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| ウェーブフロント・ニュースレター 第2号 (2003年7月21日発行) -Sustainability Change Agent Network (S.C.A.N.)のニュースレター- |
S.C.A.N.は、アトキソン社(http://www.AtKisson.com)が提供しています。 |
トップ・ニュース今月はトップニュースにしたいものが2つあります。良いニュースと悪いニュース……どちらから先に読むかは読者の皆さん次第です! 悪いニュース:地球温暖化の警報を鳴らす異常気象世界気象機関(WMO)による今回の発表は、最近の異常気象と地球温暖化現象を関連づける異例の報告だった。WMOは、世界の気象事象を伝えるいつもの抑制のきいた語り口とはうって変わった強い調子で、ここ数週間の間に世界各地で起きている気象と気候の記録的な異常事態を訴えたのである。 例を挙げると・・
WMOが伝えるところによると、これらの記録的な異常気象はまさに地球温暖化が引き起こすと予想されてきた事態と合致するものであり、しかも近年増加の一途をたどっている。最新の分析結果は、20世紀は、おそらく過去1,000年で北半球の気温が最も上昇した世紀であることを示している。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ0b44te0e/
良いニュース:風力発電が世界の主要なエネルギー源となる見込みアメリカのアースポリシー研究所の発表によると、世界の風力発電の可能性は、以前の予想をはるかに上回っている。これは、科学技術が進歩していること、発電コストが低下していること、利用できる風量の増大が見込めることによる。 科学技術の変革で、風力発電の価格は急落した。主要な風力サイト【訳注 風の強い一定の場所で、風力タービンが10基、20基 或いは何千基と設置される】では、1980年代初期に1キロワット時(kWh)あたりの単価が38セントだったが、今では約4セントである。最近アメリカやイギリスで結ばれている風力発電の契約では、1kWhあたり3セントで電力を供給しているが、専門家は、平均価格が将来さらに安くなることを予想している。それに対して石炭による発電の場合、アメリカでの平均単価は7セント弱である。 こうしてみると、風力発電が世界で最も急成長しているエネルギー源であり、7年間で6倍に増えて2002年には発電量が3万1100メガワットに達した、という事実は驚くに当たらない。現在、全世界の風力発電量は、ヨーロッパに住む4,000万人分の電力需要に相当する。 では、変革をリードしているのはどこの国だろうか? デンマークでは現在、電力の20%を風力発電が占め、風力発電の占める割合が世界第一位である。ドイツの風力発電能力は1万2000メガワットで世界一で、世界の風力発電能力の総計の39%を占める。イギリスでは、貿易産業省が最近、洋上風力発電所の開発を承認した。それによって、2010年までに新たに最大6000メガワットの電力を供給できる見通しで、これはイギリス国内の900万人--グレーターロンドン(ロンドン首都圏)の全住民を上回る人口--の家庭用電力を十分にまかなえる電力である。 「グリーン電力使ってますか? 電力会社の多くは、消費者が再生可能なエネルギー源の電力だけを購入できるプログラムを用意していますよ。うーん……しかし残念ですね、地球温暖化で発生したあの竜巻で風力タービンを回せればいいんですけどね」。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ1b44te0e/
時代の最先端をゆく-変革をリードする動向-オーストラリア、ビクトリア州では「グリーン・ハウス」法成立オーストラリアのビクトリア州では、2005年7月以降建てられる全ての住宅に太陽熱温水器もしくは雨水タンクの設置を義務付ける法律が成立した。さらに政府の定めた「ファイブ・スター」エネルギー基準を満たすことも義務付けられる。政府によれば、ビクトリア州の新築家屋の環境効率は、従来家屋より50%向上し、オーストラリアで最も高いものとなる。一方、業界筋は、新築家屋の値段がフル装備により約3,300オーストラリアドル引き上げられるだろうと見ている。
オーストラリアの車に燃費などの新表示オーストラリアから持続可能性を向上させるニュースがもう一つ。新型車には、燃費だけでなくCO2排出量も記載した消費者向けの新表示が貼られることになった。オーストラリアで温室効果ガス排出量増加が最も顕著なのは運輸産業である。この表示は、購入する車両の環境性能を知るのに役立つだろう。 「『持続可能性の超大国』を目指すというオーストラリア人の言葉を先月お伝えしたが、どうも彼らは本気のようだ。」 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ4b44te0e/
EU、温室効果ガス排出量取引7月2日、欧州議会は世界初の多国間での温室効果ガス排出量取引制度を創設することを承認した。2005年に施行されるこの法律は、EU域内の工場1万ヶ所からのCO2排出量に上限を割り当て、排出枠売買を認めるものである。排出枠取引市場は年間80億ユーロになることが見込まれており、世界最大の排出量取引制度となる。 「排出量取引制度は米国においてSO2(亜硫酸ガス)排出量の急激な減少をもたらし、経済的にも優れていることが立証された。EUはこの画期的な新制度に本腰をいれ始めている。」 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ5b44te0e/
水面下では-最近の持続可能な発展の深層に迫る-豊かであっても幸せとは限らない最新の報告「繁栄を定義しなおす」のなかで、イギリスの持続可能な開発委員会は、経済成長ではなく、市民の真の生活の質を改善することに専念するよう、イギリス首相に促した。報告では、GDPが上昇してもイギリス国民の生活満足度は改善されていないという明白なデータが示されている。ジョナサン・ポリット委員長は「人々が渇望している生活の質の向上や個人的な幸福は、成長に固執した発展モデルからは生まれない。豊かになっても、人々がより幸せになるわけではないことが証明されたのである」と述べた。 「2番目のリンク先のグラフをご覧あれ。百聞は一見にしかず。」 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ6b44te0e/ 波に乗る-時流を伝えるストーリー-イスラム経済会議が持続可能な開発を議題にバーレーンで2003年10月7日から9日まで開催される第5回イスラム経済金融国際会議では「イスラム諸国における持続可能な開発およびイスラム金融」が議題にのぼる。同会議では、持続可能な開発計画におけるイスラム金融機関の役割、環境の持続可能性、グローバリゼーションの影響など、イスラム諸国の経済金融問題を幅広く討議する。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ8b44te0e/
「建物解体」が材料や資金の節約に「建物解体運動」は、解体された家屋から利用可能な建築資材を回収し、資源や材料を保全しようという運動である。サンフランシスコで発表されたある報告は、起業家たちがどのようにドアや床材、窓などの資材を回収し、新築家屋に趣を与えると同時に廃棄物を減らしているかを伝えている。自治体の中には、再生資材への税金控除により運動を支援している所もある。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjJ9b44te0e/
はずれている人々-残念ながら、わかっていない人々-アメリカ、持続可能性の格付けで降格調査会社のエコム・リサーチ社(本社:ドイツミュンヘン)は、最新の先進諸国の持続可能性格付けでアメリカが順位を8つ落とし、下位2割に入ったと発表した。この2003年国別格付けレポートで、アメリカが17位から25位に順位を下げた大きな理由は、最近の人権政策や環境政策の変容にあると特定している。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKab44te0e/
「我々は、この格付けに対するアメリカ政府の公式回答を探し出すことはできなかった」。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKab44te0e/ スコットランドの企業は環境への配慮が不十分
この5年間で、企業に対する女王賞の「環境」部門を受賞した企業は、イギリス内のほかの地域が45社であるのに対し、スコットランドでは1社しかなかった。持続可能な開発に対するこの賞は、汚染を最小限に抑え、エネルギー効率を向上させた企業を表彰するものである。英国産業連盟(CBI)スコットランドのアラン・ホガース氏によれば、この結果はフェアではないという。「なぜなら、ほかの地方の人口が4,500万人であるのに対して、スコットランドの人口は500万人だからだ」。 「まあ、イングランド人は、何世紀も前にスコットランドの森林を切り払って今ではそれが「自然」だと思われている景観を作り出したわけだが、そのことや、スコットランド人から木陰も森からのインスピレーションも奪ったことで賞をもらってはいないね」。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKbb44te0e/
加速するアマゾンの森林破壊ブラジルのアマゾンでは、森林消失面積が1年間で40%急増した。政府はこの問題に対処するため、緊急対策を打ち出すと表明した。ブラジル環境省が明らかにした2002年の森林消失面積の暫定値は、ハイチ共和国の面積より若干狭い25,476平方キロメートルである。森林消失のほとんどは、採鉱、違法伐採、そしてとりわけ農地開発-その多くは大豆畑である-のための焼き払いや伐採によるものだ。 「最近、アマゾンの森林消失を招いているのはハンバーガーだけではない。今や豆腐ですらその責任の一端を担っている」。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKcb44te0e/
大波警報-進歩への脅威と障害になりかねないもの-北欧のローカルアジェンダ21にブレーキ1990年代、北欧諸国は、持続可能性に向けた地方自治体の取り組み「ローカルアジェンダ21」(LA21)の実施で世界をリードしていた。しかし、オスロ大学の研究者らによると、近年、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでその取り組みが失速してきたという。一方で、ローカルアジェンダ21の取り組みが進んでいる国もあると指摘している。例えば、デンマークはその活動のペースを維持してきたし、アイスランドが「熱心な新規参入者」として表舞台に登場してきた。1992年のリオデジャネイロの地球サミットで打ち出されたローカルアジェンダ21 は、2002年のヨハネスブルグ・サミットで引続き世界各国から支持を受けた。 「ストックホルムにある研究所から我々は、予算や人員の削減という点で、この取り組み全体が「失速」し、革新の勢いが鈍化したのを直接見て取った。しかし、中にはこうした流れに逆らって活動してきた自治体もある。従来ローカルアジェンダ21は環境目標に焦点を絞ってきたが、これらの自治体ではその焦点を拡大して、社会、健康、経済発展の課題をもっと有意義な形に統合することで、その取り組みを行っている」。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKdb44te0e/
推薦図書地球環境の動向がわかる書籍地球の持続可能性関連の動向を示す良質の報告書が最近いくつも出た。このテーマについて最新の情報を得る必要があれば、次のような書籍をあなたの本棚に加えるといい。以下、最新のものから順に列記する。
『世界の資源と環境2002-2004(概要):地球のための決断:バランス、声、力』本報告書は、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)、世界銀行、世界資源研究所(WRI、本書の発行者)のユニークな共同事業からうまれた。7月10日に発表されたこの最新刊は、良好な環境ガバナンスの重要性に着目し、世界各国の環境ガバナンスの状況を査定している。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKeb44te0e/
国連人間開発報告書20037月8日発表。開発戦略は、経済成長だけでなく、財とサービスのより公平な分配に注目しなければならないと強調する。多くの国が富の増大を享受する一方で、発展途上国54カ国(そのほとんどがサハラ以南のアフリカ)では過去10年間に平均所得が減少しているのである。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKfb44te0e/ 世界銀行『世界開発指標2003』世界銀行が開発の動向に関する1年間のデータをまとめた主要報告書(2003年4月13日発表)。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKgb44te0e/
アースポリシー研究所『エコ・エコノミー指標』レスター・ブラウン氏率いる研究所が、地球に関する最高レベルの指標を見事にまとめ上げた。(ブラウン氏はワールドウォッチ研究所の創設者でもあり、世界で最も熟練した地球の動向の観察者である。) http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKhb44te0e/
国連『地球が直面する課題、地球に与えられたチャンス:持続可能な開発における重要な動向』2002年のヨハネスブルグ・サミットに向けての準備段階で発表された。明快なグラフを示しており、環境と開発の動向の概要が即座にわかる。プレゼンテーション資料の作成に重宝する。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKib44te0e/
さらに……ワシントンの『持続可能性の実践ガイド』持続可能性とは一般論として何を意味するかを思い出したい人、あるいはその概念を他人に伝えたい人にとって役立つ入門書が、アメリカのワシントン(北西部の州。首都ではない)でまとめられた。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKjb44te0e/
『資源がもたらす呪い』(resource curse)に立ち向かう世界的な大富豪の一人であるジョージ・ソロス氏が、天然資源に恵まれた発展途上国が直面する「資源がもたらす呪い」に世界で取り組む試みについて、新聞の論説欄に興味深い論評を寄せた。このような国は、圧制的あるいは腐敗した政権が支配していたり、武力闘争のために不安定だったりすることが多い。資源を扱う企業から政府への支払いの透明性を高めることが、状況を改善する重要な方策だ。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKkb44te0e/
オランダの持続可能性と繁栄を進める努力世界の持続可能性への取り組みを先導するオランダがこれまでに行ったことについての非常におもしろく有益な読み物として、是非ともこの雑誌『アウトサイド』の特集記事を一読するといい。「地球上で最も環境に配慮した社会」になることは、経済的な損害を与えはしないのだ。この国は1990年代、経済成長率が年3.5%とヨーロッパ随一の急成長を遂げている。 http://wavefront.c.tclk.net/maabg6naaZjKlb44te0e/
持続可能性にまつわる語録「とどのつまり、将来われわれの社会を定義づけるのはわれわれが創り上げたものだけではない。壊さずに残したものでも定義されよう。」-ジョン・ソーヒル |
クレジット原文著作権はアトキソン社(AtKisson, Inc.)に帰属しています。 日本語翻訳:庄司晶子、渡辺千鶴、小野寺春香、五頭美知 注:ニュースレター内に記載されているリンク先は記事配信時のもので、その後のページの移動・削除には対応していませんので、予めご了承下さい。
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