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人口減少社会・日本の「スマート・ディクライン」戦略は?

2013年04月22日
社会
 
人口減少社会・日本の「スマート・ディクライン」戦略は?

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が3月27日に発表した「2040年までの地域別の推計人口」によると、2040年の総人口はすべての都道府県で2010 年を下回ります。いよいよ人口減少社会が顕在化してきました。これまで社会インフラや町・地域は人口増加を前提に作ってきましたが、将来の見通しにあわせて柔軟に変えていく必要があります。

こちらに発表内容の要旨があります。
www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/1kouhyo/yoshi.pdf

~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【推計結果のポイント】

○ 都道府県別の将来推計人口
1 2040 年の総人口はすべての都道府県で2010 年を下回る
・日本の総人口(外国人を含む)は長期にわたって減少が続き、2020~25 年以降はすべての都道府県で減少し、2040 年には2010 年を下回る。

2 65 歳以上人口、75 歳以上人口は大都市圏と沖縄県で大幅に増加
・65 歳以上人口、75 歳以上人口は、大都市圏と沖縄県で大幅に増加。なかでも埼玉県と神奈川県では、2040 年の75 歳以上人口が2010 年の2倍以上となる。

・2040 年に、65 歳以上人口の割合が最も大きいのは秋田県(43.8%)、最も小さいのは沖縄県(30.3%)。75 歳以上人口の割合が最も大きいのは秋田県(28.4%)、最も小さいのは東京都(17.4%)となる。

○ 市区町村別の将来推計人口
1 2040 年の総人口は、約7割の自治体で2010 年に比べ2割以上減少
・2040 年の総人口が2010 年よりも多くなる自治体は80(全自治体の4.8%)。一方、2010 年より少なくなる自治体は1,603(同95.2%)で、うち0~2割減少するのが433(同25.7%)、2~4割減少が785(同46.6%)、4割以上の減少が385(同22.9%)となっている。

2 2040 年には、65 歳以上人口が40%以上を占める自治体が半数近くに
・65 歳以上人口の割合が40%以上を占める自治体は、2010 年の87(全自治体の5.2%)から2040年の836(同49.7%)に増加。50%以上となる自治体は、2010 年の9(同0.5%)から2040 年には167 (同9.9%)まで増加する。

・0-14 歳人口の割合が10%未満の自治体は、2010 年の192(全自治体の11.4%)から2040 年の970 (同57.6%)まで増加する。

~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~~

国レベルでも自治体レベルでも、これまでの人口増加を前提とした社会インフラや町づくりを早急に変えていかなくてはなりません。

それでもまだ、多くの自治体が「それでもウチは人口増加をはかります!」と頑張ろうとして、なかなかうまくいかない(全体が上記のように減ってくるわけですから、大部分はうまくいかないわけですが)ように思われます。

「人口が多いこと=自治体として力があること」というこれまでの前提を変えていかないと、いつまでも「人口増加を前提とした町づくり」→「だから人口増加が必要だ」ということになってしまい、柔軟な政策が生まれにくいでしょう。

(この件に限らず、経済成長に対する考え方にしても、「必要」と「可能」はイコールではない、ということを不承不承ながら受け入れていくことが、これからの大きな課題・ステップになっていくと思っています)

ところで、すでに柔軟な考え方を採り入れ、「人口減少を前提として、それだからこそ創り出せる幸せで持続可能な地域」づくりに着手しているところもあります。

幸せ経済社会研究所のウェブサイトに「キーワード解説」のコーナーがあります。
http://ishes.org/keywords/

そこで採り上げた1つが「賢く小さくなっていく」考え方です。

~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スマート・ディクライン(Smart Decline)
http://ishes.org/keywords/2013/kwd_id000782.html

世界中の多くの都市で人口が減少しています。スマート・ディクラインとは、この状況を受けて都市を「賢く衰退する(smart decline)」ための都市政策のことです。

これまで多くの都市計画は「大きいことはよいことだ」という発想で行われてきました。しかしスマート・ディクラインでは、都市の縮小を否定的に捉えず、これまでの無駄遣い体質を改め、環境を重視しながら、豊かさを追求する機会と捉えます。

例えば、1950年代から人口が半減している米国ミシガン州デトロイトでは、市域の3分の1の土地が無価値になっているそうです。デトロイトではそうした土地を農業に用いる都市型農業運動が行われています。

また米国ではデトロイトの他、ヤングスタウン(オハイオ州)やクリーヴランド(オハイオ州)などでもこの考え方が実践されています。

□参考:『「都市縮小」の時代』(矢作弘著/角川書店)
http://www.amazon.co.jp/dp/4047102180/ref=as_li_tf_til?tag=junkoedahiro-22

~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

人口減少社会は、日本が世界の先陣を切って突入しますが、今後、世界的にも(このままだと)大きな問題となると考えられています。

日本にも「人口減少を前提として、だからこそ創り出せる幸せで持続可能な町づくり」を進めようとしている自治体や地域が生まれつつあるのではないでしょうか。世界にも伝えていきたいと思っています。ぜひ教えて下さい~!

 

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