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| システム思考の活動、第2フェーズへ(2006.06.26) |
1週間、ボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)のスローン・マネジメント・スクールで、ビジネス・エグゼクティブ向けのビジネス・ダイナミクス集中講義に参加してきました(昨夜、帰国しました) このコースは、「システムの複雑性が増している今日、ビジネス・エグゼクティブはシステム思考を身につける必要がある」として、さまざまなビジネスに関わっている人々を対象に、システム思考の基本やツールを教え、モデリング、シミュレーションなどを練習し、ビジネスでの実際の事例をたくさん伝える中で、これからの組織や人にますます重要になってくるシステム思考を実践的に教えるものです。 それによって、成長戦略、サプライ・チェーン・マネジメント、サービス・クオリティ・マネジメント、プロジェクトマネジメントや商品開発などを、本当の意味で効果的に行う力をつけます。 MITのこのコースは、この領域ではとても有名で高く評価されており、今回の1週間コースには、なんと21ヶ国から60人以上の参加者がありました。日本からは、私とチェンジ・エージェントの小田のふたりでしたが、システム思考の普及が著しいといわれる韓国や中国のほか、フィリピンなどアジアの数か国からも参加者がいました。 教授陣もすばらしく、50年前にシステム思考の基礎であるシステム・ダイナミクスという分野を拓いた伝説のジェイ・フォレスター氏(89歳!)も元気に特別講義をしてくれ、「学習する組織」の世界的な第一人者であるピーター・センゲ氏の特別講義もありました。とても勉強になり、楽しい1週間でした(宿題もあり、それ以外のことはほとんどできませんでしたが)。 温暖化にせよ、他の環境問題にせよ、ほかの社会問題やグローバルな問題にせよ、「これが原因だから、こうすればよい」というような“一筋縄”では解決できない問題が増えています。複雑なシステムであることを認識し、システム自体の特性や特徴を理解し、目の前の問題の構造をシステムとして掘り下げ、そのなかで、真の意味での解決策(つまり他に問題を転嫁しない、長期的にも望ましい)を考えていく力をつけたい、つけてもらいたい、と思っています。 そのために、そのような考え方のアプローチである「システム思考」を日本に広げ、有効に使ってもらえるよう、活動を続けているのですが、そのための会社チェンジ・エージェントを立ち上げて2年が過ぎました。当初の第一段階として目標としていた「まずシステム思考を日本で広げるためのコースやセミナーを始め、本を書く」は達成できた現在、次の当面の活動を次のように考えています。 (1)システム思考をもっともっと多くの方々に知ってもらうための活動 (2)システム思考を知るだけではなく、自分や身の回りにあてはめて使ってみることでその考え方や解決方法を身につける機会を提供し、サポートする活動 (3)システム思考を企業の文脈で活用することで、たとえば、在庫レベルや雇用の乱高下や、有効ではない投資判断や開発計画などを招かないビジネスのあり方を考え、実践するための機会を提供し、サポートする活動 (4)システム思考をベースとして、関連する「共有ビジョン」や「対話力」といった力をともに培うことで、変化の時代のなかでも学び続け、進化し続ける組織づくりに資する活動
今回のMITのコースは(3)のための勉強でした。今回の経験をベースに、これまで開催してきたトレーニングコースの上に、さらに深め、有効性を増すためのモデリングやシミュレーションなどのモジュールもつくれそうです。いつか、このMITのような1週間の集中コースが日本でも開催できたらいいのですが! そして、(1)のためには、今後も環境の講演でも本質的な問題解決のアプローチとしてシステム思考の紹介をすることや、入門編セミナーをおこなっていきます。また、一般の方向けの書籍もつくっていきます。 さっそく?講談社現代新書から出してもらいましたので、ご紹介します。 『入門! システム思考』 目次です。 第1章 :いろんな方向から見れば…… 第2章 二つの「考える」方法 第3章 システム思考を理解する 第4章 システム原型の紹介 ~望ましいパターンを生み出すために~ 第5章 システム思考を使って行動する おわりに そして、(2)のための活動として、7月14日にセミナー&ワークショップを開催します。今回はまだ残席がありますので、もしご興味があればぜひどうぞ。ご参考まで、前回のセミナーとワークショップの感想を、掲載許可を得てご紹介します。 ~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~ システム思考・セミナー(午前) ・“なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?”を読んでいましたので、ざっとはわかっていましたが、ループ図は実際に描かないと身に付かないことがよくわかりました。特に「同」と「逆」について手を使ってやるなど具体的なアドバイスがとても良かったです。早速、自分の問題解決に利用していきます。ありがとうございました。 ・ループ図の作成方法について理解することを目的として参加しましたので、その目的を達成することができました。自己強化とバランスの見極め方は大変有用な情報でした。 ・予め著作本は読んでのぞみましたが、より深く理解出来ました。「ループ図」を描くことが楽しく、ぜひ友人にも教えたいと思います。システム原型「成長の限界」のところは、まさに仕事に押しつぶされそうな時期に出会っていたら、あんなに悩むことはなかったのに・・・と少し悔やまれます。 ・システム思考は定性的なものも入れ込むことができる点がすばらしいと思います。そして同か逆かというシンプルな構造。ロジカルシンキングはロジカルシンキングができない人には抵抗が大きい部分がありますが、システム思考はあくまで「考えを絵にしたもの」ですので受け入れやすいと思います。 ・説明と練習があるので、受身ではなく、実際自分がどの程度理解できるか分かる ・ごく普通のシステム思考の説明のおかげで、今悩んでいることの問題を見つけることができました。(人が原因ではなく、構造が原因でした) ・事例が分かりやすく、無理なく理解することが出来た。よく工夫して進められていると感じる。 ・システム思考は知識として分かった(つもり)になっていたので、はじめの土台をしかり作り直せたのが非常に良かった。また、アシスタントの方を含め、枝廣さん、小田さん共にとてもやわらかな雰囲気で大変入りやすかったです。システム思考の基本がこれだけ短時間で伝えられることにおどろきました。貴重な機会をありがとうございました。 ・チェンジ・エージェントのHPを読んだ時は、実際に図を描くのは難しいのでは? と不安がありました。今日はとてもわかり易く、題材も身近なものだったので自分にもできることがわかり、実際の自分の問題の解決にも役立つので、取り組もうと思いました。周りのみんながこの考え方を身につけたら、世の中が良くなると思いました。 ・とにかくわかり易い。理論と具体例のバランスがいい。因果関係で問題をとらえると解決方法がたくさんある事に気づいて、気持ちが楽になる。セルフカウンセリング、コーチングにも使える。 ・事前に「なぜあの人の・・・」でシステム思考について予習していましたが、このセミナーにより、実際に使えるテクニックが身についたと思います。本だけでは自分で継続してループを書き続けていこうという気にはならなかったのですが、今日のこのセミナーをきっかけにループ図を書き続けていこうと思います。今の自分は、頭な中がぐちゃぐちゃになっているので、少しずつループ図を使い整理・発見していきたいと思います。どうもありがとうございました。 ・今回のセミナーで、じっくり練習問題をしながら学べたことで、すんなり理解することが出来ました。人生をとりまく様々な課題は、システム思考を使うことで、明確にすることが出来そうだと感じることが出来、何だかうれしくなりました。早速帰宅したら、夫婦ゲンカのなぞをループ図で解明してみようと思います。 ・いつも「どうしたらいいだろう?」「こうしなくちゃ!」・・・など、頭でずっとグルグルまわっているばかりで、やり方も分からないので、何も出来ないままの繰り返しをしていました。でも、参加して、書いて何がどうなってこうなっているのか! を知れるこの方法を学べた事で、今後大きく変化出来る気がしました。 ・どこから手をつけていいかわからなかったり、これぞ解決策と思ってやってみたのに変わらなくて自信を失っていたり、人を責めていると思われたくなくてガマンしていたり。変えたいと思いながら、見ないようにしてあきらめてしまっていることがいろいろ浮かんできました。責めてる、責められてるでひっかかってぐるぐるしていた事を客観的に見て手をうてそうな気がします。 ・よく「思っている事を紙に書き出す」「言うだけでなく文章化して書きとめる」ことが目標達成や自己の軌道修正には大事な作業であるということを見聞きしますが、「構造」(つながり)を把握するために図示するということはあまりした事がなかった(ノウハウとして知らないままでいた)ので本日のワークショップは、やってみることの大切さを先ずは再確認でき良かったです。 ・「机の上の散らかり」「思春期の娘へのこごと」といったごく身近な事にループ図を書く練習で、難しく感じていたループ図を今後書いてみようという気持ちになりました。「思春期の娘へのこごと」の解決方法をいろいろな方向から示して下さり解決策を考える場合の参考になると思いました。 ・本を読んで「何となくわかったつもり」でいたが、実際やってみると、違っていた。練習問題をやっていくうちに、「あ、あの問題はあのループが書けるかも」と思い浮かんできた。自分の今までのアプローチの「くせ」が少しわかってきた。「自分の思い込み、くせ」が、自分にとって辛いパターンを作っていることに何となく気づいた。やはり「システムで回っているんだ」と実感できた。
・自分の課題について、つながりのある構造としてとらえられたのが良かったです。他のツール(SWOT分析etc.)では、要素を確認・発見できても解決策までたどりつくのに更にスキルが必要になるかと思いますが、システム思考だと解決・改善への道筋が自然と浮かび上がってくる可能性があると感じました。 ・現状を図にするだけでも難しいですが、なんとか図にすることだけでも勉強になりました。また、やはり図にしたものは自分の考え方に留まっているので、先生方にアドバイスを頂くことで、そんな側面から切りこむこともできるのだ、ということを知れたり、今日図にできたものがやっと(つたないながら)まだまだ自分の思考の範囲であるので、ここから図をもっと展開していくことで自分で気付いていくことを続けたいと思いました。 ~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~ 7/14「システム思考」入門セミナーとワークショップのご案内 日程:2007年7月14日(土) ○場所: ○講師:枝廣淳子・小田理一郎 ○スケジュール: ☆「システム思考入門セミナー」 ★「システム思考を自分の成長に役立てるワークショップ」 ○定員: ○参加費:(いずれも税込) ※これまで午前の入門セミナーに参加された方は、午後のワークショップのみでもご参加いただけます(お申し込み時にそのようにお伝えください) これまでのシステム思考コースに参加された方のフォローアップやスキルアップにも最適です。さらに考えてみたい、別の課題を取り上げてみたい、復習してしっかり身につけたいという方も、ぜひどうぞ。 ○お申し込み・お問い合わせ:
2007年7月14日 (いづれかに印をおつけください) ( )「システム思考入門セミナー」(午前のみ) ご氏名 [ ] ※この講座をどこでお知りになったか教えていただけると幸いです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■日時 ■場所 詳細やお申し込みは、こちらへ。
新コース「学習する組織 リーダーシップ研修」コースのご案内 システム思考は幅広く、さまざまな分野で応用されていますが、その中でももっとも広く企業や政府組織などで取り入れられているのが「学習する組織」といわれる一連の組織開発プログラムです。BP、HP、インテル、サウスウェスト航空など、多くの先進企業が実践し、日本国内でも日産やリクルートなどがいち早く取り入れています。 「学習する組織」が広まっている背景には、まず企業や政府を取り巻く環境が複雑な変化を加速していることがあげられます。今日の成功体験に基づく意思決定は、明日の成功を保証しないばかりか、かえって問題を作りだすことすらある複雑な時代です。外部の変化をいち早く察知し、その意味を常に考えながら、自らの運命を切り開くことが重要です。 そのような背景にあって、従来のようなプラニングとコントロールに基づく手法が機能しなくなってきています。あまりにも早い複雑な変化に対して、経営中枢部による情報集中と上意下達の指揮命令システムではついていけません。第一線の社員の現場のマネジャーが自ら考え、行動することが迫られています。 変化する複雑な環境の中で、最適な組織システムをデザインするために、システム思考を中心に、組織学習理論や、認知行動科学などの研究成果を盛り込んで開発されたのが「学習する組織」です。 その「学習する組織」に関する研修コースを9月から提供し始めます。学習する組織に必要とされる5つの学習領域「システム思考」と「メンタルモデル」「パーソナル・マスタリー」「ダイアログ」「共有ビジョン」を、包括的に学ぶ二日間のコースです。 常に高い志を目指すチームに学習に到達点はありませんが、このプログラムの内容を実践することで、チーム単位であれば半年から1年程度の間に「学習する組織」に変わることが可能になります。その実践の基本動作と考え方を、二日間で身につける、新しいタイプのリーダーシップ研修です。 # # # 学習する組織 リーダーシップ研修 ■目的 ■プロセス ■期待する効果 加えて、学習した手法をチームに展開することによって、以下の効果が期待できます ■日時 ■場所 ■コース概要(予定:講義の効果を高めるために一部変更する場合もありますのでご了承ください) <1日目> システム思考・メンタルモデル 学習する組織の5つの領域のうち、「システム思考」と「メンタルモデル」について学びます。まず、経営戦略演習を通じて、システムの生み出すダイナミクスを体感し、システム的な視点の重要性を認識します。 さらに、システム思考の「氷山モデル」を用いて、自分たちの結果を生み出したダイナミックなパターンと構造の関係について考えます。ついで、「システム原型」を学び、特に職場や組織で起こりやすい「問題のすりかわり」という原型を使ってなぜ対症療法に走ってしまうのか、どうすれば根治療法を見つけ、実施できるのかを考えます。その上で、しばしば個人や組織の学習の障害の原因となる「メンタルモデル」について、「推論のはしご」モデルを活用して、学習に必要なプロセスを学びます。 <2日目> パーソナル・マスタリー・ダイアログ・共有ビジョン 学習する組織の5つの領域のうち、「パーソナル・マスタリー」、「ダイアログ」と「共有ビジョン」を学びます。「パーソナル・マスタリー」では、それぞれの人のビジョンを考え、ビジョンが現実との間で生み出される「クリエイティブ・テンション」を学習の動機付けとして活用します。集団においてメンタルモデルを意識したチーム学習を行うために、「主張と探求」のスキルを身につけて、「ダイアログ」の練習を行います。 ついで、「AI」(Appreciative Inquiry)手法を応用して、チームの強み、長所を考えます。さらに、「氷山モデル」を活用して、いまのチームの現実について整理し、チームとして共有したいビジョンは何かについてダイアログを行います。最後に、この2日間の学習をどのように今後につなげていくかを話し合い、まとめと振り返りを行います。 ■定員 ■価格 ■お申し込み・お問い合わせ (詳しくはウェブサイトをご覧下さい。)
勉強すればするほど→セミナー開催や執筆ができるようになり→たくさんのフィードバックや経験からの気づきがでてきて→さらにやりたいことがでてくるので→もっと勉強するようになる。。。 これはシステム思考でいう「自己強化型フィードバックループ」です! |
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