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レスター・ブラウンコーナー|エコ・エコノミー指標
【12】太陽電池販売が急成長

バーニー・フィシュロウィッツ・ロバーツ

2001年の世界の太陽電池生産量は大幅に増加し、前年比37%増の395メガワットとなった。この生産量の年間成長は今や、発電所1基の新設に匹敵する規模であり、生産コストが低下するにつれて、今後、数年以内にさらに飛躍的に伸びると予想される。蓄電機能を持つ太陽電池や太陽光発電装置(PV)の発電容量を累計するとすでに1,840メガワットを上回っている。

2001年の太陽電池生産量の上位5社は、シャープ、BPソーラー、京セラ、シーメンスソーラー、アストロパワーで、合計すると世界の生産量の64%を占める。世界の総生産量の43%を占める日本のメーカーは、太陽電池の利用を促進する政策の恩恵にあずかった。

ニューサンシャイン計画では、当初、送電網につながれている住宅用システムの購入にかかる費用の半額を現金で補助していたのだが、これこそが日本の太陽光発電市場を拡大させる大きな原動力となった。2000年になると、太陽電池の増産により価格が低下したため、補助金は35%まで引き下げられた。住宅用を対象とした補助金のほかに、政府は2001年度に2億7100万ドルを研究開発と実証プログラムと市場刺激策に投入したが、これが成長を促す鍵だった。

日本政府とは対照的に、米国政府は2000年に6,000万ドルしか太陽光発電事業に投入しなかった。24%だった米国の世界市場シェアは、2001年になると、EUに追い越され、今ではそのEUが25%のシェアを占めている。政府レベルでは、米国よりもEUのほうが再生可能エネルギーに力を入れている。

ドイツでは、2000年の再生可能エネルギー法によって、ソーラーシステムの購入を対象に、有利な貸付条件が設定され、余剰電力を送電網に戻す場合は、一定の価格が保証されると定められている(ネットメータリングとして知られている)。このような支援を背景に、ヨーロッパで最も進んでいるドイツの太陽光発電業界は、2001年には113メガワットだった設備容量が、2004年までには438メガワットにまで上昇すると予測されている。

2001年の系統連系形住宅用システムの設置は、政府の政策が後押しとなった日本で最も販売が多く、100メガワットに達した。ドイツの系統連系形システムは75メガワット程度だった。米国では32メガワットが設置されたが、系統連系形システムに加えて、遠隔地では送電網につながっていないものがあった。インドでは18メガワットのすべてが送電網につながっていない設置だった。50~60カ国の発展途上国で設置された120~130メガワットも送電網につながっていない事業だった。

日米両国は太陽電池の純輸出国だった。米国の生産量の約3分の2、日本の生産量の42%が輸出された。

送電網と接続された消費者にとって、太陽電池から得られる電気のコストは、風力発電や石炭発電設備の場合とくらべれば依然として割高だが、需要の高まりによる産業規模の拡大に伴うスケールメリットにより急速に低下している。現在の太陽電池のコストは、結晶型太陽電池が1ワットあたり3ドル50セント、効率性は劣るが建材との一体化が可能な薄膜型太陽電池が1ワットあたり2ドルである。業界アナリストは、1976年から2000年までに両者の累積生産高が倍になり、20%の価格低下につながったと指摘している。今後も価格がさらに大幅に低下するとみるアナリストもいる。

欧州太陽光発電工業会(European Photovoltaic Industry Association)は、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国においては2010年までに、送電網につながれているルーフトップ型太陽光発電システムが電力消費量の16%に達すると予測している。

ルーフトップ型太陽光発電システムのコストが予測通り2005年までにワットあたり3ドルを切れば、住宅屋根用太陽光発電システムの市場が拡大するだろう。太陽光発電システムに対して住宅ローンの融資が受けられ、ネットメータリング法が存在する地域では、需要は40ギガワットに達する可能性がある。これは、2001年の世界全体の生産量の100倍である。

途上国の村を中心に、世界で100万を超える世帯が太陽電池による電気を利用している。一般的に、送電網に接続されていない家に住む15~20億の人々にとって、太陽電池は最も安価な電力源である。遠隔地においては、大規模な送電網を通じて少量の電気を送電することはコストの制約が大きいため、送電網から離れた地域の住民は太陽電池から電気を得ることになる。

マイクロクレジット(少額無担保融資)が行われれば、太陽光発電システムの月々の支払いは、各家庭がろうそくやランプの灯油に支払う額と同程度である場合が多い。ローンの支払いが終了すれば(通常2~4年以内)、システムの寿命がつきるまで無料で電気を得ることができるのだ。

太陽光発電システムは良質の電気照明を可能とするため、教育機会を拡充し、情報へのアクセスを提供し、日没後の家庭の時間をより有益なものとする。ソーラーエネルギーへの移行は保健上の利点もある。ソーラー電気によりワクチンや他の必要不可欠な物質の冷蔵が可能となり、公衆衛生の向上に役立つ。遠隔地の住民の多くにとっては、ソーラー電気への移行により室内の空気の質が改善する。太陽光発電は屋外の大気環境にも資する。灯油ランプを40ワットのソーラーモジュールに置き換えると、年間で最高106キロの二酸化炭素排出量が削減されることになる。

途上国だけでなく、先進国でも太陽光発電の活用は期待できる。曇りの日が多い英国でさえ、最新の太陽光発電システムを設置に適したすべての屋根に取り付ければ、全英の年間消費量を上回る電力が得られる。これで国内の発電によって発生する温室効果ガスはすべてなくなり、大気から年間2億トン近くの二酸化炭素を取り除くことになる。

太陽電池パネルが建築デザインと融合した新しいタイプの住宅、ゼロ・エネルギー住宅は、エネルギー効率が極めて高い。このゼロ・エネルギー住宅に関する最近の調査によれば、太陽電池の利用はこうした住宅によってさらに拡大する見込みだ。

米国南東部の進歩的な建築業者、ユリウス・ポストン氏がつくる住宅のエネルギー消費量は、一般的な住宅の半分である。同氏のサーティファイド・リビング社が、建材一体型太陽電池パネルを備えたゼロ・エネルギー住宅の試作品を2棟建築した。いずれこの画期的な考え方が普及すれば、化石燃料で得る家庭用電力に起因する環境汚染はなくなるだろう。

太陽電池市場が力強く成長し続けていることは、再生可能で公害を出さないエネルギー源として、同市場が途上国でも先進国でも重要な役割を果たしていくことを示唆している。

政策措置がいくつかあれば、太陽光発電は今後、確実に伸びていくだろう。まず、市場を歪める化石燃料への補助金を撤廃すれば、太陽電池はもっと公正な市場で競合できるようになる。またネットメータリング法を、米国でも現在施行していない州や諸外国に普及させれば、電力会社に余剰電力の買い取りを義務付けることで、太陽光発電住宅システムはより経済的に所有できるものになる。さらに、太陽光発電システムを途上国で急速に普及させるためには、貸付資金やマイクロクレジット機関の拡充が不可欠である。

太陽電池メーカーは、今後この市場は飛躍的に伸びると気付き始めている。シャープはすでに太陽電池生産で世界のトップを走っているが、2002年には94メガワットから200メガワットまで、生産能力を倍増させる計画である。業界全体の生産量では、今後数年間にわたって年間40から50%ずつ増え続けると予測されており、ソーラー時代はますます近づきつつある。

参考データ:
世界の太陽光発電装置の年間生産量および出荷量の推移 1971年~2001年
http://www.earth-policy.org/Indicators/indicator12.htm

和訳:渡辺千鶴、小野寺春香、A.I.、山本夕佳、長谷川雅美、飯田夏代、木村ゆかり、小林紀子、梶川祐美子

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