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| 温暖化の13の事実~時間的遅れについて(2009.07.28) |
<内容> ■温暖化クイズにチャレンジ! いくつ○をゲットできるでしょう? ■正解は……? ■「時間的遅れ」を理解すること ■『地球のなおし方――限界を超えた環境を危機から引き戻す知恵』をどうぞ
(2)京都議定書が採択された1992年以降、化石燃料の燃焼による地球全体の二酸化炭素排出はどのくらい増加しているでしょう? (3)二酸化炭素は、その吸収源に吸収される前に、どのくらいの時間、地球の大気にとどまるでしょう? (4)2008年5月の大気中の二酸化炭素平均濃度は? (5)温室効果ガスの排出を劇的に減らさないという現状維持のシナリオの場合、2100年までに大気中の二酸化炭素濃度はどのくらい上がるでしょう? (6)二酸化炭素の排出が完全に止まったとしても、地表面の温度、降雨、海水位はある期間変化し続けますが、それはどのくらいの期間でしょう? (7)米国の石油および石炭産業が、2008年の上半期に気候変動への活動に反対するために費やした政治献金、ロビー活動費、広告宣伝費の総額はどのくらいでしょう?
米国に、Environmental Defense Action Fundという、科学的なデータに基づき、健全な環境政策に関する啓発と、人々の環境権を守る持続的な解決策の促進に取り組む有数の環境団体があります。 その5月のニュースレターに「数字で見る地球温暖化 13の事実」が載っていました。上記のクイズは、この13からピックアップしたものです。 「数字で見る地球温暖化 13の事実」をどうぞ。クイズの答えも載っています。 ~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~ (1)35% (2)388.50 ppm (3)541~970 ppm (4)260~280 ppm (5)50~200年 (6)1000年 (7)34% (8)70% (9)1.7日 (10)150万エイカー(約6000平方キロメートル) (11)4億2700万ドル(約418億4600万円) (12)0 (13)0
上記のうち、 > (5)50~200年 これらは、「時間的遅れ」(delay)と呼ばれるもので、温暖化などの問題を考える上での重要な点のひとつです。 「遅れ」が存在するのは、温暖化や私たちの社会などの「システム」が要素のつながりでできているからです。要素と要素のつながりが、即座に影響を伝えるとは限りません。 「ストーブに触ったら熱かったから手を引っ込めた」というように、原因と結果が時間的・空間的に近ければ、私たち人間は対応がとりやすいのですが、温暖化をはじめとする環境問題にも私たちの社会にも、「何かがあってから、しばらくしてから(時には忘れてしまうほど、または何世代も経てから)その影響が出てくる」ことがよくあります。こういう場合、いまの私たちの思考・行動パターンや社会・経済のしくみでは、なかなか対応がとれないのが現状です。 『地球のなおし方――限界を超えた環境を危機から引き戻す知恵』から、少し説明を引用しましょう。 ~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~ 遅れがある システムの特徴の一つは、遅れがあることです。システムの中のフィードバック シャワーの湯温を手元にお湯と水の二つの蛇口があり、温度という別のシステムの状態も調節しているとしましょう。もし、お湯がずっと離れた場所にあるボイラーに接続されていたら、お湯の蛇口をひねっても、温度はすぐには変化しません。 蛇口の変化に対する反応が鈍いシャワーを浴びていると、「熱い!」と飛び上がり、いくら待っても熱いままなので、水の蛇口を思い切りひねる結果、そのうち今度は「冷たい!」と震え上がる、ということになってしまいます。蛇口の変化に対するフィードバックに「遅れ」があると、このような状況になってしまうのです。 または、車を運転していて、前方の信号が赤に変わるのが見えたとしましょう。普通は、信号機のちょうど手前でスムーズに車を止めることができるでしょう。信号の場所を伝えてくれる正確でわかりやすいシグナルがあり、脳がそのシグナルに速やかに反応し、ブレーキを踏もうと思ったらすぐに足が動き、ブレーキがすぐに利くから、停止線の前で止まることができるのです。 もし運転席のフロントガラスが曇っていて、助手席の人に信号の場所を教えてもらわないといけなかったら、どうなるでしょうか? コミュニケーションのわずかな遅れから、停止線を行き過ぎてしまうかもしれません。助手席の人が「信号が赤に変わったよ」と言っても、運転者が信じなかったり、ブレーキを踏んでか このように、システムのフィードバックのシグナルが遅れたり、歪められたり、無視されたり、否定されたり、あるいは誤った対応をしたりして、システムの対応が遅れると、システムは限界(ここでは停止線)とのバランスをきちんと取ることができません。このような遅れやゆがみは存在していると、成長し続けるも 成層圏のオゾン層を破壊するCFCが大気中に排出されてから、実際に成層圏のオゾンを破壊し始めるのは一〇年~一五年後だと述べました。この一〇~一五年が遅れとなります。オゾン層の破壊によって、人間の健康や食糧供給に影響が出てくるまで、さらに遅れが生じるでしょう。 人口の年齢別構成も遅れを生じさせます。たとえば、ある時期、出生率が高い状況が続くと、年配者よりも若年者の人口が多くなります。すると、そのあとに出生率が下がったとしても、若い人たちが次々と出産年齢に達するため、数十年間は人口が増えていくことになります。一世帯当たりの子どもの数が減っても、世帯数そのものが増えるからです。 これを「人口の勢い」と呼びます。この「人口の勢い」がついているために、もし、二〇一〇年までに、世界中の出生率が、平均して一世帯当たり子ども二人という、人口が増加も減少もしないという水準になったとしても、その後五〇年にわたって世界人口は増え続け、二〇六〇年になってやっと約八〇億人で横ばいになると計算されるのです。 政策の遅れも、時間的な遅れを生じさせます。ある問題が認識されてから、関係者全員がそれを認め、対応するための行動計画を作り、皆で受け入れて実行に移すまでには、何年も、時には何十年もかかることがよくあります。この時間差が遅れとなります。 ほかにも、さまざまな遅れがあります。たとえば、ある投資の決断をしたとして、その決断の結果が、工場や発電所などの形となり、製品や電力を生み出しはじめるまでには、何年も、何十年もかかることがあるでしょう。 そして、いったん操業が始まれば、投資を回収するために、数十年間は使われることになります。何か問題があることがわかったり、ほかのために使ったほうがよいということになったとしても、多くの場合、「はい、そうですか」とあっという間にほかのものに転換することは難しい相談です。 このように、私たちの身のまわりを見ても、社会や経済のシステムを見ても、さまざまな時間の遅れが組み込まれているのに気づくことでしょう。 ~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~ このような「時間的遅れ」のあるシステム(温暖化など)に対して、本当にまずい事態になったら腰を上げようという「様子見」は有効な戦略ではありません。 なぜなら、本当にまずい事態になったときに対策をとろうと思っても、CO2の寿命や影響を与え続ける時間の長さ、対策をとろうという意思が実際の省エネ設備や自然エネルギー設備などになって大気中へのCO2排出を減らし始めるまでにかかる時間などの「時間的遅れ」があるからです。 「そうしよう!」と決めてもすぐにはCO2排出量は減り始めないし(いまの日本や世界の大部分の国のように)、CO2排出量が減り始めても大気中の濃度が低下するまでにさらに長い時間がかかるし、実際の影響がなくなるまで1000年かかると言われています(上記クイズのように)。 「温暖化? いますぐやらなくてもいいんじゃない?」という人がいたら、ぜひ「時間的遅れ」について教えてあげて下さい。「車はすぐに止まれない~!」ように、「温暖化もすぐには止まれない~!」のです。
環境問題の「構造」を考え、構造を変えることで問題解決を考えていこうというアプローチ、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思っています。 (テッド・ターナーがレスター・ブラウン氏の本を配ってくれているように、政治家や国会議員の方々にも(こそ?)読んでもらえたらよいのですが!) 『地球のなおし方――限界を超えた環境を危機から引き戻す知恵』 デニス・メドウズ氏他著の『成長の限界 人類の選択』で示された「地球はすでに限界を超えている」というメッセージをデータとともにわかりやすく伝えると同時に、持続可能性の分野ではおそらくはじめてのシステム思考の入門書です。地球環境の現状を嘆くのではなく、理性的に問題の構造を理解し、真の解決策を考えていくアプローチを知ることができます。 |
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