| カテゴリー:最新20件、温暖化 |
| 温暖化懐疑論にはこう答えよう! |
<内容>
■日本での「温暖化懐疑論」とそれらへの批判・説明 ■温暖化についてのこんな疑問や反論に思い当たる方はいませんか? ■武田邦彦先生・江守正多さんとの本『温暖化論のホンネ ~「脅威論」と「懐疑論」を超えて』も予約開始です
前々号で紹介したように、米国では「温暖化への懐疑的な気持ち」を持つ人々が増えているかもしれない?という心配な状況です。これが、『私たちの選択』から紹介したように、化石燃料を使い続けたい業界が組織的に展開している温暖化否定・対策懐疑論キャンペーンの影響なのかどうか・・・? これにも関連して、研究者の方から、エール大学がおこなった調査レポートを送っていただきました。「効果的なコミュニケーションの第一歩は、相手を知ること。アメリカ人と十把一絡げに言うのではなく、その関心や理解の度合いから6つに分けて考えることができるし、それが効果的」という内容のようです。面白そうなので、またお伝えできればと思います(大きな翻訳が終わったので、やっとそういう時間がとれそうです!) そうそう、日本にも温暖化懐疑論がありますね。そういう人や意見に出会って、苦労したこと、ありませんか?(私はときどきあります) そんなときに、「いろいろな懐疑論に、きちんと対応し、批判し、説明してくれる科学者がいてくれたらなあ!」と思いますよね。 そんな人たちへの科学者からの心を込めた贈り物があります。
IR3S/TIGS叢書No.1 著者: 明日香壽川 河宮未知生 高橋潔 吉村純 江守正多 伊勢武史 増田耕一 野沢徹 川村賢二 山本政一郎 人為起源の二酸化炭素排出を主な原因として地球規模で気候が温暖化するという、いわゆる人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的あるいは否定的な見解をとる議論が日本国内でも存在している。 社会からの信頼にその活動基盤を置く科学者コミュニティは、こうした現状を座視すべきではないと考える。したがって、本稿ではこれらの議論から主な論点を拾い上げ、一方的な、あるいは間違った認識に基づくものに対して具体的な反論を行う。 (本文「our mission」より) PDFで無償でダウンロードできますので、ぜひどうぞ! 以下、冒頭からご紹介します。 ~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本稿の目的 地球温暖化問題(以下では温暖化問題)に関しては、多くの不確実性が残っている。しかし、温暖化の人為的要因や対策の必要性に関して、これまでの知見や実状を無視するかのような議論も散見される。したがって、様々な論点を整理し、新たな知見や現在の状況などを紹介することによって、温暖化問題に関する建設的な議論を推進することの重要性は高いと思われる。 そのため、本稿では、現在起きている温暖化の要因を、産業革命以降の人為的な二酸化炭素の排出を主な要因とする考え方(以下では、「人為的排出二酸化炭素温暖化説」と呼ぶ)や温暖化対策の重要性などに対して、懐疑的あるいは否定的な言説となっている槌田(1999、2004、2005a、2005b、2006、2007、2008)、薬師院(2002)、渡辺(2005、2006)、伊藤(2003、2005、2006、2009)、近藤(2006)、池田(2006)、矢沢(2007)、Lomborg(2001、2005、2007)、Durkin(2007)、武田(2007a、2007b、2007c、2008a、2008b、2008c)、Crichton(2007)、伊藤・渡辺(2008)、山口(2006)、丸山(2008a、2008b、2008c、2009)、武田・丸山(2008)、養老(2007)、赤祖父(2008、2009)などを中心に1)、彼らの温暖化に関する主な議論への反論を以下のような5つの章に分けて整理した。 第1章:温暖化問題における「合意」 第2章:温暖化問題に関するマスコミ報道 第3章:温暖化問題の科学的基礎 第4章:温暖化対策の優先順位 第5章:京都議定書の評価 本稿は、「IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)報告書などの結論に異を唱えること」に対して、すべて「懐疑論」のレッテルを貼ろうとしているわけではない。 言うまでもなく、物事に対して懐疑的であることは科学の基本であり、常に必要なことである。IPCC報告書には、様々な対立する意見が検討され続けており、その上で、現時点においてもっとも状況をよく説明できる仮説が、その確からしさに関する定量的な議論とともに紹介されている。このような営みは、現在までに蓄積された科学的知見に基づいて、より深い理解をもたらすための「科学の営み」である。 ところが、今なお人為的排出二酸化炭素温暖化説の信頼性や温暖化問題の重要性に対して懐疑的あるいは否定的な議論には、次のような特徴をもつものが多い。 ◎既存の知見や観測データを誤解あるいは曲解している ◎すでに十分に考慮されている事項を、考慮していないと批判する ◎多数の事例・根拠に基づいた議論に対して、少数の事例・根拠をもって否定す ◎定量的評価が進んできている事項に対して、定性的にとどまる言説を持ち出して否定する(定性的要因の指摘自体はよいことではあるものの、その意義づけに無理がある) ◎不確かさを含めた科学的理解が進んでいるにも関わらず、不確かさを強調する ◎既存の知見を一方的に疑いながら、自分の立論の根拠に関しては同様な疑いを ◎問題となる現象の時間的および空間的なスケールを取り違えている ◎温暖化対策に関する取り決めの内容などを理解していない ◎三段論法の間違いなどロジックとして誤謬がある このような議論の多くは、これまでの科学の蓄積を無視しており、しばしば独断的な結論に読者を導いている。温暖化のリスクが増大している状況下で、このような議論が社会に広まることを科学者としては看過できない。 したがって、私たちは懐疑論に対する具体的な反論をとおして、最新の科学的知見に関する情報発信を行うと同時に、地球温暖化問題の重要性に関する認識の喚起をうながしたといと考える。
以下は、「地球温暖化懐疑論批判」の目次です。 「あ、こんなことを言われたことがある」という方、科学者がどのように説明しているか、ぜひ読んでみて、「次にそう言われたら、こう答えよう」と準備できます。 温暖化上級者は、それぞれの項目に、自分だったらどう答えるかを考えてから、科学者の説明を読んでみましょう。よいトレーニングになると思いますよ~!
議論1.科学者間に合意はない 第3章 温暖化問題の科学的基礎 3.2.過去および現在の気候変化の原因に関する議論 3.3. 炭素循環に関する議論 3.4.温室効果強化に対する気候システムの応答に関する議論 3.5.地球大気の構造・光学特性に関する議論 3.6.海水準変化に関する議論 第4章 温暖化対策の優先順位 第5章 京都議定書の評価 最後に
「事実」と「意見」を区別すること。 これが(何であっても)懐疑論に対する時の基本だなぁ、と思います。 ゴアさんの『私たちの選択』に出てくる故ダニエル・モイニハン上院議員の言葉を胸に刻みましょう。 「誰にでも自分の意見を持つ権利はあるが、自分勝手な事実を持つ権利はない」
メールニュースでも進行をお知らせしていた本が、12月中旬に刊行されます。 『温暖化論のホンネ ~「脅威論」と「懐疑論」を超えて』 この書籍のタイトルも3人で相談していくつかの案を出し、最終的に出版社が決めてくれました。ボツになりましたが、こんな案もあったんですよー。 『温暖化論のホンネ ~武田が吠え、江守が説き、枝廣がつなぐ』 ま、そういう本です。(^^; お楽しみにー。
(年内はこれ以上新しい本は出ませんので、ご安心下さい。。。^^;) |
| ← 前の記事 | index | 次の記事 → |
