Library:アラン・アトキソン|ニュースレター|e's Inc. http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/ ja 2007-02-22T10:36:13+09:00 アトキソン・レポート 第11号  (2005年8月4日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/070222_103613.html 今回のニュースレターでは……

・新しい経済理論をご紹介します。国や地域レベルでの持続可能性の評価方法に、変革を起こす可能性のある理論です。

・また、気候に関する最適で一番使いやすい情報をすぐに見つける方法をお教えします。

・さらに、国際的な地球憲章イニシアティブについて、皆さまのアイデアや考え、意見などをお聞きしたいと思います。


目次

検索/置換すべし: 「包括的な富」(または「包含的な富」:inclusivewealth)理論の紹介

ニュースの活用法: クライメート・グループと、ブログサイト「リアル・クライメート」

アトキソンからのお知らせ:地球憲章、グリーンなショッピングセンター、アチェ州に「ピラミッド」、など

持続可能性にまつわる語録


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<検索/置換すべし:持続可能な発展の実践にまつわる不定期なコラム> アラン・アトキソン

「包括的な富」(inclusive wealth)理論の紹介

このコラムでは、まさに世界を変革する可能性を秘めた新しい経済理論について、数式を使わずに分かりやすく解説する。「包括的な富」をご紹介しよう。

「包括的な富」とは、専門的に言うと、新古典派経済学を複合的に改良したもので、自然、人工資本、人間の福祉、人間の知識という重要な資本ストックに、計算価格(つまり代替価格)を用いて値段を付ける理論である。

こうしたものに値段を付けることにとても抵抗を感じる人もいれば、難解な方程式や経済学全般が苦手、という人もいる。しかし、現在の世界的なジレンマの核心をなす経済学の根本的問題を解決するには、この理論は私が知る限り最高の試みである。

経済学が抱える問題を解決すれば、世界に数多く存在する、現状ではきわめて変革の難しい問題が、格段に解決しやすくなるのだ。

まず、背景についてご説明しよう。
(続きはニュースレターの最後へ)

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<ニュースの活用法:情報をどう処理するか>

気候に関するデータの情報源

気候変動緩和の費用便益分析について、あるいは気温が本当に「記録的」かどうか、議論しているとしよう。あなたは最適なデータをどこから得るだろうか?

特に役に立つ情報源として、2つのサイトがある。英国のNGOクライメート・グループ(Climate Group)のウェブサイト(http://www.theclimategroup.org)とリアル・クライメートというブログサイト (http://www.realclimate.org)である。

クライメート・グループのウェブサイトでは、気候変動の影響に関する基礎データがすぐに見つかるのはもちろんだが、もっと興味深いのは、気候変動緩和に率先して取り組む地方自治体や国、企業のケーススタディーである。

気候変動緩和でかかったコストや、逆に削減できたコストなど、政策議論や新しい取り組みを行う際のプレゼンテーションで考慮すべき重要な情報が掲載されている。このサイトを見れば、解決に主眼を置いた、気候変動に関する中心的取り組みについて、政治や経済の観点から最新情報が得られるのだ。

リアル・クライメートのサイトでは、最新の科学的な情報や議論を、便利な要約形式で追うことができる。例えば、今年は記録的な夏だったが、サイトにはそのデータがあり、それを裏付けるリンク先も載っている。さらに、本当に議論の価値がある、気候科学や政策に関する最新情報を得ることができる。プレゼンテーションの準備に大変役立つサイトである。

気候は、持続可能性に関する対話や行動を促進する課題の中で、300キロを超える巨大なゴリラのように影響力が大きく、当分その力は変わらないだろう。もちろん本物のゴリラたちは現在大変な状況にあり、彼らの苦境も、われわれを持続可能性に関する行動へと駆り立てているはずだが。だから、気候に関する情報を十分に、そして巧みにわれわれの活動に活用し、地球規模の課題が深刻であることを人々に気付かせよう。

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<アトキソングループからのお知らせ:世界のパートナーとの協力状況>

地球憲章 ―― 皆さんのお考えをお聞かせください。

現在アトキソングループは、国際的な地球憲章イニシアティブの戦略的な見直しのプロセスに参加しており、皆さまのお考えをぜひお聞きしたいと思っています。

さて、どのようにお考えでしょうか? 地球憲章をご存じですか? もし皆さんがご自身を持続可能性の専門家とお考えなのに、地球憲章についてお聞きになったことがないとしたら、そのこと自体が私たちにとって重要な情報です。また、皆さんが地球憲章をご存じか、あるいは深くかかわっておられて、この取り組みを主導する人たちが今何をすべきかについてご意見をお持ちでしたら、ぜひメールでお知らせください。

「地球憲章とは何ですか?」と聞かれる方もいらっしゃるかもしれません。地球憲章は、持続可能な開発のための中核的な倫理原則についての国際的な合意声明です。この声明は、1992年にリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)から生まれたものですが、国連主導のものではありません。

この文書を作成した委員会は、市民団体のみで構成されています。もっとも、委員会のメンバーは、モーリス・ストロング、ワンガリ・マータイ、ミハイル・ゴルバチョフなど、持続可能な開発の国際活動における重鎮一同といったところですが。しかし、実際に世界各地で行われている活動は、もっと小規模な、主にボランティア主導の取り組みです。

憲章の効果はあったのでしょうか? もちろんです。ロシア連邦の共和国諸国では地球憲章に基づいて法律の見直しが進められ、IUCN(国際自然保護連合)は最近国際的な承認を行いました。コスタリカの教育課程にも影響が及んでいます。もっと大きな影響を及ぼしうるでしょうか? それこそ、今まさに私たちが、この秋にアムステルダムで開催される地球憲章完成5周年の大会の前に作り出そうとしているもの、あるいは少なくともそうしようと計画しているものです。

地球憲章イニシアティブのサイトで、地球憲章のダウンロードと最新の年次報告などの閲覧ができます。
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabjcI9b6HuClb/

皆さまのお考えを、feedback@atkisson.com宛にメールでお寄せください。最近スパムメールが多いので、サブジェクトの欄に「Earth Charter」と書いていただけると助かります。


すべてをグリーンに変えようとしているサステイナブル・ピッツバーグ

当然ではありませんか。ほぼすべてのものをグリーンにする必要があるのです。私たちの長年のクライアント、サステイナブル・ピッツバーグ(Sustainable Pittsburgh)は、各種の地域財団や有料会員に支えられているNGOの連合で、社会の流れを大きく変える可能性がある2つの行動計画を開始しました。

1つ目は「持続可能な地域社会500」プロジェクトで、ペンシルベニア州南西部の500を超える全市町において、持続可能な開発に役立つプロジェクトあるいは取り組みを、少なくとも1例ずつ集めることを目指しています。この優れた活動事例を集めるプロジェクトは、部分的に州政府の資金援助を得ています。そして、持続可能性というのは、これから誰でも目指すことができるだけではなく、地域のどこでも、ほぼ全員が、何らかの形で、既に目指して取り組んでいるのだ、ということを明らかにするのに役立つはずです。

2つ目のプロジェクトはもっと具体的です。地域のショッピングセンターの“グリーン化”を支援しようというのです。現在のこのショッピングセンターは、グリーンには程遠く、むしろ典型的な米国のスプロール型ショッピングセンターの例としてうってつけです。

サステイナブル・ピッツバーグは、まずショッピングセンターの経営陣と信頼関係を築いた後、この地域のエネルギー、水、建築、地域社会活動などの専門家のグループを作り始めました。そして、この企画を始めるにあたってパーティーを開く予定です(とても気の利いた方法ですね)。

その後、専門家たちは、もっとグリーンで、もっと持続可能性が高く、そしてもっと利益を上げられるようにするために、ショッピングセンターに何を取り入れるかを検討することになっています。

私たちの役割は、戦略の面で若干支援をしていること、それにグリーンなショッピングセンターの最新技術について小規模な基礎調査を行ったことです。私たちの調査結果(現時点ではやや薄いものですが、優れて進歩的な対策をいくつか明らかにしました)のコピーをご希望の方は、ご連絡ください。
(エダヒロ注:資料は英語です。ご希望の方は、英語で直接アランまでご連絡ください。info@atkisson.com )

活発に活動を続けるNGO連合、サステイナブル・ピッツバーグについてもっと知りたい方は、連合のサイトをご覧下さい。
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabjcJab6HuClb/

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本の販促キャンペーン

アラン・アトキソンはロンドン同時多発テロ攻撃の前日に、ロンドンのフロントライン・クラブ(戦争や飢餓などの危険を伴う取材をする記者たちのたまり場)で、アーススキャン社の『仮邦題:国の自然優位』(The Natural Advantage of Nations)を紹介するイベントを開きました。同書は1月に出版されたのですが、出版社によれば、地元の読者にきちんと紹介されていなかったからです。オリンピック開催決定のニュースで忙しかったにもかかわらず、まもなく自国で戦時のような取材にかりだされることも知らず、相当数の記者が集まりました。

ナチュラル・エッジ・プロジェクト(同書を実質的に執筆したオーストラリアのグループ。アトキソングループのネットワークのメンバーでもある)のシェリル・パテンがたまたまロンドンで休暇中だったため、思いがけず彼女が直接本を紹介することになりました。参加者には飲み物が無料で振る舞われました。

このイベントについてのアランのコメントは次のURLに載っています。(アランはその朝スコットランドの国会で演説したため、幸いテロは逃れました。)
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabjcJbb6HuClb/

本書についてはwww.AtKisson.comのトップページと、実質的な編者であるナチュラル・エッジ・プロジェクトのホームページでも紹介しています。
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabjcJcb6HuClb/
アーススキャン社への注文はどちらのサイトからも可能です。

アチェ州に「ピラミッド」?

アラン・アトキソンは東南アジアの提携者であるゴントン・ローズアミーとロバート・スティールとともに、先日バンコクで3つの素晴らしい専門家グループに対し、当社の「アクセラレーター」というツールの使用訓練のためのワークショップを10日間行いました(エダヒロ注:ピラミッドとはアランのツールのひとつです)。アランのバンコクからの報告はWorldchanging.comのホームページに掲載されています。
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabjcJdb6HuClb/

アランは次のように述べています。
「私が今回のワークショップで一番感動したのは、人々がどのようにツールを使っているか、または使おうとしているかを知った時でした。特に、スマトラのアチェ州で象の保護活動をしているティスナ・ナンドのことをよく思い出します。

彼女が活動している地域では、村々の大半とそこに住む人々が津波によって壊滅的な被害を受けました。このため、彼女の関心はおのずと、象の保護から人々の生活再建の支援(特に象に害のない形での)に移ったのです。彼女は、村のリーダーたちがより持続可能な村づくりを計画できるように、研修・計画立案用の「ピラミッド」モデルをアチェに導入しようとしているのだと語りました。私はインスピレーションに富んだ話し手だと思われていますが、私にインスピレーションを与えているのは、ティスナのような、自分たちの地域を救うためにあらゆる困難に立ち向かっていく人々とともに働くことなのです」

アチェでの仕事については次のURLに掲載されています。
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabjcJeb6HuClb/


<持続可能性にまつわる語録>

世の中は改善するにせよ、悪化するにせよ、ますます速い変化を遂げている。

トム・アトリー 「コ・インテリジェンス」の理念を提唱する米国の作家・思想家(訳注:米国のNPO、コ・インテリジェンス・インスティテュートの主宰者)

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トップニュース(続き)

「包括的な富」理論の紹介 

まず、背景についてご説明しよう。

世界的に採用されている国民経済計算体系にゆがみが生じていることは、公然の秘密である。通常の国内総生産(GDP)は、今なお世界が経済発展を測る際の一番重要な数字になっている。しかし、中国でさえ「グリーンGDP」に本腰を入れて取り組む時代、通常のGDPのどこかに不具合が生じているに違いないということは、今や誰もが気付いている。

私たちが、一国の「経済成長」という場合、実際には「GDPの増加」を指し、「GDPの増加」は、市場でのお金のやりとりの増加を意味する。ドルや元、リンギット、ユーロ、ルーブルを使えば、GDPは増加する。一方、ジャガイモを植えたり、靴下を繕ったり、午後に近所の子供の面倒を見たり……これらはどれも、その見返りとして支払いが生じない限り、GDPの観点からは何の意味も持たない。

GDPが抱える問題は何十年もの間よく知られてきたが、これに目が向けられることはほとんどなかった。GDPの問題の1つは、今述べたように、現金化されないという理由だけで、非常に多くの経済生産活動が無視されていることだ。そしてもう1つは、「悪いことには目をつぶっている」ということである。

すなわち、待望の新型コンピュータを買うために使われる1,000ドルも、家からコンピュータが盗まれてその代わりを買うために使われる1,000ドルも、全く同じと見なされる。車の事故、がん、暴風による損害……これらがお金の流れをどんどん加速させる限り、GDPの観点からはすべて好ましいことに見える。

この20年間で、時折だが、GDPという指標の改良に向けた取り組みが少しだけ話題に上ったことがあった。中でも一番注目されたのは、1995年当時、リディファイニング・プログレス(RP:「進歩を再定義する」という意味の米国のNGO)が行った世界でも数少ない研究活動の1つだ。

これは、「持続可能な経済福祉指標」(ISEW)を少し形を変えて広めていこうという取り組みである。ISEWは、ハーマン・デイリーとジョン・コブが共著『仮邦題:公共の利益のために』(For the Common Good)の中で初めて紹介したもので、リディファイニング・プログレスによって「真の進歩指標」(GPI)へと衣替えをした。

これに関するニュースは、1995年10月に『アトランティック・マンスリー』誌の表紙を初めて飾った。GPIは、悪い要素をGDP全体に足し合わせるのではなく、GDPから差し引く。そのため、環境面の損失や社会問題増加の煽りを受けて、1970年代あたりからGPIは下降線をたどり、「事態は次第に悪化している」というメッセージを伝えている。(片や、GDPは一貫して、「事態はどんどん良くなっている」という信号を発信し続けている)

カナダはこのほど、国民経済計算体系の改革案を打ち出した。GDPの「比重を軽減」し、主要な6指標の1つとして扱うというものだ。それでも全体的にみれば、GDPは今なお世界中で「あらゆる指標の王様」として君臨し続けている。

「包括的な富」の原点

ここで、ノーベル経済学賞受賞者のケネス・アローを紹介しよう。彼は、スタンフォード大学の経済学者で、世界をリードする経済学者や生態学者から成る国際的かつ学際的なグループの一員でもある。このグループは4年間、私的なセミナーや議論の場を設けたり、論文の草稿を書くなどの活動を続け、その後2年間は、主流の経済学術誌の門をたたき続けた(各専門分野の世界的リーダーたちが名を連ねていたにもかかわらず、どの学術誌も、経済学への「学際的」アプローチにそれほど高い関心を示さなかった)。そしてついに彼らは、画期的な論文を発表するに至ったのである。

『仮邦題:われわれは過剰に消費しているか?』(Are We Consuming Too Much?)と題するこの論文は、地球規模で問われるこの根源的な問いに対して、純粋に経済学的な観点から答えを出そうとしている。

この論文は2002年にまとめられたが、『仮邦題:ジャーナル・オブ・エコノミック・パースペクティブズ』誌(Journal of Economic Perspectives)に掲載されたのは2004年になってからである。(学際的論文の掲載に当たって、編集局側を説得するのにこれだけの時間を要したのだ)

また、この論文では、「包括的な富」の基本的な考え方を紹介するとともに、現実世界のデータを用いてこの考え方を展開するという初めての試みも行っている。

最近の経済学や生態学の変遷に詳しい人にとっては、以下に挙げる著者の顔ぶれはそれだけで感動的である。ケネス・アロー、パーサ・ダスグプタ、ローレンス・グルダー、グレッチェン・デイリー、ポール・エーリック、ジェフリー・ヒール、サイモン・レヴィン、カール-ゲラン・メーラー(Karl- Goran Maler)、ステファン・シュナイダー(Stephen Schneider)、デイビッド・スターレット(David Starrett)、ブライアン・ウォーカー。

では、「包括的な富」とは、具体的にどういうことをいうのだろうか? これは、経済システムにおけるすべての重要な資本ストックの金銭的な価値が、時間の経過でどのように変化したかを、実質価格で測定しようという試みである。

資本ストックとは、例えば、自然資源や生態系、人工資本、人間の福祉、人間の知識などをいう。「包括的な富」は何をもって「包括的」というか、その根拠は2つある。1つは、経済発展の中で本当に大切なことを残らず網羅しようとしていること(これは、経済学においてさえ初めての試みである)。そしてもう1つは、将来世代の利益を包含することである。これこそが、正真正銘の持続可能性の経済学である。

これを考え出した著名な経済学者と生態学者のチームにとって、「持続可能性」とは次のようなことを意味する。すなわち、あらゆる形態の富について、その価値が時を経ても目減りしないこと。例えば、分水域はその機能が失われることなく、インフラ基盤も崩壊することのないまま、知識の蓄積(およびその知識を有する健康な人々)であれば低レベルになり縮小するのではなく、質量ともにますます豊かさを増す状態で、次世代へと引き継がれなければならない。

持続可能性は、常にこれらすべての資本ストックの価値が維持あるいは増大しているかどうかで測る。もしそうなっていなければ、今、あなたは進路を変えるべきだ。あるいは来るべき大事に備えて、ローマの大火をよそにバイオリンを弾いていた暴君ネロにならうべく、楽器の練習でもしておくか。

この手法の特筆すべき重要な特徴は、計算価格を用いていることだ。人間界では、これを「実質価格」と呼んだりする。この価格は、その資産の代わりを用意する際に実際にかかる費用(例えば、破壊された水源の代わりを用意するのに、実際にどれだけの費用がかかるか)を反映するもので、市場の評価が変わっても変動しない。ある研究チームが、フィールドプロジェクトに関連して次のように書いている。「われわれが求めているのは、資産がどれだけ変化するかの値であり、資産の価値がどれだけ変化したかではない」

『われわれは過剰に消費しているか?』には、興味深い表が載っている。世界銀行などのデータを基に、たくさんの国の従来型の経済成長指標(GDP)と、同じ国における「包括的な富」について、30年間の分析結果を比較したものだ。当然のことながら、この新しいレンズを通すと、世界の様相はまるで違って見える。

持続可能な富という視点で分析すると、中東諸国やアフリカ各国では、状況の悪化が深刻なのだ。これらの国のGDPの成長率はマイナスではないのに、である。インドも過去30年間、平均3%前後の経済成長を示しているというのに、「包括的な富」の成長率はほぼゼロに近い。この国では、貧困層の投票行動によって政権交代が行われ、その展開に富裕層は泡を食うことになったのだが、その理由がこの分析からも示されるかもしれない。バンガロールのIT産業のおかげでGDPは伸びても、スラムの住人にはその恩恵が感じられなかったのだ。

「包括的な富」の活用

ここで仮に、「『包括的な富』は、経済学にぽっかり空いている穴を埋める美しい新理論であり、現在の正統派理論よりも現実を正しく反映しそうだ」という私の評価が受け入れられたとしよう。では、実際に活用した場合、この「包括的な富」は何を意味するだろうか?

現在この実践研究を行うため、著名な機関に籍を置く複数の研究チームが、スウェーデン(ストックホルム郡)とオーストラリア(ビクトリア州のグールバーン・ブロークン集水域)において、地域レベルのプロジェクトに取り組んでいる。

数字が出るまでには、数年かかるだろう。真の代替価格をすべてのものに付けるのは、たやすくないからだ。例えば、ビクトリア州グールバーン・ブロークン集水域で花粉を運ぶ生物の代わりを用意するには、実際にいくらかかるのだろうか?

しかし、地域の持続可能性を評価しようというストックホルム郡政府プロジェクトでは、当該地域での試行結果を今すぐにでも知りたがっている。「包括的な富」の変化を知ることが、地域計画目標の達成度などを測る上で、最善の総合指標となり得るからだ。(当社が、この測定方法を取り入れるようにと助言したことに、注目されたい)

世界レベルでも、もし長期的な真の富の変化が分かるような優れた指標があったなら、そして、その貸借対照表を見ると自然のシステムや人間の幸福の真の価値が分かるとしたら、投資の際に全く違う決定が下されることだろう。実際、これは既にあちこちで、断片的に起こりつつある。例えば保険会社が地球温暖化の費用を計算し始めたりしている。

「包括的な富」は、このような考え方を、完全に総合的な形で主流派経済学に組み込もうとする、現在最善の取り組みといえる。「包括的な富」は、GDPの代わりに使われるようになるだろうか? いや、実はそうなるべきではないのだ。GDPは、その測定対象、つまり貨幣化された経済活動レベルの測定においては、素晴らしい役目を果たしているからだ。

しかし、GDPの「現金収支一覧表」には、詳しい内容が示されていない。だから、「包括的な富」が成熟した折には、その「貸借対照表」として機能し得る。そして、われわれが何としても知らなければならないことを教えてくれるようになるだろう――「われわれの経済は、持続可能な方向に向かって進んでいるのだろうか?」


情報源(注:以下のリンク先はすべて英語のみ)

『われわれは過剰に消費しているか?』
ケネス・アローほか
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB83b6HuClb/

『GDPが上がっても、なぜアメリカは低調なのか?』
クリフォード・コブ、テッド・ハルステッド、ジョナサン・ロウ アトランティック・マンスリー 1995年10月
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB84b6HuClb/newmedia/articles/9510_atlantic.pdf

GDP/GPI――ワールドチェンジング
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB85b6HuClb/

ストックホルム郡プロジェクト――ベイエ生態経済学研究所
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB86b6HuClb/

オーストラリアプロジェクト――CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB87b6HuClb/

GDPの基礎
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB88b6HuClb/

中国のグリーンGDP
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB89b6HuClb/

カナダの新指標
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB9ab6HuClb/

ケネス・アロー経歴
http://atkisson.c.topica.com/maadBnQabhB9bb6HuClb/

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seki 2007-02-22T10:36:13+09:00
アトキソン・レポート 第10号  (2005年4月14日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/070222_103604.html 「ウェーブフロント」という名称が津波を連想させることを憂慮し、名称を変えることになりました。第10号より、「アトキソン・レポート」(THE ATKISSONREPORT)としてお送りします。
http://www.atkisson.com/atkissonreport/atkreportltr.html


今回のニュースレターでは…

・環境「コスト」と呼ばれる多くのものは、じつは「投資」という枠組みでとらえるべきものではないか。それを裏付ける根拠と関連する情報をご紹介します。

また「持続可能性が経済効果を生む」という主張をより効果的に展開したい方には、お役に立つ正確な情報、グラフ、データ等の詰まったミレニアム・エコシステム・アセスメント(ミレニアム生態系評価)の活用法も伝授します。(これは生態系に関する科学的なアセスメントを実施して各国政府などに情報提供するため、国連の呼びかけで2001年に発足した世界的研究プロジェクトで、2005年3月30日、初の報告書が公表されました)


目次

検索/置換すべし: 「儲けを生むなら、『コスト』とは言わない」

ニュースの活用法: ミレニアム・エコシステム・アセスメント(ミレニアム生態系評価)

アトキソングループからのお知らせ

持続可能性にまつわる語録: 歩行と思考

クレジット

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検索/置換すべし

持続可能な発展の実践にまつわる不定期コラム (アラン・アトキソン)

儲けを生むなら、「コスト」とは言わない

メッセージがはっきり伝わるように、のっけからストレートに申しあげたい。環境に費やしたお金が、のちのち儲けになって戻ってくるなら、それを「コスト」と呼ぶのは間違っているのだ。どうひいき目に見ても、この言葉の使い方はいい加減だし、悪く言えば、経済、環境、いずれの視点から見ても、 無責任な使い方である。

ところが、環境のこととなると、人はこんな基本的な間違いを、未だに繰り返しているのである。

そう、私は今、大演説をぶっている。これが私の使命だから。私は、この一点について、世界を変えたいと思っている。そして、みなさんにも手伝ってもらえないかと考えている。

みなさんにお願いしたいこと: 今からご紹介する事例を読んで記憶にとどめ、誰かが「環境コスト」という言葉を不適切に使っているのを見聞きしたら、「違いますよ」と、やんわりと注意していただきたい。あるいは、ピシッと正してもらってもいい。または、こばかにしたように「おやおや~、どうやら経済学入門をちょくちょくサボっていたみたいだね、違う?」と笑ってみる手もある。相手がそれに一番反応しそうだ、と思えばの話だが。

こんなお願いをするのも、今や裏付けが世界中に転がっているからだ。環境浄化や気候変動の抑制はもちろんのこと、われわれ(他の生き物も含む)の身の安全を守るための数々の出費は、儲けも生むのである。それも、とびっきりの!

考えてみよう。

ドイツ政府は、温室効果ガスの排出量削減をめざしてさまざまな政策や投資を行ってきたが、最近、それが経済に及ぼす「マイナス効果」は皆無であるどころか、新たに45万もの雇用を創出していたことを見出した。ほんのちょっぴりの推論で、 気がつくはずだ。政府が気候変動の抑制に投資することで、失業手当を受給していた50万人近くの人たちが納税者に変わったのであれば、それは何十億ドルもの利益を生むのだと。

日本のトヨタ自動車は、同社が発行する「環境社会報告書2004」において、2,010億円を「環境コスト」に投じたと報告している。そして、同じ報告書の数ページ後に、こうした支出が消費者に与えた影響についても述べている。それによると、環境分野でのトヨタの評判は、「地球に優しいから」とトヨタを選ぶ消費者を生み出し、結果的に2,600億円の売上増につながったという。つまり、トヨタは、支払った「環境コスト」に対して、約30%の収益を得ている計算になる。

英国のNGO、クライメート・グループ(Climate Group)の共同主宰者であるマイケル・ノースロップ氏がワシントン・ポスト紙に寄稿した記事で次のように述べている。大手企業6社――IBM、デュポン、BT(ブリティッシュ・テレコム)、アルカン、ノルスク・カナダ、バイエルの各社は、1990年代初頭から二酸化炭素排出量を少なくとも60%削減しており、その過程で、6社合わせて40億ドルを上回る収益を上げている。

カリフォルニア州で建物に関する調査を行ったところ、環境基準を満たすための「追加費用」は平均約2%であることが明らかになった。つまり、環境に優しい建物は、そうでない建物よりも2%余分な「コスト」がかかるのである。しかし、欠勤者が減り、従業員の生産性が向上する、といった波及効果も計算に入れると、2%の追加費用は、結果として、最大でその10倍の収益となったのだ。

こうした比較的緩やかで、しかも測定しにくい、労働者への効果を除外し、単純に水道・光熱費だけで考えたとしても、余分な支出に対する収益率は、平均50%だった。つまり、環境に優しい建物を建てると、50~1000%の投資収益率を生む可能性があるのだ。

そこで、皆さんにお尋ねしたい。このように大きな利益を生む投資が「コスト」とみなされている現状を、私たちは一体なぜ容認しているのだろうか? このような会計処理は重大なミスではないだろうか? これほど明らかな投資回収のチャンスを逃すとは、経営の怠慢というほかはない。役員の面々は、自分たちの受託者責任が追及されないか、株主から訴訟を起こされないか、とびくびくしなければならないところだ。

言いたいことは山ほどあるが、このコラムは750語(英単語)までと決めている。さらに詳しい根拠が必要な方は、『仮邦題:国の自然優位』(The NaturalAdvantage of Nations)を参照していただきたい。この本は、持続可能性から得られる競争上の優位について、分析と事例研究を概説した学術的な書である。今の時代、経営、政策、および経済学を学ぶ全学生にとって、これは必読書とするべきものだ。

それはとりもなおさず、すべての人にとって必読の書ということである。なぜならば、持続可能でしかも利益を生む地球のマネジメントという点では、私たちは皆学生と同レベルであり、この分野の教授あるいは専門家を名乗る人々も例外ではないのである。

そのようなわけで、どうか私たちと一緒に、わかっているべきなのにそうでない人たちの経済音痴と闘っていただきたい。環境に優しくて、持続可能で、実は儲けになるようなものを「コスト」と呼ぶことは禁止しよう。そして、「投資」という言葉を広めていこう。

リンク先および情報源

http://www.theclimategroup.org/index.php?pid=422
http://www.toyota.co.jp/en/envrep04/
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A58852-2005Feb27.html
http://www.usgbc.org/Docs/News/News477.pdf
http://shop.earthscan.co.uk/

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ニュース活用の秘訣

最新情報の利用法

持続可能性支持の経済論に力を与えるミレニアム・エコシステム・アセスメント

2,000万ドルを投じて行われた、地球生態系の現状調査のニュースはご覧になっただろうか? この大がかりな研究に関する報道を目にした人は、現在われわれの置かれている状況がいかに劣悪なものであるか、おわかりになったことだろう。しかし、それが受け止めた情報のすべてだとしたら、マスコミが誤った伝え方をしたために、この研究の最も大事な点を見落としたことになる。

「MA」(ミレニアム・アセスメント)と呼ばれるこの研究プロジェクトの主要な点は、「持続可能な発展・マネジメントおよび各種の環境保護活動は経済的利益をもたらす」という主張に論拠を与えることである。この研究は、膨大な最新情報を提供しており、持続可能性を促進しようとしているすべての人にとって、環境への関心が低い同僚、クライアントや啓発したい相手にわかりやすく説明する際の情報源となり得るものだ。

例えば、

私たちの食糧生産を支える自然の力にどの位の価値があるのか、信頼できる値(年間約1兆ドル)で示すことができる。そして、友人、同僚、クライアントに気付かせることができる。世界人口の22%および世界の経済活動の4分の1は、自然の食糧生産力を維持できるどうかにかかっているのだと。もちろん、私たちの食べる力については言うまでもないが。

「自然に帰る」ことは銃や釣竿に頼る生活に戻ることだと考える人たちには、娯楽としての狩りや漁業に関する自然の経済的価値を主張することができる。それは、米国だけでも年間750億ドル以上になるのだ。

重要な資源である水に関しては、水質が悪化していると明言できる。そして、水質が改善されている地域(豊かな先進国)と悪化している地域(主に貧しい国。但し窒素汚染は地球規模で30%増加している)についても明らかにできる。

自然への配慮を怠ると莫大な費用がかかり、収益のチャンスを失うという、何よりの証拠を引用することができる。考えてほしい。例えば、カナダの手つかずの湿地と集約的農地に転換した湿地は、「正味現在価値」(経済用語)が100%以上違う。つまり、湿地をそのままにしておくだけで、農地として利用する場合の2倍の価値があるのだ。

MAにはすべてが盛り込まれている。例えば、魚類の減少が経済に与える影響、気候変動による保険制度のリスク増大、自然破壊が地球上の貧困に与える影響など・・・。何でもそろう百貨店のようなもので、いわゆる基本的事実(基礎データであっても情報は不可欠である)も、政策や計画立案に向けた最も説得力のある裏付けも同時に手に入る。

ウェブサイトでは、報告書の全文はもちろん、統合報告書、普及版、プレゼンテーション用スライドもダウンロードできる(上述の事例はすべて、「全調査結果(Full Findings)」というプレゼンテーション用スライドの引用である。これ自体が優れた概要資料となっている)。

プロジェクトに携わった1,300人はもちろん、編集者たちは、この大規模プロジェクトを見事に完成させ、多様な情報を利用しやすいものにまとめ上げた。図表や数値、地図など、議論の裏付けに必要なものが選択できる。

ミレニアム・エコシステム・アセスメントは必須アイテムである。活用しよう!
http://www.maweb.org/

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アトキソングループからのお知らせ

最近行われた基調講演とプレゼンテーション

アラン・アトキソンは、先日、スイス政府後援の「指標の視覚化」に関する会議で基調講演を行った。アトキソンの講演ファイルは、この会議の文書サイトで閲覧できる。彼は次のように述べている。

「この度の会議はとても素晴らしく、私は発表者から多くのことを学んだ。特に印象に残ったものは、ギャップマインダー(訳注:複雑な発展動向が簡単に理解できるよう、動的グラフで表したウェブサイト)への関心の高まり、持続可能性指標に関するフィンランド政府の取り組み(重要な会議の中で実際に指数を検討している首相やアドバイザーの写真も発表された)、経営データの効果的な発表に関する持続可能性志向でない人たちの講演などである。このウェブサイトは必見である」。
http://www.bfs.admin.chより

一方、現在ロンドン郊外に拠点を置くマイケル・ランは、ポーランドで行われた持続可能性を専門とする大学教師の会議で講演を行った。これは「バルト海地域大学(Baltic University Programme)」が運営する数多くの活動の一つである。バルト海地域大学とは、バルト海沿岸の大学による実に素晴らしいネットワークで、持続可能性をテーマにした授業や優れた教材作りを共同で行っている。
http://www.balticuniv.uu.se/

ストックホルム地方政府の新しい指標

アラン・アトキソンは先日、持続可能性に関する包括的な指標を新たに開発するプロジェクトを終了した。指標はストックホルム地方の保健と交通のサービスを担当する行政機関が使用するもので、この地域の年次報告プロセスを全面的に見直し拡充するための、数年がかりの大型プロジェクトの一環である。「アトキソン・ヨーロッパ」は、パートナーである「ケミ&ミリョ(Kemi & Miljo)」(スウェーデンの環境コンサルタント)と共同で、この指標開発のコンサルタントとして中心的役割を果たした。

指標は、「価値と影響の連鎖」全体の持続可能性、つまり、資材購入から良い医師の雇用、さらに病院やバスから排出される物質の経済上および健康上のコストに至るまでの持続可能性を測るためのものである。このプロジェクトは、公共部門の報告としては画期的な試みとされており、いずれまとめ上げられて専門誌で発表されるだろう。

日本でチェンジ・エージェント(変化の担い手)育成の動き

ネットワークのパートナーである東京の枝廣淳子氏と小田理一郎氏は、「システム思考」などのツールの使い方を教える新たなベンチャーを始めている。日本人で詳細な情報が必要な方、また、日本人でなくても興味のある方は、ご連絡下さい!
http://www.change-agent.jp/


持続可能性にまつわる語録

「歩こうという気持ちをなくしてはいけません。私は毎日、歩くことで健康に近づき、病から遠ざかっています。私は歩くことにより、最高の考えの着想を得、また、どんなに煩わしい思いも、歩くことで忘れられるものです」。セーレン・キルケゴール(デンマーク人哲学者)(1850年頃)

(ヨルゲン・ノーガード(Joergen Norgaard)氏に翻訳していただきました。)

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seki 2007-02-22T10:36:04+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第9号  (2004年9月29日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/070222_103554.html トップ・ニュース

持続可能性における世界最大の問題とは?

気候変動? 戦争とテロ? グローバル化? それとも貧困?

ある専門家の意見によると、「このどれでもない」ということだ。最近行われた専門家を対象とする地球規模の調査によると、その答えははるかに基本的なものであった。

それは水である。

カナダの企業、グローブスキャンが国際持続可能開発研究所の協力を得て、「持続可能性に関する専門家」を世界中から選び、(Eメールで)調査を行った。その結果、9割以上の回答者が淡水の計画及び供給が「非常に重要な」課題であり、それに続くのが再生可能エネルギーと貧困であると答えた。このグループの調査によると、水に関する懸念がこの2年間で12ポイント上昇している。

典型的な持続可能性の専門家たちによる紛れも無く左よりの意見が(左寄りと呼ばれたくない人は多いだろうが)、今年初め、「コペンハーゲン・コンセンサス」という右寄りの会議で、まずまずの支持を集めた。

このコペンハーゲンの会議は、デンマーク人の統計学者、ビョルン・ロンボルグ氏(多くの批判と賞賛の両方を受けた『懐疑的な環境論者』の著者)が雑誌エコノミストの後援を受け主催したものである。会議には新自由主義の主要なエコノミストが集まり、世界のさまざまな問題を費用と便益の観点から厳しく検討した。(この続きは末尾に)


時代の最先端をゆく

-変革をリードする動向-

私たちの豚はタバコを吸わない

アメリカでは新しい計画のもと、タバコ農家を小規模で環境に優しく、高付加価値の農産物生産(たとえば養豚業)へと転換させつつある。

スコットランドでは波を、インドでは海水の温度差を利用

アメリカ環境保護局のデーブ・スカラー氏が、世界初の商業用波力発電装置がスコットランドのオークニー諸島近辺で稼働中であるとの驚くような報告をした。各装置が長さ120m、重さ750tで、これが40台設置される予定である。一方インドでは、プラント船の上で海水の温度差を利用して電気を発生させようという暑い国ならではの技術実験が進んでいる。

http://www.sparksdata.co.uk/refocus/showdoc.asp?docid=55511111&accnum=1&topics
http://www.sparksdata.co.uk/refocus/redesign/showdoc.asp?docid=12127322&accnum=1



波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

ダウ・ジョーンズの今年の評価は?

社会的責任投資指標となる、企業の2004年ダウ・ジョーンズ・サステイナビリティー・インデックスの評価結果が発表された。結果は上々である。経営計画の立案や事業運営に際して、持続可能性をその中に取り入れる企業が増えており、そうした企業が業績を挙げている。

チューリッヒのSAMグループに勤務する職員(実際はダウ・ジョーンズの名前で働いている)は、この指標さえもが企業の戦略的な目標となっているようだと指摘している。企業はこうした指標のトップグループに名を連ねるため、ますます競争しなければならなくなった。今や、この指標に関心を持っているか否かが、その企業を評価する指標となっているのである。スウェーデンのエレクトロラックス社をはじめいくつかの有名企業が、今年はこの指標グループから外されてしまった。

http://www.sustainability-indexes.com/djsi_pdf/news/PressReleases/DJSI_PressRelease_040902_Review.pdf

「企業の業績とその持続可能性に関する成果を評価するために多くの方法が考えられていますが、中でもユニークで効果的なのがダウ・ジョーンズ/SAMの方法です。それは企業の株式の価値評価に直接繋がっています」

ロシアと京都議定書:待たれる批准

プーチン大統領がロシア議会での承認を求めるために、閣僚たちに対し、京都議定書の批准に向けた文書に署名するよう指示したとのニュースが伝えられている。

http://www.wbcsd.org/includes/getTarget.asp?type=DocDet&id=10164

「以前にもそういう話があったのはご存知でしょう。ですから実際この目で見るまでは信じられません」

中国、燃料効率化基準を採用

ニューヨーク・タイムズ紙では、中国政府はすべての新しい乗用車、ワゴン車、スポーツ汎用車に対し、今後非常に厳しい新燃料効率化基準を適用するだろうと報じている。この基準は米国より厳しいものであるが、EUの自動車メーカーが自主的に採用しているもの(最終的な規制を避けるために先手を打ったのだが)に比べると、まだ緩やかである。自動車メーカーはこの基準に反対し批判を続けてきたが、中国政府が石油の輸入増加を懸念しているため、メーカーとしても「応じざるを得なかったのである」

「経済雑誌エコノミストは、中国は今や自動車メーカーにとって収益のかなりの部分を占める国であり、今後も拡大が見込まれる主要な市場だと伝えています。従って、こうした基準が今後適用されると、自動車産業全体が変わらざるを得なくなるでしょう」


水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

これが戦略と呼べるのでしょうか?

国家レベルでの持続可能性戦略を調べた最近の国際的な研究によると、ほとんどのものは戦略と呼べるような代物ではないという。カナダの国際持続可能開発研究所(IISD)とコンサルタント会社ストラトスの研究員が19カ国の国家戦略を調査したが、どの戦略も持続可能な成果をもたらすことはないという結論であった。将来展望に関して一貫性が欠けている上に、変化をもたらす「レバレッジ・ポイント」(大きな変化をもたらす介入点)となるべきものが特定されていないからである。

この研究報告を行った人たちが、今すぐ目を向けるべきだと指摘する国家レベルでの持続可能な戦略の改善ポイントは、次の4項目である。1.フィードバックのあり方の改善、2.国家予算に合わせた戦略目標と計画の立案、3.州や地域レベルの持続可能性戦略との整合性、4.充分活用されないままに終わっている政策手段の活用。

http://www.iisd.org/publications/publication.asp?pno=645



大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

アラスカでのツンドラ実験の結果にカナダが(そして世界中が)驚愕

アラスカでの実験から分かったことだが、地球温暖化によって世界中のツンドラ地帯が溶解しけ続ければ、大量の二酸化炭素が大気中に放出され、これまでの放出にさらに拍車がかかることになるかも知れない。もしツンドラの表層部に埋もれていた泥炭やこけ、古代植物中の炭素が分解すれば、地球の二酸化炭素の量はさらに25%増加しかねないからだ。

20年間にわたるデータの調査をした研究者たちは、ツンドラの深層で何が起きているのかをこれまで探ろうともせず地表だけの測定をしていたために、その結果を知って驚いたというわけである。「私にしろ、また同僚にしろ、これほどビックリしたことは、これまで多分ないでしょう」と、この研究プロジェクトを率いたマイケル・マック教授が話している。

近日到来:猛暑警報

昨夏の驚異的な猛暑でヨーロッパ北部では3万5千人が死亡し、多くの人に地球温暖化がその原因だと思わせた。しかし、これは同時に社会問題でもあるのだ。と言うのも、最も多く被害を被ったのは貧しい住宅環境で暮らす独居老人だったからだ。現在、驚異的な猛暑への警戒を促す仕組みが作られつつあるが、これはハリケーンの沿岸部上陸時に人命の損失という最悪の事態を回避するのに現在一役買っている警報制度をお手本にしたものだ。

http://www.theage.com.au/articles/2004/08/19/1092889276185.html

ハイチにおける洪水被害の深刻化は森林の消失が原因

ハイチで起こっている人命の損失という悲しい出来事は、一つにはハリケーンによる大雨が原因であるが、もう一つの理由として、貧しさゆえにハイチの人々がかつては緑豊かであった丘陵地を「月面のように荒涼とした岩だらけの地」へと変貌させてしまったことが挙げられる。

http://www.wbcsd.org/includes/getTarget.asp?type=DocDet&id=7624

「気候変動、貧困、開発の構図、生態系の破壊が、恐ろしい結果を招いているのを、私たちは今再び目にしているのです(そして今後も繰り返し目にすることでしょう)」



はずれている人々

-残念ながら、わかっていない人々-

ほとんどの政治家はまだわかっていないと語るシュミットハイニー氏

持続可能な発展のための世界経済人会議の設立者であるステファン・シュミットハイニー氏は、氏自身はこの流れのまっただなかにいるのだが、ほとんどの政治家はこの流れからまったくはずれていると考えている。

「合図が正しく送られ、枠組み条件がきちんと整った場合に、ビジネスが持続可能な発展のためにどれほどの威力を発揮できるのか政治家はわかっていません。ですから、ビジネスに大した関心を抱いていないことが多いですし、最悪の部類に入る企業に不適切な支援を与え、持続可能な方向へ促すどころか、発展を遅らせてしまっているのです」

http://www.sustain-online.orgより



聞き逃した話

-知る人ぞ知るニュース-

中国がグリーンGDPを試行

中国政府の報道機関への発表によると、中国の6つの省が従来のGDPから環境への負荷を差し引いた新しいGDP算出法の試行に参加するとのことである。その結果、GDP数値は、2パーセント程度低くなるものと考えられている。しかし、中国のあるシニアエコノミストはこのプロジェクトは期待薄だとの態度を示した。環境経済政策研究センターのチーフエコノミスト、フ・タオ(Hu Tao)氏はこのプロジェクトについて「経済と環境はそれぞれ異なった変数であり、たった一つの計算システムでどちらにも対応するのは無理というものです」と述べている。

http://www.chinawest.gov.cn/english/asp/start.asp?id=c


推薦図書

グレート・トランジション

グレート・トランジション・イニシアティブ(Great Transitions Initiative)は、持続可能な世界への移行に向けて、「世界的な市民運動」を作り出そうという野心的な計画だ。この計画には、数あるグループプロジェクトに混じって、中でもGRI(Global Reporting Initiative)、グローバル・シナリオグループ(Global Scenario Group)の開発に携わったチームのメンバーが数人、プロジェクトの仕掛け人として参加しており、そのおかげでこの新しい計画は高い信頼性を得ている。

このプロジェクトのウェブサイトの公開用ページには、イニシアティブの説明が掲載されており、またパワーポイントで作成された基本プレゼンテーションの無料ダウンロードを利用すれば、理念や現在構想中の「グレート・トランジション」の計画内容を知ることもできる。

http://www.gtinitiative.org/

持続可能な発展への投資

現在の国際協定を活用した持続可能性のための投資とは何か、どのように行われるのか、質はどうかという点に注目した新しい研究が進められている。「投資が持続可能な基準に基づき福利を増進するのに役立たないなら、投資する意味はないし、ましてや投資を求める必要などない」というのがこの研究の結論である。

http://www.iisd.org/publications/publication.asp?pno=627

エコノミア

プレート・テクトニクス(地質構造学)を専門とする世界的な科学者が、経済システムのわかりにくさの解明に取り組んだ末、最も読みやすく有用な経済学の教科書を書き上げた。副題「人々に力を与え、生物界を守る新しい経済システム」は、経済理論を構築する代替構造として、著者が自己組織化システムの科学に焦点を当てていることを示している。

しかし、本書が真に優れている点は、世界中の意思決定の多くに影響を与えている、従来の新古典派の経済理論およびその実務について、明快に説明し、その正体を白日のもとにさらしたところにある。

ジェフ・デイビスは科学的な見地から、現在の経済理論はひいき目に見てもせいぜい凡庸なものだと言う。そして現実のデータからも、現在の経済理論は、それ自身の言語で約束する世界でさえ、実現していないと指摘する。



持続可能性にまつわる語録

「私はこれらの持続可能性に関わっている人々のことが理解できません。それは彼ら自身が全く持続可能ではないからです。彼らは仕事中毒、不眠症、アル中患者、そのどれかもしくはそのすべてに当てはまっているのです」(オーストラリア全国会議を見学したボランティア、ロウィーナ・M)



冒頭のつづき: 持続可能性における世界最大の問題とは?

驚くべきことに、コペンハーゲン・グループがこの問題について現実に検討する以前に、コペンハーゲンでの結論が「合意」されたものとして公表されたにもかかわらず、持続可能性に関する数ある課題について、財務コストや利益見込みの査定を行ったことで、優先順位については合意が得られたようだ。

HIV予防、飢餓、貿易改革およびマラリアに続いて、水と衛生に関するプログラムが、このリストにある環境問題の中で投資すべき対象としては最上位にとりあげられた。(気候問題についてはコペンハーゲン・リストでは最下位にランクされた;コペンハーゲン・グループは、気候変動に関して提案することが、これにかけるコストに対して十分な経済的便益を生むとは考えていなかった。)

ロンボルグと彼の分析手法は、過去に手厳しく批評されていた。また彼自身、デンマークの学術団体から公式に叱責されてもいた。しかし、彼が導いた結論は、グローブスキャン社の調査によっても裏付けられており、有効な主張となっている: 気候変動は、持続可能性の中心課題になる傾向にある。

しかし、持続可能な水なしには持続可能な発展はあり得ない。水は、生命体自身にとって、必要不可欠なものだ; 私たちの身体の約70%は水から成っている(地球の表面がそうであるように)。家中にある蛇口をひねれば水が出る先進国の平均的な人々にとっては、淡水は豊富に存在しているように思えるかもしれない。しかし現在すでに、10億以上の人々が、生活に必要なこの水の不足に悩まされているのである。

確かに、パキスタンの村民あるいはオーストラリアの農民が日々の経験から水問題に敏感になるように、皆が同じように水問題に関して敏感になることは難しいことなのかもしれない。この2カ国の例からもわかるように、水の問題はそれを抱える地域によって全く性格が異なる。しかし、一般的に水の危機は、互いを悪化させる、(1)需要が増加し続けている。(2)供給は減少し続けている、という2つの非常に単純な理由から、世界的に広がり続けているのである。

人口が増加し、人間の(物質的)欲求が高まるにつれ、産業や農業が拡大する。その結果、淡水への需要は急速に増える。そしてその間にも、水源への分解されにくい汚染物質の蓄積、さらに「化石」水(再び満たされるためには相当の年月を必要とする太古から地下に存在する帯水層)の消耗、気候変動もしくは森林伐採のもたらす降水量の変化など、複合的な要因が、結果として、利用可能な淡水の量を急激に減少させ、絶え間なく増加し続ける需要に応えることができなくなってしまっているのだ。

昨年の国連世界水アセスメント計画で記されたように、「水問題はわれわれ人類が直面するすべての社会資源と天然資源問題の中で、人類と地球の存続の核心に関わるもの」である。水道事業の民営化について一段と激しい議論が交わされ(水の民営化は問題の解決となるのか、それともさらなる原因となるのか)、国境を越えた水争いがより深刻さを増す中(イスラエル・パレスチナ問題もその一因は水争いにある)、水問題はますます争いの種となっている。

石油をめぐる対立はすでに戦争を激化させつつあるが、水は石油よりもさらに本質的な資源である。一方、石油の消費は気候変動を引き起こす一因であるが、気候変動が起こると水不足は20%も増加すると考えられる(国連水アセスメント計画による)。

これは、水問題とその他の問題が複雑かつ構造的につながっているというほんの一例だ。食糧供給、健康問題、経済発展……、水はそれらすべての基本である。にもかかわらず、地球上の今日の水の使われ方は、それらすべてを危険にさらしている。しかも貧しい者が一番先に、最も深刻な事態に追いこまれるという状況だ。

しかし、こうした構造的なつながりは、悪い方向ばかりでなく良い方向にも作用し得る。節水は通常、省エネにつながる。例えば、カリフォルニア州の給水システムに関する最近の調査では、州全体でポンプによる揚水を行っている水道局が単独では最大の電気消費者であり、その使用量は全体の2-3%を占めることがわかった。こうした事実からも、構造全体を見渡すことによって、多くの革新的なアイデアを見い出せることがわかる。

つまり、水を守り、エネルギーを節約し、化石燃料の使用を削減し、経済的競争力を上げ、さらに人類の幸福にも寄与するというぐあいに、幾つもの問題を一度に解決できるアイデアを生み出すことができるのだ。実際、そのような解決方法を探し求めることが持続可能な発展の本質だという人もいる。

淡水問題は人類にとっての最大の危機なのか。その答えがイエスだろうがノーだろうが、それはどうでもよいことだ。水問題は、あまりにも大きく、複雑で、持続可能性の根本に関わっており、さらに今も深刻化しつつある問題なのだ。

しかし幸いなことに、必要に迫られたときこそ素晴らしいアイデアが生まれることも多い。また、水問題は世界中に数え切れないほどあるが、同じくらいたくさんの革新的対策がとられるだろうという兆しも多々見られている。

下記に示したリンク集は、持続可能性と水資源管理についての役立つ情報源や教育サイトなどである。これらのホームページも同様に、独自のリンク先をたくさん持っている。ここからインターネットの海に飛び込んで、「ウェーブフロントの水域」でネットサーフィンを楽しんではみてはいかが?


リンク集

Survey of Global Sustainability Experts
世界の持続可能性の専門家による調査(グローブ・スキャン社による調査報告】)
http://www.globescan.com/sose_highlights/

UN World Water Assessment
国連世界水アセスメント計画
http://www.unesco.org/water/wwap/wwdr/index.shtml

NRDC Study of California's Water & Energy System
NRDC(天然資源防衛評議会)によるカリフォルニア州の水とエネルギーシステムに関する研究
http://www.nrdc.org/water/conservation/edrain/execsum.asp

Special Collection of Articles on Water from the journal Nature (Free)
科学雑誌「ネイチャー」の水に関する特集記事(無料)
http://www.nature.com/nature/focus/water/index.html

The Water Page
ザ・ウォーター・ページ(淡水資源の持続可能な管理に関わる情報源)
http://www.thewaterpage.com/

World Water Council Vision
世界水会議のビジョン
http://www.worldwatercouncil.org/vision.shtml

European Study of Water Demand Management Policies and Techniques
水需要の管理政策と技術に関するヨーロッパにおける研究報告
http://reports.eea.eu.int/Environmental_Issues_No_19/en/tab_content_RLR

Educational Overview on World Water (in English)
世界の水についての教育サイト(英語)
http://ga.water.usgs.gov/edu/

World Business Council on Sustainable Development - Water Issues andProjects
持続可能な発展のための世界経済人会議-水問題と水関連プロジェクトについてhttp://www.wbcsd.ch/templates/TemplateWBCSD5/layout.asp?MenuID=1より

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seki 2007-02-22T10:35:54+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第8号  (2004年8月13日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050617_103351.html トップ・ニュース

『成長の限界』から30年

30年以上前に書かれた1冊の本が、このほど内容を新たに再出版された。これがなぜ重要なことなのか? この本をなぜ読むべきなのか?

現代の持続可能性に向けた取り組みの原点は、はるか昔、少なくともプラトンの著作集にまでさかのぼることができる。プラトンは、ギリシャ・アッティカ地方で、土地や資源の管理が、目先のことに捕われてずさんに行われていることを嘆いていた。しかし、「持続可能な開発」の歴史の中で、1972年に刊行された『成長の限界』を超えるような重要な本はほとんど見当たらない。

別名「ローマクラブ・レポート」としても知られている『成長の限界』は、世界に衝撃を与えた(「ローマクラブ」という、企業の経営幹部や政府高官から成る緩やかな組織には、ほかにも数多くのレポートがある。よって、『成長の限界』だけを「ローマクラブ・レポート」とするのは誤りである)。

『成長の限界』は世界中で何百万部も売れ、何百回も新聞の大見出しを飾ることになった。それらの見出しは、「コンピュータが将来を見越し、人類文明の破綻を予言」との趣旨をもじったものが大半を占めた。

このような見出しは、本の内容を簡略化し過ぎたものであったばかりか、本の中核となるメッセージを誤って伝えていたため、当時の著名な経済学者らから数えきれないほどの攻撃を受けることになった。

『成長の限界』は、新たに出された重要な識見に対して、専門家たちが聞く耳を持たず、結果として深刻な問題への対処の遅れにつながりうることを示す1つの事例研究となった。(続きはニュースレターの最後へ)




時代の最先端をゆく

-変革をリードする動向-

西欧諸国、温室効果ガス排出量を削減

西欧諸国では、2年にわたり、気候変動をもたらす温室効果ガス排出量が増加したものの、その後は削減に成功している。欧州環境庁は、6つの主要な温室効果ガスの排出量が、2001年から2002年にかけて0.5%と小幅ながらも減少したと報告している。

この排出量減少の主な要因は、廃棄物管理の改善によってメタンと窒素酸化物が減少したこと、火力発電の燃料を石炭からガスに切り替えたことにある。このように明るいニュースがあるとはいえ、西欧15カ国の京都議定書における目標達成への道のりは、依然として遠い。

2002年の温室効果ガス排出量は、1990年の水準から2.9%減少しているものの、2012年までに達成を約束している8%の削減には程遠い状況にある。これとは対照的に、EU新規加盟10カ国は、京都議定書の目標達成に向けて順調に歩みを進めている。

http://www.nature.com/news/2004/040712/full/040712-19.html

EU、CO2排出量取引を予定通り開始

EUのCO2排出量取引市場は、今のところ予定通り2005年1月に開始される見通しである。欧州委員会(EC)は先頃、加盟8カ国から出されたCO2排出割当量に関する国内割当計画を承認した。

市場への参加を表明しているEU加盟各国は、自国の対象施設を市場に参入させるために、各施設に対して排出量の割当を行わなければならない。デンマーク、アイルランド、オランダ、スロベニア、スウェーデン各国の計画はECの承認を得た。オーストリア、ドイツ、英国が提出した計画には、技術的な部分にのみ変更が求められているところだ。

このECの承認によって、5,000を超える施設が、2005年1月からCO2排出量取引に参加する準備を整えたことになる。排出量取引市場では、EU域内で排出されるCO2総量の上限を設定し、CO2の排出者は排出権を売買することができる。そのためEUは、京都議定書の数値目標達成をコスト面で効率よく進めることが可能となる。

「EUは、世界の他の国々にとって、気候変動戦略やCO2排出量取引における検証の場としての役割を果たしているが、それでも一枚岩というわけではない。今だに新規加盟国の中には、CO2排出量の上限を、ECが承認するであろう上限よりもずっと高く設定しようとしている国もある」

http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/04/862




波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

富士通、「グリーンプロセス活動」でコスト低減と環境保護を促進

日本の大手電機メーカー富士通は2004年3月、包括的な「グリーンプロセス活動」を導入した。これは、納期、コスト、性能、品質に関する現行基準に、新たに環境面での基準を設けることで、製造コストの削減と資源の保護を目指すものである。

資源投入量およびエネルギー使用量を削減するために、現在の製造プロセス全体の見直しが図られる。「グリーンプロセス活動」では、各製造ラインに四半期ごとの目標を設定して、その成果を評価することが義務付けられている。同社は、試験導入期間中に、化学物質の使用量を7%、コストを16.5%削減することに成功した。

「富士通は、環境面の持続可能性に意欲的に取り組んでいる数ある日本企業のひとつであるが、ジャパン・フォー・サステナビリティー(The Japan for Sustainability)のサイト(www.japanfs.org)には、ほかにも素晴らしい事例が満載である」

http://www.japanfs.org/db/database.cgi?cmd=dp&num=630&dp=data_e.html

環境にやさしいビルは概して財布にもやさしい

「グリーン・ビルディング(環境効率を考慮したビル)の建設には、従来型のビル建設よりもお金がかかる」という社会通念ともいえる神話が、米国ではついに過去のものとなりつつある。

カリフォルニア州の機関が最近、33のグリーンプロジェクトを調査したところ、グリーン・ビルディングの建設費は平均して通常より2%高くつくが、その分の平均10倍にも上るコストを建設後に節約できることが判明した。この調査結果は、ほかの調査や、グリーン・ビルディング所有者の体験でも裏付けられている。

ビルに関連して排出される二酸化炭素の量は全排出量の3分の1を占めており、このためビルの効率性の改善は気候変動への対策として非常に重要である。グリーン・ビルディングの定着の兆しは至るところで見られる。

全米不動産業者協会が最近、ワシントンDCの中心街で初の新築LEED(訳注:米国の民間環境建築基準(Leadership in Energy & Environmental Design))認証ビルを完成させたのも、その一例である。

http://www.postwritersgroup.com/archives/peir0706.htm

日本の企業、カドミウムを吸収する植物を発見

汚染土壌の浄化を目的とした植物利用に積極的に取り組んでいる日本企業、株式会社フジタが、土壌中の重金属カドミウムを極めて高濃度に蓄積する植物を発見した。カドミウムは、メッキ、塗料、充電式電池などに広く用いられている。

この発見は、日本の農業工学研究所および名古屋大学の竹中千里教授との共同研究によるものだ。フジタはこの発見に至るまでに、カドミウム汚染土壌で生育している100種を超える植物を調査した。発見された植物は日本名「ハクサンハタザオ」(学名Arabis gemmifera)。日本原産の種で、低コストかつ省エネルギー型の浄化手法が必要とされているこの国では、まさに浄化計画での利用にぴったりの植物と言えるだろう。

http://www.japanfs.org/db/database.cgi?cmd=dp&num=683&dp=data_e.html

スコットランド、ポリ袋を対象に「プラスチック税」導入を検討

スコットランドで最近提出された法案では、買い物客に渡される使い捨てポリ袋に、一枚当たり15ペンスの税金を課すことが提案されている。この課税は、アイルランドの「PlasTax」に倣ったものだ。導入からわずか数カ月でポリ袋の消費量を90%削減し、かつ環境対策プロジェクトのために350万ユーロの資金を調達することに成功したのである。

使い捨てのポリ袋が、便利であると同時に厄介なものでもあるのは、世界共通である。南アフリカでは、「国花」などというあだ名をつけられてしまっている。バングラデシュでは、ポリ袋が下水道につまって深刻な浸水を引き起こすため禁止された。

「最近行われたオーストラリアのごみに関する全国会議では、主なスピーチのほとんどで、ポリ袋の問題がまず取り上げられていた。『ごみというのは、実際に目に見えるので、人々の関心を引きやすい問題なのです』とは、会議主催者側のひとりの弁である」

http://www.impactenviro.com.au/Litter2004/index.asp




水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

開発プロジェクトは、本当に貧しい人々を助けているか?

マサチューセッツ工科大学の貧困対策研究所(Poverty Action Lab)は、開発機関に対し、開発援助プロジェクトが貧しい人々を助けるという目的を実際に達成できるか否かについてより科学的な評価を行うよう求めている。同研究所が提唱するのは、どのような種類の開発援助事業が成功するのか、あるいは成功しないのかを、無作為試験(新薬評価に用いる試験のようなもの)により評価するという方法だ。

世界銀行のチーフ・エコノミストによると、世界銀行のプロジェクトのうち、厳密な影響評価が行われているのはわずか2%だという。世界に30億人近く存在する貧しい人々の援助のために、先進国や国際機関がつぎ込む額は、年間550億ドルを超える。

http://www.iht.com/articles/531696.htm

二酸化炭素の増加により海洋生物の成長速度が1/2に?

産業革命以降、大気中に放出された余分な二酸化炭素の半分近くは、海に吸収されてきた。これが、二酸化炭素排出による地球の気候変動への影響を緩和してきた。

しかしながら、海中の二酸化炭素濃度の上昇による海の酸性化も進んでおり、このままいけば、多くの海洋生物が骨・甲殻・貝をつくるために必要とする炭酸カルシウムが分解される事態を招くことになる。予測どおりに二酸化炭素の排出が続けば、プランクトンや珊瑚といった重要な海洋生物の成長速度が、今世紀末までに2割から5割程度低下し、海洋生態系全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある。

「その一方で、海に“肥料を与える”ことが、微生物の成長と二酸化炭素の吸収を促進する上でどのような効果があるかについて、大規模な国際的科学者チームの調査が進んでいます。これはいいアイデアでしょうか? この2つの動きがどうつながるのか、また気候変動に関する他の大きな問題とどうつながっていくのかについても、今後ウエーブフロントで追究していきたいと思います。」

http://www.nature.com/news/2004/040712/full/040712-14.html
http://www.whoi.edu/media/buesseler_iron_fertilization.html




大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

激増する中国のエネルギー消費

現在のところ、平均的中国人が1年間に1人で使用する電力は、100ワット電球1個分程度である。しかし、年間10~15パーセント成長するGDPを背景に、13億人のエネルギー需要も爆発的に伸びつつある。

中国の政策立案者たちは、現在から2020年までの間に、同国のエネルギー消費は3倍になると予測している。新しく建設された発電所の9割以上が石炭を燃料としているため、中国の経済成長は、国内だけでなく地球規模で膨大な環境問題を引き起こすだろう。中国はすでに、オゾン層破壊、生物多様性の喪失、気候変動に最も大きな影響を与えている国の1つに数えられている。

「しかしながら、中国の政策立案者たちは、世界には到底、中国の経済成長を支えるだけの資源がない、という懸念を公然と口にしてきました。アジアのビジネスリーダーたちの間では、中国経済の“ソフトランディング(訳注:インフレを伴わずに、急激な経済成長を抑制すること)”を模索すべきだ、との声も出始めています。」

http://www.sundayherald.com/43523

英国の専門家が提言:ナノテク利用は慎重に

英国政府からナノテクノロジーの影響についての調査を委託された、同国の科学調査委員会は、ナノテクノロジーの人体や環境へのリスクを最小限に抑えるため、予防措置を取るべきだと主張している。同委員会は、ナノ粒子の取り扱い、調査、ラベル表示は、英国における化学物質と同等にすべきだと提言した。

また、報告書は、汚染場所の環境浄化にナノテクノロジーを用いることについては、さらに詳細な調査により、危険を冒すに値すると判断されるまでは、使用を避けるべきだと主張している。報告書はこのように注意を呼びかける一方、ナノテクノロジーに期待される有益な利用法についても、数多く指摘している。ナノサイズの粒子の主なリスクは、大型の粒子にはあり得ない経路で人体に入り込むことができる点にある。こうした粒子の人体への影響については、ほとんど解明されていない。

ナノ粒子は、すでに化粧品などに使用され、ある種の複合材の性能を高める目的でも利用されている。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/3930179.stm

科学者グループ、絶滅危惧種のDNA保存へ

絶滅寸前の動植物のDNAを保存しようと、英国の研究センターと科学者たちが共同で「冷凍方舟プロジェクト」(The Frozen Ark Project)を立ち上げた。プロジェクトの目的は、世界中の多くの絶滅危惧種からDNAと組織標本を収集し、将来クローン化する場合に備えて冷凍保存する、というもの。プロジェクトは、絶滅の恐れが最も高い種(5年以内の絶滅が予測されるもの)から着手される予定だ。

先ごろ、ロンドンの自然史博物館とロンドン動物園に、最初に冷凍保存されたのは、シロオリックス、ソコロバト、キイロタツノオトシゴ(yellow sea horse)のDNAである。同プロジェクトに関与する科学者の1人、ブライアン・クラークによると、プロジェクトは「種の保存をめざす最大限の努力が、すべて失敗に終わった場合に備えての計画」であるという。

http://www.csmonitor.com/2004/0729/p16s01-stgn.html




はずれている人々

-残念ながら、わかっていない人々-

世界銀行、石油・鉱業への投資を継続

世界銀行は、独立調査委員会の勧告を拒否し、石油、ガス、鉱業への投資を継続する。世銀は以前から、資源採掘事業への融資が汚職や貧困を悪化させる可能性があると懸念し、2000年に世銀の独立調査機関である「採掘産業の再検討(Extractive Industries Review:EIR)」に調査を委託していた。

インドネシア元環境大臣のエミル・サリム氏が中心となり行った調査では、石油、ガス、鉱業への融資は縮小、場合によっては廃止すべきとの結論に達している。具体的な要請としては、石炭事業への融資は廃止する、石油関連事業への融資は2008年までに段階的に廃止する、鉱業資源事業への融資は社会的および環境的な配慮を条件に行う、再生可能なエネルギー事業への融資を増額する、となっている。世銀の融資額のうち、約3%(年間5億~6億米ドル、約550~660億円)が採掘産業への融資に当てられている。

持続可能な開発は「直面する悪」

政策的課題について、対立する意見を把握しておくことは常に有益である。これは持続可能な開発に取り組む人々にも当てはまる。7月下旬に開かれたフリーダム21(Freedom 21)の第5回年次大会では、「持続可能な開発は我々が直面している悪である」と題する、アメリカン・ポリシー・センター理事長(American Policy Center 訳注:米国の民間シンクタンク)のトム・ディウィーズ氏の講演が行われた。

フリーダム 21アジェンダ(freedom 21 agenda)は、1992年のリオ地球サミットで採択されたアジェンダ21計画に対抗して右派勢力が作ったものである。講演でディウィーズ氏は持続可能な開発に対する懸念を強調し、「持続可能な開発を掲げて、世界を地球規模で統治しようとするこの国際的な課題が、どのように確立され、米国の公式政策となってきたのか」を説明している。

http://michnews.com/artman/publish/article_4588.shtml




聞き逃した話

-知る人ぞ知るニュース-

モーターの性能アップでEUのCO2排出量は1億トン削減可能

欧州の産業界が、現在よりエネルギー効率の良いモーターに投資した場合、年間2000億kwh以上の電気消費量と、100億ユーロ(約1兆3300億円)の電気料金が節約できる。電気消費量がこれだけ節約されれば、CO2排出量は年間1億トンの削減が可能となる。これは京都議定書で定めたEU(欧州連合)の削減目標量の1/4に当たる。

この研究では、これらの数値を達成するために、エネルギー効率診断、省エネに対する報奨金の導入、省エネへの投資に対する排出権の割り当て、情報キャンペーンなどを含む、総額4億ユーロ(約532億円)の4カ年政策を提案している。

同研究はEUモーター・チャレンジ・プログラム(EU's Motor Challenge Program:訳注 欧州委員会の自主的プログラム)が資金援助し、欧州銅研究所(European Copper Institute:訳注 欧州の銅・銅関連業界団体)が調査、発表したもの。モーターはEUの産業用電力消費量の65%を占めている。

http://www.climatebiz.com/sections/news_detail.cfm?NewsID=26803

サンタモニカの「エコロジカル・フットプリント」改善される

米国サンタモニカ市は、1990年から2000年の間に、「エコロジカル・フットプリント(環境負荷面積)」を5.7%縮小することができた。これは、10年間でサンタモニカ市民が環境への悪影響を減らしたことを意味する。

調査を行った米国のNGO、リディファイニング・プログレス(進歩の再定義:Redefining Progress)によると、「エコロジカル・フットプリントとは、1年間に市民が必要とする資源(食糧、エネルギー、原材料)を生産し、また市民の生活から排出される廃棄物を吸収するためにどれほどの土地が必要なのかを、生物学的に生産可能な土地の面積で示したもの(自然の容量)である」

調査の結果、サンタモニカのフットプリントは、10年間で167平方マイル(432.5平方キロメートル)縮小し、市民一人当たりのフットプリントでは米国平均を4エーカー(0.016平方キロメートル)下回っている。米国は、国民一人当たりのフットプリントが24エーカー(0.097平方キロメートル)と、世界最大である。

「サンタモニカは、ロサンゼルスを中心とする巨大都市圏の中でも、財政的に比較的豊かで、独自の政策を打ち出している。常に都市の持続可能性戦略を先頭に立って進めてきた、同市のエコロジカル・フットプリントが縮小したことは、彼らの戦略が有効であることを示している」

http://www.regionalprogress.org/ef_ca_santamonica.html




推薦図書

バーチャルキャンパスで環境対策

マサチューセッツ工科大学(MIT)が、大学の活動に関連する膨大な環境規制や環境問題への手引きとなるウェブサイトを立ち上げた。大学の多種多様な活動から生じる問題がうまくまとめられ、読者の興味をひきつけるガイドになっており、大学で行われるさまざまな活動が環境に与える影響、またそれに関連する規制について一目でわかるようになっている。

各章には、環境規制を遵守しながら最も効率よく活動を展開するための対策やヒントが掲載されている。MITは環境規制違反問題をおこしたことで『バーチャルキャンパス』を作成することになったのであるが、このサイトを利用することで、他大学がMITと同様の問題をおこさなくてすむよう期待されている。サイトには「水質汚濁防止法、大気汚染防止法、米国資源保全回収法違反を問われたMITが、米国環境保護局および米国法務省による強制措置裁定を受けて、このプログラムを作成した」と記載されている。

http://www.c2e2.org/evc/home.html

EUとイギリス 発展途上国でのジェンダー平等への取り組みが不十分

人権擁護団体 One World Action は、発展途上国で開発プロジェクトを実施する際、イギリスおよびEUの政策立案者は、ジェンダー平等政策が実施されるようもっと努力すべきだという調査結果を発表した。

この3年にわたる調査では幾つかの問題点が指摘されているが、特に問題だとされたのが、EUおよびイギリスはジェンダー平等政策を明確に掲げているにもかかわらず、それをどのように実施するのかについてはほとんど吟味していないということである。プロジェクトの方針や戦略、運営といった段階でジェンダー平等に関する目標を明確に掲げると同時に、個々の開発プログラムや企画においてもそれぞれに独自の目標を設定すべきだと、この調査は提言している。

http://www.id21.org/society/s6azk1g1.html

コミュニティのためのナチュラルステップ:持続可能な社会に向けて地域はどうすれば変わるか

持続可能性の実現を目指し、スウェーデンの成功例に学びたいと思っている人たちには本書をぜひ読んでもらいたい。ここには、60を超えるスウェーデンの「エコ自治体」が、持続可能性に向けた取り組みをその企画立案や活動に取り入れている事例が紹介されている。

著者が最も力を入れて書いているのは、政治状況をいかにしたら効果的に変えていくことができるかという点である。そして著者はさらに、持続可能性への取り組みを統合的に検討しようとするボトムアップの民主的なアプローチが不可欠だと強調している。著者はサラ・ジェームズ(Sarah James)とトールビョーン・ラーティ(Torbjorn Lahti)。サラ・ジェームズ はアメリカン プラニング アソシエイション(American Planning Association )出版から出版された 『持続可能性を目指す計画を支援する政策ガイド』(Sustain Policy Guide on Planning for Sustainability)の共著者の一人。

トールビョーン・ラーティ(Torbjorn Lahti)はスウェーデンにおける国立エコ自治体協会の創設者。

http://www.newsociety.com/bookid/3841

持続可能性に関する国際協定のリスト

ジャパン・フォー・サステイナビリティ(JFS)は環境の持続可能性に関する国際条約のリストを作成している。このリストは水、生態系、地球温暖化、土地利用、廃棄物関連の分野を扱っている。

http://www.japanfs.org/en/outside/conventions.html




持続可能性にまつわる語録

「事実は明白だ。わたしたちは国民に、気候変動とそれが世界にもたらす危険について理解してもらうよう努力しなければならない」
―ジョン・マッケイン上院議員、米国アリゾナ州選出共和党上院議員

「石がなくなったから石器時代が終わりを迎えたのではない。技術の進歩こそが石器時代の終焉をもたらしたのだ」
―ジョン・コンスタブル、エクソンモービル英国シニアエコノミスト、中国が石炭依存から脱却できるよう援助すべきだと述べて。




冒頭のつづき:『成長の限界』から30年

『成長の限界』では、世界初のコンピュータを使ったシステムモデルにより、世界の人口増加、資源利用、工業化、環境汚染の趨勢が報告され、さらに、それらがいかに相互に絡み合い助長し合っているかが示された。この本は「破綻を予言」する書ではなく、長期的に見て、人類が直面することになる重要な選択を特定した研究であった。

「これまでのように成長し続けることは有り得ない」と著者は語る。「ゆくゆくは、人類はある種の壁にぶつかるだろう。土地や水のような重要な資源の枯渇かもしれないし、環境汚染の深刻化によりなんらかの自然のシステムが持続可能性の限界を超えてしまうのかもしれない。いずれにせよ、それは破滅的な結果をもたらすことになるだろう。」

「世界は相互に影響し合うシステムである」。この研究を著した若手研究者チームは語る。いくつかの趨勢に拍車がかかりつつある現状や、同様の流れの中で崩壊していった諸文明の歴史をふりかえれば、21世紀のある時点でシステム崩壊がおこるリスクは現実かつ危急のものとみなされるべきである。

「しかし」と著者たちは強調する。人類は別の発展の道筋を選択することもできる。技術を改良し、一人当たりの消費量を減らし、人口増加に歯止めをかける。これによって最悪の状況を回避することができる、と。

実際、自然が許容しうる範囲内にとどまりつつ、全人類が豊かになれる社会を作り出すことも可能である。事実、本書が出されてからの30年間に最悪の事態が回避された例もある。地球を守るオゾン層の破壊という危機に人類は見事に対処してきた。また、30年前の予測に比べ、多くの地域で人口増加が劇的に抑制されつつある。世界の飢餓人口の割合も減少しつつある。

しかし一方で、人類が自然界の成長の限界に達し、超えてしまった事例がいくつかあることも極めて明白な事実である。世界の漁場は壊滅的状態にある。人類の活動に起因する温暖化ガス蓄積のつけを、人類は多額の費用と多くの人命で支払うことになるだろう。

温暖化は同時に、生態系や社会全体に対して、適応するか消滅するかという二者択一を迫ることにもなるだろう。水や石油など限りある資源をめぐる対立はすでに戦争やテロの起爆、推進剤となっている。こうしたすべての事実からも、30年目にして『成長の限界』の改訂版(メドウズ他著 チェルシーグリーン出版 2004年6月)が出版されることは意義深く、説得力をもつものといえよう。

先見性と理性にあふれた本書は、新しいデータと世界の動きを視野に入れ、2度目の改訂を経た。しかし、地球の持続可能性とは何か、それを実現するためには何が必要なのかについての情報と深い洞察を提供してくれる他に類を見ない素晴らしい資料であり続けている。自分では事情通の専門家だと思っている人であれ、改訂前のオリジナルを20~30年前に読んだ人であれ、改訂版を全編読み通すことをお勧めする。

序章は、ここ30年を振り返り、『成長の限界』が世界でどのように受け止められてきたかをまとめたものだが、この序章だけでもこの本の価格に見合ったものである。

本編はシステム理論の考え方と持続可能性についての分かりやすい解説、長期的な世界の諸動向とそれらが相互に影響しあう状況のまとめ、今後の世界の動向を示すシナリオ研究などが織り交ぜられている。本書で行われている綿密な定量分析は、政策立案者にとって重要な示唆を数多く含むものであると同時に、専門家以外にも非常に明晰で分かりやすいものである。

さらに、本書の最終章では、いわゆる、持続可能性研究の「ソフト面」、つまり求められる変化を起こすために必要な人間の資質について述べられている。著者らの基本的な結論と勧告には変わりはない。

つまり、科学技術の劇的な進歩、人口増加の継続的抑制、一人当たりの平均的な物的消費量の削減(最貧困層の消費に関しては、減らすのではなく増やす必要があることは言うまでもない)が必要だという3点である。

コンピュータモデル上では、持続可能性を実現するためにはこれら3つの変化すべてが必要であるとされた。1つや2つでは十分ではないのだ。この結論が本当に世界の持続可能性のための処方箋であるのかは、議論の余地があり、議論がなされるべきである。

著者たち自身も、成功の可能性に関しては自分たちの意見が割れていることを実に率直に認めている。本書にも記されているように、いかにコンピュータモデルが有益かつ先見的であったとしても、世界はコンピュータモデルではない。個々の人間が大抵そうであるように、この複雑な世界は本来、予測不可能なものである。

しかし、本書を読むことで、世界やその未来について考える訓練ができ、また人々が、この問題を明確に理解し、掘り下げて考えられるよう手助けをすることもできる。この点で『成長の限界』は、30年が経過した今も当時と同様、読むべき書物なのである。

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seki 2005-06-17T10:33:51+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第7号  (2004年4月19日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050617_101303.html トップ・ニュース

至るところ、足跡だらけ

「エコロジカル・フットプリント(生態学的足跡)」とは、持続可能性を―というよりむしろ、いかに持続可能でないかを測る指標として、ここ数年間、世界で最も好まれているものの一つである。

フットプリントの手法を用いれば、資源の消費と環境汚染の影響を陸地面積(漁獲の大半を得る浅瀬の海域も含む)という共通の単位に換算することで、例えば次のような発言も可能である。「世界中のすべての人が、既存技術のままで、現在のアメリカの消費水準に達しようとするならば、あと4つ地球が必要になるだろう。」(E.O.ウィルソン『邦題:生命の未来』(The Future of Life) P23より)

フットプリントは、我々がどれほど天然資源を使用しているかを教えてくれる。地域、地方、あるいは国別のフットプリントが、世界のいたるところで計算されてきた。例えば今や我々は、つましいことで知られるスコットランド人たちでさえ、理論上の分け前の2倍(一人当たり)も地球を使用していることを知っている。

フットプリントの手法を批判的に見る人たちは、このやり方は「リンゴとみかんを一緒くたにする」という諺よりさらにひどく、リンゴをみかんに変えているのと同じだと訴える。化石燃料の消費や大気汚染、その他の要素を「それと同等の」陸地面積に換算し、実際に陸地や陸地ベースの資源を「消費している」ものと合算しているのだと。

一方、手法の支持者たちは、足跡にたとえるこのやり方は、確固たるデータと信頼に足る科学的前提に基づいており、持続可能性や消費といった複雑な問題を、政策立案者や一般市民が理解し―さらには利用できる形に変える上で効果的であると述べている。この後者の主張こそが、手法の相対的な人気を説明している。

近年、フットプリントの世界的な中心となっていたのは、サンフランシスコにある「進歩を再定義する(Redefining Progress)」(RP)という政策に関わる米国のNGOで、最近、地球規模でのエコロジカル・フットプリントに関する最新レポートを発表した。

その内容はだいたいにおいて朗報とは言い難いもので、世界の天然資源の消費も、全体として相変わらず年間1%強増加していることがわかる。しかし、デンマークを筆頭に驚くほど多くの国々が、なんとか自国の足跡を減らすことに成功してもいるのだ。(2000年度の最新データの時点で)

フットプリントの共同開発者であるマティース・ワゲナゲルは、数年間フットプリントに関するプロジェクトに取り組んだ後、Redefining Progressを離れ、「グローバル・フットプリント・ネットワーク」を立ち上げた。多くの科学と持続可能性の第一人者たちに支えられ、同ネットワークは、フットプリントをさらに全世界に普及させることを目指し、データや計算方法を標準化し、絶えず改善している。間もなく、誰もがこの新しいグループによる「国家資源の残高勘定」をダウンロードし、データに親しみ、対話式で自分自身のフットプリントを確認したり、自分が住む地域のフットプリントの作成すらできるようになるだろう。

http://www.ecofoot.org
http://www.rprogress.org
http://www.scotlands-footprint.com




時代の最先端をゆく

-変革をリードする展開や開発-

ナノ塗料が大気汚染問題の解決に貢献する

汚染物質を食べてくれる全く新しい塗料が、欧州市場で間もなく発売される。この塗料には、大気中の有害な窒素酸化物を分解するニ酸化チタンと炭酸カルシウムのナノ粒子が含まれている。イタリア・ミラノの路面で類似物質を用いた試験を行ったところ、窒素酸化物のレベルが60%も削減され、近隣の住民からは明らかに呼吸がしやすくなったという報告が得られた。汚染物質を除去する、その他の建設資材(コンクリートや石膏、モルタル等)も、欧州委員会のPICADA(汚染除去のための革新的な光触媒コーティング材評価)プロジェクトにより、実現間近である。

http://www.greenbiz.com/news/news_third.cfm?NewsID=26557




水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

「コペンハーゲンの合意」に疑問の声

デンマーク国立環境評価研究所長で、物議を醸した『邦題:環境危機をあおってはいけない:地球環境のホントの実態』の著者でもあるビョルン・ロンボルグ氏は今、世界の開発問題に関心を寄せている。同研究所は一流の経済学者9名(ノーベル賞受賞者4名を含む)による会議を招集し、10の重大な開発問題を評価して、世界の政策立案者が優先課題として扱うべきはどれかを決定する予定だ。

英国のニュース週刊誌『エコノミスト』との協賛による同会議は、「コペンハーゲンの合意」と銘打たれている。気候変動、伝染病、紛争、教育、金融不安、ガバナンスと汚職、栄養失調と飢餓、移民、公衆衛生と水、そして補助金と貿易障壁といった諸問題を検討するため、5月24日~28日にわたって専門家による委員会が開かれる。

「そもそも、世界には問題が山積しています。」ロンボルグ氏は3月5日、ロンドンでのインタビューでこう語った。「すべての問題を解決したいのですが、それはできません。ですから私たちはこれらの問題を最初に考えるべきなのです。」

批判の対象となっているのは、選ばれた専門家は各々の専門分野では明らかに一流だが、経済思想の中でも狭く保守的な学派を代表する存在であること、また開発経済学に多大な貢献をしてきた、ケネス・アロー、ジョセフ・スティグリッツ、ジェームズ・マーリーズ、ロバート・ソロー、アマルティア・センといった、ほかのノーベル賞経済学者が含まれていないことだ。

さらに、10人のうち8人を米国の大学から招いていることや、課題の順位付けに費用便益分析の手法だけを使うと、開発問題の重要な側面を見逃してしまうことも指摘されている。狭すぎると感じられるイデオロギーと専門知識を持つ一団が、4日間で達する「合意」の正当性を疑っている者なら、活動名そのものにさえ嘘臭さを感じることだろう。

「一方、同会議のウェブサイトでは、”反対派”も検討のプロセスに加われると銘記されている。おもしろくなりそうだ。」

http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3534373.stm
http://www.copenhagenconsensus.com
http://www.disinfopedia.org/wiki.phtml?title=Copenhagen_Consensus
http://www.iht.com/articles/508861.html

合意全般を疑う

「“合意=常識”なのか?」と題した環境ジャーナルに最近発表された論文に、米国環境保護庁(EPA)主催のあるプログラムは、意見を一致させることを重視するあまり、その実効性が脅かされたとある。

研究者の調査対象となったのは、「コモンセンス・イニシアティブ」という、産業界、政府、NGOが結集し、商習慣の一新を目指したプログラムである。執筆者の説明によれば、同プログラムが本来の意欲的な目標を達成できなかったのは、全員の意見が一致した上で活動するという形が、参加者の重要課題への取り組みを妨げたからだという。代わりに彼らが取り組んだのは、訓練用マニュアルの作成や事例研究の開発といった、意見がまとまりやすい課題であった。

http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=477984




波を起こす人々

-変革をリードする人・組織-

そして赤道賞の受賞は・・・

今年の赤道賞は、熱帯地方の7つの地域活動に決まった。国連が後援している同賞は、赤道地方の持続可能な開発活動のうち、6つの基準で優れているものに贈られる。生物多様性と貧困の克服に与えた影響、地域社会のエンパワーメント、他所での実施可能性、協力関係、ジェンダー及び社会の統合、そして持続可能性だ。340以上の候補及び最終選考に残った26の団体が3万米ドルの賞金獲得をかけて競った。

受賞団体は次の通り。ナサ・プロジェクト(コロンビア)、ヌエボ・サン・フアン・パランガリクティロのインディヘナ共同体(メキシコ)、遺伝資源・エネルギー・生態系及び食物のための財団法人(インド)、ブナケン国立公園管理諮問委員会及びブナケンを憂慮する市民フォーラム(インドネシア)、ルフィジ環境管理事業(タンザニア)、トーラ自然環境保護団体(ナミビア)、マミラウア市民団体(ブラジル)

http://www.undp.org/equatorinitiative/secondary/2004-winners.htm




波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

カスカディア:世界のトップに立つには30年早い?

最近発表された「カスカディア・スコアカード」と題するレポートは、北米大陸北西部(カナダのブリティッシュ・コロンビア州のほか、米国のアイダホ、オレゴン、ワシントン3州を指す)の状況について、全体的には良い方向に向かっている、という結論を下している。

レポートによると、この地域では、持続可能性に関連する目標の6項目中4項目に進展が見られた。具体的には、平均寿命が伸び、スプロール現象(訳注)が抑制され、森林の保護・管理が行なわれ、出生率が低下してきている。

しかし、この地域のエネルギー効率は一向に改善されず、住民の全般的な経済保障(貧困発生率、失業率、平均世帯収入から割り出した指数で表される)は下降気味だ。ちなみに、ブリティッシュ・コロンビア州のパフォーマンスは、ほとんどすべての指標で米国各州を上回っていた。このレポートを書いた「北西部環境監視」(Northwest Environment Watch)の見るところ、今の状況が続くと、この地域が6つの指標による総合指数で「世界一」を達成するには、あと32年かかるだろう。

(訳注)スプロール現象:小規模な開発などにより市街地が無計画に郊外に拡大し、虫食い状の無秩序な市街地が形成されてしまう現象。弊害として、(1)道路や下水道などの都市施設が整備されないまま市街地が形成されるため、生活環境が悪化する、(2)道路等の公共施設の整備が後追いとなり、整備に要する費用が膨大となる、などが考えられる。

http://seattletimes.nwsource.com/html/localnews/2001875635_scorecard10m.html

グリーン株のパフォーマンス、主要な株価指数を上回る

環境への取り組みによって選定された100社の株価指数、ウィンズロー・グリーンインデックス(WGI)は、その開始から4年間で2つの主要な株価指数を大幅に上回った。1999年8月から2003年12月に至るまでの4年間、ラッセル2000指数は32.8%上がり、S&P500指数は実に10.7%下がったのにひきかえ、WGIは98.5%上昇したのである。

これらのパフォーマンスによる収益の期間は、1999年8月から2003年12月に及ぶ。過去のパフォーマンスはWGIにとって将来の成果を保証するものではないが、いくつかの研究から(以下のリンク記事で大きく取り上げている)、環境に優しいビジネスが利益になるという注目すべき事実が立証されている。




大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

中国発:石油を吸い上げる音

中国の昨年の石油の輸入量は全体の3分の1増え、米国に次ぐ世界第2の石油輸入国となった。エネルギーの需要(現在はその70%を石炭で賄っている)はさらに急速に伸び続ける見込みで、2020年までに倍増する勢いだ。予想される需要を満たすため、中国政府は目下、新たに100を超える石炭、水力、原子力の発電所を建設する一方で、石油の契約を確保しようと世界中の油田をあさっている。

同国には現在、「クリーナープロダクション」(以下のリンクを参照のこと)などの環境保護政策があるが、現状ではいかなる環境への取り組みも、年率9.9%もの急成長を遂げる経済にエネルギーを供給する必要性に対比すれば、焼け石に水としか映らないだろう。

http://www.chinacp.com/eng/cplinks/citylinks.html

小さなグラフの曲線が物語る地球の危機

地球温暖化の主因であるCO2は大気中で均一な値を記録するようになり、しかもかつてない速さで増加している。ハワイのマウナロア観測所の測定によると、CO2濃度は379ppmに達し、昨年より3ppm増加している。

この増加率は、毎年1.8ppmという最近の平均増加率、さらに、毎年1ppmだった20世紀前半の平均増加率と比較されるが、なぜこのように急上昇したのか、科学者たちはこれまでのところ、その理由について明確にはわかっていない。

工業化が始まる以前、大気中のCO2濃度は、280ppmだった。「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の予想では、このまま放置された場合、CO2濃度は2100年までに650ppmから970ppmの範囲に達し、気温は1990年に比べて2.7度から10.4度高くなるだろうとしている。

重大な危機にある世界遺産

クィーンズランド大学海洋学センターの最近の研究により、オーストラリアの1,200マイル(約1,920km)にわたるグレートバリアリーフで、地球温暖化のために、サンゴがいずれ大量に死滅することが伝えられている。

この研究によると、最良の場合を想定しても、2050年までに、ほとんどの礁におけるサンゴ被度は5%に満たないものとなることが予想される。また、2020年までに、サンゴ礁の被害による損失は64億豪ドルにのぼり、1万2,000人の失業者が出る見込みだ。昨年、オーストラリア政府は、観光客以外立ち入り禁止のサンゴ礁保護区域を全域の4.5%から33.3%に拡大したが、京都議定書に署名する予定はない。

「グレートバリアリーフは、すでにオーストラリアの農業廃水や乱開発といった別の要因で痛めつけられています。行けるうちに見に行ってくることですね。ただし、あなたがそこで排出するCO2は、どこかで、何とかして、相殺しなくてはいけませんよ」

http://msnbc.msn.com/id/4351294/




聞き逃した話

-知る人ぞ知るニュース-

生活の質ランキングでスイスの都市が首位

スイスの二つの都市、チューリッヒとジュネーブが、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングが行った「2004年生活の質調査」で首位になった。この調査は世界の215都市を対象に行われ、政治、社会、経済、環境といった要因や、個人の安全、さらに健康、教育、交通、その他の公共サービスなど、生活の質の尺度となる39項目の評価に基づき、ランク付けしたものである。

ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリアの都市が上位を占め、3位にウィーンとバンクーバー、5位にオークランド、ベルン、コペンハーゲン、フランクフルト、シドニーが並んだ。今年の最下位はイラクのバグダッドである。安全の問題や不安定なインフラが原因となった。

http://www.mercerhr.com/pressrelease/details.jhtml/dynamic/idContent/1128760

最も環境に優しい車は日本車、最も環境に悪い車はドイツのSUV

米国エネルギー合理化経済評議会(ACEEE)が発表した消費生活レポートは、2004年モデルの乗用車とトラックすべてを採点し、今年最も環境に優しい車、最も環境に悪い車について詳しく紹介している。このレポートでは、購入する自動車がもたらす実際の環境負荷を消費者に報告するために、燃費・排出ガス・製造時の影響を評価している。

日本車が最も環境に優しい車の上位を独占し、上位12車種の中にアメリカとヨーロッパのメーカーは一つも該当しなかった。ホンダの天然ガス自動車、「シビックGX」が環境部門で首位となり、その後にガソリン・電気のハイブリッド車、ホンダ「インサイト」とトヨタ「プリウス」が続いた。「プリウス」はまた、市街地走行において最も燃費が良いと評価された(1ガロンあたりの走行は60マイル)。

最も環境に悪い車は、ディーゼルエンジンのSUV、フォルクスワーゲン「トゥアレグ」で、市街地走行において最も燃費が悪いのは「ドッジラム1500」ピックアップトラックとランボルギーニ「ムルシエラゴ」であった(1ガロンあたりの走行はたったの9マイル!)。

http://www.greenercars.com/bestof.html

ようやくわかってきた 暑さには要注意

アメリカ国防総省が最新のレポートで、急激な気候変動は世界の安全保障に重大な脅威をもたらすと警告している。このレポートは、戦争や核問題、大干ばつ、飢饉などの災害を引き起こす急速な温暖化のシナリオを解説している。

緊急時対策として、最悪の事態を説明しているが、それは国防総省が実際に起きると予測しているものではない。しかしながら、温暖化の専門家たちが見込んでいる温暖化のレベルとペースを冷静に分析していることは確かである。

「このレポートは、最初に雑誌『フォーチュン』に「リーク」された。一流ビジネス雑誌、国防総省、ペーター・シュバルツ(このレポートの主執筆者で、かつてシェルグループで長期計画を作成していた人物)の組み合わせに世界中が驚いた。」

http://www.gristmagazine.com/muck/muck022504.asp?source=daily




推薦図書

ギャップマインダー(特に推奨!)

ギャップマインダーは複雑な発展動向が簡単に理解できるよう、動的グラフで表したウェブサイトである。このサイトのソフトウェアは動向に動きをつけるので、収入や健康、教育などの問題が、時代や場所によってどのように変化するかを参照することができる。その画像は美しく、役に立つうえに、少しくせになる!

http://www.gapminder.org

子孫へ伝える言葉:グリーンランドが融解したら、内陸に引っ越しなさい

英国の雑誌『ネイチャー』に、地球温暖化とグリーンランドの氷床に関する新しい研究が発表された。気温がセ氏3度上昇するだけで、グリーンランドの巨大な氷床は、氷河のかけらを残し、ほとんどが消滅するという。現在の氷が溶けて世界中の海に流れ込むと、海面は7メートル上昇すると見られる。

http://www.cgam.nerc.ac.uk/~jonathan/doc/gregory04greenland.pdf

世界の労働者が団結して「再考」を提言

国際労働機関(ILO)の最新の報告書は、グローバル化を「緊急に再考する」必要があることを明らかにした。「公正なグローバル化:すべての人への機会の創出」と題された168ページにわたる報告書によると、グローバル化は経済成長を生み出してきたが、世界の失業者数が過去最高レベルの1億8,500万人に達したことをあげ、多数の人々の状況を悪化させてもいると指摘した。

報告書は、資本移動の不安定な動きを抑制するための国際金融システムの変革だけでなく、開発途上国の商品への市場アクセスを促進するような、より公正な貿易ルールを含めた、経済改革を求めている。この報告書はまた、貧困撲滅計画への財政的支援の拡大、グローバルなルール策定における一貫性の強化、開発途上国での政策決定における自主性の拡大、世界経済に見合う社会経済の適切な「最低水準」の確立についても提案している。

報告書は26人のメンバーからなる「グローバル化の社会的側面世界委員会」によって作成された。同委員会は政治家、国会議員、社会・経済問題専門家、経済界代表、労働者組織、学界、市民社会の代表者、及びノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツ氏で構成されている。

http://www.ilo.org/public/english/wcsdg/

「ネクストステップ」――すぐれた持続可能性情報サイト

地域社会の持続可能性問題への取り組みに役立ち、そのサイトひとつで何でも揃うような、情報やネットワークのウェブサイトを立ち上げようと考えていた? 米国ミネソタ州の「ネクストステップ」サイトでは素晴らしいアイデアやひらめきが提供されている。この「ネクストステップ」のサイトを通じて、ユーザーは情報、資料、ネットワークの機会を得ることができる。直接、このサイトに情報や資料を投稿することもできる。必見!

http://www.nextstep.state.mn.us/index.cfm

気候変動に関しておそらく知っておくべきすべてのこと

こちらは気候変動の最新情報を熱心に研究している人にとっては最適の情報源である。「気候リスクにおける機関投資家サミット」で、ハーバード大学のジョン・ホールドレン博士が「地球の気候変動からのリスク:我々は、何を知っているか?何をすべきか?」と題した発表を行った。

http://www.incr.com/InvestorSummit_JPH_N03b.pdf

英国政府が2種類の持続可能性報告書を発表

英国政府は持続可能な開発についての第4回目の調査を完了した。「見出し」として取りあげられている15の指標およびその他147項目の指標について進捗状況を測定したものである。報告書によると、同国は温室効果ガスの削減、経済成長、教育の各項目で前進が見られたが、廃棄物削減、大気汚染、道路交通の項目では目標に達することができなかった。

一方、英国政府の持続可能性開発委員会は「良好な徴候:しかし一層の努力を」と題する別の報告書を発表した。政府の「経済成長はすべての政策決定を推進する力であるべきだという基本的な姿勢」に対して疑問を投げかけている。

http://www.sustainable-development.gov.uk/ar2003/
http://www.euractiv.com/cgi-bin/cgint.exe?204&OIDN=1507535&-tt=en




ウェーブフロント読者からの返信

第5号の過食と持続可能性の記事に対して、ウェーブフロント読者のサイモン・ジオギーガン氏(ニュージーランド・オークランド市)より、価格設定を変えれば、人々は今ほどお皿に多く盛りつけなくなるのではないか、というご意見をお寄せいただいた。現在のところ、単位重量当たりの価格は量が多いほど安いので、たいてい「大きなサイズ」を勧めるような価格設定になっている。

同氏は次のように述べている。「ほぼ2倍の量が飲めるなら、とわれわれはつい余計に10セント払ってしまう。結果は明白である。食べ物や飲み物を無駄にすまいと、必要以上の、ときには食べたくないほどの量を口にしてしまう。より持続可能なシステムならば、食べる分だけ支払う、といった比例価格制が採用されるだろう」。




持続可能性にまつわる語録

「狂気がわれわれの地球を駆け巡っている」

世界銀行総裁のジェームズ・ウォルフェンソン氏がスタンフォード大学での最近の演説で、軍事費が開発援助金の20倍であったことを引用して。「われわれは人々によりよい生活と平和を与えるべきだ。もしそうしなければ、軍事費では解決できない問題を抱えることになる」と語った。

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seki 2005-06-17T10:13:03+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第6号  (2004年1月27日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050617_100055.html トップ・ニュース

インターネットは本当に役に立つのか?

諸調査研究によれば、外科手術を受けた患者で、窓から自然を眺められる人はそれができない人に比べて回復が早い。また、窓から外が見える場所で働く人のほうが幸せで、健康で生産性が高い。

しかし、同じ窓(ウィンドウ)でも、OSのウィンドウズを一日中眺めている場合はどうなるのだろうか?はたまた、コンピューターのりんご(アップル)だったら?

こうした問題を研究する環境心理学(環境が人間の感情や行動、健康に与える影響の研究)の裾野が広がり、建築心理学、生態学的心理学(エコ心理学)、環境設計などの下部領域が生まれている。こうした分野の研究者や実践者は、我々の自己意識そのものが、都市または郊外の環境によって、いかに形作られるかを研究している。

http://www.apa.org/monitor/apr01/greengood.html

現在、我々がますます多くの時間を費やしているインターネットも、我々の思考や感情に重大な影響を及ぼす「環境」として、調査研究の対象となっている。インターネットは休むことがない。その結果、私たちも休まなくなっている。アップル社とマイクロソフト社の役員であったリンダ・ストーンは、電子メールやブラウザ、インスタント・メッセージ、ポップアップ広告などと離れられなくなっている人たちの精神状態を表す、「連続的注意力分散状態(continuous partial attention)」という言葉を作り出した。

インターネットは我々の文章作法も変えた。見出しが増え、文章が短くなり、あちこちのリンクに飛び火して話が脱線する。めまぐるしいテレビの画面展開が我々の思考に及ぼす影響を、懸念している人は多い。それでは、「ハイパー」テキストの長期的な影響は何か。巷にあふれる無料の情報は、結局のところ高くつくのかもしれない。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/1834682.stm

著名なSF作家であり、通信衛星が地球全体をつなぐという、フィクション(虚構)ではないアイデアを発明した、アーサー・C・クラークは、最近のインタビューの中で次のように答えている。「通信の分野では過去半世紀の間に未曾有の進歩を遂げたのだから、今度は立ち止まって、我々が作り出したものの社会的、文化的、および知的意味合いについて考えなければならない。」

http://southasia.oneworld.net/article/view/74591/1/

ミシガン大学の環境心理学の教授であるレイモンド・デ・ヤング博士は、まさにそれに取り組んでいる。彼は自分のホームページに次のように書いている。「私は『情報断食』を実施している。ネットの接続を切り、長期間にわたってニュースから遠ざかっているのだ。…ネットから「逃げる」ことによって、研究や授業、指導、同僚との関係、その他の価値ある活動に「戻る」ことを願っているのだ。…もし、どうしても即座に私からの返答が必要だと考えるのであれば、まず、どうしてそう思うのかを自らに問い直してほしい。」

http://www-personal.umich.edu/~rdeyoung/

情報過多の生活を嘆く人は多いが、クラーク氏はより楽観的である。人類は、書籍の印刷や図書館の発明など、飛躍的に増加する入手可能な情報の氾濫を「生きのびて」きたと、彼は指摘する。我々は、情報の流れを管理し、頭を情報の倉庫ではなく、情報のナビゲーターとして使うことを学ぶだろう。

確かに、よりよい世界を創ろうと努める多くの人々―危険な趨勢を緩和し、反転させるために時間と競争していると彼らもしばしば感じている―は、増え続ける情報を広範に利用している。彼らは、変化のプロセスをなるべくより持続可能な方向へと「加速」するために、情報を活用しているのだ。インターネット使用の影響について調べるためにでさえ、インターネットを使う。

しかし、我々はみな、ヤング教授の教訓を心に留めおくべきなのではないだろうか。小休止してプラグを抜こう。そして、我々が良くしようとこれほどまでに努力を重ねている、この素晴しい世界を味わう時間をとってみようではないか。


ウェーブフロントは、持続可能性に関する重要なニュースの要約をお伝えするニュースレです。「知っておくべき」情報をすべて一箇所に集めて、あなたがパソコンの前に座っている時間を短くして差し上げようというわけです。通常それぞれのニュースの短い要約をお伝えしていますが、今回はトップニュースの教訓を受け止めて、読者にかける情報負担をさらに減らしてみました。どちらのスタイルが良いでしょうか? 下記アドレスまでご意見下さい。
wavefront@atkisson.com




すぐれたアイデア

熟考すれば、いいものが書ける

京都議定書が失敗に終わったことで、気候変動への取り組みに重要な足がかりが生まれるか?

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReSb6sFtBb/

シェル・エコノミスト・エッセイ賞受賞作品は、菌類の視点から書かれたもの。今年のテーマは、「我々は自然が必要か?」

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReTb6sFtBb/ (pdf)




水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

独立調査報告が世界銀行は石油および石炭事業への融資を停止するべきと勧告。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReUb6sFtBb/

米国の任意の温室効果ガス排出プログラムでは、実質的に何も達成できず。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReVb6sFtBb/

地球温暖化に起因する保険請求、2003年には600億ドルに到達。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReWb6sFtBb/



波を起こす人々

-変革をリードする人・組織-

トヨタのハイブリッド乗用車「プリウス」、『モーター・トレンド』誌の「カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれる。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReXb6sFtBb/

ノーベル賞に「持続可能な発達」部門の創設を!キャンペーン運動を展開。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReYb6sFtBb/

ブレア首相の主席科学顧問、「気候に関する米国の政策は、テロよりも大きな脅威を世界に与える」と発言。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3ReZb6sFtBb/



時代の最先端をゆく

-変革をリードする動向-

インドの新しいビジネス・センター、「世界で最も『グリーンな』ビル」の肩書きを受ける。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Scib6sFtBb/

日本政府、世界一厳しい車の排ガス規制を制定。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Scjb6sFtBb/

東芝の「消すことのできる」レーザー・プリンター・インク、オフィスでの紙使用を大幅に縮小する見込みあり。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re2b6sFtBb/




波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

コロラド州のA社、産業エコロジーの原則を接客部門に適用。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re3b6sFtBb/

米国環境保護庁、持続可能性における問題解決案の学生向けコンテスト実施を発表。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re4b6sFtBb/

オフィス・デポ、事務所用グリーン製品限定の通販カタログを製作。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re5b6sFtBb/

アフリカ大陸のガバナンスを改善するために、主要な汎アフリカ機関を創設。平和安全協議会(Peace and Security Council)、汎アフリカ議会(Pan-African Parliament)およびアフリカ人権裁判所(African Court on Human and Peoples' Rights)の三機関。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re6b6sFtBb/

国連環境計画、排出権取引を地球温暖化に取り組む中心的手法として推奨。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re7b6sFtBb/




はずれている人々

-残念ながら、わかっていない人々-

ワールドウォッチ研究所発:まだまだ多くの人が「満足できない」消費生活様式をとっている。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re8b6sFtBb/

米国軍、三つの重要な環境法からの免除を要求。(「これほど要求が多くて、メリットが少ない法的措置には、お目にかかったことがない」-米国 ジョン・ディンゲル下院議員)

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Re9b6sFtBb/

ブッシュ大統領、米国労働者の時間外労働手当カットを画策。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfab6sFtBb/

米国の上院議員で環境および公共事業上院委員会議長を務めるジェームズ・インホフ氏、地球温暖化について、「世界と米国の人々に対する史上最大の捏造」と語る。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfbb6sFtBb/




難破船

-最大級の悲しいお知らせ-

「ネーチャー」誌の論文、地球温暖化による地球規模での種の大量絶滅を予測-2050年までに15~37%の生物種が絶滅する可能性。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfcb6sFtBb/




聞き逃した話

-知る人ぞ知るニュース-

英国のシンクタンク、温暖効果ガス排出の削減を行わない国々に対して、「京都税」を課すことを提言。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfdb6sFtBb/

国連報告:世界の都市居住人口の半数はスラムに住んでいる。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfeb6sFtBb/

国連、2300年までに人口が90憶に達すると予測。

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rffb6sFtBb/




推薦図書

54ヶ国の著名な作家100人の選んだ世界で最高の小説100冊をご紹介。どれかひとつ選んでください。図書館に行きましょう。眺めの良い場所に腰をおろしましょう。 http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfgb6sFtBb/




さらに…

どうして、風力タービンには翼が三枚あるの?

http://wavefront.c.tep1.com/maabSTjaa3Rfhb6sFtBb/

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seki 2005-06-17T10:00:55+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター第5号  (2003年12月3日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050616_064406.html トップ・ニュース

人は食べもので決まる?地球も同じである

「もうすぐクリスマス。ガチョウは丸々太ってきた。【訳注:クリスマスソング】」・・・地球上の多くの人間たちも。

消費は、持続可能性に関わるすべての人にとって、最も難しい問題のひとつである。最も貧しい国々での問題は、消費が少なすぎることである。例えば、エチオピアでは国民の44%が慢性的な栄養失調の状態にある。しかし、豊かな国々と世界中に点在する豊かな地域での問題は、ますます加速している過剰消費である。

持続性を提唱する運動においては、「消費」という言葉は通常、消費者による製品やサービスの購入と、それに伴う資源と廃棄物の流れを指す。次のような事実は専門家には広く知られている。例えば、世界の人口の5%に満たない米国人が、世界の資源の約25%を消費している(数字はどの資源を計算するかによって異なる)。しかし、消費の問題にメスを入れるためには、はるかに個人的で身近なこと、つまり食べることから考えなければならない。人類全体では、一人当たりの食物摂取量は毎年増え続けているのである。

1970年以降、先進国(豊かな国々)の国民一人当たりの一日の平均カロリー摂取量は3,000カロリーから3,400カロリーに増加した。開発途上国(貧しい国々)のカロリー摂取量は、2,000カロリーから2700カロリーとさらに大幅に増加した。米国国立衛生研究所によれば、米国では成人の3分の2が医学的に見て太り過ぎであり、30%は肥満と診断されている。

平均の数値は格差を覆い隠してしまう。貧しいエチオピア人がもっと食べなければならない一方で、多くの人々は必要量をはるかに上回る量をどんどん食べているのだ。米国では既に、肥満と太り過ぎによる健康上の問題が広がっている。食物消費量の不健康な増加がこの問題の主要な要因である。脂質摂取量だけを見ても、1970年以降30%以上増加しているのだ。

食べ過ぎに関わる問題が個人的な健康問題だけに影響しているのではないことを理解し -そして、人に伝えること-が大切である。人々の体のサイズが大きくなり、より大きな車、大きな衣服、大きな飛行機の座席が必要となってきている、と英国『エコノミスト』誌の最近の記事は伝えている。このようなサイズの拡大は、資源消費の拡大につながり、工業生産に伴う公害や廃棄物を増加させる。

太り過ぎが引き起こす健康問題自体が、持続性に対する新たな逆流である。健康問題によって、社会的、経済的、環境的なコストが発生するためである。食べ過ぎは仕事の長期欠勤や、事業コストの拡大、コミュニティー事業の減少、地球温暖化、そして何よりも殺虫剤と化学肥料使用量の増加に、直接的および間接的に影響しているのだ。

幸い、食物消費量は個人の選択を通じて、一人一人がコントロールできる問題である。しかし残念ながら、食物が潤沢に手に入る時に、それを拒むのは難しい(これは常識的な考えだが、最近の科学的研究によっても立証されている)。食物価格が低下しているため、変化のための経済的インセンティブもほとんどない。米国人にとって、食費が年間収入に占める割合は、食物消費量の増加にもかかわらず、確実に低下しているのだ。

先進国における食物消費量の拡大は長期的なトレンドであり、国連の予想では、今後も長期にわたって継続する。問題が非常に個人的で、自己評価や、太り過ぎの人に対する職業上の差別などの問題にも関わってくるため、問題提起さえもいまだにタブー視されているといってよい。

しかし、社会は広く普及した喫煙習慣を問題視することを学んだように、この問題に対処することを学ばなければならない。世界的な食べ過ぎの問題に対処することは、戦略的に必要な分野であり、世界中のクリエイティブな変革推進者にとってチャンスであることは明らかである。

www.johannesburgsummit.orgより
www.findarticles.comより
www.economist.comより
millenniumindicators.un.orgより
www.niddk.nih.govより
www.ers.usda.govより

食物の過剰消費問題に持続性の観点から対応する、よいプロジェクトやプログラムをご存知でしたら下記アドレスまでお知らせ下さい。
WaveFront@AtKisson.com



難破船

-最大級に残念なお知らせ-

ロシアが京都議定書批准を拒否

ロシアの大統領補佐官が昨日(訳注:12月2日)モスクワで、ロシアが京都議定書を批准しない考えを明らかにした。気候変動枠組み条約は、すでに120カ国が批准しているが、批准した先進国の排出量が、1990年の先進国全体排出量の55%以上とならなければ発効しない。米国かロシア抜きで、その要件を満たすことは不可能である。

2001年に米国のブッシュ大統領は同条約を拒絶し、世界中から厳しい非難の声を浴びた。その後長い間、世界中がロシアの動向を見守っていたが、アンドレイ・イラリオノフ大統領補佐官が昨日、結論を出した。ミラノで開かれている2週間にわたる国連の気候変動に関する会議の冒頭で行われた声明で、イラリオノフ補佐官は「ロシアは批准しないつもりである」と述べたのである。しかし、EUと国連の関係者は同日、議定書参加へむけてロシアを説得することはまだ可能であるという楽観的な見解を示した。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3256604.stm

(ウェーブフロント 追加記事)

ロシア政府、京都議定書に批准せずとの発言は誤りと発表

ロシアの経済問題担当の大統領補佐官が、新たに開催された気候変動に関する国際会議でロシアは気候変動枠組み条約を批准するつもりはないと語り、物議を醸したことに対し、翌日ロシア政府はその発言を否定。ロシア政府は気候変動に関する京都議定書の批准に関しては未だに態度を保留中であると述べた。

  1. 政治的、社会的、経済的な制度の根本的な改革
  2. 教育と公的サービスの改善、貧困層への所得移転
  3. 先住民族やアフリカ系の人々への救済政策

http://news.bbc.co.uk/go/em/fr/-/1/hi/sci/tech/3288683.stm




推薦図書

地球温暖化について「なぜ我々は関心を持たないのか」

ウェーブ・フロントでは推薦図書は通常、ニュースレターの最後に来るが、この記事はトップ記事にふさわしいので、ここで取り上げる。ニュー・ステイツマン誌の特集記事「なぜ我々は関心を持たないのか」で、筆者のジョージ・マーシャルとマーク・ライナスは、世界的な気候変動問題に関して、人々は自己否定という麻痺状態にあると主張している。この二人の筆者は、人々の心理に焦点を当て、「関与否認」「認知的不協和」「受身の傍観者効果」「群集心理」などといった用語を使って、我々がなぜ地球温暖化に反応しないのかを説明している。人々は自分たちの文化、国家、信条を守るためには、莫大なお金(そして死さえも)をかけるのに、安定した気候への情熱はまだ解き放たれていないのだ。

http://www.newstatesman.co.uk/




水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

なに?私が金持ちだって?

あなたの収入が年間47,500ドル(約510万円)以上であれば、あなたは地球上で最も裕福な上位1%の中に入っている。世界中の他の人々に比べると、あなたは信じられないくらい大金持ちなのである。さらに、日給2ドル33セント(約250円)以上の収入がありさえすれば、あなたは全人類の半数よりもお金持ちである。「グローバル・リッチ・リスト」のウェブサイトでは、世界の金持ちランキングで、自分が(あるいは他の誰かが)どこに位置するのかを割り出すことができる。自分の位置を知ることは、物ごとを相対的に見るのに役立つだろう。

英国、開発援助資金から1億7,000万ドル(約180億円)をイラク再建へ流用

英国の国際開発省は他国への海外援助資金を1億ポンド(1億7,000万ドル)減らし、その分をイラク再建資金にあてることにした。これは、国際的な開発・保全プログラムにとっては手痛い打撃となる。最も被害が大きいのは、南アメリカと東欧で既に行われているプログラムである。全体で20カ国以上の援助資金が削減され、ペルー、ホンジュラス、アングィラ、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア、マケドニアにいたっては、援助が全額廃止となった。

http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1079573,00.html

電子時代の醜い裏面

持続可能な開発への取り組みの多くにおいては、IT(情報工学)が、経済的にも優れ、地球にも優しい、汚染の少ない工業をつくる方法であると考えられている。しかし、残念ながら現実はもっと複雑で、しかも、想像するほど地球に優しいものではない。

シリコンバレー有害物質連合が最近インターネット上に掲載した写真は、輸入された電子廃棄物を選り分け、燃やし、分解し、廃棄する中国の労働者たちの悲惨な現実を映し出している。

http://svtc.org/cleancc/pubs/photos.htm




時代の最先端をゆく

-変革をリードする展開や開発-

循環型をめざす東京の動物園

東京の多摩動物園では、動物の排泄物1,060トンの処理費用が増大する中、これを発酵させてバイオガスを作る試みを始めようとしている。生産された燃料は、バイオガスを生成するその工場自体への電力の供給や、園内でのバス運行のために利用される。また、その過程から副産物として産出される肥料についても、動物の餌を新たに栽培するために利用されるという。「動物園を訪れる子供たちに、このバスは動物たちのおかげで走っているんだよ、と話せばその理由を聞きたがるでしょう。これは子供たちにバイオマス・エネルギーについて教える良い機会にもなるはずです。」、とこのプロジェクトを推進する会社の副社長、朝霧重治氏は語る。

www.japantimes.co.jpより

ロバート・レッドフォード・ビルは米国で最も環境に優しいビル

最近完成したロバート・レッドフォード・ビルは、雨水利用トイレ、竹床そしてビルで使用するエネルギーの約20%を賄う太陽電池パネルが自慢である。米国で最も環境に優しいビルの1つと言われていることからも、まさに、サンタモニカの天然資源保護協議会が事務所を置くのにふさわしいビルである。ビルに名前が付された、ロバート・レッドフォード氏は、テープカットの式典の席で「この建物は私にとって持続可能な未来のモデルなのです」と語った。

story.news.yahoo.comより




波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

自動車メーカー、100台の燃料電池車をテスト

世界第5位の自動車メーカー、ダイムラー・クライスラーは、2004年の末までに、合計100台を越える、燃料電池を動力とした乗用車、商用車およびバスの「公道での実用テスト」を行う予定だ。同社はこうした実用テストを通して、顧客ニーズへのより良い対応策を探りたい考えである。ダイムラー・クライスラーは、燃料電池技術は「未来への解決策」と考えているが、製造コストがまだまだ高いうえに水素燃料供給のためのインフラ整備が進んでいないことから、大量生産には今後少なくとも10年はかかるだろうと予想している。

http://www.planetark.com/dailynewsstory.cfm/newsid/22873/story.htm

フォルクスワーゲン(訳注:大衆向け)の太陽の家

米国テネシー州では、ハビタット・フォー・ヒューマニティーのボランティアが、地域のエネルギー供給に多大な影響力をもつブリティッシュ・ペトロリアム(BP)やその他協力者とともにチームを組み、低所得者を対象とした低コストで「ネット・ゼロ・エネルギー」の住宅を建設している。屋根にとりつけられた極めて効率性の高い太陽光発電装置や各場所に取り付けられたセンサーを使い、消費に見合ったエネルギーを作り出している。

http://www.gristmagazine.com/powers/powers100703.asp

持続可能な保険

オーストラリア保険グループのCEOであるマイケル・ホーカーは、なぜ彼の企業がサステナビリティ(持続可能性)への取り組みを始めたのか、また、今後それを保険業というビジネスにおいてどのように実現していくのかについて歯切れのよい説明を行った。その内容は、保険金請求への迅速な支払い(忘れられがちな基本事項)から、事業を行っている地域の人々に対し、地球温暖化の現実とそのコストについて伝えることまで多岐に渡る。

http://www.ceoforum.com.au/200309_ceodialogue.cfm




大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

英国の科学者、北米における地球温暖化の理由を解明

雑誌『サイエンス』に掲載された最近のレポートは、北米における地球温暖化が自然発生的な気候の変動によるものではなく、人類が残した「指紋」、つまり人間の活動によるものであることが明らかとなったとする内容であった。研究者たちは、20世紀のアメリカについて、気候モデルをいくつか組み立て、これに自然の影響、人間による影響を加味していった。この気候モデルでは、20世紀前半における地球温暖化の原因は自然現象によるものと考えられるが、世紀後半の気候変動については人間の活動が原因であることが示された。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3267775.stm




聞き逃した話

-知る人ぞ知るニュース-

EUはグリーン外交ネットワークを構築

環境及び持続可能な開発における世界の状況をEUレベルに引き上げようとする試みの中で、EU加盟国首脳陣は、グリーン外交ネットワークを設立することで一致した。EUは、世界中の外交拠点(外務省、大使館、開発協力機関)を利用して、次の5つの最優先課題を促進することになる。

a. ロシアの京都議定書批准を促すこと
b. 生物多様性の喪失に歯止めをかけ、遺伝子組み替え作物を厳しく管理すること
c. 再生可能エネルギーの利用を促進すること
d. 海洋環境の保護を強化すること
e. 国際環境ガバナンスを達成すること

http://www.euractiv.com/cgi-bin/cgint.exe/?204&OIDN=1506645&-tt=en




波を起こす人々

-変革をリードする人・組織-

EU委員による、危険化学物質に対する検査の結果は陽性

マルゴット・ヴァールストロームEU環境委員は、28種類の化学物質が自分の体内から検出されたことを最近発表し、EUが化学物質政策を早急に見直すべきだとの主張を立証した。彼女は(政府指導者を含む)他の155名の参加者と共に、77種類の合成化学物質について検査を受けた。彼女の体内から検出された28種類の化学物質には、危険度の高いPBDEやPCBが含まれていた。

www.euractiv.comより

建築設計士のための10の基本概念

建築家ハル・レビンがまとめたこの報告書は、建築設計における持続可能性を評価するための包括的アプローチの概要を示している。

http://www.greenbiz.com/toolbox/reports_third.cfm?LinkAdvID=43075

ドイツは原子力発電所を閉鎖

ドイツでは今月、19基ある原子力発電所のうち、1基目となる発電所が閉鎖された。現在同国ではエネルギーの三分の一を原子力から得ているが、今後20年のうちに全ての原子力発電所を閉鎖するという意欲的な計画を発表している。ドイツから原子力を一掃するというこの困難な政治的合意が政府と電力業界の間でまとまったのは2001年のことである。ガス、風力、太陽光などの代替エネルギーが、不足分を補うものと見込まれている。

http://www.terradaily.com/2003/031114130333.jlvf6wjx.html

ブラジルと中国の環境活動家が国連笹川賞を受賞

国連環境計画(UNEP)は、地球環境に大いに貢献した者を讃えて毎年笹川賞を授与する。今年はブラジルと中国の環境活動家が同時に受賞した。デネル・ホセ・ジョバニーニは、ブラジル野生生物の違法取引を食い止める非営利活動のリーダーである。もう一人の受賞者である解振華は、中国政府の要人としてこの20年間、同国における環境保全及び持続可能な経済成長を促進してきた。

www.unep.orgより

漫画

ミートリックス

長編シリーズ映画「マトリックス」を大胆にも風刺しているアニメである。この短い作品は、近代工業化農場経営の裏に隠された真実を暴いている。非常に面白く、詳細に調査された事実と、より健全で動物を大切にする農場への支援への呼びかけによって、知らず知らずのうちに視聴者の意識が高められるのである。

(注:視聴にはショックウェーブのソフトが必要)

http://www.themeatrix.com




推薦図書

『サイエンス』誌 が「地球の現状」を連載

『サイエンス』誌は、「地球の現状」と題して、8つの記事を連載。11月14日から始まったこのシリーズでは、人口、生物多様性等の環境や持続可能性に関する問題から、漁業や土壌、水、エネルギー、大気といった特定の資源についてまで、問題が幅広く検証されている。各記事にはWeb サイトと関連情報へのリンクが紹介されている。連載が終了した12月12日には、ギャレット・ハ-ディンのかの有名なエッセイ「共有地の悲劇」が、再掲載されていた。

http://www.sciencemag.org/sciext/sotp/

「パワースイッチ」レポートからの報告

WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)の最近の報告は、現在及び将来の地球温暖化規制の影響によって、14の国際的な電力会社が直面する財務リスクと経済機会を分析している。

「パワースイッチ:地球温暖化規制が電力業界に与える影響」と題した同報告書は、この規制によって、最終的には、電力会社が二酸化炭素排出コストを自己負担せざるをえなくなることを明らかにし、電力資源をクリーンな燃料に切り替え、効率を高めることに積極的に取り組んでいる会社のほうが、厳しい規制に備えのない会社に比べて、コスト削減が可能であると推測している。

http://www.worldwildlife.org/news/headline.cfm?newsid=587

英国政府からの環境報告

英国政府環境監査委員会(EAC)は、「環境に配慮した政府2003」(Greening Government2003)と題する報告書を発表した。EAC委員長によると、「もしイギリスが将来、持続可能な国の道を進むつもりならば、中央政府各省庁の役割が欠かせない・・。しかしながら、いずれの省庁にもこの課題に専任できる職員は殆どおらず、環境問題についての目的や数値目標も明確ではない、さらに、その活動を正しく報告することさえできないでいる」、と話している。

www.parliament.ukより

地域のドーナツ化を食い止めるためのガイドライン

カナダのデビッド・スズキ財団が「今すぐ行動を(Driven to Action):地域のドーナツ化を止めるために」と題する報告書を発表した。同報告書は地域のドーナツ化を止めることが、結果的には大気を浄化し、健康をもたらし、気候変動を少なくし、生活の質を高めるという。この報告書には、また、地域の人々がドーナツ化現象を食い止めるのに便利な、使いやすいガイドラインもついている。

http://www.davidsuzuki.org/Climate_Change/Sprawl.asp

「問題が建物にあったとは、迂闊だった」

去年、著名な建築家であるエドワード・マズリアは驚くような事実を発見した。というのは、アメリカ国内のエネルギー消費及び温室効果ガス排出のほぼ2分の1が建物に起因しているというのだ(自家用車やトラックの場合は6分の1でしかない)。この発見が契機となり、マズリアは「問題が建物にあったとは、迂闊だった」と題する報告書を書き上げ、環境問題に益々熱を入れているという。『メトロポリス』誌ではこのマズリアを紹介して、気候に優しい建築デザインをテーマに取り上げている。

http://www.metropolismag.com/html/content_1003/glo/index.html

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seki 2005-06-16T06:44:06+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第4号  (2003年10月21日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050615_000409.html トップ・ニュース

独自の持続可能な開発に向かって模索するアジア

世界の人口の約半数を抱え、どこよりも急速な経済成長を遂げているアジアでは、各国が持続可能な開発に真剣に取り組み始めている。ヨハネスブルグで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」を受けて、多くの国では、国家レベルで持続可能な開発のための委員会を発足させており、その多くは首相または政府高官が委員長を務めている。

あらためて、中国、インドなどにおける最近の出来事や新たな政策への取り組みを見ると、今この地域では持続可能性という変革の波が生まれつつあるようだ。しかもその範囲は、グリーン電力の生産から産業界の全面改革を目指す環境対策にまで及んでいる。

しかしその一方、あらゆる、とまではいかなくても、最大限の犠牲を払っても経済成長を促進することこそがアジアの発展において何よりも重要である、という状況は今なお変わらない。それに比べれば、自然資本の損失か社会資本の損失か、あるいはまた、「予防原則」を適用すべきか否か、といった重大な議論は、まだほとんど浸透していないに等しい。

さらにこの地域では膨大な人口を養うための食糧を必要としているため、遺伝子組み換え作物の導入といった具体的な問題もヨーロッパのように物議をかもすことはなく、いまだに「持続可能性」という言葉は、どちらかというと「長期的な経済成長」と言い換えたほうが適切な場面で使われていることが多い。一例を挙げると、最近APEC閣僚会議が開かれたが、環境問題は、そのサミットにおける「青少年たちの活動」のテーマであった、というだけで、会議終了後に出された多くの閣僚の声明の中で触れられることはほとんどなかったのである。

そのようなわけで、アジアでは「従来通りのやり方」と、「真に持続可能な発展を目ざす新しいやり方」との間に通常生まれる緊張が、大部分のOECD諸国と比べて、一層際立っている。なぜならば、この地域では、大きく立ちはだかる環境的・社会的課題に加えて、何十億という人たちの経済的な必要性と願望という問題を抱えているからである。

しかしそうはいっても、すでに急成長の限界がはっきりと見えているため、アジアは全体的に、持続可能性に取り組まざるを得ない状況に追い込まれてきている。たとえば、中国では環境汚染による健康被害が急激に広がりつつあり、東南アジアでは水質汚染が生死を脅かす事態に発展することもしばしばである。また、インドネシアでは森林破壊と種の絶滅が進行している、などがいい例であろう。

しかし、明るい変化の兆しはたくさんある。台湾では最近、持続可能性閣僚委員会が環境フェアーを開催し、インドでは風力発電への投資(以前、ウェーブフロントニュースレターで言及した)が行われ、ブータン国王は、国民総生産ではなく「国民総幸福」の増大を目指す、というかの有名な決定を下した。インドが最近鳴り物入りで行ったように、西欧からの多額の開発援助受け入れを次第に縮小していくことによって、今、アジアは独自の道を歩きたい、というサインを発している。その道が「持続可能性」という道になるのであれば、技術、経済、社会の各分野で改革が大きく進むことを期待しよう。

中でも最も勇気づけられるニュースは、恐らく中国からのものであろう。13億の人口を抱える中国では、経済の活力は、大気や水の深刻な汚染などによる環境被害と密接に関わっている。中国政府は、健康面、経済面、およびPR面の必要性に迫られた結果(来る2008年のオリンピック開催など)、国の持続可能な発展に向けて長期的な取り組みを行う趣旨の発言をきわめて明快に行ってきた。

しかも、その発言は口先だけのものではないのだ。最近の『ビジネスウイーク』誌のアジア特集記事は、中国の異常事態(例えば慢性呼吸疾患の発生率が世界で最も高いことなど)の概要をまとめているが、その中で、汚染の悪化は何よりも「経済に悪影響」を与えると書いている。中国政府が今後2年間、環境浄化対策に850億ドルをつぎ込む理由はここにある。このような対策が続けば、それに伴って、持続可能な発展を支持する革新的手法もさらに導入されることだろう。

例えば、最近打ち出した対策の一つであるが、中国政府は急増している国内の大量の車(以下参照のこと)にとうもろこしを原料としたエタノール燃料を使用するために新たな大規模投資を行い、いくつかの政策の指令を出した。エタノール燃料は、2008年オリンピック開催までにスモッグの問題を軽減することを目的としているのだが、同時に、汚染の少ないこの燃料は、中国のとうもろこし栽培農家を潤す、という利点もある(しかもWTOの通商規則に反しないやり方で、助成金も支給されるのである)

もちろん、アジアにおける持続可能性の全容は、アジアそのものと同じくらい巨大で複雑なものである。アジアの動向は、依然として圧倒的に持続可能でない方向に向かってはいるが、しかし、新たに始まっている取り組みは心強くもあり、絶対に必要なものでもある。何故ならば、アジアの持続可能性なくして世界の持続可能性はあり得ないからだ。




大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

北京の自動車保有台数急増

北京の自動車登録台数は現在200万台、6年前の2倍である。今後5年でさらに150万台の増加が見込まれている。世界でもっとも大気汚染が深刻だといわれる北京は、2008年のオリンピック開催に先立ち、大気汚染および水質汚染の改善に120億ドルを投じる計画である。

「一方、インドでも車の販売台数は急激に伸びている。拡大しつつある中流階級層が、7%の年間経済成長率と低金利に後押しされ、ショールームへ押し寄せているのである。中国とインドに、あわせて10億台のSUV(スポーツタイプ多目的車)、ハマー(軍用4輪駆動車)、ピックアップ・トラックなどがあふれる姿を想像してみて下さい・・・。」

http://seattlepi.nwsource.com/national/138451_pac08.html

ラテン・アメリカの収入格差を埋めるには根本的な改革が必要

ラテン・アメリカとカリブ海諸国は貧富の収入格差が世界で最も大きい地域の一つで、その格差は現在も広がり続けている。最も裕福な上位1割の人々が同地域の総収入の48%を稼いでいる一方で、最も貧しい下位1割の人々は全体の1.6%の収入しか得ていない。世界銀行が新たに出した報告書「ラテン・アメリカとカリブ海地域における不均等」はこの問題を分析し、以下の提言を行っている。

  • 政治的、社会的、経済的な制度の根本的な改革
  • 教育と公的サービスの改善、貧困層への所得移転
  • 先住民族やアフリカ系の人々への救済政策

チャド -石油は発展のため?-

世界で最も貧しく政治腐敗がはびこる国のひとつといわれるチャドが先ごろ宝の山を掘り当てた。お隣カメルーンの港へ通じる650マイル(約1040km)の石油パイプラインが開設されたのである。この世界銀行の支援事業によりチャドには年間8000万ドルの石油収入が入り、国家歳入は2倍になることが見込まれている。世界銀行は融資の条件として、腐敗政治に対抗する斬新な案を打ち出した。石油資金はロンドンのエスクロー(第三者預託)口座に送金され、第三者委員会の監視下で、その資金の80%が教育、医療、インフラ事業に振り分けられることになったのである。しかし計画はすでにつまずきかけている。チャド政府が当初振り込まれた2500万ドルのうち約400万ドルを軍事費として使用してしまったのだ。

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2003/10/11/wchad11.xml&sSheet=/news/2003/10/11/ixworld.html



波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

カリフォルニア州が「ハイテク廃棄物」処理法案を可決

シリコン・バレーを有するカリフォルニア州が電子機器の製造と廃棄に関する革新的な法案を可決した。この新法により、コンピュータとテレビのリサイクルの促進、今後作られる製品に含まれる有毒物質の低減、国外でのコンピュータ分解の安全基準の設置がなされることになる。法律施行のための資金は、州内の電子機器価格への上乗せにより調達される。

http://www.enn.com/direct/display-release.asp?objid=D1D1366D000000F7DA390A1FAE474E8F

重債務貧困国の債務削減へ

国際通貨基金(IMF)と世界銀行が行っている重債務貧困国(HIPC)に対するイニシアチブによって、対象37カ国のうち27カ国の債務救済措置が承認された。この債務救済措置は、対外債務の3分の2を帳消しにし(これにより、770億ドルの対外債務が260億ドルにまで削減される)、それぞれの国の年間債務返済額を30%削減するものである。

http://www.imf.org/external/np/exr/facts/hipc.htm

新しいソーラーパネル -非効率だが、値段はお手ごろ-

現在開発中の新しいソーラーパネルは高価なシリコンパネルに比べ大幅な価格の低下が見込まれている。このソーラーパネルは、従来の素材に比べ、太陽エネルギーを取り込む効率は半減するものの、製造費用は格段に安い。化石燃料の場合、現在1ワット当たりの電力価格は約40セントであるが、ヨーロッパ最大の半導体メーカーが生み出したこの新技術を使用すれば、太陽エネルギーの価格を1ワット当たり20セントにまで下げることが可能となる。この会社は2004年末までに、本格的な試作品第1号を製造する予定である。




時代の最先端をゆく

-変革をリードする展開や開発-

英国の保険会社は、遺伝子組み換え作物の生産者を保障せず

最近の調査によって、英国の大手保険会社5社がいずれも、遺伝子組み換え作物生産農家と保険契約を結ぶのに消極的であることが明らかになった。遺伝子組み換え作物を生産しない農家に対しても、耕地に侵入する遺伝子組み換え植物や花粉による作物汚染の被害については保障を行わない。保険会社は、保障しない主な理由として、環境および健康への長期的影響が非常に不透明である点をあげた。

「このような懸念には十分な科学的根拠がある。英国政府が助成する最新の大規模な研究が立証したところによると、殺虫剤耐性を持つように設計されている遺伝子組み換え作物にはより大量の殺虫剤が使用されるため、周辺環境により重大な影響を与える。」

http://www.guardian.co.uk/gmdebate/Story/0,2763,1057974,00.html
http://news.independent.co.uk/uk/environment/story.jsp?story=454200




はずれている人々

-残念ながら、わかっていない人々-

ドイツの新リサイクル制度が大幅改正

ドイツでは2003年初めに、消費者が缶やペットボトルをリサイクル用に返却することを奨励する新しいデポジット制度を導入した。この制度では、消費者は飲料を購入した店に空き容器をレシートを添えて返却しなければならないが、この同一店舗ルールはあまりにも非実用的で、9月末までに16億の空き容器(および支払われたデポジット)が未返却となっていた。政府は10月1日より、デポジット制度を維持しながら、同一店舗ルールを廃止した。ドイツの小売店にはリサイクル可能容器が殺到し、大混乱となった。

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2003/10/05/wrecyc05.xml&sSheet=/news/2003/10/05/ixworld.html


米国都市の樹木が過去10年間で20%減少

米国の環境保護団体アメリカン・フォレスト(American Forests)が衛星写真を分析した結果、米国の都市の樹木が10年前より20%減少したことがわかった。この調査は448の都市部を対象としたものである。樹木減少が最も著しいのは、米国の南部および南西部のサンベルトの、急速に拡大する都市である。

「樹木と木陰の減少は、確実に都市のヒートアイランド現象を加速するため、エアコン使用量を増やし、地球温暖化につながる・・・」

http://www.planetark.org/dailynewsstory.cfm/newsid/22281/story.htm




波を起こす人々

-変革をリードする人・組織-

ニューヨーク市がグリーン建築設計コンペ開催

ニューヨーク市は持続可能な建築設計のコンペを開催し、分散型発電、太陽発電と風力発電、ブラウンフィールド(訳注:環境汚染などで利用されなくなった土地・設備)開発、水およびエネルギー節約などのグリーン設計原理の模範を示す予定である。このようなグリーン建築はすでに進行中である。最近マンハッタン南端部に最近竣工した27階建ての「ソレール(Solaire)」ビルは、米国初の環境配慮型高層マンションであり、他にもこのようなマンションが5棟、建設中である。ソレールのグリーン建設コストは通常の建設コストをわずか17%上回るだけ

である。同マンションには省エネ型電気設備や、排水をトイレにリサイクルする廃水処理施設、エネルギーの5%を発電できるソーラーパネルが備え付けられている。「ここに住んでいるだけで環境に良いことをしているなんて素敵」とソレールの居住者の一人は言う。

http://www.greenbiz.com/news/news_third.cfm?NewsID=25728

カーボン・ニュートラルを目指すカーシェアリング会社

米国最大のカーシェアリング会社フレックスカーは、同国初のカーボン・ニュートラル企業となることを目指す。同社は最近、保護団体のアメリカン・フォレストによる植林プログラムを通じて自社の二酸化炭素の排出を100%相殺することを確約すると発表した。フレックスカー社は高燃費車を多数保有し、顧客は車が必要な時には予約すればいつでも利用できる。

http://www.flexcar.com/company/pr/pr092203.asp

10月24日は「自分の時間を取り戻す日」

アメリカ人の労働時間は、生活の質指標が米国と同等またはそれ以上であるヨーロッパの国の人々と比べると、1週40時間として年間で9週間も多くなっている。アメリカ人の働き過ぎに注意を喚起するために、大晦日の9週間前にあたる10月24日が「自分の時間を取り戻す日」と宣言された。新たに生まれたこの日は、労働時間の減少がいかにアメリカ人の健康を守り、家族や友人との絆を深め、市民参加を拡大し、地域社会や自然環境を改善することができるかについて、広く一般に議論を起こすことを目的としたものである。

「その一方、ヨーロッパでは、働き過ぎのアメリカ人に遅れをとらないために労働時間を増やすべきかどうかという議論が始まっている」

http://www.timeday.org




水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

カリフォルニア州、輸入を増やして自州の伐採を減らす

カリフォルニア州では、自州の森林保護という点では改善がすすんでいるが、州民の木材製品への需要が減少したわけではない。カリフォルニア州は現在、自州の木材生産量を過去20年で最低の値まで下げ、木材・紙製品の75%を州外から輸入している。これによって、主に米国他州、カナダ、ヨーロッパなど他の地域の伐採量が増加した。この問題はカリフォルニア州に限ったものではない。

米国全体でみても、自国の生産量をはるかに上回る木材を消費している。米国で消費される軟質木材は、50年以内に、全体の3分の1から2分の1が輸入でまかなわれるようになると見込まれる。

「これは、他の地域に与える影響を数字で表した『エコロジカル・フットプリント』や『リュックサック』が非常に有用な考え方であることを示すほんの一例である」

http://www.sacbee.com/content/news/environment/story/7543509p-8485067c.html
http://www.lead.org/leadnet/footprint/intro.htm




難破船

-タイタニック級の悲しい知らせ-

地球温暖化の最新情報 -氷の融解と海面上昇がすすむ

  • 米アラスカ州は地球上で最も気温の上昇が激しい。過去30年間に全世界の平均気温は1度上昇したが、アラスカ州では2.3度も上昇した。その影響はひじょうに深刻だ。海氷や氷河、永久凍土が溶け、生態系が変わり、甲虫の大発生によって、イエローストーン国立公園の面積の2倍にあたる地域で木が枯れ果てた。
  • 北極圏最大の氷棚であるウォード・ハント・アイスシェルフが崩壊して、二つに割れた。この氷棚はカナダのエルスミア島の北岸を覆っている。

アルゼンチン南部とチリにまたがるパタゴニア氷河は、1975年の2倍のスピードで溶けており、これによって、地球の海面が1年間に0.1ミリ上昇している。分離しやすい性質をもつこの地域の氷河は気候変化に非常に敏感であるため、パタゴニアは氷河の後退が世界で最も著しい地域となっている。

http://www.nature.com/nsu/030929/030929-8.html
http://www.iisd.ca/media/climate_atmosphere.htm
http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/3200450.stm

ブッシュ政権が絶滅危惧種の輸入許可を提案

1973年の制定以来、米国の絶滅危惧種保護法は絶滅の危機に瀕した動物の輸入を防ぐものと思われてきたが、ここにきてブッシュ政権は、絶滅危惧種の国内での販売をその生死にかかわらず限定的に許可しようとしている。原産国が保護のための資金を生みだせるように、という触れ込みだ。だが、自然保護を唱える人たちの間では、絶滅の危機にある動物の捕獲や殺傷に金が支払われることによって、自然保護に関する現在の問題がさらに悪化する可能性が高いと危ぶまれている。




推薦図書

建築、計画、開発に関する読み物

PLANetizenの都市計画関連ウェブサイト・トップ50

計画と開発に関する人気サイトPLANetizen(プランネティズン)。このPLANetizenが毎年発行している都市計画と開発に関するウェブサイト・トップ50のカテゴリー別リストが、先ごろ発表された。

http://www.planetizen.com/sites/

建築設計士のための10の基本概念

建築家ハル・レビンがまとめたこの報告書は、建築設計における持続可能性を評価するための包括的アプローチの概要を示している。

http://www.greenbiz.com/toolbox/reports_third.cfm?LinkAdvID=43075

高性能の建物のためのガイドライン

環境にやさしく資源効率の高い公共施設をいかに計画、建設、運営するかについて幅広い情報を提供している。

http://www.greenbiz.com/toolbox/tools_third.cfm?LinkAdvID=43140

乱開発から守る市民向けガイド

地域社会・環境保護サービス(CEDS)は、市民が自分たちの地域を乱開発から守るのに役立つような情報をインターネット上で無料で提供している。2ページ見開きのガイドがたくさん用意されており、開発事業を阻止する方法から、市民が悪影響軽減のために開発業者と連携する方法まで、実用的な戦術・戦略が紹介されている。

http://www.ceds.org/publications.html

民間セクターに関するニュースの切り抜き

オンラインで発行される「レイチェル・ニュース」775号は、財界リーダーがたとえ望んだとしても持続可能な路線を追求できないのは、立場上、行動に制約があるためだと指摘している。
http://www.rachel.org/bulletin/index.cfm?St=3

規制は環境技術革新の重要な推進力となることが、新たな研究で判明した。
http://www.greenbiz.com/news/news_third.cfm?NewsID=25681

農家や農村地域の企業による、持続可能な発展に根ざした事業計画立案を支援するため、280ページのガイドブックがミネソタ大学で制作された。
http://www.misa.umn.edu/publications/bizplan.html

環境経営を学べる最先端の経営大学院をリストアップした報告書が新たに発行された。
http://www.greenbiz.com/news/news_third.cfm?NewsID=25768

産業界とNGOがパートナーシップで環境改善に取り組む際に生じる課題と可能性を明示した報告書が発表された。
http://www.greenbiz.com/news/news_third.cfm?NewsID=25734

州政府・地方自治体ガイド

米国内の地方自治体向けのオンライン環境計算モデルがまとめられた。このモデルを使うと、飲料水、エネルギー、金融、有害廃棄物、固形廃棄物、賢明な成長、雨水、都市部の林業、下水、分水計画といった分野で環境戦略をとることによって、どれだけの予算が削減できるかが迅速に計算できる。
http://www.lgean.org/html/toolbox.cfm

米国各州で実施されている地球温暖化対策の事例をまとめたオンライン・データベースを紹介しよう。
http://www.greenbiz.com/toolbox/reports_third.cfm?LinkAdvID=43122

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seki 2005-06-15T00:04:09+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第3号  (2003年9月5日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050614_233458.html トップ・ニュース

持続可能性報告は課題を抱えながらも進捗

持続可能性報告に自発的に取り組む企業が増えている。グローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)によると、これまでに2,000社以上が環境、社会、あるいは持続可能性に関する報告書を自発的に発行し、そのうち300社以上はGRIが提案したガイドラインを使用していた。

GRIは独立した国際機関で、持続可能性報告を標準化する目的で設立された(財務報告に一連の会計実務の基準があるのと同様である)。GRI持続可能性報告ガイドラインは、組織が経済、環境、社会的パフォーマンスを報告する際に要求される情報の枠組みを示したものである。

GRIのガイドラインは要求水準が高すぎると不満をもらす企業もある一方、自社の報告書にこのガイドラインを取り入れる企業も増えている。とりわけ環境面での取り組みを問われたフォードおよびウェアーハウザー社の2社は、最近GRIの枠組みに基づいた企業市民レポートを発表した。カナダの電力会社であるBCハイドロはいち早く、通常のアニュアルレポートにGRIのトリプル・ボトム・ライン(経済・環境・社会的パフォーマンスの3要素)を全面的に取り入れた。

株式市場全体でこの流れに参加した例もある。2003年9月1日現在、ヨハネスブルグ証券取引所に上場している全企業は、社会・環境パフォーマンスを開示する際GRIのガイドラインに沿うことが義務づけられている。

その一方GRIのガイドラインは厳密さに欠けているとの批判もある。企業がパフォーマンスの善し悪しを正確な数値で表す代わりに、大まかな方針を公表することでよしとする場合があるからだ。GRIに基づいて作成された多くの報告書は、第三者認証がないために信憑性を疑われている。このような問題を解決するため、イギリスの組織、アカウンタビリティは(前述のような)社会・環境報告について新たに「実体性」を与える規格を提案した。アカウンタビリティの規格により、企業の持続可能性報告書は裏づけのある正確さをより一層求められることになるだろう。

ますます高水準になる報告基準を歓迎するむきも多いが、それがいくぶん皮肉な結果を招くことになるかもしれない。つまり、持続可能性の取り組みを報告書に盛り込もうという企業の熱意に冷や水を浴びせることになるかもしれないのだ。企業にとってリスクが大きいからだ。

最近、米国連邦最高裁判所で争われたナイキに対してカスキー氏が起こした訴えでは、ナイキ社はアジアで不法労働者を使用していることに関して、不正確な表現をしたとして訴えられていた。下級裁判所に差し戻されたこの件では、最高裁はアメリカ企業がGRIに基づいた報告書などの企業コミュニケーションのなかでの虚偽あるいは不正確な表現が、訴訟の対象になるのかどうかについては明確な答えを出さなかった。このような訴訟問題は企業に、真実に基づき正確な報告を行うよう圧力をかけるものだが、しかし、アメリカ企業は、当面の間そのような報告書を出そうとする意欲をそがれることになりそうだ。

「持続可能性報告をめぐる基準は混乱期にあるが、この分野は始まったばかりだ。財務会計基準もまた長い生みの苦しみを味わい、ご存知のように、今だに混乱の真只中だ」

http://www.globalreporting.org
http://www.accountability.org.uk
http://www.socialfunds.com/news/article.cgi/article1197.html
http://www.weyerhaeuser.com/environment/sustainability/2002/default.asp
http://eww.bchydro.bc.ca/info/reports/reports853.html


時代の最先端をゆく

-変革をリードする動向-

ヨーロッパの法律がカリフォルニアの環境政策を刺激する

長い間、米国の環境政策において進歩的リーダーと考えられてきたカリフォルニアが、現在、欧州連合の動向を後追いする姿勢を見せている。サンフランシスコ市は最近、ヨーロッパの環境政策の中核を成す「予防原則」を採用した。この原則は、損害を与える可能性のある技術の承認には、慎重を要するというものである。

昨年、カリフォルニア州議会は、温室効果ガス削減法案を可決し、またつい最近、欧州連合で既に禁止が予定されている2種類の難燃剤について、その使用を違法とした。経済規模の大きさから、カリフォルニア州の法律は全米における産業行動を変えるだけの影響力を秘めている。政策通はこれを「カリフォルニア効果」と呼ぶ。「古かった」はずのヨーロッパでは、サーファー好みのいい波が打ち寄せている。持続可能性を提唱する人々にとってヨーロッパは、新たな戦略を生み出す源泉として浮上してきているのである。

http://www.bayarea.com/mld/mercurynews/news/local/6376896.htm


波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

グリーンコンシューマーの新しい呼び名

もしあなたが健康で持続可能なライフスタイルを追求しているのなら、あなたもLohas (Lifestyles of Health and Sustainability) の一人である。これは、環境や社会問題を考慮に入れてモノを購入する消費者を指すことばとしてマーケティング担当者が考案した造語だが、この呼び名の産みの親である米国の調査・コンサルティング会社、ナチュラルマーケティング研究所は、成人人口の3分の1がLohasであろうと予測している。 

しかし、もしそれが事実だとすると、彼らのすべてが考えていることを購買行動に表してはいないようである。最近行った調査によると、回答したアメリカ人の40%が自然食品・飲料を買ったことがあると答えているが、米国で1年間に6,000億ドルにも及ぶ食料品・飲料品の売上のうち、このような商品が占める割合は2%に過ぎない。

「Lohasジャーナルという、もっぱらLohas向けのマーケティングのこつを掲載した刊行物さえ発行されている。この雑誌は、少ないモノで生活したいと思う人たちのための高級ショッピング情報誌、『仮邦題:実にシンプル』(Real Simple)に少し似ているかも」

持続可能な世界への鍵を握る巨大消費者

ワールドウォッチ研究所の新しいレポートは、今後、企業、政府、大学、国際機関といった巨大な消費者が、持続可能な世界をもたらすために極めて重要な役割を担うだろうと報告している。これらの巨大な消費主体は、毎年数十億ドルもの支出を行い、世界でもっとも脆弱な生態系の健全性に対し、悪影響を及ぼしている。『購買の力:人と地球のために組織的調達を役立てる』という報告書には、巨大消費者の一元化された購買戦略が、経営者、調達担当者によるたった一回の決定を通して、いかに巨大で実際的な影響をもちうるのか、ということについて詳しく述べられている。


はずれている人々

-残念ながら、わかっていない人々-

オゾン層に回復の兆しが見えるなか、モントリオール議定書をゆるがすアメリカの行為

米国航空宇宙局(NASA)が収集した最近の証拠は、オゾンの破壊速度が著しく鈍化したことや、数年以内に超高層大気圏内でオゾンの回復が始まるかもしれないことを示している。モントリオール議定書の取り決めに従い、オゾン層を破壊する化学物質の禁止措置がこのまま続けば、21世紀中には上層大気圏全体は完全に回復すると考えられている。

しかし、最近のアメリカの行為によって、モントリオール議定書の取り決めが脅かされつつある。アメリカは、オゾン層への最大の脅威として先進工業国の間でいまだ存在している農薬、臭化メチルの使用を増やそうとしているのだ。この化学物質は、モントリオール議定書により2005年に全廃することが決められているが、ブッシュ政権はこれを議定書の対象から除外することを要求している。そうなれば臭化メチルの使用量は3倍に増加する恐れがある。

「ノーコメント」

http://news.nationalgeographic.com/news/2003/08/0805_030805_ozone.html
http://www.salon.com/news/feature/2003/08/20/ozone/index_np.html

テスコ、熱帯雨林で違法伐採された材木の販売で環境団体から除名

イギリス小売業最大手のテスコは、インドネシアの熱帯雨林で違法伐採された材木を販売したとして、グリーン・トレードを推進する団体から除名された。テスコを追放した団体は、イギリスの世界自然保護基金(WWF)が運営する、倫理的な貿易を推進するグループ「95+Group」である。

インドネシアは丸太の輸出を禁止しているが、その丸太から作られた堅木製のガーデンファニチャー、数百万ポンド相当を販売したというのがその理由だ。「95+Group」の責任者であるレイチェル・ヘムベリー氏(Rachel Hemberry)は、テスコは、「95+ Group」が提示した今回の材木の調達に関する重要な質問への回答も拒否したと話す。「テスコはこうした問題点に理解を示さず、グループの目的に対して真剣に取り組んでいない」とヘムベリー氏は語った。

http://www.sundayherald.com/35730


大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

荒波にもまれ、放水を受ける原子力

地球温暖化の解決策として原子力を推進するのはだれだろうか? 原子力事業者はもちろんである。しかし、原子力への依存度が高いために二酸化炭素の排出量が少ないという恩恵を受けているフランス国民は、この夏の暑さで原子炉の冷却系統が危険水域に達したことをきっかけに、初めて多くのことを考え直すようになったかもしれない。ライン川沿いにある原子炉ファッセンハイム(Fassenheim)は危険なほど高温となり、外側からホースで水を噴射された(この見ものはフランスのテレビで放送された)。

経済専門の保守的な週刊誌「英エコノミスト」でさえ、原子力は優良な投資ではなく、かつ安全性リスクは低くはないという結論を下している。一方、アメリカ議会は、「壊滅的な事故」が起きた場合に、政府が原子力事業者に対して無制限に保証を行うというプライス・アンダーソン法の適用を延長することになりそうだ-保険各社がテロ関連リスクを補償対象外にしようとしているまさにこの時期にである。

皮肉にも、温暖化がアラスカの石油探査を妨害

企業がアラスカ州ノーススロープで石油探査を行うことができる年間の日数が、気候の温暖化によって減少しつつある。ツンドラ地帯で重い器材を運ぶには、十分な積雪と氷量が必要とされているが、こうした雪や氷に覆われている日数は、1970年の年間200日に対して、現在はその半分しかない。

http://www.planetark.org/dailynewsstory.cfm/newsid/21716/story.htm

アメリカの交通システムといえば、高額、補助金、そして不健康

自動車中心型の交通システムは、アメリカ市民にとって(過重な)経済的負担となっている。陸上交通政策プロジェクト(Surface Transportation Policy Project)の最新レポートによると、現在アメリカの平均的な家庭では、収入の19%を交通費に充てており、最貧困家庭では、家計に占める交通費の割合は40%を超えているという。

こうしたコストは単に高いというだけにとどまらない。ミネソタ州のある調査では、車の利用者が恩恵にあずかる年間の補助金額は、公共交通機関への補助金額の20倍近くであることも明らかになっている。車の利用者はコストを自分で負担しているものだと信じている人々にとって、これは意外な結果かもしれない。しかしながら、彼らの健康という話になれば、頻繁に車を利用する人はおそらく相当なコストを負担しているといえよう。つまり、アメリカの最近の調査によれば、郊外に住む人の体重は都会に住む人の体重に比べると、平均して 6ポンド(約2.7キログラム)上回っているという。

「公共の交通機関に財政投資を積極的に行い、かつ交通機関の選択肢の幅をもっと広げれば、交通費を減らし、その上アメリカ人の胴回りを細くするのにもひと役買うことができそうである」

http://www.tlcminnesota.org/funding/subsidies.html
http://www.transact.org/news.asp?id=24
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/3192821.stm


聞き逃した話

-知る人ぞ知るニュース-

新たな素材「トウモロコシから作られたプラスチック」を知っていますか

アトキソン社(AtKisson, Inc.)では、最近あるニュースが話題になり、社内で興味深い議論へと発展した。それは、トウモロコシを原料にしたプラスチックは、化石燃料を原料にした既存のものより、本当に気候にやさしいのか、というものだ。

どうやら、通常はバイオマスからプラスチックを製造する方法のほうが、化石燃料を使用する方法より、多量の温室効果ガスを排出するらしい。明らかに皮肉なこの事実は、『サイエンティフィック・アメリカン』誌の2000年8月号に掲載された「グリーン・プラスチックはどのくらいグリーンか?」という記事に書かれている。なぜ「グリーン・プラスチック」が実際にはそれほどグリーンにならないかというと、バイオマス原料を使用可能なプラスチックに変換するためには、より大量のエネルギーを必要とするからだ。このエネルギーは通常--もうお分かりのあの--化石燃料から作り出される。この批評は、我々にバイオ・プラスチックに関する主張への疑問を残した。

ところが、我々はこの製品に関する詳細なライフサイクル分析(LCA)報告書にも偶然行き当たった。ポリラクチド(PLA)の製造メーカーである米カーギル・ダウ社(Cargill Dow)がまとめたものだ。PLAとは最近話題になった、「コーンテナ」と呼ばれるトウモロコシからつくられたプラスチックで、『サイエンティフィック・アメリカン』誌で化石燃料と同程度の温室効果ガスを排出するバイオマスプラスチックとして認められたものだ。

報告書によれば、再生可能なエネルギー源(中西部には風力とトウモロコシが豊富にある)を使えば、PLAは他のプラスチックに比べて温室効果ガスの排出量が少なくなるという。実際に、PLAは一時的に大気中の炭素を取り込んでおり、その状態のまま有用な製品となり、埋め立て地に廃棄されたあとは、分解されるまでその中に炭素を蓄えている。

カーギル・ダウ社はPLAが近い将来、本当にグリーンな代替品となることを期待している。 教訓その1)産業界の言い分は鵜呑みにしないことが大切。 その2)企業による誠実で正直な自己調査は、持続可能性の持つ複雑な問題の解決に大いに役立つ。

http://www.sciam.com/article.cfm?articleID=0000D61F-E193-1C73-9B81809EC588EF21
http://www.ciclodevida.ufsc.br/artigos/ciclodevida10.pdf


波を起こす人々

-変革をリードする人・組織-

男性用避妊薬の夜明け

簡単で安価なこの新しい男性用避妊注射薬は、世界の避妊法を大きく前進させるかもしれない。(オンラインマガジン)「グリスト(Grist)」ではその可能性と課題について特集記事で詳しく解説している。

http://www.gristmagazine.com/maindish/schulman081303.asp

100社中たった2社、でもゼロよりはまし。

『フォーチュン・スモール・ビジネス』誌で、アメリカで最も急成長した企業100社ランキングに、有機栽培食品の卸売り業者2社が選ばれた。グリーンマウンテン・コーヒー社(バーモント州)とホライズン・オーガニック社(コロラド州)だ。ランキングのほとんどは、医薬品会社か銀行が占め、賭博業者が数社、そのリストに彩りを添えていた。

http://www.fortune.com/fortune/smallbusiness/Fsb100/articles/0,15114,460814,00.html


推薦図書

未来の持続可能性企業のブロンクス小史

持続可能性の大きな課題の1つは、利益を生みながら、社会的、環境的目的が追求されるよう、企業運営の方法を変換しようとする試みである。最近出版された2冊の本には、ブロンクス地区において環境に優しい資本主義を推し進めるアレン・ハーシュコビッツの取り組みが描かれている。彼のブロンクス・コミュニティ製紙会社(Bronx Community Paper Company)が、ニューヨーク市で出る紙くず、古紙を地元新聞社の新聞印刷用紙に変えようと、試行錯誤を繰り返した様が事細かに記されている。ハーシュコビッツ自身が書いた『ブロンクス・エコロジー』(Bronx Ecology)、そしてリス・ハリス著『既存の工場への挑戦』(Tilting at Mills)の2冊は、持続可能な冒険的新規事業を考える読者に、先人の経験を通した知恵を授けてくれる本である。

ハインツセンター刊『米国における生態系の現状』

2002年秋に出版されたこの報告書は、米国における環境指標報告の基準となっている。本書は、事実に基づいた客観的な立場で、103の環境指標に関して全国から集めたデータを紹介している。科学的に適正で中立的なこの指標は、企業、環境団体、大学、連邦、州、地方の各政府機関に属する150名の個人によって選ばれた。

http://www.heinzctr.org/ecosystems/

『産業界の天才:気候と破壊されるオゾン層を守る人々と発明』ステファン・O ・ アンデルセン(Stephen O. Andersen)、ドュアウッド・ザエルケ(Durwood Zaelke)著

2003年7月に出版された本書は、気候と(あるいは)オゾン層を保護するのに役立っている、10の重要な技術革新を陰で支えた企業や人々に焦点を当てている。利益を上げながら、環境を保護する新技術を取り入れる過程での挑戦と成功が詳しく書かれている。

http://www.greenleaf-publishing.com/catalogue/genius.htm

持続可能な開発に向けたEUの戦略

本号の第2セクションで、カリフォルニア州がEUの環境政策から刺激を受けているということに触れた。持続可能な開発に向けたEUの戦略に関する情報をネット上で読み、今度はあなたが刺激を受ける番である。2001年6月、エーテボリの欧州理事会で採択されたその戦略は、次の4つの重要な優先事項に焦点を当てている。気候変動とクリーンエネルギー、公衆衛生、天然資源の管理、輸送と土地利用である。下記のサイトは、関連情報のリンクが素晴らしく充実している。

http://www.euractiv.com/cgi-bin/cgint.exe?204&OIDN=2000668&-home=home

『地域社会におけるバイオミミックリー:資源共有の営み』オンノ・クールマン

バイオミミックリーとは、自然界の最良のデザイン、プロセスを真似て、人間界の問題を解決すること。この記事は、地域社会全体をデザインするモデルとしてどのように自然を利用できるか、ということを論じている。

『21世紀前半における中国での持続可能な開発に向けた行動計画』

この報告書には、中国政府の持続可能な開発戦略の実施計画が詳しく述べられている。

http://english.peopledaily.com.cn/200307/26/eng20030726_121013.shtml

『気候変動が及ぼす影響に関する2000年国家評価』

この米国の報告書は、政府と民間の科学者が10年余りかけてまとめたものである。著者たちは、コンピュータモデルや過去の気候データを用いて地球温暖化のシナリオを探求した。保守系シンクタンクである「競争事業研究所」(Competitive Enterprise Institute)は、地球温暖化は現実に経済、環境、あるいは健康上のリスクをまったく引き起こさないと主張し、この「人騒がせな」報告書をめぐってブッシュ政権を訴えた。 

「まだ間に合ううちに手に入れよう」

http://earth.usgcrp.gov/usgcrp/nacc/


読者から

ご意見、ご感想、訂正

追加情報:インドの風力発電

前号の風力発電の記事に関して、アトキソン・ネットワークの一員で、インドを活動拠点とするアロマー・レビ氏から、インドには、ドイツ、アメリカ、スペイン、デンマークに次いで、世界第5位の風力発電基地があるというご指摘を頂いた。インドでは1860メガワットの電力を発電しており、最近、さらに進んだ風力発電への道を容易にする新電力法可決された。

http://www.windpowerindia.com/index.asp

訂正:アマゾンの大豆栽培

大豆栽培がアマゾン川流域における森林消失の一因となっているという状況を伝えた前号の記事で、「今や牛と並んで、豆腐ですらその責任の一端を担っている」と皮肉を述べた。ウェーブフロントの読者であるサット・ジーワン・カルサ氏が、そうした大豆の87%は実際には欧州の家畜の餌になるのだという調査をご提示下さり、われわれはその問題についての見解を正すことができた。

http://www.fguide.org/Bulletin/soy.htm


漫画

ご意見、ご感想、訂正

高月 絃教授による環境漫画

高月 絃教授による、この傑作漫画作品集をぜひとも見てみよう。ジャパン・フォー・サステナビリティのサイトで読むことができる。
http://www.japanfs.org/en/cartoon/

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seki 2005-06-14T23:34:58+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第2号  (2003年7月21日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050613_235354.html トップ・ニュース

今月はトップニュースにしたいものが2つあります。良いニュースと悪いニュース……どちらから先に読むかは読者の皆さん次第です!


悪いニュース:地球温暖化の警報を鳴らす異常気象

世界気象機関(WMO)による今回の発表は、最近の異常気象と地球温暖化現象を関連づける異例の報告だった。WMOは、世界の気象事象を伝えるいつもの抑制のきいた語り口とはうって変わった強い調子で、ここ数週間の間に世界各地で起きている気象と気候の記録的な異常事態を訴えたのである。

例を挙げると・・

  • スイスで、250年の観測史上最も暑い6月を記録。
  • アメリカで、5月に過去最多の竜巻が発生--1ヶ月間で562個。
  • アメリカ南西部で、異例の低温多湿気象。
  • インドで、雨期の前のプレモンスーン期に熱波が襲来。最高気温が平年より2~5℃高い49℃に達し、その影響で少なくとも1,400人が死亡。

WMOが伝えるところによると、これらの記録的な異常気象はまさに地球温暖化が引き起こすと予想されてきた事態と合致するものであり、しかも近年増加の一途をたどっている。最新の分析結果は、20世紀は、おそらく過去1,000年で北半球の気温が最も上昇した世紀であることを示している。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ0b44te0e/


良いニュース:風力発電が世界の主要なエネルギー源となる見込み

アメリカのアースポリシー研究所の発表によると、世界の風力発電の可能性は、以前の予想をはるかに上回っている。これは、科学技術が進歩していること、発電コストが低下していること、利用できる風量の増大が見込めることによる。

科学技術の変革で、風力発電の価格は急落した。主要な風力サイト【訳注 風の強い一定の場所で、風力タービンが10基、20基 或いは何千基と設置される】では、1980年代初期に1キロワット時(kWh)あたりの単価が38セントだったが、今では約4セントである。最近アメリカやイギリスで結ばれている風力発電の契約では、1kWhあたり3セントで電力を供給しているが、専門家は、平均価格が将来さらに安くなることを予想している。それに対して石炭による発電の場合、アメリカでの平均単価は7セント弱である。

こうしてみると、風力発電が世界で最も急成長しているエネルギー源であり、7年間で6倍に増えて2002年には発電量が3万1100メガワットに達した、という事実は驚くに当たらない。現在、全世界の風力発電量は、ヨーロッパに住む4,000万人分の電力需要に相当する。

では、変革をリードしているのはどこの国だろうか? デンマークでは現在、電力の20%を風力発電が占め、風力発電の占める割合が世界第一位である。ドイツの風力発電能力は1万2000メガワットで世界一で、世界の風力発電能力の総計の39%を占める。イギリスでは、貿易産業省が最近、洋上風力発電所の開発を承認した。それによって、2010年までに新たに最大6000メガワットの電力を供給できる見通しで、これはイギリス国内の900万人--グレーターロンドン(ロンドン首都圏)の全住民を上回る人口--の家庭用電力を十分にまかなえる電力である。

「グリーン電力使ってますか? 電力会社の多くは、消費者が再生可能なエネルギー源の電力だけを購入できるプログラムを用意していますよ。うーん……しかし残念ですね、地球温暖化で発生したあの竜巻で風力タービンを回せればいいんですけどね」。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ1b44te0e/
http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ2b44te0e/



時代の最先端をゆく

-変革をリードする動向-

オーストラリア、ビクトリア州では「グリーン・ハウス」法成立

オーストラリアのビクトリア州では、2005年7月以降建てられる全ての住宅に太陽熱温水器もしくは雨水タンクの設置を義務付ける法律が成立した。さらに政府の定めた「ファイブ・スター」エネルギー基準を満たすことも義務付けられる。政府によれば、ビクトリア州の新築家屋の環境効率は、従来家屋より50%向上し、オーストラリアで最も高いものとなる。一方、業界筋は、新築家屋の値段がフル装備により約3,300オーストラリアドル引き上げられるだろうと見ている。


オーストラリアの車に燃費などの新表示

オーストラリアから持続可能性を向上させるニュースがもう一つ。新型車には、燃費だけでなくCO2排出量も記載した消費者向けの新表示が貼られることになった。オーストラリアで温室効果ガス排出量増加が最も顕著なのは運輸産業である。この表示は、購入する車両の環境性能を知るのに役立つだろう。

「『持続可能性の超大国』を目指すというオーストラリア人の言葉を先月お伝えしたが、どうも彼らは本気のようだ。」

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ4b44te0e/


EU、温室効果ガス排出量取引

7月2日、欧州議会は世界初の多国間での温室効果ガス排出量取引制度を創設することを承認した。2005年に施行されるこの法律は、EU域内の工場1万ヶ所からのCO2排出量に上限を割り当て、排出枠売買を認めるものである。排出枠取引市場は年間80億ユーロになることが見込まれており、世界最大の排出量取引制度となる。

「排出量取引制度は米国においてSO2(亜硫酸ガス)排出量の急激な減少をもたらし、経済的にも優れていることが立証された。EUはこの画期的な新制度に本腰をいれ始めている。」

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ5b44te0e/



水面下では

-最近の持続可能な発展の深層に迫る-

豊かであっても幸せとは限らない

最新の報告「繁栄を定義しなおす」のなかで、イギリスの持続可能な開発委員会は、経済成長ではなく、市民の真の生活の質を改善することに専念するよう、イギリス首相に促した。報告では、GDPが上昇してもイギリス国民の生活満足度は改善されていないという明白なデータが示されている。ジョナサン・ポリット委員長は「人々が渇望している生活の質の向上や個人的な幸福は、成長に固執した発展モデルからは生まれない。豊かになっても、人々がより幸せになるわけではないことが証明されたのである」と述べた。

「2番目のリンク先のグラフをご覧あれ。百聞は一見にしかず。」

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ6b44te0e/
http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ7b44te0e/




波に乗る

-時流を伝えるストーリー-

イスラム経済会議が持続可能な開発を議題に

バーレーンで2003年10月7日から9日まで開催される第5回イスラム経済金融国際会議では「イスラム諸国における持続可能な開発およびイスラム金融」が議題にのぼる。同会議では、持続可能な開発計画におけるイスラム金融機関の役割、環境の持続可能性、グローバリゼーションの影響など、イスラム諸国の経済金融問題を幅広く討議する。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ8b44te0e/


「建物解体」が材料や資金の節約に

「建物解体運動」は、解体された家屋から利用可能な建築資材を回収し、資源や材料を保全しようという運動である。サンフランシスコで発表されたある報告は、起業家たちがどのようにドアや床材、窓などの資材を回収し、新築家屋に趣を与えると同時に廃棄物を減らしているかを伝えている。自治体の中には、再生資材への税金控除により運動を支援している所もある。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ9b44te0e/




はずれている人々

-残念ながら、わかっていない人々-

アメリカ、持続可能性の格付けで降格

調査会社のエコム・リサーチ社(本社:ドイツミュンヘン)は、最新の先進諸国の持続可能性格付けでアメリカが順位を8つ落とし、下位2割に入ったと発表した。この2003年国別格付けレポートで、アメリカが17位から25位に順位を下げた大きな理由は、最近の人権政策や環境政策の変容にあると特定している。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKab44te0e/

「我々は、この格付けに対するアメリカ政府の公式回答を探し出すことはできなかった」。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKab44te0e/



スコットランドの企業は環境への配慮が不十分

この5年間で、企業に対する女王賞の「環境」部門を受賞した企業は、イギリス内のほかの地域が45社であるのに対し、スコットランドでは1社しかなかった。持続可能な開発に対するこの賞は、汚染を最小限に抑え、エネルギー効率を向上させた企業を表彰するものである。英国産業連盟(CBI)スコットランドのアラン・ホガース氏によれば、この結果はフェアではないという。「なぜなら、ほかの地方の人口が4,500万人であるのに対して、スコットランドの人口は500万人だからだ」。 

「まあ、イングランド人は、何世紀も前にスコットランドの森林を切り払って今ではそれが「自然」だと思われている景観を作り出したわけだが、そのことや、スコットランド人から木陰も森からのインスピレーションも奪ったことで賞をもらってはいないね」。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKbb44te0e/


加速するアマゾンの森林破壊

ブラジルのアマゾンでは、森林消失面積が1年間で40%急増した。政府はこの問題に対処するため、緊急対策を打ち出すと表明した。ブラジル環境省が明らかにした2002年の森林消失面積の暫定値は、ハイチ共和国の面積より若干狭い25,476平方キロメートルである。森林消失のほとんどは、採鉱、違法伐採、そしてとりわけ農地開発-その多くは大豆畑である-のための焼き払いや伐採によるものだ。

「最近、アマゾンの森林消失を招いているのはハンバーガーだけではない。今や豆腐ですらその責任の一端を担っている」。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKcb44te0e/



大波警報

-進歩への脅威と障害になりかねないもの-

北欧のローカルアジェンダ21にブレーキ

1990年代、北欧諸国は、持続可能性に向けた地方自治体の取り組み「ローカルアジェンダ21」(LA21)の実施で世界をリードしていた。しかし、オスロ大学の研究者らによると、近年、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでその取り組みが失速してきたという。一方で、ローカルアジェンダ21の取り組みが進んでいる国もあると指摘している。例えば、デンマークはその活動のペースを維持してきたし、アイスランドが「熱心な新規参入者」として表舞台に登場してきた。1992年のリオデジャネイロの地球サミットで打ち出されたローカルアジェンダ21

は、2002年のヨハネスブルグ・サミットで引続き世界各国から支持を受けた。

「ストックホルムにある研究所から我々は、予算や人員の削減という点で、この取り組み全体が「失速」し、革新の勢いが鈍化したのを直接見て取った。しかし、中にはこうした流れに逆らって活動してきた自治体もある。従来ローカルアジェンダ21は環境目標に焦点を絞ってきたが、これらの自治体ではその焦点を拡大して、社会、健康、経済発展の課題をもっと有意義な形に統合することで、その取り組みを行っている」。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKdb44te0e/




推薦図書

地球環境の動向がわかる書籍

地球の持続可能性関連の動向を示す良質の報告書が最近いくつも出た。このテーマについて最新の情報を得る必要があれば、次のような書籍をあなたの本棚に加えるといい。以下、最新のものから順に列記する。


『世界の資源と環境2002-2004(概要):地球のための決断:バランス、声、力』

本報告書は、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)、世界銀行、世界資源研究所(WRI、本書の発行者)のユニークな共同事業からうまれた。7月10日に発表されたこの最新刊は、良好な環境ガバナンスの重要性に着目し、世界各国の環境ガバナンスの状況を査定している。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKeb44te0e/


国連人間開発報告書2003

7月8日発表。開発戦略は、経済成長だけでなく、財とサービスのより公平な分配に注目しなければならないと強調する。多くの国が富の増大を享受する一方で、発展途上国54カ国(そのほとんどがサハラ以南のアフリカ)では過去10年間に平均所得が減少しているのである。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKfb44te0e/



世界銀行『世界開発指標2003』

世界銀行が開発の動向に関する1年間のデータをまとめた主要報告書(2003年4月13日発表)。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKgb44te0e/


アースポリシー研究所『エコ・エコノミー指標』

レスター・ブラウン氏率いる研究所が、地球に関する最高レベルの指標を見事にまとめ上げた。(ブラウン氏はワールドウォッチ研究所の創設者でもあり、世界で最も熟練した地球の動向の観察者である。)

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKhb44te0e/


国連『地球が直面する課題、地球に与えられたチャンス:持続可能な開発における重要な動向』

2002年のヨハネスブルグ・サミットに向けての準備段階で発表された。明快なグラフを示しており、環境と開発の動向の概要が即座にわかる。プレゼンテーション資料の作成に重宝する。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKib44te0e/




さらに……

ワシントンの『持続可能性の実践ガイド』

持続可能性とは一般論として何を意味するかを思い出したい人、あるいはその概念を他人に伝えたい人にとって役立つ入門書が、アメリカのワシントン(北西部の州。首都ではない)でまとめられた。

http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKjb44te0e/


『資源がもたらす呪い』(resource curse)に立ち向かう

世界的な大富豪の一人であるジョージ・ソロス氏が、天然資源に恵まれた発展途上国が直面する「資源がもたらす呪い」に世界で取り組む試みについて、新聞の論説欄に興味深い論評を寄せた。このような国は、圧制的あるいは腐敗した政権が支配していたり、武力闘争のために不安定だったりすることが多い。資源を扱う企業から政府への支払いの透明性を高めることが、状況を改善する重要な方策だ。

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オランダの持続可能性と繁栄を進める努力

世界の持続可能性への取り組みを先導するオランダがこれまでに行ったことについての非常におもしろく有益な読み物として、是非ともこの雑誌『アウトサイド』の特集記事を一読するといい。「地球上で最も環境に配慮した社会」になることは、経済的な損害を与えはしないのだ。この国は1990年代、経済成長率が年3.5%とヨーロッパ随一の急成長を遂げている。

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持続可能性にまつわる語録

「とどのつまり、将来われわれの社会を定義づけるのはわれわれが創り上げたものだけではない。壊さずに残したものでも定義されよう。」-ジョン・ソーヒル

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seki 2005-06-13T23:53:54+09:00
ウェーブフロント・ニュースレター 第1号 (2003年6月24日発行) http://www.es-inc.jp/lib/alan/newsletter/050526_165749.html トップ・ニュース

世界の銀行が持続可能な融資ガイドラインを自主的に導入

国際金融における持続可能性を飛躍的に進展させるため、世界の大手銀行10行は最近、「赤道原則(Equator Principles)」【訳注 日経金融新聞6・11では「エクエーター原則」】という一連の自主的ガイドラインを導入し、開発融資を新しい環境・社会基準に確実に適合させようとしている。

国際金融公社(IFC: 民間部門を担当する世銀グループの国際機関)が策定したこの原則は、環境アセスメントを始め、自然生息地、先住民族、および児童労働を含む、さまざまな環境および社会問題に対応するものである。このガイドラインは、資本コストが5,000万米ドル以上のすべての開発プロジェクトに適用される。

原則への参加は任意である。赤道原則を採用する銀行は、同原則に合致する内部規定および手続きを整えた、または整える予定である、と宣言するだけでよい。合意書の署名や、融資業務の外部評価書類を提出することは、必要とされない。

銀行は、国際融資を持続可能でない開発の強力な推進力であるとみなす活動家たちから、対策を迫られていたが、一部の活動家はこの原則の適用が任意である点や、透明性と執行メカニズムが不十分とみられる点に対して、未だ懐疑的である。やはり拘束力のある国際的な規制が必要であると考える活動家は多い。

参加する銀行は、エービーエヌ・アムロ、バークレイズ、シティグループ、クレディ・リヨネ、クレディ・スイス・ファースト・ボストン、ヒポ・フェラインスバンク、ラボバンク、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、ウェストLB、ウェストパックの各行である。世界銀行によれば、参加銀行が2002 年に引き受けたプロジェクト融資は145億米ドルにのぼる。これは、このような途上国向け融資の30%に相当する。

「これは世界の持続可能な開発に向けての大きな躍進であるが、まだ第一歩に過ぎない。資金使途を追跡し、地元銀行に赤道原則に従うよう、要請すべきである」。

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時代の最先端をゆく −変革をリードする動向−

タイのバイオソーラーハウス

チュラロンコン大学の研究チームは、タイで最初の「バイオソーラー」ハウスを建設した。一見すると普通の家屋だが、実は自立的な究極の環境配慮型住宅なのである。太陽エネルギーで発電をし、雨水で生活用水をまかない、そして家庭ごみから調理用ガスを作り出す。

「環境革新の波の前線がアジアに移動しつつある兆しが、ここにもみられる」。

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新技術があらゆる廃棄物をオイルに変える

「サーマル・デポリメリゼーション(熱解重合)」と呼ばれる工程により、廃棄された七面鳥の残骸が高品質の非化石燃料オイルに変えられている。 「ジオ・ミミックリー」、つまり地球が化石燃料を作り出す自然のプロセスを真似ることによって作り出されたのである。開発者は、あらゆる廃棄物に対して有効であると主張しているが、もしこれが真実であるなら、この技術は廃棄物処理業界とエネルギー業界に劇的な変化をもたらし、しかも地球温暖化防止にも貢献することになる。

「話しがうますぎると思うかもしれないけれど、七面鳥の残骸が燃料オイルになるんだ!」

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地元の素材がナイジェリアの住宅問題を解決

「ラテライト」と呼ばれる赤土のような素材は、アフリカのほぼ全土で豊富に産出される天然資源である。この素材のおかげで、持家がこれまでより多くのナイジェリア人の手が届くものになっている。低価格の装置で、このラテライト素材がレンガに似た壁や屋根瓦に生まれ変わるのだ。

「バック・トゥー・ザ・フューチャー思考(未来の目標を明確に描き、これを実現する手段を考える思考法)の素晴らしい例だ」。

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サンフランシスコ 予防原則を採択

サンフランシスコ評議会は、賛成8票反対2票で予防原則を市及び郡の政策として採択した。この新原則は、「重大で取り返しのつかない被害が人間や自然に及ぶ恐れがあれば、因果関係が科学的にはっきりしていないことを理由に、当局が環境悪化の予防又は市民の健康保護の措置を延期してはならない」とうたっている。

「サンフランシスコの予防原則が重要な理由は、(1)ヨーロッパでは広く採用されている予防原則によって、危険性について理にかなった根拠があれば、政策立案者が科学的確証(通常は不可能である)を待たずに行動を起こすことができる。 (2)サンフランシスコは、予防原則を公式に採択したアメリカ初の行政機関であり、アメリカは地球上の多くの問題に大きな影響を与えている超大国である。今回は進歩的なサンフランシスコならではの話だが、スタートであることに変わりはない」。

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波に乗る −時流を伝えるストーリー−

活気づく水素エコノミー

欧州連合(EU)とアメリカは、ともに水素を用いたクリーンエネルギー技術の開発を進めているが、このたび両者は協力することで合意した。欧州委員会は先ごろ、水素エコノミーを実現するために必要な技術的、財政的、政策的課題を新たな報告書にまとめた。しかし、EUとアメリカがそれぞれに描く将来構想は異なる。

アメリカの場合、水素を生成する際に化石燃料と原子力にかなり依存する方法を盛り込んでいる。その一方で、ブッシュ政権は、地球温暖化の危険性に関するくだりを削除して、『アメリカ環境白書』を発表した。



G8首脳が持続可能な世界に向けた行動計画に合意

フランスのエビアンでG8サミットが開催され、各国首脳は持続可能な開発のための科学技術G8行動計画に合意した。この行動計画は、G8諸国に「よりクリーンで、持続的かつ効率的な技術」の開発支援を求めるものである。各国首脳は太陽光、バイオマス、燃料電池、水素等の新エネルギー技術の支援や、研究成果のさらなる共有を約束した。

「産業経済という超大型タンカーが方向転換を始めている」



香港で持続可能な開発を目指す審議会が市民からの意見を募集

持続可能な開発を目指す香港の審議会は現在、持続可能な都市開発に関する市民の意見を募集している。1年半以内には計画案をまとめる予定である。審議会は持続可能な開発のための基金設立も支援している。この基金は持続可能性の促進を目指す市民活動を支援するものである。

「この審議会と同じく、持続可能な開発に関してアジアで新たに設置された審議会のほぼすべてが、問題を深刻にとらえ、実行に移す意志がある」。




はずれている人々 −残念ながら、わかっていない人々−

アメリカの平均燃費は過去22年間で最低水準

アメリカの乗用車及びトラックの平均燃費は、2002年、過去22年間で最低の水準となった。アメリカの車の平均燃費がわずか20.4マイル/ガロン(8.61キロ/リッター)にしかならない主な原因は、ガソリンを大量に消費するが、燃費規制法の対象外であるスポーツ汎用車に、アメリカ人が夢中になっているせいである。乗用車と軽トラックが排出する二酸化炭素は、合わせて、アメリカ全体の20%を占める。しかも、有効な改善案は何も計画されていない。

「この現実にはがっかりさせられる。我々は引き続き注目し、何らかの行動をとらなければならない。ここにいい裏付けとなる話がある。『現在のフォードの乗用車とトラックの平均燃費は、100年前にT型フォードで会社がスタートしたときよりも悪い!』」

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一部のロシア人科学者が、地球温暖化は恩恵をもたらすと考えている

BBCは最近、次のような気になるニュースを報じた。「ロシアの京都議定書批准への意欲が現在疑わしくなっている。というのは、ロシアの著名な科学者たちの中に、気候変動はロシアに恩恵をもたらすかもしれない、と考える人たちがいるらしいのだ。ロシアは9月末にモスクワで行われる世界気候会議の準備を進めているが、そこで気候変動の科学を再考することにしている」。

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の共同議長を務めた最初のロシア人が、地球温暖化はシベリアにとってよいことかもしれない、と1980年代頃、公の場で述べていたが、どうもその考えが、復活しているらしい」。

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最高に素晴らしいウォルマート?

アメリカ、オハイオ州シンシナティで論議を呼んでいる巨大ショッピングセンターが、ついに、いくつかの控えめな設計変更をしただけで認可を受けた。ヒルツ市議会議員はこの一連の出来事を指して「持続可能な開発」と呼んだ。

「おいおい、ヒルツさん! そのウォルマートは素晴らしい店かもしれないが、持続可能な開発ではないよ!」

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大波警報 −進歩への脅威と障害になりかねないもの−

1950年以来、大型魚の数が90%減少

科学誌「ネイチャー」に最近発表された研究によると、海洋に住む大型魚の90%が消えてしまったらしい。「ニシクロカジキ(giant blue marlin)からクロマグロ(mighty bluefin tuna)まで、また熱帯に住むハタ科の大型魚(tropical

groupers)から南極のタラ(Antarctic cod)まで、商業漁業は世界中の海産資源をごっそりと採ってしまった。今や海洋に辺境の地はない」。筆頭執筆者ランサム・マイヤー氏は、こう語る。

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聞き逃した話 −知る人ぞ知るニュース−

カナダ政府、国の持続可能性の指標を検討

3 年にわたる様々な利害関係者によるプロセスを経て、環境と経済に関するカナダ円卓会議は、国の実質資産と経済の持続可能性を評価するための6つの新たな指標の導入を、カナダ政府に求める報告書を発表した。選ばれた指標は、森林被覆、淡水の水質、大気質、温室効果ガスの排出、湿地帯の広さ、教育達成度である。

「これは、思っている以上にはるかにめざましくかつ重要なことである。これらの指標を採用することによって、カナダは、自然資本と社会資本の意味を、国内総生産と同等にまで高める世界で最初の国になる。またカナダ政府は、持続可能性を国民経済計算の中核に位置付けている」。

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ボゴタ市、市民重視の町づくり

コロンビアのボゴタ市の名を挙げても、持続可能な開発を真っ先に頭に思い浮かべることはないかもしれない。しかし、1998年から2001年まで市長を務めたエンリク・ペニャローサ氏は在職中、大規模な改革の陣頭に立ち、その取り組みは世界中の各都市から注目を集めることになった。交通、土地利用、貧しい人々への住宅供給、汚染の軽減、公共スペースの必要性に対して市が実施した解決策が、ボゴタ市をより良い姿に作り変えたのだ--そのやり方は数世代にわたってこの町に影響を及ぼすであろう。

「ペニャローサ氏はまた、演説の名手であり、彼の哲学(「公正と尊厳は、環境の役に立つ」)が、持続可能性の偉大なる戦略を生み出すのに寄与するだろう」。

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国連環境計画(UNEP)、より効果的なメッセージを模索

従来の環境メッセージは、あまりにも「罪悪感に満ち」かつ非難めいていることを懸念して、国連環境計画(UNEP)は、心理学者や人間行動学の専門家らに、環境コミュニケーションをもっと前向きなものにするための協力を求めた。目指すところは、人々にやる気を失わせるのではなく、環境に配慮したライフスタイルに興味をもってもらうことだ。クラウス・テプファーUNEP事務局長によれば、「人々のライフスタイルや購買習慣に罪悪感を抱かせることが、成果をごく限られたものにしている」という。

「ねえ、みんな、炭素隔離ってかっこいい!」

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波を起こす人々 −変革をリードする人・組織−

米3州が二酸化炭素排出に関して環境保護庁を告訴

アメリカの3州(コネチカット、メイン、マサチューセッツ)は先日、環境保護庁を相手取り、二酸化炭素排出による気候変動に関して規制措置を講じるよう求める訴訟を起こした。「地球温暖化はもはや、抽象的な脅威ではない。これは現実のものであり、緊急課題なのだ」とコネチカット州司法長官リチャード・ブルメンタル氏は語る。「この訴訟は、最後の手段だ」。

「相手を告訴しなければ何も進められない、というアメリカ人の有名なステレオタイプを表わしている」。



オーストラリア −次の持続可能性での超大国になる?

この表題は、環境に配慮する企業経営者の団体が政府に提出した報告書の要望内容を示している。本報告書では、オーストラリアが新しく形成されつつある国際排出量取引市場に参入した場合、今後のエネルギー分野においてさらに主要な役割を果たす可能性を持った「よりクリーンな」エネルギー源と技術が同国にはある、としている。報告書の執筆にあたっては、環境配慮型の企業はもちろんのこと、エネルギー会社、さらには全国規模の工業、銀行業、金融業の主要な業界団体ほぼすべてのトップにも意見を求めた。

「本報告書は実質的に、気候変動に関する京都議定書を批准するよう求めるものだが、オーストラリアで先見的なリーダーたちが何を起こそうとしているか、概要を知るのにも役立つ」。

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推薦図書

欧州連合がヨーロッパ全体の環境評価報告書を発行

ヨーロッパの環境状況をまとめた包括的な報告書が発行され、ヨーロッパで近年進められた環境改善は、持続可能でない経済成長によって台無しになる危険性があると発表された。この報告書によると、環境破壊活動を伴わない経済の構築方法を政府が見出さない限り、調査された52カ国の環境の質を守ることはできないという。

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国際環境開発研究所『言葉を行動へ』(原題:Words into Action)2002年

本書は「世界の南北を問わず、国連から各国政府、非政府組織(NGO)、民間セクターにわたる幅広い関係者からの最善の考えと見通しを結集させようとした」ものである。全文が同研究所ホームページから無料ダウンロード可能。持続可能な開発に関する世界首脳会議で配布するために発行された。

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持続可能性にまつわる語録

ついに明確な答え(のようなもの)が出る

Q:「ある国のGNP成長率が0%の状態で10年以上持続可能でしょうか?」 

A:「もし完全雇用であり人口増加も起きていなければ、その答えははっきりイエスと言えます」

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master 2005-05-26T16:57:49+09:00