| カテゴリー:水・資源のこと |
| 飯田市「まほろば事業」ただいま進行中(2005.08.08) |
ISEPをご存じですか? Institute for Sustainable Energy Policies (ISEP) 特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所は、持続可能なエネルギー政策の実現をめざし、政策提言、地方自治体へのアドバイス、国際会議やシンポジウムの主催などの幅広い活動を行っている地球温暖化対策やエネルギー問題に取り組む環境活動家や専門家集団です。 欧米、アジアの各国とのネットワーキングを活用した、海外情報の紹介、人的交流など、日本の窓口としての役割も果たしているほか、市民ファンドを活用した市民風車、太陽光発電事業なども発案し、関係事業体である自然エネルギードットコム㈱によって実現していることも大きな特徴です。 このISEPが出しているメールマガジンの7月1日付【SEEN No. 18】でぜひご紹介したい記事があり、転載のご快諾をいただきました。 私も個人的にずっと注目してきた飯田市の新しい動きです。大きなうねりにつながるといいなあ!と心から応援しています。 ~~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~ プロジェクトフラッシュ 今年(2005年)4月から、飯田市内38ヶ所、合計して208kWの太陽光発電設備が、市民出資を受けた「おひさま発電所」として運転を開始した。38ヶ所は保育園、幼稚園、公民館、児童センターなどの公共的施設。 発電設備を設置したのは「おひさま進歩エネルギー有限会社」で、飯田市の新エネルギービジョンにそって企画された「まほろば事業」を実現するための事業主体として、市内NPOが中心となって設立された民間会社である。 「まほろば事業」の正式名称は「環境と経済の好循環のまちモデル事業」で、環境省が地域振興と地球温暖化対策を一緒に取り組む地方自治体の意欲的プロジェクトに年間総額25億円の交付金(1件当たりは3年間で4億円から5億円)を投じて奨励しているものである。 飯田市はこの「まほろば事業」の第1回公募に応募し、市民共同発電所、ESCO事業、市民出資の導入、グリーン電力証書の販売などの「目玉商品」が評価され、初年度交付金を獲得した。ISEPでは、所長の飯田哲也が政策アドバイザーとして飯田市への助言などを行い、環境政策と地域振興のノウハウを開発している自然エネルギー.コム(株)と連携して、飯田市「まほろば事業」を支えてきた。 以下にこのプロジェクトの概要と目玉商品の特徴を紹介する。 1、 飯田市おひさま事業の概要 具体的には、これに新規設置の37ヶ所205kWを加えた形で、年間の予想発電量は約23万kWh。これを各施設が固定価格で買い取る契約となっている。さらに「おひさま発電所」は電気だけでなく「グリーン電力証書」も販売する。「おひさま事業」というときには、この「おひさま発電所事業」ともう一つの「小規模ESCO事業」を指す。 事業規模としては太陽光発電事業が1億3000万円、小規模ESCO事業が2億7000万円で、総額約4億円である。このうち2億円を環境省の「まほろば事業」交付金で、残る2億円を市民出資で集めた。 2、 匿名組合型の市民出資による太陽光発電事業 今回の飯田市での取り組みは、そうした先例を踏まえつつ、匿名組合方式という市民風車事業で生み出された10年以上という長期にわたる現金分配を可能とする仕組みを用いている。 匿名組合方式とは特定のプロジェクトに限定して事業計画と利益分配の目標を示し、出資を募るという手法である。飯田市 の「おひさま発電所」は、このような匿名組合型の市民出資をはじめて太陽光発電事業に応用したものだ。市民風車事業では、ISEPも設立の一翼を担った「自然エネルギー市民ファンド」が過去に5基の風力発電を匿名組合型市民出資で実現させている。しかし、今回の「太陽光発電事業」に対して、本当に出資が集まるのか大きな不安でもあり、賭けでもあった。 結果的には2ヶ月足らずで2億円の目標を達成でき、匿名組合方式の市民出資が風力発電に限らず、広くいろいろな事業メニューでも受け入れられることが証明された。それどころか、環境事業への投資的な「市民出資」に対して、人々の関心が予想以上に高まっており、低金利の上にペイオフ解禁間近という日本の金融事情もあって、市民出資事業の爆発的成長さえ予感させる結果となった。 3、 日本ではじめて取り組む小規模ESCO事業 ESCO事業そのものはすでに大規模事業所では導入が進んでいる。ただ、「おひさま事業」で特徴的なのは、中小の商店などを対象とした初の「小規模ESCO」であること。 大きな事業所だけを省エネしても、日本全体の省エネは進まない。だからこそ、この小規模ESCOが環境省からは高く評価されることにもなった。大規模ESCOとは異なり、個別の店舗の営業形態や顧客層、雰囲気などを判断しながら、ささやかだが確実なメリットを出せる提案を探す。いわばオーダーメイドの一着を作るような、細やかなESCOである。今年度からスタートのESCO事業は、現在「初期診断」の真っ最中である。 4、 保育園に公民館という地域ぐるみ事業 おひさま進歩エネルギーには「さんぽちゃん」というマスコットキャラクターがいる。飯田市の山の緑、天竜川をはじめとするときれいな水と空の青、おひさまのオレンジ色の顔という仮想生き物だ。着ぐるみの動く「さんぽちゃん」もいて、いまや子供たちに大人気である。飯田市の保育園児で「さんぽちゃん」を知らない子はいない・・ほどである。 今年の2月から4月にかけて、おひさま進歩エネルギーは、これらの施設の大部分で環境学習会を実施した。延べにして1000人以上の保育園スタッフや園児の父母などが話を聞いた。また、多くの施設で「点灯式」を実施し、ここでは着ぐるみのさんぽちゃんが大活躍した。 おひさま事業は20年の息の長い事業であり、事業後半にはこの子供たちが保母さん、保父さんになったり、飯田市の職員になったりするのである。どんな地域社会がやってくるか、とても楽しみである。 5、 世界初のグリーン電力自動集計システム グリーン電力とは何か。太陽光や風力から生み出される自然エネルギーの電気には、エネルギー価値だけでなく、地球温暖化対策や人間や環境に優しく、再生可能で枯渇しないなど、化石燃料や原子力にはない価値がある。この価値を総称して環境価値と呼ぶ。この環境価値部分を持った電力が「グリーン電力」である。そしてこの環境価値の部分をエネルギーの部分と切り離して取引しようというものが、「グリーン電力証書」ということになる。 環境価値が取引されるためには、環境価値の量を正確に把握する必要がある。電力会社と連系している自然エネルギー発電設備であれば、電力会社に売電された分の計測は可能だが、各設備の自家消費分に含まれるグリーン電力の「環境価値」は正確に把握されていない。 将来的には大きな価値を秘めたグリーン電力が、今は個人の満足で終わっているのが現状である。これを社会的価値として、コンピュータによる自動計測と集計、管理を行い、「環境価値」をグリーン電力証書として供給するというコンセプトはISEPの関連組織である「自然エネルギー.コム」で温められ、「おひさま事業」にあわせてシステム開発と実際の設置が行われた。4月から集計を開始しているこのシステムが今後順調に動くことが、「おひさま事業」のみならず、今後の自然エネルギー事業全体の発展に深くつながってくるだろう。 以上、今だ道半ばであるが、飯田市の「おひさま事業」を皆さんに応援していただきたい。飯田市は一度訪れると「飯田病」にかかるといわれるところ。「飯田病」とは、もう一度飯田市を訪れたくなるという病。そうこうしているうちに飯田市に住み着く人もいるとか。そのような飯田市に、ぜひ「おひさま事業」の視察においでいただきたい。 おひさま進歩エネルギー 竹村英明(ISEP 研究員) ~~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~ ご快諾くださった竹村さん、ISEPのみなさん、ありがとうございました。 環境エネルギー政策研究所(ISEP)は、活動を支えてくださる会員の方々を募集しています。持続可能なエネルギー政策の実現を目指すISEPの趣旨に賛同される個人・団体は、どなたでも会員となっていただけます。ぜひ、会員になってISEPを支えて下さい。詳しくは下記ウェブサイトをご覧になるか電子メールでご照会ください。 |
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