2棟建築した。いずれこの画期的な考え方が普及すれば、化石燃料で得る家庭用電力に起因する環境汚染はなくなるだろう。</p>
<p >太陽電池市場が力強く成長し続けていることは、再生可能で公害を出さないエネルギー源として、同市場が途上国でも先進国でも重要な役割を果たしていくことを示唆している。</p>
<p >政策措置がいくつかあれば、太陽光発電は今後、確実に伸びていくだろう。まず、市場を歪める化石燃料への補助金を撤廃すれば、太陽電池はもっと公正な市場で競合できるようになる。またネットメータリング法を、米国でも現在施行していない州や諸外国に普及させれば、電力会社に余剰電力の買い取りを義務付けることで、太陽光発電住宅システムはより経済的に所有できるものになる。さらに、太陽光発電システムを途上国で急速に普及させるためには、貸付資金やマイクロクレジット機関の拡充が不可欠である。</p>
<p >太陽電池メーカーは、今後この市場は飛躍的に伸びると気付き始めている。シャープはすでに太陽電池生産で世界のトップを走っているが、2002年には94メガワットから200メガワットまで、生産能力を倍増させる計画である。業界全体の生産量では、今後数年間にわたって年間40から50％ずつ増え続けると予測されており、ソーラー時代はますます近づきつつある。</p>]]>
<![CDATA[<p >参考データ:<br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator11_data1.htm">世界の太陽光発電装置の年間生産量および出荷量の推移　1971年～2001年</a><br><a href="http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator12.htm" onclick="window.open(this.href); return false;" >http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator12.htm</a> </p>
<p >和訳：渡辺千鶴、小野寺春香、A.I.、山本夕佳、長谷川雅美、飯田夏代、木村ゆかり、小林紀子、梶川祐美子</p>
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</p>]]>
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