| カテゴリー:新しいあり方へ、最新20件 |
| 「成長の限界」とスローについて(2007.09.24) |
先日のベルリンでの国際会議のスピーチでは、日本の江戸時代が資源やエネルギーー循環型の持続可能な社会であったこと、戦後の高度経済成長時代に「追いつけ、追い越せ」とばかりに、消費を美徳とする社会・経済になり、そのなかで大事なものが失われてきたこと、現在の日本は、自殺者が多く子どもの笑顔が少ないなど負の大きな面と、新しく自分たちにとって大事なものを取り戻す新しい動きやうねりがあちこちで広がっている希望の面が両方あることを話してきました。 たとえば、として、GNPではなくGNH(gross national happiness)を国の進歩の指標にしようとしているブータンに刺激を受けて、GCH(gross company happiness)を会社の進歩の指標としている企業があること、成長至上主義から脱却する企業が出てきていること、モノを売るのではなくそのサービスや機能を売ることで環境負荷を下げる「グリーン・サービサイジング」に取り組む企業が増えていること、文化レベルでは100万人のキャンドルナイトをはじめ、スローライフを志向する人々が増えてきていること、岩手県では「がんばらない宣言」が出され、自治体ではスローライフシティサミットが開かれていること、などの例を話しました。「スロー」の話は、とても興味を惹いたようでした。 ベルリンのあとに参加したバラトン合宿では、あるセッションで「サステナビリティに関わっている人自身のバーンアウト(燃え尽き)の問題」が出ました。 アラン(アラン・アトキソン氏。バラトングループの若きリーダーで、デニス・メドウズからグループ代表を引き継いでいる。私は彼の「カサンドラのジレンマ」を翻訳出版しており、日本に招聘して、みなさんに彼の講演+音楽を聴いていただいた)とあとで、その話になりました。 ご参考まで、『カサンドラのジレンマ―地球の危機、希望の歌―』 「温暖化は問題ではなく、問題の症状だよね。有限の地球の上で、成長を無限に加速すること自体が問題なんだよね。成長を加速するのではなく、スローを社会や経済に広げなくては。それも急いで! “スローを加速”しなきゃいけないなんて、おかしいけどね。そして、自分たちも含めて、残された時間が少ないことを感じてついがんばってしまう人たち自身のスローダウンも、大事なんだよね」 そんな話をしながら、2年前にアランがくれたメールを思い出しました。その夏に来日したアランは、日本のスロームーブメントについていろいろな学びがあったようで、その年のバラトンでもいろいろ話し、バラトン後にメールをくれたのです。メールニュースに載せる許可を得ているので、実践和訳チームのメンバーが訳してくれた内容をお届けします。2年前のメールなので古いですけど、「スロー」にお届けしました、ということで。(^^; ~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~ ジュンコへ 僕は最近、「スローソサエティ」運動について思いがけず詳しく知ることになっ 何があったのかというと……。 君も覚えていると思うけれど、この間訪日した時僕は、日本で「スロー」運動が 皆が皆「スロー」になっているわけではないけれど、日本では他の国々よりも明 ここでは、スローの定義についてあれこれ説明するのは止めにして、僕たちは何 これから、スロー運動の成り立ちについて僕が学んだことを簡単に説明する。で 日本から帰国して、僕がコンサルティングを担当しているクライアントと話して 次に会ったとき、そのクライアントからこんなことを言われた。「この間のスロー このクライアントからはこのところ、多種多様なテーマについての説明を依頼さ 「スロー」という言葉は、従来型の産業発展の方向性を意識的に拒絶することや、 「スローフード」という言葉は、1986年にイタリア、具体的にはクーネオ県のラ 国際的なスローフード運動が始まったのは、1989年にパリで行われた会議からである。当時の話については、www.slowfood.com(スローフード・インターナショナルのウェブサイト)もしくは、www.slowfoodusa.org(米国支部)を参照のこ もちろん、スローフードの国際的な事務局はイタリアにある。『スローフード』 スローフードの基本理念は、環境地域主義であり、環境保護と人々の喜びとを結 スローフードは、それ自身を「味わう権利を守る運動」であると宣言している。 >「われわれはスピードの奴隷となり、知らぬ間に広まるファストライフという スローフードの組織は近年成長を続け、世界中でメンバーが約80,000人までになっ しかし「持続可能な」という用語が使われることはめったにない(この持続可能 「スロー」は今も生活のいろいろな次元へと広がっていっているが、スローフー 以上の内容に、スローシティに関する記述を少し加えたところで(ちなみにイタ 「『スロー』に関するデータがかなり集まりましたが、最終的にはどのような 1時間後に返事が来たよ。いやによそよそしい言い回しでこう書いてあった。 やられたね。半日がかりで資料を集めたというのに。君と話し合って、一緒に でも結局は、災い転じて何とやらで、この「行き違い」のおかげで君とも話が ……ということでジュンコ、次は君の番だ。最近日本では何がスローになって スロー過ぎない敬意を込めて(意識的に「スロー」の実践でもしない限り、僕は アラン ~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~ アランとの交換書簡は、残念ながら、私がスローすぎて(?)進んでいませんが、バラトン合宿のたびに、話を続けています。 私はシステム思考を学び、自分でも簡単なモデリングを勉強したりするなかで、スローに対する興味関心も、単なる「現象としてのスロー」を超えて、「構造としてのスロー」に広がりつつあります。 「温暖化をはじめとする環境問題は、有限の地球の上で、成長を無限に加速することが引き起こしている。この「成長の限界」を技術開発で解決しようとしても、ひとつの壁を技術力で突破するやいなや、次の壁が次々と出てきてしまう。これが「成長の限界」の構造なのだ。この「成長の限界」の構造に対するレバレッジ・ポイント(小さな力で大きく変えられる介入点)のひとつは、成長を加速するのではなく、ゆるめること、つまりスローダウンである」と考えています。 つまり、「成長の限界」の構造を本質的に変える可能性のあるものとして、スローの動きに注目し、また自分なりに展開を進めようと思っています。 さて、私にこのような「成長の限界」の構造についての理解をきちんとさせてくれたのは、いうまでもなくデニス・メドウズ氏です。彼の本を訳す中で、彼のワークショップに出る中で、バラトンで教えてもらうたびに、少しずつ理解が深まってきていることはとてもうれしいことです。 そのデニスに、11月の来日時に「ぜひ多くの人に「成長の限界」について教えてほしい!」とお願いしてワークショップを開催することにしました。前回ご案内した11月17日(土)のワークショップは、告知から5日もしないうちに満席となりました。私たちにもうれしい驚きです! 先日バラトンでデニスにお願いして、11月21日(水)にも同じワークショップを開催することになりました。アサヒビールさんがご厚意で会場を貸してくださいます。またとない貴重な機会となると思います。ぜひ一緒に学びましょう。
●●●「デニス・メドウズから学ぶ『成長の限界』」ワークショップ●●● ●日時 2007年11月21日(水) ●場所 アサヒビール スーパードライホールビル4F(浅草駅徒歩5分) ●講師 マサチューセッツ工科大学(MIT)教授であった1970年、ローマクラブからの依 ●コーディネーター ●コース概要 1.どのようにして『成長の限界』が書かれたか
※受講費から必要経費を差し引いたお金は、デニスが力を入れている教育プログ ●定員 ●主催 ●お申し込み ++++++++++++申込書++++++++++++++ デニス・メドウズから学ぶ『成長の限界』ワークショップ(11月21日) お名前 : ※この講座をどこでお知りになったか教えていただけると幸いです。 ++++++++++++++++++++++++++++++ ●お問い合わせ
さて、個人レベルでの「スローダウン」についても考えています。(^^; 私は幸い、「バーンアウト(燃え尽き)状態」になったことはないですし、なりそうにない気がしていますが(^^:)、この数年間特に、講演などの依頼を多くいただくようになり(いまでもご依頼の半分以上はお受けできずに辞退させていただいています)、取材を受けたり記事を書いたり、本を翻訳したりという仕事も多く、なかなかまとまって考えたり新しいことを勉強する時間がとれない、という状況は「なんとかしなきゃ」と思っていました。 バラトン合宿でアランたちと話している中で、改めてそんな状態を変えたい気持ちが強くなり、ちょっとだけ変えてみることにしました。うまくいくかなー。(^^; 欧米の大学には「サバティカル」という制度があります、ある条件を満たした教授たちは、1年ほど大学を離れて、自分の研究に没頭したり、別の国で過ごしたりしてリフレッシュするのですね。 というわけで、1年間は無理だと思うので、せめて1ヶ月の「サバティカル月」を設けようと思いました。来年3月までは予定がけっこう入っているので、2008年4月を「サバティカル月」にします! すでに入っている予定以外は、1ヶ月じっくり考え、勉強する月にしようと思っています。 というわけで、もし講演依頼などをお考えの場合は、2008年4月以外にお願いいたします~。(^^; |
| ← 前の記事 | index | 次の記事 → |
