![]() |
| ウェーブフロント・ニュースレター第5号 (2003年12月3日発行) -Sustainability Change Agent Network (S.C.A.N.)のニュースレター- |
S.C.A.N.は、アトキソン社(http://www.AtKisson.com)が提供しています。 |
トップ・ニュース人は食べもので決まる?地球も同じである「もうすぐクリスマス。ガチョウは丸々太ってきた。【訳注:クリスマスソング】」・・・地球上の多くの人間たちも。消費は、持続可能性に関わるすべての人にとって、最も難しい問題のひとつである。最も貧しい国々での問題は、消費が少なすぎることである。例えば、エチオピアでは国民の44%が慢性的な栄養失調の状態にある。しかし、豊かな国々と世界中に点在する豊かな地域での問題は、ますます加速している過剰消費である。 持続性を提唱する運動においては、「消費」という言葉は通常、消費者による製品やサービスの購入と、それに伴う資源と廃棄物の流れを指す。次のような事実は専門家には広く知られている。例えば、世界の人口の5%に満たない米国人が、世界の資源の約25%を消費している(数字はどの資源を計算するかによって異なる)。しかし、消費の問題にメスを入れるためには、はるかに個人的で身近なこと、つまり食べることから考えなければならない。人類全体では、一人当たりの食物摂取量は毎年増え続けているのである。 1970年以降、先進国(豊かな国々)の国民一人当たりの一日の平均カロリー摂取量は3,000カロリーから3,400カロリーに増加した。開発途上国(貧しい国々)のカロリー摂取量は、2,000カロリーから2700カロリーとさらに大幅に増加した。米国国立衛生研究所によれば、米国では成人の3分の2が医学的に見て太り過ぎであり、30%は肥満と診断されている。 平均の数値は格差を覆い隠してしまう。貧しいエチオピア人がもっと食べなければならない一方で、多くの人々は必要量をはるかに上回る量をどんどん食べているのだ。米国では既に、肥満と太り過ぎによる健康上の問題が広がっている。食物消費量の不健康な増加がこの問題の主要な要因である。脂質摂取量だけを見ても、1970年以降30%以上増加しているのだ。 食べ過ぎに関わる問題が個人的な健康問題だけに影響しているのではないことを理解し -そして、人に伝えること-が大切である。人々の体のサイズが大きくなり、より大きな車、大きな衣服、大きな飛行機の座席が必要となってきている、と英国『エコノミスト』誌の最近の記事は伝えている。このようなサイズの拡大は、資源消費の拡大につながり、工業生産に伴う公害や廃棄物を増加させる。 太り過ぎが引き起こす健康問題自体が、持続性に対する新たな逆流である。健康問題によって、社会的、経済的、環境的なコストが発生するためである。食べ過ぎは仕事の長期欠勤や、事業コストの拡大、コミュニティー事業の減少、地球温暖化、そして何よりも殺虫剤と化学肥料使用量の増加に、直接的および間接的に影響しているのだ。 幸い、食物消費量は個人の選択を通じて、一人一人がコントロールできる問題である。しかし残念ながら、食物が潤沢に手に入る時に、それを拒むのは難しい(これは常識的な考えだが、最近の科学的研究によっても立証されている)。食物価格が低下しているため、変化のための経済的インセンティブもほとんどない。米国人にとって、食費が年間収入に占める割合は、食物消費量の増加にもかかわらず、確実に低下しているのだ。 先進国における食物消費量の拡大は長期的なトレンドであり、国連の予想では、今後も長期にわたって継続する。問題が非常に個人的で、自己評価や、太り過ぎの人に対する職業上の差別などの問題にも関わってくるため、問題提起さえもいまだにタブー視されているといってよい。 しかし、社会は広く普及した喫煙習慣を問題視することを学んだように、この問題に対処することを学ばなければならない。世界的な食べ過ぎの問題に対処することは、戦略的に必要な分野であり、世界中のクリエイティブな変革推進者にとってチャンスであることは明らかである。 www.johannesburgsummit.orgより
食物の過剰消費問題に持続性の観点から対応する、よいプロジェクトやプログラムをご存知でしたら下記アドレスまでお知らせ下さい。
難破船-最大級に残念なお知らせ-ロシアが京都議定書批准を拒否ロシアの大統領補佐官が昨日(訳注:12月2日)モスクワで、ロシアが京都議定書を批准しない考えを明らかにした。気候変動枠組み条約は、すでに120カ国が批准しているが、批准した先進国の排出量が、1990年の先進国全体排出量の55%以上とならなければ発効しない。米国かロシア抜きで、その要件を満たすことは不可能である。 2001年に米国のブッシュ大統領は同条約を拒絶し、世界中から厳しい非難の声を浴びた。その後長い間、世界中がロシアの動向を見守っていたが、アンドレイ・イラリオノフ大統領補佐官が昨日、結論を出した。ミラノで開かれている2週間にわたる国連の気候変動に関する会議の冒頭で行われた声明で、イラリオノフ補佐官は「ロシアは批准しないつもりである」と述べたのである。しかし、EUと国連の関係者は同日、議定書参加へむけてロシアを説得することはまだ可能であるという楽観的な見解を示した。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3256604.stm
(ウェーブフロント 追加記事)ロシア政府、京都議定書に批准せずとの発言は誤りと発表ロシアの経済問題担当の大統領補佐官が、新たに開催された気候変動に関する国際会議でロシアは気候変動枠組み条約を批准するつもりはないと語り、物議を醸したことに対し、翌日ロシア政府はその発言を否定。ロシア政府は気候変動に関する京都議定書の批准に関しては未だに態度を保留中であると述べた。
http://news.bbc.co.uk/go/em/fr/-/1/hi/sci/tech/3288683.stm 推薦図書地球温暖化について「なぜ我々は関心を持たないのか」ウェーブ・フロントでは推薦図書は通常、ニュースレターの最後に来るが、この記事はトップ記事にふさわしいので、ここで取り上げる。ニュー・ステイツマン誌の特集記事「なぜ我々は関心を持たないのか」で、筆者のジョージ・マーシャルとマーク・ライナスは、世界的な気候変動問題に関して、人々は自己否定という麻痺状態にあると主張している。この二人の筆者は、人々の心理に焦点を当て、「関与否認」「認知的不協和」「受身の傍観者効果」「群集心理」などといった用語を使って、我々がなぜ地球温暖化に反応しないのかを説明している。人々は自分たちの文化、国家、信条を守るためには、莫大なお金(そして死さえも)をかけるのに、安定した気候への情熱はまだ解き放たれていないのだ。 http://www.newstatesman.co.uk/
水面下では-最近の持続可能な発展の深層に迫る-なに?私が金持ちだって?あなたの収入が年間47,500ドル(約510万円)以上であれば、あなたは地球上で最も裕福な上位1%の中に入っている。世界中の他の人々に比べると、あなたは信じられないくらい大金持ちなのである。さらに、日給2ドル33セント(約250円)以上の収入がありさえすれば、あなたは全人類の半数よりもお金持ちである。「グローバル・リッチ・リスト」のウェブサイトでは、世界の金持ちランキングで、自分が(あるいは他の誰かが)どこに位置するのかを割り出すことができる。自分の位置を知ることは、物ごとを相対的に見るのに役立つだろう。
英国、開発援助資金から1億7,000万ドル(約180億円)をイラク再建へ流用英国の国際開発省は他国への海外援助資金を1億ポンド(1億7,000万ドル)減らし、その分をイラク再建資金にあてることにした。これは、国際的な開発・保全プログラムにとっては手痛い打撃となる。最も被害が大きいのは、南アメリカと東欧で既に行われているプログラムである。全体で20カ国以上の援助資金が削減され、ペルー、ホンジュラス、アングィラ、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア、マケドニアにいたっては、援助が全額廃止となった。 http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1079573,00.html
電子時代の醜い裏面持続可能な開発への取り組みの多くにおいては、IT(情報工学)が、経済的にも優れ、地球にも優しい、汚染の少ない工業をつくる方法であると考えられている。しかし、残念ながら現実はもっと複雑で、しかも、想像するほど地球に優しいものではない。 シリコンバレー有害物質連合が最近インターネット上に掲載した写真は、輸入された電子廃棄物を選り分け、燃やし、分解し、廃棄する中国の労働者たちの悲惨な現実を映し出している。 http://svtc.org/cleancc/pubs/photos.htm
時代の最先端をゆく-変革をリードする展開や開発-循環型をめざす東京の動物園東京の多摩動物園では、動物の排泄物1,060トンの処理費用が増大する中、これを発酵させてバイオガスを作る試みを始めようとしている。生産された燃料は、バイオガスを生成するその工場自体への電力の供給や、園内でのバス運行のために利用される。また、その過程から副産物として産出される肥料についても、動物の餌を新たに栽培するために利用されるという。「動物園を訪れる子供たちに、このバスは動物たちのおかげで走っているんだよ、と話せばその理由を聞きたがるでしょう。これは子供たちにバイオマス・エネルギーについて教える良い機会にもなるはずです。」、とこのプロジェクトを推進する会社の副社長、朝霧重治氏は語る。
ロバート・レッドフォード・ビルは米国で最も環境に優しいビル最近完成したロバート・レッドフォード・ビルは、雨水利用トイレ、竹床そしてビルで使用するエネルギーの約20%を賄う太陽電池パネルが自慢である。米国で最も環境に優しいビルの1つと言われていることからも、まさに、サンタモニカの天然資源保護協議会が事務所を置くのにふさわしいビルである。ビルに名前が付された、ロバート・レッドフォード氏は、テープカットの式典の席で「この建物は私にとって持続可能な未来のモデルなのです」と語った。
波に乗る-時流を伝えるストーリー-自動車メーカー、100台の燃料電池車をテスト世界第5位の自動車メーカー、ダイムラー・クライスラーは、2004年の末までに、合計100台を越える、燃料電池を動力とした乗用車、商用車およびバスの「公道での実用テスト」を行う予定だ。同社はこうした実用テストを通して、顧客ニーズへのより良い対応策を探りたい考えである。ダイムラー・クライスラーは、燃料電池技術は「未来への解決策」と考えているが、製造コストがまだまだ高いうえに水素燃料供給のためのインフラ整備が進んでいないことから、大量生産には今後少なくとも10年はかかるだろうと予想している。 http://www.planetark.com/dailynewsstory.cfm/newsid/22873/story.htm
フォルクスワーゲン(訳注:大衆向け)の太陽の家米国テネシー州では、ハビタット・フォー・ヒューマニティーのボランティアが、地域のエネルギー供給に多大な影響力をもつブリティッシュ・ペトロリアム(BP)やその他協力者とともにチームを組み、低所得者を対象とした低コストで「ネット・ゼロ・エネルギー」の住宅を建設している。屋根にとりつけられた極めて効率性の高い太陽光発電装置や各場所に取り付けられたセンサーを使い、消費に見合ったエネルギーを作り出している。 http://www.gristmagazine.com/powers/powers100703.asp
持続可能な保険オーストラリア保険グループのCEOであるマイケル・ホーカーは、なぜ彼の企業がサステナビリティ(持続可能性)への取り組みを始めたのか、また、今後それを保険業というビジネスにおいてどのように実現していくのかについて歯切れのよい説明を行った。その内容は、保険金請求への迅速な支払い(忘れられがちな基本事項)から、事業を行っている地域の人々に対し、地球温暖化の現実とそのコストについて伝えることまで多岐に渡る。 http://www.ceoforum.com.au/200309_ceodialogue.cfm
大波警報-進歩への脅威と障害になりかねないもの-英国の科学者、北米における地球温暖化の理由を解明雑誌『サイエンス』に掲載された最近のレポートは、北米における地球温暖化が自然発生的な気候の変動によるものではなく、人類が残した「指紋」、つまり人間の活動によるものであることが明らかとなったとする内容であった。研究者たちは、20世紀のアメリカについて、気候モデルをいくつか組み立て、これに自然の影響、人間による影響を加味していった。この気候モデルでは、20世紀前半における地球温暖化の原因は自然現象によるものと考えられるが、世紀後半の気候変動については人間の活動が原因であることが示された。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3267775.stm
聞き逃した話-知る人ぞ知るニュース-EUはグリーン外交ネットワークを構築環境及び持続可能な開発における世界の状況をEUレベルに引き上げようとする試みの中で、EU加盟国首脳陣は、グリーン外交ネットワークを設立することで一致した。EUは、世界中の外交拠点(外務省、大使館、開発協力機関)を利用して、次の5つの最優先課題を促進することになる。 a. ロシアの京都議定書批准を促すこと http://www.euractiv.com/cgi-bin/cgint.exe/?204&OIDN=1506645&-tt=en
波を起こす人々-変革をリードする人・組織-EU委員による、危険化学物質に対する検査の結果は陽性マルゴット・ヴァールストロームEU環境委員は、28種類の化学物質が自分の体内から検出されたことを最近発表し、EUが化学物質政策を早急に見直すべきだとの主張を立証した。彼女は(政府指導者を含む)他の155名の参加者と共に、77種類の合成化学物質について検査を受けた。彼女の体内から検出された28種類の化学物質には、危険度の高いPBDEやPCBが含まれていた。
建築設計士のための10の基本概念建築家ハル・レビンがまとめたこの報告書は、建築設計における持続可能性を評価するための包括的アプローチの概要を示している。 http://www.greenbiz.com/toolbox/reports_third.cfm?LinkAdvID=43075
ドイツは原子力発電所を閉鎖ドイツでは今月、19基ある原子力発電所のうち、1基目となる発電所が閉鎖された。現在同国ではエネルギーの三分の一を原子力から得ているが、今後20年のうちに全ての原子力発電所を閉鎖するという意欲的な計画を発表している。ドイツから原子力を一掃するというこの困難な政治的合意が政府と電力業界の間でまとまったのは2001年のことである。ガス、風力、太陽光などの代替エネルギーが、不足分を補うものと見込まれている。 http://www.terradaily.com/2003/031114130333.jlvf6wjx.html
ブラジルと中国の環境活動家が国連笹川賞を受賞国連環境計画(UNEP)は、地球環境に大いに貢献した者を讃えて毎年笹川賞を授与する。今年はブラジルと中国の環境活動家が同時に受賞した。デネル・ホセ・ジョバニーニは、ブラジル野生生物の違法取引を食い止める非営利活動のリーダーである。もう一人の受賞者である解振華は、中国政府の要人としてこの20年間、同国における環境保全及び持続可能な経済成長を促進してきた。
漫画ミートリックス長編シリーズ映画「マトリックス」を大胆にも風刺しているアニメである。この短い作品は、近代工業化農場経営の裏に隠された真実を暴いている。非常に面白く、詳細に調査された事実と、より健全で動物を大切にする農場への支援への呼びかけによって、知らず知らずのうちに視聴者の意識が高められるのである。 (注:視聴にはショックウェーブのソフトが必要) 推薦図書『サイエンス』誌 が「地球の現状」を連載『サイエンス』誌は、「地球の現状」と題して、8つの記事を連載。11月14日から始まったこのシリーズでは、人口、生物多様性等の環境や持続可能性に関する問題から、漁業や土壌、水、エネルギー、大気といった特定の資源についてまで、問題が幅広く検証されている。各記事にはWeb サイトと関連情報へのリンクが紹介されている。連載が終了した12月12日には、ギャレット・ハ-ディンのかの有名なエッセイ「共有地の悲劇」が、再掲載されていた。 http://www.sciencemag.org/sciext/sotp/
「パワースイッチ」レポートからの報告WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)の最近の報告は、現在及び将来の地球温暖化規制の影響によって、14の国際的な電力会社が直面する財務リスクと経済機会を分析している。 「パワースイッチ:地球温暖化規制が電力業界に与える影響」と題した同報告書は、この規制によって、最終的には、電力会社が二酸化炭素排出コストを自己負担せざるをえなくなることを明らかにし、電力資源をクリーンな燃料に切り替え、効率を高めることに積極的に取り組んでいる会社のほうが、厳しい規制に備えのない会社に比べて、コスト削減が可能であると推測している。 http://www.worldwildlife.org/news/headline.cfm?newsid=587
英国政府からの環境報告英国政府環境監査委員会(EAC)は、「環境に配慮した政府2003」(Greening Government2003)と題する報告書を発表した。EAC委員長によると、「もしイギリスが将来、持続可能な国の道を進むつもりならば、中央政府各省庁の役割が欠かせない・・。しかしながら、いずれの省庁にもこの課題に専任できる職員は殆どおらず、環境問題についての目的や数値目標も明確ではない、さらに、その活動を正しく報告することさえできないでいる」、と話している。 地域のドーナツ化を食い止めるためのガイドラインカナダのデビッド・スズキ財団が「今すぐ行動を(Driven to Action):地域のドーナツ化を止めるために」と題する報告書を発表した。同報告書は地域のドーナツ化を止めることが、結果的には大気を浄化し、健康をもたらし、気候変動を少なくし、生活の質を高めるという。この報告書には、また、地域の人々がドーナツ化現象を食い止めるのに便利な、使いやすいガイドラインもついている。 http://www.davidsuzuki.org/Climate_Change/Sprawl.asp
「問題が建物にあったとは、迂闊だった」去年、著名な建築家であるエドワード・マズリアは驚くような事実を発見した。というのは、アメリカ国内のエネルギー消費及び温室効果ガス排出のほぼ2分の1が建物に起因しているというのだ(自家用車やトラックの場合は6分の1でしかない)。この発見が契機となり、マズリアは「問題が建物にあったとは、迂闊だった」と題する報告書を書き上げ、環境問題に益々熱を入れているという。『メトロポリス』誌ではこのマズリアを紹介して、気候に優しい建築デザインをテーマに取り上げている。 http://www.metropolismag.com/html/content_1003/glo/index.html |
クレジット 原文著作権はアトキソン社(AtKisson, Inc.)に帰属しています。 日本語翻訳:小林紀子、渡辺千鶴、安藤正行、高橋直美、酒井靖一 注:ニュースレター内に記載されているリンク先は記事配信時のもので、その後のページの移動・削除には対応していませんので、予めご了承下さい。
|
| ← 前の記事 | index | 次の記事 → |

