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| ウェーブフロント・ニュースレター 第8号 (2004年8月13日発行) -Sustainability Change Agent Network (S.C.A.N.)のニュースレター- |
S.C.A.N.は、アトキソン社(http://www.AtKisson.com)が提供しています。 |
トップ・ニュース『成長の限界』から30年30年以上前に書かれた1冊の本が、このほど内容を新たに再出版された。これがなぜ重要なことなのか? この本をなぜ読むべきなのか? 現代の持続可能性に向けた取り組みの原点は、はるか昔、少なくともプラトンの著作集にまでさかのぼることができる。プラトンは、ギリシャ・アッティカ地方で、土地や資源の管理が、目先のことに捕われてずさんに行われていることを嘆いていた。しかし、「持続可能な開発」の歴史の中で、1972年に刊行された『成長の限界』を超えるような重要な本はほとんど見当たらない。 別名「ローマクラブ・レポート」としても知られている『成長の限界』は、世界に衝撃を与えた(「ローマクラブ」という、企業の経営幹部や政府高官から成る緩やかな組織には、ほかにも数多くのレポートがある。よって、『成長の限界』だけを「ローマクラブ・レポート」とするのは誤りである)。 『成長の限界』は世界中で何百万部も売れ、何百回も新聞の大見出しを飾ることになった。それらの見出しは、「コンピュータが将来を見越し、人類文明の破綻を予言」との趣旨をもじったものが大半を占めた。 このような見出しは、本の内容を簡略化し過ぎたものであったばかりか、本の中核となるメッセージを誤って伝えていたため、当時の著名な経済学者らから数えきれないほどの攻撃を受けることになった。 『成長の限界』は、新たに出された重要な識見に対して、専門家たちが聞く耳を持たず、結果として深刻な問題への対処の遅れにつながりうることを示す1つの事例研究となった。(続きはニュースレターの最後へ)
時代の最先端をゆく-変革をリードする動向-西欧諸国、温室効果ガス排出量を削減西欧諸国では、2年にわたり、気候変動をもたらす温室効果ガス排出量が増加したものの、その後は削減に成功している。欧州環境庁は、6つの主要な温室効果ガスの排出量が、2001年から2002年にかけて0.5%と小幅ながらも減少したと報告している。 この排出量減少の主な要因は、廃棄物管理の改善によってメタンと窒素酸化物が減少したこと、火力発電の燃料を石炭からガスに切り替えたことにある。このように明るいニュースがあるとはいえ、西欧15カ国の京都議定書における目標達成への道のりは、依然として遠い。 2002年の温室効果ガス排出量は、1990年の水準から2.9%減少しているものの、2012年までに達成を約束している8%の削減には程遠い状況にある。これとは対照的に、EU新規加盟10カ国は、京都議定書の目標達成に向けて順調に歩みを進めている。 http://www.nature.com/news/2004/040712/full/040712-19.html
EU、CO2排出量取引を予定通り開始EUのCO2排出量取引市場は、今のところ予定通り2005年1月に開始される見通しである。欧州委員会(EC)は先頃、加盟8カ国から出されたCO2排出割当量に関する国内割当計画を承認した。 市場への参加を表明しているEU加盟各国は、自国の対象施設を市場に参入させるために、各施設に対して排出量の割当を行わなければならない。デンマーク、アイルランド、オランダ、スロベニア、スウェーデン各国の計画はECの承認を得た。オーストリア、ドイツ、英国が提出した計画には、技術的な部分にのみ変更が求められているところだ。 このECの承認によって、5,000を超える施設が、2005年1月からCO2排出量取引に参加する準備を整えたことになる。排出量取引市場では、EU域内で排出されるCO2総量の上限を設定し、CO2の排出者は排出権を売買することができる。そのためEUは、京都議定書の数値目標達成をコスト面で効率よく進めることが可能となる。 「EUは、世界の他の国々にとって、気候変動戦略やCO2排出量取引における検証の場としての役割を果たしているが、それでも一枚岩というわけではない。今だに新規加盟国の中には、CO2排出量の上限を、ECが承認するであろう上限よりもずっと高く設定しようとしている国もある」 http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/04/862
波に乗る-時流を伝えるストーリー-富士通、「グリーンプロセス活動」でコスト低減と環境保護を促進日本の大手電機メーカー富士通は2004年3月、包括的な「グリーンプロセス活動」を導入した。これは、納期、コスト、性能、品質に関する現行基準に、新たに環境面での基準を設けることで、製造コストの削減と資源の保護を目指すものである。 資源投入量およびエネルギー使用量を削減するために、現在の製造プロセス全体の見直しが図られる。「グリーンプロセス活動」では、各製造ラインに四半期ごとの目標を設定して、その成果を評価することが義務付けられている。同社は、試験導入期間中に、化学物質の使用量を7%、コストを16.5%削減することに成功した。 「富士通は、環境面の持続可能性に意欲的に取り組んでいる数ある日本企業のひとつであるが、ジャパン・フォー・サステナビリティー(The Japan for Sustainability)のサイト(www.japanfs.org)には、ほかにも素晴らしい事例が満載である」 http://www.japanfs.org/db/database.cgi?cmd=dp&num=630&dp=data_e.html
環境にやさしいビルは概して財布にもやさしい「グリーン・ビルディング(環境効率を考慮したビル)の建設には、従来型のビル建設よりもお金がかかる」という社会通念ともいえる神話が、米国ではついに過去のものとなりつつある。 カリフォルニア州の機関が最近、33のグリーンプロジェクトを調査したところ、グリーン・ビルディングの建設費は平均して通常より2%高くつくが、その分の平均10倍にも上るコストを建設後に節約できることが判明した。この調査結果は、ほかの調査や、グリーン・ビルディング所有者の体験でも裏付けられている。 ビルに関連して排出される二酸化炭素の量は全排出量の3分の1を占めており、このためビルの効率性の改善は気候変動への対策として非常に重要である。グリーン・ビルディングの定着の兆しは至るところで見られる。 全米不動産業者協会が最近、ワシントンDCの中心街で初の新築LEED(訳注:米国の民間環境建築基準(Leadership in Energy & Environmental Design))認証ビルを完成させたのも、その一例である。 http://www.postwritersgroup.com/archives/peir0706.htm
日本の企業、カドミウムを吸収する植物を発見汚染土壌の浄化を目的とした植物利用に積極的に取り組んでいる日本企業、株式会社フジタが、土壌中の重金属カドミウムを極めて高濃度に蓄積する植物を発見した。カドミウムは、メッキ、塗料、充電式電池などに広く用いられている。 この発見は、日本の農業工学研究所および名古屋大学の竹中千里教授との共同研究によるものだ。フジタはこの発見に至るまでに、カドミウム汚染土壌で生育している100種を超える植物を調査した。発見された植物は日本名「ハクサンハタザオ」(学名Arabis gemmifera)。日本原産の種で、低コストかつ省エネルギー型の浄化手法が必要とされているこの国では、まさに浄化計画での利用にぴったりの植物と言えるだろう。 http://www.japanfs.org/db/database.cgi?cmd=dp&num=683&dp=data_e.html
スコットランド、ポリ袋を対象に「プラスチック税」導入を検討スコットランドで最近提出された法案では、買い物客に渡される使い捨てポリ袋に、一枚当たり15ペンスの税金を課すことが提案されている。この課税は、アイルランドの「PlasTax」に倣ったものだ。導入からわずか数カ月でポリ袋の消費量を90%削減し、かつ環境対策プロジェクトのために350万ユーロの資金を調達することに成功したのである。 使い捨てのポリ袋が、便利であると同時に厄介なものでもあるのは、世界共通である。南アフリカでは、「国花」などというあだ名をつけられてしまっている。バングラデシュでは、ポリ袋が下水道につまって深刻な浸水を引き起こすため禁止された。 「最近行われたオーストラリアのごみに関する全国会議では、主なスピーチのほとんどで、ポリ袋の問題がまず取り上げられていた。『ごみというのは、実際に目に見えるので、人々の関心を引きやすい問題なのです』とは、会議主催者側のひとりの弁である」 http://www.impactenviro.com.au/Litter2004/index.asp
水面下では-最近の持続可能な発展の深層に迫る-開発プロジェクトは、本当に貧しい人々を助けているか?マサチューセッツ工科大学の貧困対策研究所(Poverty Action Lab)は、開発機関に対し、開発援助プロジェクトが貧しい人々を助けるという目的を実際に達成できるか否かについてより科学的な評価を行うよう求めている。同研究所が提唱するのは、どのような種類の開発援助事業が成功するのか、あるいは成功しないのかを、無作為試験(新薬評価に用いる試験のようなもの)により評価するという方法だ。 世界銀行のチーフ・エコノミストによると、世界銀行のプロジェクトのうち、厳密な影響評価が行われているのはわずか2%だという。世界に30億人近く存在する貧しい人々の援助のために、先進国や国際機関がつぎ込む額は、年間550億ドルを超える。 http://www.iht.com/articles/531696.htm
二酸化炭素の増加により海洋生物の成長速度が1/2に?産業革命以降、大気中に放出された余分な二酸化炭素の半分近くは、海に吸収されてきた。これが、二酸化炭素排出による地球の気候変動への影響を緩和してきた。 しかしながら、海中の二酸化炭素濃度の上昇による海の酸性化も進んでおり、このままいけば、多くの海洋生物が骨・甲殻・貝をつくるために必要とする炭酸カルシウムが分解される事態を招くことになる。予測どおりに二酸化炭素の排出が続けば、プランクトンや珊瑚といった重要な海洋生物の成長速度が、今世紀末までに2割から5割程度低下し、海洋生態系全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある。 「その一方で、海に“肥料を与える”ことが、微生物の成長と二酸化炭素の吸収を促進する上でどのような効果があるかについて、大規模な国際的科学者チームの調査が進んでいます。これはいいアイデアでしょうか? この2つの動きがどうつながるのか、また気候変動に関する他の大きな問題とどうつながっていくのかについても、今後ウエーブフロントで追究していきたいと思います。」 http://www.nature.com/news/2004/040712/full/040712-14.html
大波警報-進歩への脅威と障害になりかねないもの-激増する中国のエネルギー消費現在のところ、平均的中国人が1年間に1人で使用する電力は、100ワット電球1個分程度である。しかし、年間10~15パーセント成長するGDPを背景に、13億人のエネルギー需要も爆発的に伸びつつある。 中国の政策立案者たちは、現在から2020年までの間に、同国のエネルギー消費は3倍になると予測している。新しく建設された発電所の9割以上が石炭を燃料としているため、中国の経済成長は、国内だけでなく地球規模で膨大な環境問題を引き起こすだろう。中国はすでに、オゾン層破壊、生物多様性の喪失、気候変動に最も大きな影響を与えている国の1つに数えられている。 「しかしながら、中国の政策立案者たちは、世界には到底、中国の経済成長を支えるだけの資源がない、という懸念を公然と口にしてきました。アジアのビジネスリーダーたちの間では、中国経済の“ソフトランディング(訳注:インフレを伴わずに、急激な経済成長を抑制すること)”を模索すべきだ、との声も出始めています。」 http://www.sundayherald.com/43523
英国の専門家が提言:ナノテク利用は慎重に英国政府からナノテクノロジーの影響についての調査を委託された、同国の科学調査委員会は、ナノテクノロジーの人体や環境へのリスクを最小限に抑えるため、予防措置を取るべきだと主張している。同委員会は、ナノ粒子の取り扱い、調査、ラベル表示は、英国における化学物質と同等にすべきだと提言した。 また、報告書は、汚染場所の環境浄化にナノテクノロジーを用いることについては、さらに詳細な調査により、危険を冒すに値すると判断されるまでは、使用を避けるべきだと主張している。報告書はこのように注意を呼びかける一方、ナノテクノロジーに期待される有益な利用法についても、数多く指摘している。ナノサイズの粒子の主なリスクは、大型の粒子にはあり得ない経路で人体に入り込むことができる点にある。こうした粒子の人体への影響については、ほとんど解明されていない。 ナノ粒子は、すでに化粧品などに使用され、ある種の複合材の性能を高める目的でも利用されている。 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/3930179.stm
科学者グループ、絶滅危惧種のDNA保存へ絶滅寸前の動植物のDNAを保存しようと、英国の研究センターと科学者たちが共同で「冷凍方舟プロジェクト」(The Frozen Ark Project)を立ち上げた。プロジェクトの目的は、世界中の多くの絶滅危惧種からDNAと組織標本を収集し、将来クローン化する場合に備えて冷凍保存する、というもの。プロジェクトは、絶滅の恐れが最も高い種(5年以内の絶滅が予測されるもの)から着手される予定だ。 先ごろ、ロンドンの自然史博物館とロンドン動物園に、最初に冷凍保存されたのは、シロオリックス、ソコロバト、キイロタツノオトシゴ(yellow sea horse)のDNAである。同プロジェクトに関与する科学者の1人、ブライアン・クラークによると、プロジェクトは「種の保存をめざす最大限の努力が、すべて失敗に終わった場合に備えての計画」であるという。 http://www.csmonitor.com/2004/0729/p16s01-stgn.html
はずれている人々-残念ながら、わかっていない人々-世界銀行、石油・鉱業への投資を継続世界銀行は、独立調査委員会の勧告を拒否し、石油、ガス、鉱業への投資を継続する。世銀は以前から、資源採掘事業への融資が汚職や貧困を悪化させる可能性があると懸念し、2000年に世銀の独立調査機関である「採掘産業の再検討(Extractive Industries Review:EIR)」に調査を委託していた。 インドネシア元環境大臣のエミル・サリム氏が中心となり行った調査では、石油、ガス、鉱業への融資は縮小、場合によっては廃止すべきとの結論に達している。具体的な要請としては、石炭事業への融資は廃止する、石油関連事業への融資は2008年までに段階的に廃止する、鉱業資源事業への融資は社会的および環境的な配慮を条件に行う、再生可能なエネルギー事業への融資を増額する、となっている。世銀の融資額のうち、約3%(年間5億~6億米ドル、約550~660億円)が採掘産業への融資に当てられている。
持続可能な開発は「直面する悪」政策的課題について、対立する意見を把握しておくことは常に有益である。これは持続可能な開発に取り組む人々にも当てはまる。7月下旬に開かれたフリーダム21(Freedom 21)の第5回年次大会では、「持続可能な開発は我々が直面している悪である」と題する、アメリカン・ポリシー・センター理事長(American Policy Center 訳注:米国の民間シンクタンク)のトム・ディウィーズ氏の講演が行われた。 フリーダム 21アジェンダ(freedom 21 agenda)は、1992年のリオ地球サミットで採択されたアジェンダ21計画に対抗して右派勢力が作ったものである。講演でディウィーズ氏は持続可能な開発に対する懸念を強調し、「持続可能な開発を掲げて、世界を地球規模で統治しようとするこの国際的な課題が、どのように確立され、米国の公式政策となってきたのか」を説明している。 http://michnews.com/artman/publish/article_4588.shtml
聞き逃した話-知る人ぞ知るニュース-モーターの性能アップでEUのCO2排出量は1億トン削減可能欧州の産業界が、現在よりエネルギー効率の良いモーターに投資した場合、年間2000億kwh以上の電気消費量と、100億ユーロ(約1兆3300億円)の電気料金が節約できる。電気消費量がこれだけ節約されれば、CO2排出量は年間1億トンの削減が可能となる。これは京都議定書で定めたEU(欧州連合)の削減目標量の1/4に当たる。 この研究では、これらの数値を達成するために、エネルギー効率診断、省エネに対する報奨金の導入、省エネへの投資に対する排出権の割り当て、情報キャンペーンなどを含む、総額4億ユーロ(約532億円)の4カ年政策を提案している。 同研究はEUモーター・チャレンジ・プログラム(EU's Motor Challenge Program:訳注 欧州委員会の自主的プログラム)が資金援助し、欧州銅研究所(European Copper Institute:訳注 欧州の銅・銅関連業界団体)が調査、発表したもの。モーターはEUの産業用電力消費量の65%を占めている。 http://www.climatebiz.com/sections/news_detail.cfm?NewsID=26803
サンタモニカの「エコロジカル・フットプリント」改善される米国サンタモニカ市は、1990年から2000年の間に、「エコロジカル・フットプリント(環境負荷面積)」を5.7%縮小することができた。これは、10年間でサンタモニカ市民が環境への悪影響を減らしたことを意味する。 調査を行った米国のNGO、リディファイニング・プログレス(進歩の再定義:Redefining Progress)によると、「エコロジカル・フットプリントとは、1年間に市民が必要とする資源(食糧、エネルギー、原材料)を生産し、また市民の生活から排出される廃棄物を吸収するためにどれほどの土地が必要なのかを、生物学的に生産可能な土地の面積で示したもの(自然の容量)である」 調査の結果、サンタモニカのフットプリントは、10年間で167平方マイル(432.5平方キロメートル)縮小し、市民一人当たりのフットプリントでは米国平均を4エーカー(0.016平方キロメートル)下回っている。米国は、国民一人当たりのフットプリントが24エーカー(0.097平方キロメートル)と、世界最大である。 「サンタモニカは、ロサンゼルスを中心とする巨大都市圏の中でも、財政的に比較的豊かで、独自の政策を打ち出している。常に都市の持続可能性戦略を先頭に立って進めてきた、同市のエコロジカル・フットプリントが縮小したことは、彼らの戦略が有効であることを示している」 http://www.regionalprogress.org/ef_ca_santamonica.html
推薦図書バーチャルキャンパスで環境対策マサチューセッツ工科大学(MIT)が、大学の活動に関連する膨大な環境規制や環境問題への手引きとなるウェブサイトを立ち上げた。大学の多種多様な活動から生じる問題がうまくまとめられ、読者の興味をひきつけるガイドになっており、大学で行われるさまざまな活動が環境に与える影響、またそれに関連する規制について一目でわかるようになっている。 各章には、環境規制を遵守しながら最も効率よく活動を展開するための対策やヒントが掲載されている。MITは環境規制違反問題をおこしたことで『バーチャルキャンパス』を作成することになったのであるが、このサイトを利用することで、他大学がMITと同様の問題をおこさなくてすむよう期待されている。サイトには「水質汚濁防止法、大気汚染防止法、米国資源保全回収法違反を問われたMITが、米国環境保護局および米国法務省による強制措置裁定を受けて、このプログラムを作成した」と記載されている。 http://www.c2e2.org/evc/home.html
EUとイギリス 発展途上国でのジェンダー平等への取り組みが不十分人権擁護団体 One World Action は、発展途上国で開発プロジェクトを実施する際、イギリスおよびEUの政策立案者は、ジェンダー平等政策が実施されるようもっと努力すべきだという調査結果を発表した。 この3年にわたる調査では幾つかの問題点が指摘されているが、特に問題だとされたのが、EUおよびイギリスはジェンダー平等政策を明確に掲げているにもかかわらず、それをどのように実施するのかについてはほとんど吟味していないということである。プロジェクトの方針や戦略、運営といった段階でジェンダー平等に関する目標を明確に掲げると同時に、個々の開発プログラムや企画においてもそれぞれに独自の目標を設定すべきだと、この調査は提言している。 http://www.id21.org/society/s6azk1g1.html
コミュニティのためのナチュラルステップ:持続可能な社会に向けて地域はどうすれば変わるか持続可能性の実現を目指し、スウェーデンの成功例に学びたいと思っている人たちには本書をぜひ読んでもらいたい。ここには、60を超えるスウェーデンの「エコ自治体」が、持続可能性に向けた取り組みをその企画立案や活動に取り入れている事例が紹介されている。 著者が最も力を入れて書いているのは、政治状況をいかにしたら効果的に変えていくことができるかという点である。そして著者はさらに、持続可能性への取り組みを統合的に検討しようとするボトムアップの民主的なアプローチが不可欠だと強調している。著者はサラ・ジェームズ(Sarah James)とトールビョーン・ラーティ(Torbjorn Lahti)。サラ・ジェームズ はアメリカン プラニング アソシエイション(American Planning Association )出版から出版された 『持続可能性を目指す計画を支援する政策ガイド』(Sustain Policy Guide on Planning for Sustainability)の共著者の一人。 トールビョーン・ラーティ(Torbjorn Lahti)はスウェーデンにおける国立エコ自治体協会の創設者。 http://www.newsociety.com/bookid/3841
持続可能性に関する国際協定のリストジャパン・フォー・サステイナビリティ(JFS)は環境の持続可能性に関する国際条約のリストを作成している。このリストは水、生態系、地球温暖化、土地利用、廃棄物関連の分野を扱っている。 http://www.japanfs.org/en/outside/conventions.html
持続可能性にまつわる語録「事実は明白だ。わたしたちは国民に、気候変動とそれが世界にもたらす危険について理解してもらうよう努力しなければならない」 「石がなくなったから石器時代が終わりを迎えたのではない。技術の進歩こそが石器時代の終焉をもたらしたのだ」
冒頭のつづき:『成長の限界』から30年『成長の限界』では、世界初のコンピュータを使ったシステムモデルにより、世界の人口増加、資源利用、工業化、環境汚染の趨勢が報告され、さらに、それらがいかに相互に絡み合い助長し合っているかが示された。この本は「破綻を予言」する書ではなく、長期的に見て、人類が直面することになる重要な選択を特定した研究であった。 「これまでのように成長し続けることは有り得ない」と著者は語る。「ゆくゆくは、人類はある種の壁にぶつかるだろう。土地や水のような重要な資源の枯渇かもしれないし、環境汚染の深刻化によりなんらかの自然のシステムが持続可能性の限界を超えてしまうのかもしれない。いずれにせよ、それは破滅的な結果をもたらすことになるだろう。」 「世界は相互に影響し合うシステムである」。この研究を著した若手研究者チームは語る。いくつかの趨勢に拍車がかかりつつある現状や、同様の流れの中で崩壊していった諸文明の歴史をふりかえれば、21世紀のある時点でシステム崩壊がおこるリスクは現実かつ危急のものとみなされるべきである。 「しかし」と著者たちは強調する。人類は別の発展の道筋を選択することもできる。技術を改良し、一人当たりの消費量を減らし、人口増加に歯止めをかける。これによって最悪の状況を回避することができる、と。 実際、自然が許容しうる範囲内にとどまりつつ、全人類が豊かになれる社会を作り出すことも可能である。事実、本書が出されてからの30年間に最悪の事態が回避された例もある。地球を守るオゾン層の破壊という危機に人類は見事に対処してきた。また、30年前の予測に比べ、多くの地域で人口増加が劇的に抑制されつつある。世界の飢餓人口の割合も減少しつつある。 しかし一方で、人類が自然界の成長の限界に達し、超えてしまった事例がいくつかあることも極めて明白な事実である。世界の漁場は壊滅的状態にある。人類の活動に起因する温暖化ガス蓄積のつけを、人類は多額の費用と多くの人命で支払うことになるだろう。 温暖化は同時に、生態系や社会全体に対して、適応するか消滅するかという二者択一を迫ることにもなるだろう。水や石油など限りある資源をめぐる対立はすでに戦争やテロの起爆、推進剤となっている。こうしたすべての事実からも、30年目にして『成長の限界』の改訂版(メドウズ他著 チェルシーグリーン出版 2004年6月)が出版されることは意義深く、説得力をもつものといえよう。 先見性と理性にあふれた本書は、新しいデータと世界の動きを視野に入れ、2度目の改訂を経た。しかし、地球の持続可能性とは何か、それを実現するためには何が必要なのかについての情報と深い洞察を提供してくれる他に類を見ない素晴らしい資料であり続けている。自分では事情通の専門家だと思っている人であれ、改訂前のオリジナルを20~30年前に読んだ人であれ、改訂版を全編読み通すことをお勧めする。 序章は、ここ30年を振り返り、『成長の限界』が世界でどのように受け止められてきたかをまとめたものだが、この序章だけでもこの本の価格に見合ったものである。 本編はシステム理論の考え方と持続可能性についての分かりやすい解説、長期的な世界の諸動向とそれらが相互に影響しあう状況のまとめ、今後の世界の動向を示すシナリオ研究などが織り交ぜられている。本書で行われている綿密な定量分析は、政策立案者にとって重要な示唆を数多く含むものであると同時に、専門家以外にも非常に明晰で分かりやすいものである。 さらに、本書の最終章では、いわゆる、持続可能性研究の「ソフト面」、つまり求められる変化を起こすために必要な人間の資質について述べられている。著者らの基本的な結論と勧告には変わりはない。 つまり、科学技術の劇的な進歩、人口増加の継続的抑制、一人当たりの平均的な物的消費量の削減(最貧困層の消費に関しては、減らすのではなく増やす必要があることは言うまでもない)が必要だという3点である。 コンピュータモデル上では、持続可能性を実現するためにはこれら3つの変化すべてが必要であるとされた。1つや2つでは十分ではないのだ。この結論が本当に世界の持続可能性のための処方箋であるのかは、議論の余地があり、議論がなされるべきである。 著者たち自身も、成功の可能性に関しては自分たちの意見が割れていることを実に率直に認めている。本書にも記されているように、いかにコンピュータモデルが有益かつ先見的であったとしても、世界はコンピュータモデルではない。個々の人間が大抵そうであるように、この複雑な世界は本来、予測不可能なものである。 しかし、本書を読むことで、世界やその未来について考える訓練ができ、また人々が、この問題を明確に理解し、掘り下げて考えられるよう手助けをすることもできる。この点で『成長の限界』は、30年が経過した今も当時と同様、読むべき書物なのである。 |
クレジット原文著作権はアトキソン社(AtKisson, Inc.)に帰属しています。 日本語翻訳:小野寺、田中、長澤、浜崎、古谷、渡辺 注:ニュースレター内に記載されているリンク先は記事配信時のもので、その後のページの移動・削除には対応していませんので、予めご了承下さい。
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