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| 『企業のためのやさしくわかる「生物多様性」』が出版されました(2009.11.12) |
今日は新潟で、企業向けに「生物多様性」の講演です。最近、生物多様性をテーマとした講演会やシンポジウム、執筆の依頼が増えてきました。 「生物多様性って、最近よく聞くけど、何? 自分や自分の会社にどう関係あるの?」という方々のために、内外の事例を紹介しながら、現状と見通し、どのようにビジネスリスクとチャンスになりつつあるのか、どのように考えて取り組めばよいのか、をわかりやすく解説する本が出版されました。 『企業のためのやさしくわかる「生物多様性」』 他の本にはない本書の大きな特徴は、システム思考で生物多様性を解説している点です。なぜ生物多様性が大事なのか、何が問題なのか、より本質的に理解していただけると思います。システム思考に関心のある方にもお薦めです! 「はじめに」と目次をご紹介します。企業やNGO、関心のある一般の方に広く読んでいただけたら、と願っています。ぜひどうぞ~!
■はじめに 「ネスレ・ウォーターズ、世界で年間10億本販売している天然ミネラル水『ヴィッテル』ブランドを失う?」 「小売大手のホーム・デポ、消費者からの突き上げでブランド・イメージの危機」 「鉄道会社ユニオン・パシフィック、国有林で起こした山火事に対し、今まででは考えられないほど莫大な損害賠償支払いへ」 「JP モルガン・チェースからの融資引き揚げの危機」 「ウォルマートとの取引が継続できない?」 「石油会社シェブロンの錬金術、ルイジアナに放置していた2800ヘクタールの採掘跡地を1億5000 万ドル以上の価値に」 このような実例が、世界のあちこちで増えつつあります。経済や企業の競争力を定義するルールが変わり始めていることを感じませんか? 社会はその時代において、何か「大切にすべきもの」が明らかになると、ルールを変えることによってそれを守ろうとします。 たとえば、温暖化対策の動きがそうです。「安定した気候」という、これまで当然と思っていたものが脅かされるようになった今、それを守るために、気候を不安定にする二酸化炭素などの温室効果ガスに対して、規制をしたり、二酸化炭素に価格をつける排出量取引や炭素税などのルールをつくり出したりして、その排出を削減しようとしているのです。 冒頭にあげたいくつもの例は、社会が何を守ろうと動き出したことを示しているのでしょうか? 「生物多様性」です。フェアトレードや有機栽培の農作物への関心を高め、購入する消費者が増えていること、経団連が「生物多様性宣言」を出したこと、環境省が「生物多様性民間参画ガイドライン」を出したこと、日本でも海外でもさまざまな企業が、「温暖化の次のテーマだ」と言わんばかりに、生物多様性への取り組みを展開し始めていること──。こうしたことからもわかるように、社会は生物多様性を守ろうと動き出しているのです。 しかし、「生物多様性」とは何でしょうか? 「とてもわかりにくい」 たしかに、生物多様性はわかりにくいものかもしれません。「こういうことです」とは一言で説明できず、温暖化のようにそのメカニズムを図示したり、二酸化炭素排出量という単一の指標(いうなれば仮想敵)を設けたりすることができませんから。 しかし、社会は今、「生物多様性」が失われることのリスクを感知し始め、対応をとり始めています。日本ではまだ、その動きはあまり目立ったものになっていませんが、グローバル経済に連なる国として、生物多様性がビジネスのリスクにもなり、チャンスにもなる時代が、すぐそこまでやってきています。 温暖化への対応でも同じですが、社会が察知した問題に対する新しいルールが生まれるたびに、先手を打ってビジネスチャンスを見いだしていく企業と、後手に回り、大きなコストを払って他者がつくったルールに従わなくてはならなくなり、ビジネスの存続すら危うくなる企業とが明白に分かれていきます。生物多様性に対しても、企業の反応や対応は大きく分かれていくでしょう。それが次の時代に「生き残れる企業」と「生き残れない企業」を決する1つの分岐点にもなっていくことでしょう。 ・生物多様性とは何か? 本書では、自然保護に関心があってもなくても、企業にとって、そしてビジネス・パーソンにとって、これから目をつぶることのできない取り組み領域となってくる生物多様性について、企業の立場からわかりやすく解説しました。 執筆にあたり、世界資源研究所(WRI)のジョン・フィンドモア氏をはじめ、第7章でご紹介した各企業の方々に、具体的な取り組み事例をご提供いただきましたことを感謝いたします。また、ステキな本に仕上げてくださった技術評論社の佐藤民子さん、編集全般をサポートしてくれた小島和子さん、ありがとうございました。 本書が、すべての人々の生物多様性の理解に役立ち、先見の明とビジョンを持った企業を次の時代の成功者として後押しすることを願っています。 2009 年10 月 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第1章 生物多様性とは何か 01そもそも生物多様性とは 02先進企業の生物多様性への取り組み 第2章 私たちを取り巻く生態系の今と将来 01「ミレニアム生態系評価」と生態系サービス 02生態系サービスが重要な理由 03なぜ生態系サービスが劣化するのか? 04生態系サービスのもたらすトレードオフとリスク 05生態系は将来どのようになるか? 第3章 生物多様性をシステム思考で理解する 01システム思考のアプローチ 02フィードバック・ループ 03ストックとフロー 04環境容量を決めるインフローとアウトフロー 05ただちにわかりやすい形で影響が出るわけではない 06「行き過ぎと崩壊」のメカニズム 07自己回復力と多様性 豪ビクトリア州酪農地域の苦難 第4章 世界の動き、日本の動き 01生物多様性をめぐる世界の動き 02生物多様性をめぐる日本の動き 03ますます大きくなる企業の役割と責任 第5章 ビジネスとどうつながっているのか 01突如として現れるビジネスリスク 02生物多様性の動きがビジネスに与える影響 03生物多様性がビジネスにもたらす5つのリスクとチャンス 04世界で広がるPES 第6章 企業が生物多様性に取り組むための枠組み ── ESR 01生態系の変化に伴うビジネスリスクとチャンスを見いだすためのガイドライン 02 5つのステップ 03 ESRを活用している企業の事例 第7章 日本の先進事例 01 HSBC ── 金融のしくみに生物多様性保全を組み込む 02リコー ── 中長期計画の中に位置づけ、実効性を高める 03積水ハウス ── 里山に学び、地域の生態系を再生する 04サラヤ ── 持続可能な原材料調達のために 05イオン ── 消費者とのコミュニケーションが求められる流通小売の試み おわりに ~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~ つい最近、絶滅のおそれのある、世界の野生生物の最新版リスト「レッドリスト」の2009年版が、IUCN(国際自然保護連合)により発表されました。 > このリストでは、評価対象となった4万7,677種の野生生物のうち、 とのこと。くわしくはこちらをどうぞ。 この数字はどんどん大きくなってきています。それが何を意味するのか、自分にどう関係あるのか、企業として温暖化に続くテーマといわれる生物多様性にどう取り組めばよいのか、ぜひ考えてみませんか? 『企業のためのやさしくわかる「生物多様性」』 |
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