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エダヒロ・ライブラリー一日一題

「パリ協定」発効! 1分間で読める"その意味と意義"

2016年11月04日

国連の世界気象機関(WMO)が「二酸化炭素(CO2)など主な温暖化ガスの世界平均濃度が2015年に過去最高を更新した」と9月24日に発表。それから約10日後の今日、10月4日、世界197カ国が参加する温暖化対策のグローバル・ルールとなるパリ協定が発効しました。

京都議定書は採択から発効まで7年余以上かかりましたが、パリ協定は去年12月のパリでのCOP21で採択されたのち1年足らずで発効という、異例の"スピード発効"でした。また、京都議定書は38の先進国・地域を対象としていたのに対し、パリ協定は、途上国も含め、世界中の197カ国・地域が対象となります。そして、京都議定書では「大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させる」ことを目的としていましたが、パリ協定は、「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える」ことを目的としています。

京都議定書では、「EUは8%、アメリカ合衆国は7%、日本は6%の削減」と国ごとにも温室効果ガス排出量の削減目標を定められていましたが、パリ協定の削減目標は各国が自主的に定めて提出することになっています。日本が提出している目標は「2030年までに2013年比26%減」です。他の主な国の目標はこちらにまとまっています。

http://jccca.org/chart/chart03_06.html

 

現時点での各国の削減目標を足し合わせても、気温上昇を2度未満に抑えることができません。そこで、5年ごとに自主目標を見直すことになっています。京都議定書の時は、日本の目標はずっと「6%削減」でしたが、今度はずっと現在の「2030年までに2013年比26%減」ではなく、どんどん高くなっていくことになります。そして、中長期的には、パリ協定を受けて定めた地球温暖化対策計画で設定された「2050年に80%削減」が、日本が世界に約束した目標になります。

これまでのように「省エネ技術や省エネ行動で少しずつ減らしていこう」では、京都議定書の6%削減はともかく、30%の削減や80%の削減にはつながりません。単なる「低炭素」でなく、「炭素激減」そして「脱炭素」のための技術や社会の仕組みが必要になってきます。そして、それらを提供できる企業や国が「脱炭素の時代」の勝者となることでしょう。

 

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